新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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第2話の続きです
数分後です
なんで今上げるかって?
それは後書きを見てください



3話 インターミッション

春信はひとしきり泣いた後、彼と共に研究室へ向かう

 

「。。。っ、あれ?お前の研究室ってこっちだったっけ?」

 

「うん、そのまえに寄る所があってな」

 

「寄り道か、お前が研究より何かを優先するなんて珍しいな」

 

「ところで…」

 

「ん?」

 

「俺が出立前(しゅったつまえ)とさっき言った事、理解してるか、春信」

 

「さっきって。。。」

 

「『どうだった?春信』って言ったろ」

 

「ああ、それが何か。。。」

 

ドサッ

 

いきなり全身から血を噴き出して倒れる春信

 

「医務室までもたなかったか」

 

「あ。。。ああ。。。」

 

訳が分からず呻く春信にしゃがみこんで話しかける

 

「やっぱり気づいてなかったんだな」

 

「どう、いう。。。」

 

「お前、あっちで戦ってるとき、ダメージ考慮してたのか?」

 

「ダメージって。。。そんなの。。。一発も。。。」

 

「食らってない訳無いだろ?」

 

「?」

 

「お前の話が本当なら、以前はずっと精霊の加護で戦ってたんだ

防御や回避が下手なんだよ、お前は

三ノ輪銀がどの程度の勇者だったのかはわからんが

一人の勇者が命を落すほどの戦いで

お前一人が参入したからって全員無傷でいられると思ったのか?」

 

「それじゃ。。。」

 

「擬似精霊システムが一応は上手く作動したようだな

そのおかげでダメージも痛みも(しばら)くは感じずに済んだんだ

他の量産型にはない、特殊機能だぞ、感謝しろ」

 

「。。。」

 

「おーい、なんか言えー」

 

指先でつつく彼を睨みつけて何か言おうとする春信

 

「し。。。」

 

「ん?なんだ?」

 

「死ぬほど痛いぞ。。。」

 

「余裕あるじゃないか」

 

「。。。」

 

「ノックしてもしも~し」

 

血まみれの頭をコンコンするが、今度こそ反応が無い

 

「しかし、このままにもできんか…」

 

彼は端末で医療班に連絡する

 

「あ、オレオレ~、急患なんだけど担架まわしてくんない?

詐欺じゃないって、春信が倒れてるんだってば

いや、すぐそこの廊下なんだけど…」

「にわかには信じがたい話だがな」

 

「ま、そうだろうさ

でも僕にはそのときの記憶と経験がある

量産型でも『声』の戻った今なら使えるかもしれない」

 

「しかし、使えたとしても

お前の使う量産型では戦力は期待できんな…」

 

「失礼な奴だな、これでも小型バーテックス相手なら万単位で殲滅したんだぞ」

 

「小型バーテックス?」

 

「ああ、なんか口だけの白い奴らさ

小型っても人間の数倍はあるし数も多い」

 

「ひょっとして『星屑』のことか…」

 

「名前なんて知らん、端末のレーダーにも赤い点以外出てなかったし」

 

「まあ、それだけの数に表示できる筈もないだろうしな」

 

「『星屑』か。。。言いえて妙だな」

 

「しかし万単位とは凄いな

西暦の末期にはあいつらの襲来で人類が滅びかけたって聞くが…」

 

「そうなのか?

あいつらの攻撃なんて噛み付きと体当たりぐらいだったからな

噛み付きは精霊ガードを越えられないし

体当たりなんて訓練を積んだ勇者なら地面につく前に体勢も整う

武器を振り回す体力が続けば誰だって勝てたと思うけどな」

 

「体力ったって、いつまでもは戦えないだろ?」

 

「そりゃそうさ、でも疲れたら結界の中に戻れば奴らは追って来れないからな」

 

「精霊ガードに結界か…」

 

「なんだ?」

 

「いや、まるで無敵チートと安全地帯、ゲーム感覚だなと」

 

「実際、あいつらなんて12星座のバーテックスに比べりゃ数が多いだけのザコだったし」

 

「春信、お前はそのチートなしでも戦えたか?」

 

「え?」

 

「精霊ガードや結界のそばって条件抜きでも戦えたかってことだよ」

 

「そりゃそうだろ、勇者の強さは敵を倒せてこそだろ」

 

「その強さも精霊なしの量産型じゃ雲泥の差だ

やはり俺はお前が勇者システムを使うのに賛成はできんな」

 

「なんだよ、今更。。。」

 

「協力はするさ、俺の研究の為でもあるからな、しかし」

 

「しかし?」

 

「今までと同じように考えてたら死ぬぞ、お前…」

(目が覚めると知らない天井が目に映った。)

(いや、以前も見たあの病室の天井。。。)

(あれ?でもあの経験は無かった事になるから初めての病室なのか。。。?)

