個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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天倉 孫治郎は野生的直感、感受性が強い。その為周囲の感情を読み取ってしまい、ダイレクトに感情が伝わってしまう。

もし、短時間で大量の負の感情を受けてしまったら・・・・・。



第20話 目覚めよ内なる力

 

観客たちの声援が響き渡る。

対峙するのは麗日お茶子と天倉孫治郎同じクラスメイトであるA組の皆はこれから始まる戦いに息を飲む。麗日はおっとりした雰囲気は無く、天倉はやや緊張しているのか深呼吸をしている。

 

 

「いよいよね。良くも悪くもドキドキする戦いが起きそうだわ。」

 

「私あんまり見たく無い・・・・。」

 

蛙吹と耳郎は麗日があの天倉にやられるのではないかと思っている。それもそのはず、天倉は敵との戦闘経験もあり、個性を使った時の天倉はまさに野獣と言っていいほどの凶暴さを持っているからだ。

 

すると峰田は天倉を応援し始めた。騎馬戦の時恨んでいたのに何故だろうとA組の全員が思っていると

 

 

「天倉ァやっちまえ!!格闘ゲームみたいに服が破れる感じでいけえええええええ!!!」

 

「クソかよ。」

 

この始末。

やはり峰田は峰田だった。いや、峰田らしいので安心はした。

すると飯田が緑谷に控え室の時に関する事を話し始めた。

 

「緑谷くん。先程言っていた天倉くん対策とは何だったんだい?」

 

そう、緑谷が麗日の為に立てた策の事だ。付け焼き刃と言っていたが緑谷のような着眼点の強い人間が立てた策に飯田は興味が湧いたのだ。

 

 

「・・・・・・・・・。」スス・・・

↑こっそりと緑谷の立てた策を盗み聞きしようとしているかっちゃん

 

 

「ん!たいした事じゃないんだけどさ。」

 

飯田の質問に緑谷は答え、その内容を伝える。

 

 

「天倉くんの戦い方は速攻で相手の弱点を突く一撃必殺の戦い方なんだ。だけど、天倉くんにはもう一つ戦闘スタイルがあるんだ。」

 

「(成る程な。)」

 

緑谷は 今日までの天倉をヒーローノート【将来の為のヒーロー分析no.13】に纏めていたのだ。

 

ちなみに今日追加されたのは

 

・天倉くんのアームロックやばい。

 

である。

緑谷は天倉について分析した事を話し続ける。

そして爆豪もこっそりと聞き続ける。

 

 

「カウンター、天倉くんは燃費の悪い個性を使わずに体術で戦う守りの戦法も持っているんだ。自身からは仕掛けずに相手を無力化させる。

言っちゃうと、かっちゃんよりも厄介な相手だ。」

 

緑谷は纏めた事を飯田に言う。すると爆豪はいきなり席を立つ。

 

 

 

「んなわけねーわ!俺の方が強いわボケ!!カス!!!」

 

 

「「!?」」

 

 

「・・・・・なんでもねぇ。」

 

 

爆豪は再び座り始める。

 

 

「と、とにかく。麗日さんの個性で天倉くんを浮かせることができれば戦いを有利に進めることが出来る!」

 

「成る程、確かに天倉くんは個性も含めて強敵だが、それはあくまで地上戦限定だ。空中戦に持っていけば麗日くんの勝率が上がるということか!」

 

2人は先程の事をなかったかのようにして話を続ける。

しかし緑谷が考えた策には一つ問題があったのだ。その問題はこれから分かる。

 

そして、

 

 

『 S T A R T !!! 』

 

 

戦いのゴングが鳴る。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

最初に動いたのは麗日だった。

麗日は低姿勢で腕を突き出すような独特な走り方を見せる。

 

逆に天倉は右手を突き出し左手を胸の前に置く。手に力を入れず麗日を迎え撃つ様な構えをしている。

 

「(個性で浮かせないと有利に戦えない。速攻で触れないと)ここで!」

 

麗日は無防備であろう腹部に触れようとする。

が、

 

「!?」

 

『おぉーーーーーっとこれは!!!』

 

