「はぁ、お腹すいたなぁ…。」
鎮守府の中をトボトボ歩いていたのは駆逐艦吹雪だ。普段は元気一杯なのに今日はなぜだか疲れた様子だ。この三時間半ほど前のことである…。
「第三管区海上保安本部より鎮守府近海に深海棲艦出現との情報あり。第十一駆逐隊は直ちに出撃せよ。」と、緊急の連絡が入ったのだ。その時吹雪は食堂で食券を買い、出そうとしていたところだった…。よって、夕食のカレーライスを食べ損ねてしまったのだ。その上夜戦で被弾大破し帰還後すぐに入梁したため、酒保間宮や鳳翔のお店は閉まってしまった。同じ部隊の白雪は自室に貯蔵していた戦闘糧食の缶入り赤飯と焼き鳥缶詰を、深雪は初雪からインスタント麺をもらって食べていた。(※深雪は叢雲の代理で出撃。)だが、吹雪の貯蔵庫はあいにく空っぽだった。そのため空腹で寝れなくなり鎮守府の中を歩いていたのだ。
「お腹すいたなぁ…。ん?この香りは??」
ふと、カレーのいい香りが風にのって流れてきた。お腹を空かせた吹雪は匂いがする方へ向かっていくとそこには提督食堂があった。ガラガラガラ…。とお店の扉を開ける。すると、
「おっ、いらっしゃい。」提督が優しく迎えてくれた。
「あ、あのお腹空いちゃって…。なにかありますか?」と、恥ずかしながら空腹を訴える吹雪。
「今日は金曜だからカレーがあるけど…食べるかい?」その言葉に吹雪は「は、はいっ!!」と返事をした。
コト…。
「お待ちどおさま。提督特製海軍カレーだ。」
「いただきます!!」
出されたそばから口へカレーを運んでいく吹雪。間宮さんが作るカレーよりちょっと辛い大人の味だが大きな馬鈴薯と人参の甘さが出ていて美味しい。また、大きく切られた牛肉も食べごたえがあって嬉しい。
「吹雪?辛くなかったか?」と、辛さについて尋ねると吹雪は「お腹が空いていたのでとても美味しいです♪」吹雪はガツガツとカレーライスを食べ続ける。その美味しい笑顔につられて食堂にいた川内や那珂達二水戦のメンバーもカレーライスを頼む。提督が作るカレーは見た目は普通のカレーライスだが、前日から仕込んでいる本格的なカレーだ。材料は海軍カレーのレシピを参考にしているが、そこにトマトの水煮と少量のインスタントコーヒーを入れている。そのため、辛さの中にトマトの甘酸っぱさが際立つ美味しいカレーなのだ。
「ふわぁ、食べた食べたぁ~ごちそうさまでした。」と吹雪。余程お腹が空いていたのかカレーライスを二杯おかわりした。
「今日は、間宮さんの金曜カレー食べ損ねちゃったけど…。提督の美味しいカレーを食べれて良かったです!」
「それは良かった。これからも頑張ってくれな!」と、提督が吹雪の頭を撫でる。
「はいっ!吹雪頑張ります!」
今回はカレーライスについて書きましたが、劇中で白雪が食べている戦闘糧食は陸上自衛隊で支給されているものをモデルにしています。私自身、縁があって戦闘糧食の一部を食べさせてもらいました。メニューは焼き鳥丼だったのですが、肉体労働をしている自衛隊だけあって薄味になれている私には…f(^^;濃かったですねぇ~けれども、実際に支給されているものを食べることが出来たので貴重な体験だと今でも思っています。
そうそう、劇中の提督特製海軍カレーはわが家のカレーライスを参考にしてみました。わが家では、隠し味にインスタントコーヒーの粉末を小さじ1杯程度入れるようにしています。また、トマトケチャップ等いろいろいれてみて、美味しいカレーを作る勉強と言うのか?そんなことをしています(笑)