 

自分でも混乱していると自覚しつつ、状況を確認する春信

 

「あの時なら夏凜ちゃんが僕の手を握っててくれてたんだけど。。。」

 

呟くと

 

「じゃあ、代わりに俺が握っててやろうか?」

 

ビクッ!と体を勢い良く起こし、声の主を見る

 

「~。。。!」

 

「痛くて声も出んか、無理して起きるからだ」

 

「お前が。。。」

 

「うん?」

 

「お前が気持ちの悪い事を言うからだ。。。」

 

痛む体に震えながら精一杯放った嫌味だったが

 

「そうか、俺の言葉でそれだけ元気が出たなら何よりだ」

 

本気か嫌味で言ってるのかもわからないテンションで返される

 

「目覚めて最初に見るのがお前の顔なんて最悪だ。。。」

 

「そいつはすまないな、すまないついでに」

 

「?」

 

「お前の汚い花火で汚れた白衣、弁償しろよな」

 

「お前。。。それを言う為に僕が目覚めるの待ってたのか。。。」

 

「目が覚めたら真っ先に言ってやろうと思ったからな」

 

(なんて奴だ。。。)

 

そう思っていると、部屋の隅からクスクスと笑う女の声がする

 

「?」

 

顔を向けると若い看護師が声を抑えて笑っていた

 

「すみません、お二人のやりとりがおかしかったもので」

 

(一体アレの何が面白かったのやら。。。)

 

「こんな事言ってらっしゃるけど、彼がここに運んで来てくれたんですよ?」

 

(コイツが?僕をわざわざ運んだ?)

 

「救護班を呼んだんだが、『近くで倒れた』って言ったら『自分でつれて来い』って言われた」

 

「だって、大赦内であんなに血まみれで倒れてるなんて誰も思いませんよ!」

 

「まあ、実際近かったし、事情を説明するのも面倒だったからな」

 

「その後も目が覚めるまでずっと付き添ってたじゃないですか」

 

「目覚めと共に白衣の弁償を叩きつけたら面白いかと」

 

「うん、お前はそういう奴だ。。。」

 

「仲がよろしいんですね」

 

(どこをどう解釈したらそうなるんだ、この看護師は。。。)

 

「とにかく、丸1日眠ってたんですから、ゆっくりと休息を取って下さいね

食事は後で持って来ますから」

 

(丸1日。。。ホントに暇だったんだな、コイツは)

 

彼を見ながら考えていると看護師は席を外した

その途端に本題に入る

 

「で、俺の研究成果はどうだった?」

 

(結局はそれか。。。)

 

「ああ、確かに凄かったよ。。。

これだけのダメージを一時的にとはいえ、無かった事に出来るシステム

もし戦闘中にこの状態になってたら銀の代わりに僕が死んでたかもな」

 

「何言ってんだ」

 

「あ?」

 

「代わりに、どころか共倒れだ

あっちじゃ見知らぬ勇者の死体が一つ増えて大変だったろうさ」

 

(確かにそうか。。。)

 

溜息を吐くと

 

「大体、転移前にちゃんと伝えてたのにろくにダメージ考慮してなかったお前が悪い」

 

「そうは言うが、実際に痛みもダメージも感じないんじゃ危機感も薄れるって」

 

「ふむ、そういう弊害もあるのか

精霊ガードと違って後々ダメージが来る事を考えると…」

 

(あ、完全に思考モードに入ったな)

(こうなるとコイツは周りが見えない)

(ほうっておけば研究室に戻って何かやり始めるだろう)

 

「それじゃ僕はゆっくり療養させてもらうよ。。。」

 

ベッドに横になると彼はブツブツ言いながら出て行った

翌日、また彼が病室に来る

研究について話してる間に

春信は大きなが溜息を吐いた

 

「何か欲しい物でもあるのか?」

 

「夏凜ちゃん成分が足りない。。。」

 

「妹に心配させたくないから連絡取らないって決めたのは、お前だろ」

 

「でも、寂しいんだもん!夏凜ちゃんに会いたいんだもん!」

 

「いきなり幼児退行するなよ、お前がいいなら知らせちまうぞ?」

 