天倉は突き出してきた麗日の手首を片方の手で掴み、もう片方の手を相手の肘の下に通す。

天倉が得意とする、難易度の高い関節技

 

『アームロックだーーーーーっ‼︎いきなり伝家の宝刀って最初からクライマックスじゃねぇか!!!』

 

『どう言う意味だよそれ。』

 

天倉は麗日にアームロックをかけギブアップをさせようとしているのだろう。

天倉はそのまま麗日の腕を捻ろうと・・・・

 

「!!」

 

『あ、あれ?オイ!』

 

しなかった。

天倉は急に掴んでいた手を離したのだ。

 

これは観客だけで無く生徒たちも困惑していた。もちろんA組の皆もだ。

 

「緑谷くん?天倉くんはどうして関節技を?」

 

「・・・予想があっているのなら・・・・・・・。」

 

緑谷は何かブツブツ呟いているが観客達の声によって飯田は聞き取ることができなかった。

 

 

「もういっちょ!」

 

「っ!」

 

麗日はまた天倉を触れようと手を突き出すが、天倉は突き出された手をギリギリでかわす。

そして麗日の背後に回るすると

 

ガシィッ!

 

「え?・・・・えぇーーー⁉︎」

 

『いきなりどうした天倉ァ!!腰に組みついたぞ!しかも女子の!』

 

 

すると天倉は麗日の腰に手を回したのだ。さすがの麗日もこれには驚いた。

 

「あ、天倉!?」

 

「まさか峰田と同じ思考に・・・!」

 

生徒の中に天倉の行動に誤解する者達が出てくる。そしてそれを見た峰田は

 

 

「(天倉のヤツ!けしかr羨ましい!!あ、そうだ。後でなんか技を教えてもらおう。)」

 

 

相変わらずだった。

しかし、その後の行動によって天倉が何をしようとしているか理解したのだ。

 

天倉は麗日を持ち上げブリッジの様に背を反り始めたのだ。

 

『こ、これはまさか!ジャーマンスープクレッス⁉︎いや、確かに道徳理論は捨てて置けって言ったけどそこまでするか⁉︎』

 

ジャーマンスープクレッス

 

それは相手の背後から腰に腕をまわしクラッチ(手と手を組むこと)をしてからブリッジの要領で相手を真後ろに反り投げる技である。

全身の筋力もさることながら肉体の柔軟性も必要な高難易度の技である。

 

しかしこの投げ技は、頭骨や首、頚椎、肩に背中と、体の多くの部位に大きな衝撃を与える危険な技であり、しかも床はコンクリートで出来ている為、麗日がこの技を食らってしまったら確実に不味い。

 

天倉は1発で決める気なのだろう。

 

「っ!」

 

『あっ、ちょっと!オイ!』

 

しかしまた天倉は途中で技を中断した。天倉はバックステップで麗日と距離を取る。

麗日は距離を取った天倉に再び接近する。

 

今度は連続で両手を交互に突き出す。天倉は距離を保ちつつその攻撃を回避する。

 

そして天倉は麗日の突き出された両手首を掴み、そのまま手首を締め上げる。

 

「ぐうっ!!」

 

「貰った!」

 

『おおっ!!地味だけどやっと反撃したよ!中途半端はやめてくれよな!!』

 

天倉は麗日の個性の元である手を無力化させようと カウンターで手首を狙ったのだ。

天倉は更に力を入れ、麗日の顔に苦痛の表情が浮かぶ。

 

 

 

「ちょ、ちょっと⁉︎天倉やり過ぎじゃない?麗日やばいって!」

 

「天倉・・・まさかそっちの趣味が・・・⁉︎」

 

「そうね、天倉ちゃんって個性把握テストの握力で∞《測定不能》をだしているのよね。

確かこの前、本人に素の握力を聞いたら【76kg】って言ってたけど・・・・。」

 

「「「76kg!!??」」」

 

 

その場の全員は天倉の個性無しの握力の結果を聞き、驚く。爆豪も少しだけ動揺した。

 

「なんでそんな鍛えてんだよ⁉︎」

 

「リンゴを握り潰したいからだそうよ。」

 

