ダンジョンに鉄の華を咲かせるのは間違っているだろうか   作:軍勢

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話を組み立てるのが難しい……自分の国語力の無さが恨めしい。
そして公式、なんで色々と炎上してしまう様な発言繰り返すんですかねぇ


第1輪

目を開けると、所々傷んだ板張りの天井が見えた。

 

「どこだ……ここ?」

 

霞みがかったようなフワフワした頭ではあったが、現状を把握すべく周りを見渡した。

むき出しになった石づくりの壁や所々に使用された木製の柱、どれもこれもが見覚えの無い景色だった。

 

「うお―――ッ!ってえ!?」

 

立ち上がろうとしたが足に力が入らずそのまま顔面から落ちる事となった。

だがその代わりに眠気が吹き飛び、記憶が戻ってきた。

 

「俺は……そうだ、俺はあの時撃たれて死んだはず!?」

 

慌てて体を確認してみるが、そこには傷跡すらなかった。

 

「傷も痛みもねぇ…それにスーツにすら血の跡どころか穴も開いてねぇってどういう事だ!?」

 

混乱するのも無理はない。

アレは確実に致命傷であり、出血量からしてもあの状態から自分が助かるとは到底思えなかった。

 

幼少時から命の危機など数えるのが馬鹿らしくなる程あった。

人を殺したし、仲間も殺された。鉄砲玉紛いの扱いをされた事も一度や二度ではない。

だからこそ死と生の境界はなんとなく理解していたし、撃たれた時に自分は助からないと認識していた。

 

 

 

―――だが

 

「……いや、何で生きてるかなんて今はどうでもいい、生きてるならみんなの所に帰るだけだ。」

 

疑問も思考も全て後回し、生きているならば家族の元に帰る。

希望が見えたとは言え未だに状況は最悪。じっとしているという選択肢は最初から存在していなかった。

 

(助けてもらったってのに挨拶もしねぇですまねぇ)

 

この部屋の主に対して感謝の言葉を言わずに出て行く事に申し訳なさを感じるが、今は一刻一秒が惜しい。

全てが終わったあとで必ず挨拶に戻ろうと誓って出口に向かう。

 

オルガにとって少々低い天井を気にしながら出口と思う通路を歩いていくと唐突に行き止まりになった。

しかしよく見ると扉となっている事が分かり、押してみると少々重いが扉が動いた。

 

ズズッと石の擦る音を立てて石の扉を開けるとそこはボロボロになった建物の中だった。

 

「廃墟の隠し部屋か、確かに…犯罪者を匿うのには打って付けだな」

 

自分で言って悲しくなるが兎に角出口へと向かうことにした。

 

地面に転がっている崩れた壁の一部や椅子の残骸を避けて進んでいく。

 

 

 

そして扉の無くなった出入り口から出て……愕然とした。

 

「……何処だよ、此処は」

 

廃教会から出てみればそこは全く見覚えの無い町並みだった。

少なくともクリュセではない、寧ろあんな特徴的なバカデカイ塔がある町を自分は知らない。

 

周りも廃墟だらけだが、どれもこれもがクリュセには…いや、火星では見かけないものばかり。

 

「クソっ!マジで一体何なんだここは…まさかとは思うが地球じゃねぇだろうな」

 

それともやっぱり自分は死んでいて、ここは死後の世界だったりするのか。

不安と焦燥と疑問がオルガの中で膨らんでいく中、

 

「あっ!よかったー気が付いたみたいだね」

 

「―――ッ!?誰だ!」

 

不意に掛けられた言葉に思わず構えを取ってしまう。

そしてこの時三日月から借りていた銃が無い事に気が付いた。

気が動転していたとは言え迂闊すぎるだろと思わず自分を罵りたくなるが、その考えは声の主を見て霧散した。

 

(子供……?)

 

声の主は14、5歳程の少女と呼べる程の年齢だった。

 

しかし、その格好は少々異彩を放っていた。

髪をツインテールにして、首にリボンを着けており、服は胸元の大きく開いた白いワンピースを着ている。

……だが、何故か手袋をはめているのにも関わらず足は裸足な理由がわからない。

 

だが、オルガにとっては相手の格好よりも重大な事があった。

 

(なんだ…?見かけはどう見ても子供なのに何か違和感みてぇなモンがある)

 

目の前の少女が放つ普通の人間とは違うナニカがオルガに違和感となって感じさせている。

強いて近いものを言えばテイワズのトップであるマクマードに少し似た様なナニカだった。

 

「む、誰だとは失礼じゃない?一応倒れていた君を助けたのはボクなんだけど?」

 

「俺を……助けた?じゃあアンタが俺を此処まで?」

 

「そうだよ、ちょっとどころじゃない程に大変だったけど……」

 

その時の事を思い出したのか少し遠い目をする少女。

確かに、鉄華団の飯炊き係だったアトラと同じぐらいの背丈の少女が200はありそうなオルガを背負って移動するのは重労働以外の何者でもないだろう。

 

「恩人に失礼な真似しちまった、すまねぇ。そして礼を言わせて欲しい」

 

パンッ!と両膝に手を置き、頭を下げて謝罪と感謝の意を示すオルガ。

例え相手が年下であろうと誰であろうと受けた恩義が変わるわけではないと、筋を通す事を信条としているオルガは迷いなく目の前の少女に頭を下げた。

 

(助けてくれた事に嘘はねぇと思う、それに今はこの状況を知る為に余計な不興を買うのは得策じゃあねぇ)

 

目の前にいる少女が今の自分にとって恩人である以上に貴重な情報源であると考え冷静に努めるオルガ。

正直に言えばすぐにでも此処がどこか、鉄華団はどうなったのか、あれからどれだけ時間経ったのかを問い詰めたいとすら思っている。

 

それら全てを押し込めて一つ一つ聞いていくことにした。

 

「それとすまねぇが教えて欲しい事がある……ここは一体どこなんだ?」

 

その質問の意味に少女は疑問を浮かべながらもこの場所の事を答える。

 

「変な事聞くんだね、此処は迷宮都市オラリオだけど……」

 

「迷宮都市…オラリオ……?」

 

オルガは頭を必死に探したがそんな場所は聞いたことがなかった。

少なくとも自分の知っている限り、クリュセの周りにはそんな都市なんて無い。

 

目の前の少女がデタラメを言っているのかとも思うが、本人が嘘をついている様にはとてもではないが見えない。

寧ろ何を当然な事を言っているんだ?とキョトンとした表情をしている。

 

「ど、どうしたんだい!?そんな怖い顔して」

 

「い…いや、すまねぇが……ここは地球だったりするのか?」

 

確認と、ある種の願いを込めて聞いてみるが、

 

「何言ってるんだい?そんなの当然じゃないか」

 

返って来た答えはやっぱり自分が望んだものではなく。

分かったことは自分は地球の迷宮都市オラリオという都市で倒れていたという事実だった。

 

 

「一体…何がどうなってやがる」

 

今まで後回しにしてきた疑問も一気に吹き出し思わず頭を抱えてしまう。

 

 

 

 

 

彼はまだ知らない、この世界が自分の居た世界とは全く別の世界であることを。

 

 

 

 




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