「いや、それはダメ」

 

「我侭な奴だ」

 

「勇者ってのはワガママだからな!」

 

「なんだ?それは?」

 

「僕の自論だよ、以前勇者だったときに悟ったのさ」

 

「世界を救う勇者たちが我侭な小娘だらけだったら世も末だが」

 

「ん、あれ?そういうことじゃなくてね。。。」

 

「ああ、いいよ、お前なりの理屈はあるんだろうが聞かせなくて良い」

 

「少しは興味持ってくれないと()ねるぞ。。。」

 

「面倒くさい奴だな」

 

ふうっ、と溜息を吐くと鞄から何かを取り出し

トンっとベッド脇のTV棚に小さなモニターを置く

 

「?」

 

怪訝な顔をする春信をよそにスイッチを入れると

 

『おにーちゃん、ちゃんととれてるー?』

 

その声に飛び起きる春信

 

「こ、これは。。。」

 

「お前の実家の部屋から無断で持ち出したデータだ、今はこれで我慢しろ」

 

そこには春信秘蔵の『幼夏凜ちゃん映像集』がまとめられていた

 

「僕の部屋から。。。なんてことしやがるんだ。。。」

 

「ニヤけた(ツラ)で言うな、見てるこっちが恥ずかしい」

 

「しかもコレ、編集までされてるじゃねーか!」

 

「あんな馬鹿でかいデータ、そのままもって来れる訳がないだろ」

 

「編集中に変な気起こさなかったろうな?」

 

「なんだ、変な気って」

 

「コレ見たら、誰だって夏凜ちゃんに惚れちゃうだろ~」

 

「お前、気持ち悪いぞ」

 

「相変わらず表情も変えずにキツい事を言う。。。」

 

「幼女の可愛さなんて、犬猫の可愛さと同じだろ」

 

「ふーん。。。」

 

「なんだ?」

 

「いや、お前でも動物を可愛いとか思う感情があるんだなって」

 

「人の事を冷血男みたいに言うな」

 

「すまん、動物実験とか平気でしそうだって思ってた」

 

「それは平気だが?」

 

「やっぱ平気なんだ。。。」

 

愛玩動物(ペット)実験動物(モルモット)は切り分けて考える、研究者なら当然だ」

 

「僕にはよく分からん。。。」

 

「お前は勇者だからな、全部を愛せるならそのままの方がいいさ」

 

「そういうもんか。。。」

 

「しかし」

 

「ん?」

 

「会話中も一向(いっこう)にモニターから目を離さないな」

 

「『夏凜ちゃん分』を補給中だからな」

 

「『糖分』や『鉄分』みたいなもんか」

 

「僕には必要不可欠な要素だからな!」

 

「乃木園子に仕えてた一時期は忘れてたんじゃなかったっけ?」

 

「あの頃は世界が灰色だったぜ。。。」

 

「勇者部の小娘たちの事を気にして、それどころじゃ無かったようだが」

 

「ついでに園子嬢と世界の命運も気にかけてた」

 

「優先順位が無茶苦茶だな」

 

「とにかく今は目の前の夏凜ちゃんだよ~」

 

「ふうっ、これ以上は話も進められそうに無いな」

 

「帰るのか?」

 

「ああ、お前が思うほどには暇じゃないんでな」

 

「そっか」

「。。。サンキュウな」

 

「なにが?」

 

「まあ、色々と。。。

この夏凜ちゃん映像とか」

 

「いいさ、じゃあな」

 

「ああ、またな」

 

(ホントは、銀に会えた事とか、色々と感謝する事はあるんだけど。。。)

(言っても伝わらないだろうな、こんな感情)

 

 




はい、一段落です
次の時間移動までは療養中の春信
なぞの男(名前未定)とのやりとり
(うるお)いがないですね…
若い看護師はきっと美人だけど腐女子に違いない!

。。。なんでわざわざ潤いをなくす方向に設定付け足すんだよ
美人ならラブロマンスに発展させるとか考えろ

おう、春信、体はもういいのか?

こっちの俺は本文とは切り離して考えてもらわんと何もできんよ

それもそうだな、しかし大人の女性とラブロマンスとか
シスコンでロリコンの春信には苦痛でしかないだろ

だから違うっつーに

っていうかインターミッションなんでここで話す様な事は無いんだが

折角出てきたのに、不要扱いはやめて。。。

あ、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』<第2章>「たましい」観て来たよ!

おう、映画か

うむ、『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』<第2章>「たましい」をな!