「「「理由がしょうもない!!??」」」

 

A組はしょうもない理由で鍛えた握力に呆れながらもその凶悪さを知る。

そしてその握力から繰り出される締め上げの威力は麗日の苦痛の表情で分かる。

 

天倉はそのまま麗日を場外へ投げ飛ばそうとする。

 

 

「っ!負けるかああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

麗日は天倉の顔面に頭突きをかます。天倉は不意な攻撃によって怯む。

更に追い打ちと言わんばかりに腹部に蹴りを入れる。すると天倉は掴んでいた麗日の両手首を離してしまう。

 

「っ!?っぐうっ⁉︎〜〜〜〜〜〜っ!!??」

 

「痛たた・・・っ!まだまだ!」

 

麗日は怯んでいる天倉に向かって再び触れようと手を突き出す。しかし、天倉も再びカウンターで迎え撃つ。

そしてまた途中で中断する。それを何度も何度も何度も繰り返される。

 

 

「ハァッ・・・ハァッ・・・どうしたの天倉くん・・・・個性は・・・使わないの・・・・・?」

 

 

「っ!・・・・・・狙っているのか?俺が"個性を使う"のを。」

 

 

麗日は天倉に挑発するように言葉をかける。麗日の体力は消耗しており、肩で息をしている状態だ。一方、天倉は徐々に焦りを見せ始めている。

 

何故だろうか。一見すると麗日が不利のように見えるが、天倉の方が押されている雰囲気が漂っている。

 

 

「緑谷くん、アレは・・・・。」

 

「うん。麗日さんは天倉くんの切り札であり、弱点でもある個性を狙っているんだ。」

 

緑谷は麗日と天倉の戦いを見て確信を得たのだ。麗日が何をしようとしているのかを。

 

「麗日さんが狙っているのは天倉くんの個性の時間切れ。

つまり麗日さんは持久戦に持ち込んでから弱ったところを浮かばせる戦法なんだ。」

 

天倉が先程から関節技を途中で中断するのも麗日の個性を恐れているからだ。

関節技はどれも相手の関節可動部を封じる技だが、体全体を使った技が多い。その為、関節技を仕掛けている途中に麗日が天倉に触れてしまえば天倉は一気に不利になるだろう。

 

「成る程な。天倉くんは麗日さんに警戒して技をかけられないのか。それは分かったが、何故天倉くんは個性を使わないんだ?天倉くんの個性ならば戦いを有利に進められる筈だが・・・・。」

 

疑問が解決されたと思うと飯田はまた新たな疑問に悩む。天倉の個性ならば直ぐに麗日を倒す事も可能かもしれない。

 

すると隣から爆豪が話に割り込んできた。

 

「アホか。少しは考えろメガネ。」

 

「なっ⁉︎アホだと!君は何故いつもいつも相手に失礼な事を・・」

 

「あのヤローはこの戦いだけじゃなくてこれからの戦いも考えていやがる。

ヤツの個性は考え無しに使うと直ぐに負けちまう程扱いにくい。もしこの試合で勝ったとならばこれから当たる奴らのことも考慮して個性の使いどころを見極めなきゃなんねぇ。

そうなると今使っちまえば次の試合に響いちまうからな。」

 

 

爆豪は天倉の個性についてある程度わかる事がある。天倉の個性は電池のように使えばバッテリーが減っていく。

しかもリカバリーガールが行うのはあくまでも治癒だ。リカバリーガールは怪我を直せてもバッテリーの容量を回復することはできない。

 

爆豪が天倉のしていることに推測した結果を言うと周りから同意の声や爆豪を見直す声が上がる。

 

「す、凄いやかっちゃん!こんな短時間で天倉くんを分析するなんて!!」

 

「確かに、天倉のこと結構気に掛けていたからな。」

 

「意外と天倉のこと心配してんだな。」

 

「爆豪ってもしかしてソッチの趣味が・・・・。」

 

 

 

「うるせぇぞ!!テメェら!!!殺すぞ!!!」

 

 

 

しかし爆豪にとってはただ鬱陶しいだけだった。そもそも天倉のことを心配していると決め付けられるのは彼にとって侮辱でしかない。

あと途中、変な方向に話が進みそうになった為声を張り上げたとも言っていいかもしれない。

 

一方で麗日と天倉は睨み合っている。

が、天倉の方がやや押されているように見える。段々と麗日のペースに入ってきているのだ。

 

天倉が麗日に先程言われた言葉。

 

個性は・・・使わないの?

