新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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今回から少しだけ『楠芽吹(くすのきめぶき)は勇者である』の話が続きます。
ネタバレを含みますが、メインキャラは誰も出てきません。
過度な期待はしないようにお願いします。


22話 ゴールドタワー

「センケイデン?」

 

春信は女性職員からあるプロジェクトの説明中に

耳馴染みのない名を聞かされ思わず反芻(はんすう)した。

 

「ご存知ありませんか?宇夫階(うぶしな)神社の駅向かいにある改装中の高層ビル…」

 

「ああ、ゴールドタワーの事ですか」

 

「ええ、大赦内では昔からあのタワーを…」

 

「大赦内だけの呼び名など、どうでもいいでしょう。。。

で、ゴールドタワーで何が進行中だと?」

 

「あ、はい、この資料にある…」

 

女性職員の説明を聞きつつ資料に目を通す春信

 

ダンッ!

 

「馬鹿な!」

 

「ど、どうされたんですか?」

 

いきなり机を叩き、立ち上がる春信の声に驚く女性職員

 

「壁外調査、この資料は。。。」

 

「ああ、防人の少女達のデータですね」

 

「サキモリ。。。」

 

「ええ、勇者候補生たちが量産型の勇者端末を用いた戦士たち、防人です」

 

「勇者でもない少女達をあの壁外へ向かわせるなんて。。。」

 

「勇者ではないと言っても、量産型の勇者端末は使用していますし

彼女たちは候補生として訓練も積んでいます」

 

「訓練を積んだといってもこのスペックでは。。。」

 

「先のバーテックスとの戦闘では半数近くがずぶの素人である讃州中勇者部が戦ったんですよ?

もちろん、防人は戦闘力は勇者に遠く及びませんが、壁外のマグマ状の土壌でも耐えられるほど

耐火性能は上がっています、調査だけでそれほど気になされる事は…」

 

「外は星屑が無尽蔵に生み出される世界です!

そんな中を調査だけで帰ってこれる筈が!」

 

「勿論、それも対応装備が準備されています。万一、戦闘になった場合

星屑程度なら集団戦術で倒せる銃剣、攻撃を防ぐ盾を持つ者たちもいます。

32人の防人たちならきっと任務をこなせる筈です」

 

「くっ。。。」

 

(なんてことだ。。。

友奈達の頑張りがこんな形で裏目にでるなんて。。。

讃州中勇者部が無事帰ってこれたのは精霊の加護があったからだ。

それを素人でも生き残ったからと上層部が判断してしまうなんて!)

 

立ち上がり、掛けてあった上着に袖を通すとまた職員が声を上げる。

 

「どこへ行かれるつもりですか?!」

 

「決まってます、ゴールドタワーですよ」

 

「そんな、これから午後の予定が…」

 

「全てキャンセルです、これは最優先事項ですから」

 

話しながら足も止めない春信を、職員はだた(あき)れて見守るしかなかった。

ゴールドタワーに着いた春信の応対をしたのは仮面をつけた白装束の女性神官だった。

 

「ええ、確かに彼女たちは『勇者』ではありません」

 

「その『勇者』でもない少女達を壁外へ(おもむ)かせるおつもりか」

 

「彼女たちは『防人』ですから」

 

「『防人』。。。そのスペックは資料で見せて頂きました」

 

「ではお分かりでしょう」

 

仮面をつけている上、その言葉には抑揚がなく、何を思っているのか読み取れない。

 

「ええ、わかりますよ。

アレで壁外調査など無謀の極みだってことくらい」

 

「壁外調査はマグマ状の土壌採集から始まります。

戦衣(いくさぎぬ)』を(まと)わぬ『勇者』ではその熱に耐えられません」

 

「だが『防人』の纏う『戦衣』では戦闘に耐えられないでしょう。。。」

 

「危険は承知の上です、勿論彼女たちも」

 

「机上の話をしてるんじゃないです!

実際に敵と遭遇したら戦うのは何の経験もない少女達なんですよ!」

 

「誰でも最初から実戦経験豊富な者などいません。

そして彼女たちはいずれも厳しい訓練に耐えた勇者候補です」

 

「あなた達は何もわかっていない!あの化け物共と実際に対峙して戦う恐怖を!」

 

「まるで…ご自身は経験があるように仰るのですね…」

 

「ぐっ。。。」

 

思わす答えに詰まる。

春信が勇者として戦った事実は現在の記録にはない。

これでは何も知らずにただ喚いていたずらに恐怖を煽っていると思われても仕方が無いのだ。

 

「ご心配されずとも我々も彼女たちが『戦衣』で

星屑以上の相手と戦闘しないよう言い聞かせております」

 

「しかし現場では。。。」

 

「第1回調査の結果をお待ちください」

 

「くっ。。。」

(これ以上は。。。無駄か。。。)

 

言葉を遮《さえぎ》られ、この女性神官がもう自分の意見を聞く気はないのだと悟る。

現時点、春信には身を引く事しかできなかった。

 

「わかりました。。。

ですが、覚えておいてください

万一、一人でも犠牲者が出たなら。。。」

 

その言葉にも女性神官は深々と礼をするだけで何も答えはしなかった。

 




春信(以下略):短っ。。。!

mototwo(以下略):うん、ホントに短いんで今回は次の話も同時投稿だ

一つにまとめろよ、だったら。。。

まとめる文章力が無かった

ホント、だらしねぇ。。。

んで、次回予告

えっ?

奉火祭…
それは火の中へ巫女を奉げる祭り…儀式…
西暦の末期に行われたその儀式が神世紀にまた…
儀式を止めようと急ぐ春信はとある少女に思いを馳せる
「お前たちは。。。いつもそうだ。。。」
次回『新 三好春信は勇者である-楠芽吹の章-』第2回「巫女」
なぜいつも僕は出遅れる。。。

コレ、必要。。。?

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