ダンジョンに鉄の華を咲かせるのは間違っているだろうか   作:軍勢

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前回から1年以上空いて年末になってしまった…orz
スランプで全然書けずに放置してしまってて申し訳ございません!

今も待ってくれてる人とか居るんですかね?



第10輪

オルガの最初の冒険からひと月余りが経った。

 

最初こそ一階層で怪物の宴(モンスター・パーティ)に遭遇するという不運という一言では片付けられない様な目に遭ったが、それ以降のダンジョン探索(・・・・・・・)では特に問題は起こってはいなかった。

 

 

…そう、ダンジョン探索においては(・・・・・・・・・・・)だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘスティア・ファミリアのホームである廃教会では今、ちょっとした修羅場…の様な状況だった。

瞼をピクピクとさせ、如何にも怒ってます的な雰囲気を出すファミリアの主神である神ヘスティアに対し、現在その唯一の眷属であるオルガ・イツカは床に正座していた。

 

「さて、オルガ君…どういうことか説明してもらえるかな?」

 

瞼をピクピクとさせながら、ファミアリアの主神ヘスティアは目の前に正座をさせたオルガを見下ろ…うん、まぁギリギリ見下ろしながら問いかける。

残念なことに、圧倒的身長差の所為で目線の高さがそんな変わらないのである。

 

「どういうことかってのは、やっぱコイツ(・・・)の事か?」

「そうだよ!なんでモンスターを持ち帰ってきてるんだい!?」

 

「グギャ?」

 

ダンジョンの上層でよく出会うモンスターであるコボルトが首をかしげた。

今回の修羅場の張本人…いや張本獣?は実際分かっていないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの始まりは数時間前、日課となったダンジョン探索の最中での出来事だ。

 

 

それはここ最近狩場にしている第4階層を探索している時に起こった

 

「なんだ?モンスター同士の仲間割れ…か?」

 

視線の先には、同族である筈のコボルトに集団で襲いかかっているコボルトの集団。

モンスターが他のモンスターを襲って魔石を食べる、所謂強化種という輩なのかと思ったがどうも違う様に感じた。

仮に強化種であった場合、その強さからやられるのは襲いかかっている集団の方であるべきだからだ。

だが、目の前の光景はどうみてもやられているのは一匹の方だった。

 

…別にモンスター同士の仲間割れを見たところで「珍しいな」といった感情しかない。

人間だって時折人間同士で殺し合いをすることだってあるのだから、モンスター同士が殺し合ってもおかしくはないだろう。

 

それに、どうせ殺すのだから仲間割れをして勝手に消耗してくれるのは有難いとさえ言える事だ。

 

 

 

…だが

 

「なんか、気に入らねぇな…」

 

自分でも分からない不快感をオルガは感じた。

アレはモンスター、自分が今まで散々殺して回ってきた奴らと同じだ。

だがそれでも、目の前の光景に不快感が募る。嘗て理不尽な暴力を受けていたCGS時代の事を重ねたから?

そこまで考えて、自分が無意識に何をしようとしているのかに気が付いた

 

「ハッ、何を馬鹿な事を…」

 

モンスターを助ける(・・・・・・・・・)

 

オルガのやる事を他の冒険者が知れば、大体100人中100人が呆れるだろう。

オルガ自身も、もし仮にこの場に他に仲間がいればこんな選択など最初っから存在せずにあのコボルト含めて殲滅をしていただろう…だが、この場には自分ひとり。

 

「ま、偶には馬鹿なことの一つでもしてみるのも面白いか…?」

 

仮に問題が起こるとしてもそれは自分だけに帰結する問題、もし助けた上で襲ってきたなら何時もの様に殺して魔石を回収するだけの話になる。

そう、だからこそこれは気の迷いだ。偽善ですらないただの気まぐれだ。

 

 

そしてオルガは、止めを刺そうとしているコボルト達に向かって剣を投げつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果を言ってしまえば楽勝だった。

今更コボルト程度に苦戦する程ヤワな鍛え方をしていないし、ステイタス的にも問題ない。

態と攻撃を受け続けるという主神を怒らせる行動をしていた事もあり、頑丈さにおける成長率は他より伸びているからだ。

 

「それで、お前はどうする?」

 

一応、助けた形にはなった相手であるコボルトに声をかける。

ここで攻撃してくるようなら、速やかに頭をかち割って稼ぎの足しにするつもりである。

 

「ぐぎゃぁ…」

 

受けたダメージの所為か、ヨロヨロと立ち上がりながら不思議そうな顔をするコボルト

他のモンスター達とは違い、その目からは敵意も害意も感じられない。

ただ不思議そうにオルガを見ているだけだ。

 

その後、助けられた事を理解したのか頭を下げ始めた事にオルガは驚いた。

 

「モンスターが頭を下げるって…聞いたことねぇな」

 

それだけの知能や感情を持っている等と言う情報はオルガの知る限りなかった。

このコボルトが特別なのか、テイムされる様なモンスターってのはこんな感じなのかは分からない。

 

更にコボルトは助けられた事に、命が助かった事に安堵したのか涙まで流し始めた。

ここまで来ると最早オルガも殺す気など失せてしまって、逆にどうしたらいいか分からなくなってきた…元からどうするかなど考えていなかったが。

 

そして、どうにもボロ雑巾の様なナリをした姿にオルガはある行動に出た。

 

「はぁ…本当に、何やってんだろうな俺は」

 

貴重な回復手段であるポーションをモンスターに使うとか、いよいよ以てヤキが回ったか?と自嘲すら零れる。

本当に、今日は自分らしくない…この所口癖の様に主神(ヘスティア)から働きすぎだと言われていたが、本当に疲れているのかもしれない。

 

「ぐぎゃ?」

 

「怪我は治してやったからさっさとどっか行きな

 折角助けたんだから早々に冒険者に狩られるんじゃねぇぞ?」

 

今日はもうこのままダンジョンに潜る気分ではなくなってしまった。

変な気まぐれの事もあり、明日明後日は本気で休もうとオルガは決心した。

 

「んじゃな、あばよ」

 

次に会う時は容赦なく狩るかもしれねぇけどな。

言外にそう思いながらオルガはダンジョンの出入り口に向かって歩きだした。

 

 

 

 

…………………

 

……………

 

………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、何で付いて来てんだ?」

 

「ぐぎゃ?」

 

オルガの後を当然の様に付いてきているコボルトは、首を傾げた。

何で?と言うかのように尻尾を振りながらオルガを見るその姿は、正しく犬であった。

 

「これって…テイムした事になるのか?」

 

その後、ある種当然ではあるが受付嬢から呆れと愚痴と小言と怒りを受ける事になったオルガであった。

 




何かもう小難しい事考えんのやめだ!
その場のノリで書いてった方が私にはあってる!!

下手に細かいこと考えるとドツボに嵌る事が分かったので、もうノリで書いてきます。
ライブ感で行くぞ…って言ったら何かダメな予感しかしないけど(原作的にも)。
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