 

天倉はこの試合だけでなく、もし勝利した場合の事も考え個性の使用を考慮しなければならないのだ。

 

 

━━━本当にそれでいいのか?

 

 

なのだが、天倉の心の中では幾多もの感情が渦巻く。その中でとびきり大きくなってくる感情がある。

 

罪悪感

 

麗日はこの試合で全力で戦っている。それは目の前の麗日の姿を見れば直ぐにわかる事だろう。

天倉は自身の個性の凶悪さを知っている。だからこそ、友達である麗日には使いたくないのだ。

 

いや、それを建前に天倉は逃げているのかもしれない。

 

「麗日さん・・・・なんでそこまでして・・・戦おうと・・・。」

 

「私はデクくんや飯田くん、爆豪くんと比べて弱いよ。ハッキリ言って個性を使っていない天倉くんに勝てるかどうかもわからない。だけど・・・・・!」

 

麗日は自分と天倉の実力差を知っている。今まで緑谷や飯田、天倉にも頼ろうとしてきた。

だからこそ、麗日は挑戦する。入学式初日の時、担任の相澤先生が言っていた。

 

━━全力で君たちに苦難を与え続ける

 

乗り越えるには自身の力で、皆の足を引っ張らないように。

 

 

「私も!ヒーローになるんだ!デクくんみたいに!!私だって負けられないんだ!!!」

 

彼女は叫ぶ、心の奥底から。

 

「・・・・・っ!おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

 

天倉はそれに応えるように、個性を発動した。

喉、腹の奥底から声を上げ身体に変化が起きる。

それはまるで自身の情けない行為に悔しい想いをぶちまける様に、自身の情けない姿を早く隠したいと天倉は変身する。

 

掴んだものを引き裂くであろう手、蜥蜴とは思えないような強靭な脚、外敵の攻撃から身を守る為に羽織ったような外骨格、そしてギラギラと麗日を睨む赤い瞳。

 

ここからだ。ここから彼と彼女の戦いは始まる。

 

 

『おぉーーーーーっと!!天倉がいよいよ個性を使ったーーー!女に対してソレ大丈夫なのかぁ!!!??』

 

 

「遂に個性を使った!」

 

「天倉くん、本気だな。いや、麗日くんが本気にさせたのか?」

 

観客達や実況そして生徒達がざわつき始める。

すると段々と会場が熱気に包まれ

 

ワアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!

 

と言う声が辺りから会場内に響き渡り、観客達はヒートアップする。

 

 

そして天倉が動き出す。

 

「⁉︎」

 

麗日は咄嗟にその場から飛び退く。

 

 

ズガアァ!!

 

 

するとコンクリート製の床が、麗日が先程までいた場所の床が大きく抉れていた。

もし、

麗日の体から血の気が引く。

 

「っ⁉︎一撃でコレ・・・・・!」

 

天倉は先程いた場所から一気に距離を詰め、刃状のヒレが目立つ腕を床に叩きつけたのだ。たった二つの行動で天倉の個性がどれ程のものか、麗日は天倉の強さを再確認した。

 

 

「(天倉くんは敵を相手にした時、こんなに怖い思いをすることを承知して立ち向かっていたの⁉︎・・・・・だけど、当たり前だよね。ヒーローになるんだったらこれぐらい普通だよね。)」

 

麗日は改めてヒーローがどの様な思いで敵と対峙するのか、圧倒的な力の前に立ち向かうことの恐怖を知る。

だが、麗日にまとわりつく恐怖は直ぐに追い払われた。

 

「(でも、デクくんだって、爆豪に恐れず立ち向かったんだ。私だって、デクくんのように・・・・・!)」

 

 

覚悟完了

 

