何も考えずにお読み下さい。
「かーりーんちゃーん!」
浮かれた様子で勇者部部室へやって来た春信。
丁度、部室に鍵を閉め、帰ろうとしている夏凜と鉢合わせになった。
「うわ…今日はこっちの兄貴なのね…」
「こっちのって。。。夏凜ちゃんのお兄ちゃんは僕だけだよ~」
「わかってるわよ、そんな事。ただ…」
「ん。。。?」
「部室で久々に会った兄貴っていかにも大赦のエリートって感じだったのに…」
「なんだ?夏凜は、こういういけ好かない兄の方が良かったのか?」
「いけ好かないって自分で言うか…っていうか、いきなり切り替えないでよ!」
「夏凜がこっちの方が
「え、いや…それはそれで居心地悪いんだけど…」
「でっしょー?だから僕は僕でいるのさ~」
「うわ…ウッザい…大体、何しに来たのよ、こんな遅くに!」
「何って。。。夏凜ちゃんが僕に渡したい物があるだろうな~って思って!」
「は?何をよ?」
「またまた~今日が何の日かわかってるくせに~」
「今日?ああ、2月14日のバレンタインデーね」
「そうそう!も~、夏凜ちゃんったら焦らせちゃって~」
「いや、焦らすも何も、兄貴に渡す分のチョコなんてもう無いわよ」
「へ?」
「今日は園子と園子ちゃんの企画で一人二つずつチョコを配ったから、疲れちゃったのよ」
「ナニソレ、友チョコ?不毛な恋愛事情?修羅場?!」
「何わけ分かんない事言ってんのよ…」
「じゃあ!夏凜ちゃんも誰かに?!」
「ああ、雪花にも貰ったわよ。羨ましい?」
「そうじゃなくて!夏凜ちゃんも友奈さん以外の誰かに渡したって事?!」
「なっ!なんでそこで友奈が出てくんのよ!」
「え。。。だって~」
「だっ大体!バレンタイン狙って女の子ばっかの所に来るなんて、浅ましいわよ!」
「浅ましいって。。。」
「どうせ、男っ気が無いから僕一人でハーレム状態~
バレンタインチョコ貰い放題~とか思ってきたんでしょうけど」
「ええぇ~」
「残念だったわね、さっき言った企画のおかげで皆クタクタになってもう帰ったわよ」
「いや、皆の事は。。。」
「私もなんか疲れたから帰るとこなんだから、ハイハイ、そこどいて」
「か、夏凜ちゃ~ん」
「帰ったら鍛錬があるんだから、ついて来たりしないでよね!」
ギヌロと睨まれ、廊下にポツンと取り残された春信。
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とっぷりと夜もふけた頃
「そこのお兄さん、もう学校閉めるから、早く帰って下さいねぇ」
「ハッ!」
守衛さんに声を掛けられ意識を取り戻す春信。
「う。。。」
「はい?どうしたの?」
「うわ~ん!夏凜ちゃんのバカ~!もう、園子嬢に浮気とかしちゃうんだから~!」
妹からチョコを貰えず、わけの分からない事を叫んで泣きながら大赦へ帰る春信でした。
<俺の妹がこんなに可愛い事は誰よりも俺が知っている>
春信「あんまり男を勘違いさせるような事、しない方がいいぞ?」
園子「…」
春信「それとも。。。おまえ、俺のこと好きなの?」
園子「好きよ……」
春信「はあっ?!」
園子「好きよ…あなたの妹が、あなたを好きなくらいには」
春信「っ、そりゃどうも。。。」
(眼中無しかよ。。。)
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「。。。って、バカかぁっ!!!」
起き抜けにいきなり叫んだ春信。
「はあっ、はあっ、はあっ。。。」
夢見が悪かった様だ。
「どうした春信?居眠りしてたかと思ったら、いきなり叫んで」
どうやら『彼』の研究室で仕事中に酒盛りをしたまま、眠っていたらしい。
「な、なんで僕があんな夢を。。。あんな事言ったからバチが?」
「あんな夢ってどんな?」
「僕が中村悠○みたいな声で園子嬢と。。。」
「中村○一って、神世紀じゃほとんど誰も知らんぞ、そんな名前」
「園子嬢も声は似てるけど全然雰囲気が違って。。。」
「なんだ、そりゃ?」
「大体、夏凜ちゃんと同じくらい好きってもう、僕を大好きって事なのに!」
「大丈夫か?何言ってんだ、お前…」
「あれじゃまるで夏凜ちゃんが僕の事、眼中に無いみたいじゃないかーーっ!!」
「ああ…いつもの春信だわ、こりゃ」
「神樹様、反省してます。僕は夏凜ちゃん一筋です。神樹様反省してます。。。」
ブツブツと懺悔の言葉を繰り返す春信。
神樹様の中では今日も大赦の対バーテックス班はとっても暇です。
その頃、自室には夏凜ちゃん名義の義理チョコが届いているのですが…それはまた別のお話。