新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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『ゆゆゆい』誕生日イベントネタです。
3月のバースデーイベント 『花盛りの誕生日を君に』
を先にご覧いただかないと訳の分からない話になっています。



3/21 誕生日おめでとう

「私、ちょっと、みんなを捜しに行って来る!」

 

「ああああ、待ってください!

お茶! お茶を入れ直します!」

 

部室を飛び出そうとする友奈を引きとめようと、

ひなたはまだたっぷりお茶の残っている湯飲みに急須を傾ける。

 

ドボボボボボボ

 

「わあっ! 零れてるよ! 拭く物拭く物!

ディッシュ! 布巾っ!」

 

「あわあわ…みんな、早く帰って来て~」

 

慌ててこぼれたお茶を拭く物を探す友奈

水都はもうどうやったら友奈を引き止められるのかと根を上げそうになっていた。

 

「友奈さん、ティッシュではなく、ティシューです」

 

「春信さん!」「お兄さん!」「夏凜ちゃんのお兄さん!」

 

いきなりティッシュボックスを片手に現れた春信に驚く3人。

友奈生誕祭準備の為の足止めに東郷から連絡をもらっていたのだ。

 

(教えてもいない僕の端末にメール送ってくるとか、相変わらず東郷さんは怖いな。。。)

 

「あ、ありがとうございます!」

 

差し出された箱からティッシュを大量に取り出すと零れたお茶を手際よく拭き取る友奈

 

「さあ!これでみんなを捜しに行けます!」

 

そのまま部室を出て行こうとする友奈を引きとめようとひなたと水都は扉の方へ立ち塞がる。

 

「あああ、ちょっと、もうちょっと待ってください!」

 

「そ、そうですよ、ひなたさんがまた泣いてしまいます!」

 

そんな風に必死に言い訳を考え、わたわたする二人と友奈の間に春信は割って入り

 

「そう、待って下さい。このまま出て行ってもみなさんには会えませんよ?」

 

ニヤリと友奈に笑いかける。

 

「え?夏凜ちゃんのお兄さん…どうしたんですか?!」

 

「ふはーはははは!今の私は夏凜の兄などではない!

邪悪の使者ダークブレイブニンジャ春信なのだ!」

 

怪しげなポーズをとり、ノリノリで口上を上げる春信

 

「邪悪の使者ダークブレイブニンジャ春信?!

一体どういうことなの?!夏凜ちゃんのお兄さん!」

 

「ふっふっふ、どうもこうもない!

勇者の皆はこのダークブレイブニンジャが捕らえさせて貰った!」

 

「ええーーっ!?」

 

「あとは貴様、結城友奈を捕らえれば。。。

我々の勝利ら!」

 

「な、なんだってー?!」

 

「なぜでしょう…いま一瞬、若葉ちゃんがバカにされたような気がします…」

 

「いきなりどうしたんですか、ひなたさん…?」

 

ダークブレイブニンジャの言葉に苛立ちを感じるひなたと疑問符しか浮かばない水都。

 

「さあ!他の勇者を返して欲しくば、私を倒すのだな!」

 

「許さない!行くよ!」

 

そして勇者に変身しようと端末を取り出す友奈。しかし…

 

「おおっと、待て待て待て!勇者に変身するのは無しだ!」

 

「ええっ!どうして!?」

 

「このダークブレイブニンジャが操っている体は貴様の言う夏凜の兄、春信のものだからだ!」

 

「そ、そんなぁっ!」

 

「この男を傷つけずに私を倒すには生身の体で戦うしかないぞ~さあ、どうする?!」

 

「くうっ、なんて卑怯で卑劣な奴なんだ!」

 

「はっはっはっは!邪悪の使者である私には最高の褒め言葉だよ!さあ、負けを認めるか?」

 

「そんなわけない!例え変身出来なくたって、勇者は負けないんだ!」

 

「よくぞ言った。では。。。かかってくるがいい!」

 

どこからか取り出したマントを翻し、友奈を挑発すると大仰に構えるダークブレイブニンジャ

 

「はあっ!てやっ!とおっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!」

 

友奈はそんなダークブレイブニンジャに空手の技を駆使して向かって行った。

 

「無駄ぁ!無駄ぁ!無駄ぁ!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!」

 

次々と繰り出される拳と蹴りはその速度をどんどん増していく。

だがダークブレイブニンジャはほとんどその場を動かずに受け流していた。

 

「あわわわわ、一体何がどうなってるの~?」

 

「ああ…結城さん、あまり足を上げると下着が見えてしまいます…」

 

事情がつかめずにオロオロする水都とひなた

そんな二人にダークブレイブニンジャはチラリと顔を向け

 

パチッ

 

ウインクで合図を送った。

 

(ああ!お兄さん、そうか!足止めの為にお芝居を!)

 

それを見た水都はすぐさま事態を察し

 

「が、がんばってー!結城さーん!ダークブレイブニンジャなんかに負けるなー!」

 

とヒーローショーの子供のようにエールを送ったが

 

「ふんっ!」

 

ドガアッ!!!

 

「え?」

 

ひなたは春信の後ろから見事なローリングソバットを繰り出し

 

「いまだ!だだだだだだだだだだだだあっ!」

 

その蹴りでよろめいた春信を友奈は滅多打ちにしていた。

 

「あばばばばばばば」

 

「ひ、ひなたさん!なにしてるんですか!」

 

「え?どうかしたんですか、水都さん?」

 

「だだだだだだだだ」

 

「あばばばばばばば」

 

「せっかく、お兄さんが時間稼ぎしてくれてるのに、なんで邪魔したんですか!」

 

「ああ、いえ、邪魔するつもりはなかったんですが…

ウインクが気持ち悪かったので、思わず体が動いてしまいました」

 

「だだだだだだだだ」

 

「あばばばばばばば」

 

にこやかに水都に説明するひなた

 

「な、なんでそんなに爽やかな笑顔で…」

 

「だだだだだだだだ」

 

「あばばばばばばば」

 

「まあまあ、お待ちください。ちょうど東郷さんから準備が出来たとメッセージが来ました」

 

「え、あ、本当だ!結城さん!東郷さんから連絡ですよー!」

 

「だだだだだ…え?」

 

「あばばばば。。。」

 

ドシャァッ!

 

その言葉にやっと手を止め、春信を見下ろす友奈

 

「え!東郷さんから!それじゃ!」

 

「ふっふっふ。。。見事な。。。戦いだった。。。

約束どおり。。。この男と勇者たちは。。。解放。。。したぞ。。。ガクッ」

 

ボロボロになりながらも最後までダークブレイブニンジャを演じきった春信は

満足げに水都へサムズアップしていた。

 

「ああ…お兄さん、顔が原形とどめない位腫れ上がって…」

 

「そんなことより、水都さん、私たちもそろそろ向かいましょう」

 

「ええっ!お兄さんをこのまま放って置くんですか?!」

 

「春信さんなら大丈夫でしょう、さあさあ、結城さんと共に急いで、着替えて合流です!」

 

「ああっ、お兄さん、ごめんなさい…」

 

申し訳なさそうに連れられる水都へ向かい、

腫れ上がりながらもやり遂げた顔で親指を立て続ける春信なのでした。

 




今回も思いつきでいきなり書いたから、時系列は無視だよ!
前回の予告の内容は次回!
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