 

麗日は攻めるのを止め、天倉の次の攻撃に備える。

 

そして天倉がこちらへ跳んで右腕を振りかぶる。麗日は天倉の攻撃をギリギリまで引き付ける。

 

まだ、まだだ、あと少し。

そして前へ飛び退く。先程いた場所に小さなクレーターが生まれた。瓦礫が飛び散り麗日の頰を掠め、血が少し流れる。

 

体勢を立て直し、天倉の方へ向き直る。

 

が、その場に天倉の姿は無かった。

 

「っ⁉︎何処!!」

 

麗日は辺りを見渡す。

 

正面、右、左、背後

 

 

何処にもいない。

 

いや、見ていない所が一箇所だけある。しかし、見る時間も無いだろう。

麗日はまたその場から飛び退く。

 

 

すると真上から天倉が上から落ち、脚を地面に叩きつけ地面に亀裂が走る。

 

『天倉攻め続ける!!さすがの麗日も攻撃から転じて回避に専念!って言うかコレ、ヤバいんじゃねぇの⁉︎麗日ヤバくないか⁉︎』

 

実況は天倉の怒涛の攻撃に驚くが、それを無視するかのように天倉は麗日を攻め続ける。

 

地面に爪を立てながら麗日の元へ走り、地面を刈り上げるように麗日のいた場所を削り取る。

体勢が整っていない麗日は転がるように攻撃を回避する。

だが、まだ天倉の攻撃は続く。

 

 

叩きつけ

 

引っ掻き

 

蹴り

 

殴り

 

踵落とし

 

ボディプレス

 

ハンマーナックル

 

力任せによる体当たり

 

 

一つ一つが洒落にならない程の威力を持ち、どの攻撃もつぎへ繋げるスピードも予想以上の速さだ。

麗日が触れる余裕すら無い。

 

「(速すぎる!あらかじめ避けていないと直ぐにやられる!!)」

 

 

麗日も徐々に追い詰められていく。

 

次第にコンクリート製のステージは削られ、抉られ、刈り取られ、破壊され、瓦礫が飛び散る。

そして、ステージの表面はすでに無くなっている状態となり、足場も不安定で凸凹の形となっている。

 

天倉と麗日が立っている場所は異様な形と成した。

 

 

 

『あーーー・・・え?アレってステージ・・・だよな。え?マジで?お前のクラスってマジでどうなったんだよ。人外魔境?』

 

『そんなこと俺が知るか。』

 

 

圧倒的な力による一方的な暴力。 傍から見ればタダのリンチ。

(ヴィラン)が、か弱い女の子を一方的に痛めつけている光景にしか見えない。

 

観客達は天倉と言う生徒の個性がどれ程の力を持っているのか理解しその行為に引いている。

 

 

それは学校側もそうだ。気絶する者も出てくる始末だ。

教師はこの試合を中止させようとする者も出てくるが、それは出来なかった。

 

「(どう見ても麗日が追い込まれている・・・・・が、残念ながら天倉の"個性による攻撃は1発も当たっていない"、寧ろ天倉は焦りと戸惑いがさっきから見える。逆に天倉の方が追い込まれている。)」

 

イレイザーヘッドもとい相澤消太は生徒達のことを見てきたが、その中でも気になったのが天倉孫治郎だ。

 

天倉孫治郎はA組の中で強い部類に入るだろう。しかしそれはあくまで戦闘においてだ。

天倉はクラスの中で圧倒的に精神が未熟だ。

 

観客、全生徒、教師、プロヒーロー、全国の視聴者

 

極限状態の中、相手のペースに飲み込まれ苛立ちと戸惑い、恐怖、不安、責任感

 

あらゆる感情が天倉の中で渦巻いているだろう。

恐らく、この試合で天倉が勝てる確率は約4割。個性同士の相性もあるが、精神的に天倉はそろそろ限界が近づいていることだろう。

 

それは天倉自身も感じていた。

 

麗日のペースに飲み込まれてきたと言う【焦り】

 

攻撃したくても友達に加減してしまい、当てることが出来ないと言う【戸惑い】

 