う、うむ

いやー、よかったぜ『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』<第2章>「たましい」!

何かそれはフルで言わないといけない呪いでもかかってるのか?

長いタイトルってなんとなく言いたくなるよな!

いや、知らんけど。。。元気だな

まあ、空元気(からげんき)なんだけどな…

どうした?

結末は分かってるから覚悟して観に行ったんだが、それでも辛かった…

そ、そこに触れちゃうんだ?
今までわざわざ後書きでは触れないようにしてきたのに。。。

今回ばかりは客が少なくて助かった!いい年してボロボロ泣いてたから!

だから!客が少ないとかイチイチdisり入れんじゃねぇ!

あ、大丈夫

何がだよ。。。

平日の昼の部観てきたから、客が少ないのは他の映画も同じだった

え?

どした?

ゆ、優雅だな、平日の昼から映画って。。。

ん、まあそうかな?

へ、平日だと安い曜日とかもあるしな!

ああ、確かに安かったな、別にそれ狙ったわけじゃないが

いや、収入なくなるなら節約はしないと!

何言ってんだ?

だって無職のニートに成り下がったんだろ?

なんでだよ!お前じゃあるまいし!

なんだ違うのか、気を使って損した。。。

お前に気を使われるとは…

じゃあ、ちゃんと買い物はしてきたんだろな?

うーん

なんだよ?

いや、既にパンフレットは売り切れだった…

ひゃっほう!人気上場ジャン!?

買えなくて落ち込んでる人間の前で露骨に喜ぶな

日を改めればきっと買えるさ!

くっ!

他には?金余ったんだから買ったんだろな?

余ってるわけじゃないんだが…
『乃木若葉』の下巻と『勇者部所属』の原作、3冊とも買ってきた

クリアファイルは買わずか。。。

それは前に言ったろ

しかし3冊全巻か、奮発したな!

まあ、お安くないから結構迷ったけど、買ってよかった

「お安くない」とか言わなくて良いから。。。

思った以上に原作に忠実にアニメ化されてて笑う

お前の言い方に棘しか感じられないのはなんでだ?

気のせいだろ?純粋に楽しんでるぞ、俺は

しかしそうか、原作に忠実か。。。ふふふ



え?

一箇所だけ

何が?

お前の影だけ消されてた気がするな

は?

夏凜ちゃんのあの話だからてっきり出てくると思ってたんだが

えーと

買ってから原作読んだら1コマだけ影が出てたのに

おい。。。ネタバレはそこまでに。。。

やっぱ公式でもこんな扱いなんだな!お前!

うっさいわ!

ぷぷぷぷー

大体、こんな本文、前の2話に続けて出すのが普通なのになんでこんなに間空けたんだよ?

だって映画見てから何か書きたいこと出来るかもって思ったんだも~ん

それで入れる話が俺の出番カットとか。。。

はっはーん!ざまあー!

やっぱ死ね!


<番外編>

「でも本当に、どうして大赦内であんな大ケガを?」

「いやそれは。。。」

「大した事じゃない、全身から血を噴き出して貧血で倒れただけだ」

「充分、大ケガです!」

「そーだそーだ!他人事(ひとごと)だと思って適当に言うなー」

「三好さんは自分の事なんだからもっと自覚を持ってください!」

「大体、医療班には伝えたから、知ってるはずだろ?」

「えっ?話、通ってるの?!」

「じゃあ、本当だったんですか、アレ?」

「まあ、普通に考えれば信じられないってのはわかる」

「意外とアッサリ事情話したんだな。。。」

「事情って言うか、三好さんの事はわりと皆知ってますし…」
「そうですか、それではお大事に…」

「あれ?なんでいきなりよそよそしく出てったんだ?あの看護師。。。」

「そりゃそうだろ」

「?」

「妹の事、妄想しすぎて全身から血噴き出すような男とは係わり合いになりたくない」

「なんだよそれ!」

「だから医療班に言った、いいわけだよ」

「そんな人間、いるわけ無いだろ?!」

「それを信じる奴らがいるんだから、大赦ってのは面白いところだよな」

「ちょっと待て、さっき『知ってるはずだろ』って言ってたが。。。」

「もう大赦中の噂になってるぞ、『あのシスコンが全身から鼻血噴き出すほど悪化した』って」

「嘘だといってくれぇぇぇぇぇっ!!!!?」

退院後、周りの態度で本当だと知り
『アイツは悪魔だ。。。』
と本気で思う春信なのですが

それはまた別のお話
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