約束の為に勝たなくてはと言う【苛立ち】

 

沢山の人が見ている中で情けない所を見せたく無いと言う【責任感】

 

負けたらどうしようと言う【恐怖】

 

そして本当に自分が勝ってしまって良いのか?と言う【罪悪感】

 

幾つもの感情が彼を縛り付ける。

そして、目の前の麗日に対して勝利のイメージが遠くなる。彼の戦闘意欲が徐々に薄れていく。

 

 

 

A組はそんな様子に不思議な感覚を覚える

 

「なぁ?なんか見覚えないか?」

 

「あーー、分かる分かる。なんて言うか既視感?デジャヴを感じるよな。」

 

「どこで見たんだっけ?」

 

A組はこの光景を見た事があるのだ。それも雄英高校に入学してから直ぐにだ。

そして、思い出した。

 

「あっ!そうだよ!屋内訓練の時の緑谷と爆豪じゃね⁉︎」

 

「あーーーー、確かに。あん時の緑谷凄かったよな。」

 

屋内訓練。初めてのヒーロー基礎学で行った授業だ。その時の緑谷と爆豪が戦った時と似ていたのだ。

そのことを思い出し

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」

↑物凄い形相になっている。

 

約1名、爆豪がこれ以上にない程ムカついていた。それもそのはず、あの戦いは今まで見下していた緑谷に負け、挙げ句の果てには励まされると言う爆豪にとって屈辱でしか無い出来事だったのだ。

 

それを今正に見せられていると言うことに爆豪は怒りは徐々に有頂天に上り詰めていく。

 

「(あの野郎・・・!!何苦戦してんだ!俺が叩き潰す筈なのになんてザマ見せてんだ・・・・・!!!)」

 

爆豪は自身が必ず倒すと決めた相手の情けない姿を見て苛立ちを見せていた。

その光景はまるで自身の過去を見せられているかのように爆豪はいつも以上の怒りを見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・あ?」

 

 

爆豪だけではない、他の生徒、観客達もその声に反応する。

 

 

「お前!それでもヒーロー志望かよ!そんだけ実力差があるならさっさと放り出して場外にしろ!」

 

「そうだ!!女の子をいたぶってそんなに楽しいか⁉︎」

 

「俺たちはそんなの見たくてココに来たんじゃねぇぞ!!」

 

「お前みたいなのがヒーローであってたまるか!!」

 

「やる気がねぇならさっさと帰っちまえ!!」

 

「そうだ!帰れ!」

 

一部の観客から天倉に対しての罵倒、ブーイングが飛び交う。天倉へのアンチ・ヘイトだ。

天倉はそれに対して微動だにしない。

・・・・・・・いや、動けないのだ。天倉に周りからあらゆる感情が伝わってくる。

 

 

嫌悪 苛立ち 怒り 理不尽 愉悦

 

観客の中にはブーイングに乗じて遊び半分で天倉に罵倒を浴びせる者も出てきた。

 

 

━━━やめてくれ

 

天倉の頭に周りの感情が流れ込んでくる。さらなる負の感情が天倉に渦巻いていく。

抜け出せない。彼は徐々にその感情の渦に飲み込まれる。

 

━━━俺は頑張っているのに

 

周りからさらにブーイングが増え続ける。声を聞きたくなくても聞こえてしまう。感情を感じたくないが感じてしまう。

吐き出したい全てを投げ出しまいたいそんな感情が芽生える。

 

━━━何故だ。俺が何をした?

 

 

帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ 帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレカエレ

 

 

 

 

━━━俺が今やっていることになんの価値がある?

 

━━━俺は何のためにたたかっている?

 

 

━━━俺は本当にヒーローになりたいノか?

 

 

 

━━━オレはナゼ、ココにいる

 

 

 

 

━━━おレにソんざイするカチはあるノか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うるせぇぞ!!!テメェら!!!』

 

 

 

 

 

 

声が会場内に響き渡る。すると先程までのブーイングは一気に静かになった。

天倉はその声に聞き覚えがあった。

 

 

『おい、何やっt『さっきから帰れって言っている奴ら!テメェらこそ帰れ!試合の邪魔だ!

それとさっき遊んでいるって言ったのプロか?何年目だ?シラフで言っているなら見ている意味ねぇからテメェらも帰れ!』

 

 

「あい・・・ざわ・・先 生。」

 

天倉の口からその声の主の名前をやっとの思いで出すように言う。相澤の声によって天倉は少しだけ心に余裕が生まれるような感覚を感じる。

 

 

『天倉はここまで勝ち進んで来た相手の力を認め警戒してんだろう。例え、

周りからのプレッシャーに押しつぶされそうになっても天倉は麗日ばかりを見ていた。

例え麗日が勝つイメージが頭の中にあったとしても負けるイメージまではしていない。

本気で勝つ気があるからこそ。油断もできないんだろうが。』

 

 

 

その言葉はまるで教師である相澤が天倉に対して応援しているような、そんな意図が天倉には感じられた。

天倉はその言葉を聞き、心の奥から込み上げてくる感情をグッと我慢し、麗日へと向き直る。

 

麗日の目には光が宿っている。麗日の闘志はまだ消えていない。天倉の圧倒的な力を前に麗日は怯んでいない。

寧ろ、この圧倒的な壁を乗り越えようとしているのだ。

 

天倉は麗日の心に宿る覚悟、黄金の精神が眩しく思えた。

自身にはまだ無い、諦めない意志そして精神の強さが天倉にとって羨ましいと感じた。

 

 

「羨ましいよ・・・麗日さん・・・・。」

 

「そんな事ないよ・・・・私はただデクくんみたいに強くなりたかっただけだよ。」

 

2人はお互いに言葉を投げかける。

そして麗日はおそらく最後の行動に移す。

 

「そしてありがとう・・・・最後まで警戒してくれて・・・・・!」

 

麗日は自身の指と指をくっ付ける。麗日の個性を使う際の動作だ。

天倉は麗日の先程の台詞、行動、そして周りに違和感を覚える。

 

 

「(警戒?・・どう言う事だ?俺は麗日さんを見ていた。つまり麗日さんはわざと自分に視線を集中させた?それに何故この距離で個性を?・・・・・・・・・周囲?・・・・・・まさか!!??)」

 

 

天倉はとっさに自分の周囲を見渡す。

周りにあるのは無残にボロボロとなったステージだ。しかしその場にある筈の物が無いのだ。

 

そして天倉は何かを察したように上を向く。

 

 

そこには大量の瓦礫が宙を舞っていたのだ。それは天倉が今まで破壊してきたステージの破片だった。

麗日はコレを狙っていたのだ。天倉が個性によってステージに多大な被害を出すことを読んでいたのだ。

 

 

「これで━━━━終わりだ!!」

 

麗日は全ての瓦礫に仕掛けた個性を解除しようとする。

 

「━━させるか!!!」

 

それと同時に天倉は麗日に攻撃を仕掛ける。

 

天倉は麗日の横腹部に蹴りを入れる。麗日は天倉の蹴りをモロに食う。

麗日の表情が苦痛に歪む。

 

『は、入ったーーーーー⁉︎横っ腹に蹴りがモロに入った!!これは痛い!!たまらず麗日も・・・・・・・!?』

 

 

「━━━━━どうして・・・・何故・・・分かったの・・・・?」

 

 

麗日は天倉の蹴りを完全に"受け止めていた"。まるで来ることを予測していたかのように。

麗日は痛みで体を震わせながらも天倉に言う。

 

 

「ケホッ!・・・・・・・・天倉くんだったら・・・・・絶対に解除する前に攻撃して来るって・・・・・信じていたから・・・・・・!」

 

 

麗日は笑いながら天倉に向けて言う。その表情はまるで友達に対して送るような笑顔だった。

 

そして、やっと麗日は"天倉に触れた"のだ。

 

 

 

 

「まさか⁉︎」

 

「麗日のヤツ⁉︎」

 

「コレを待っていたのか⁉︎」

 

 

 

 

【個性 無重力《ゼログラビティ》】発動

 

 

 

「おっりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

麗日は無重力状態となった天倉を上空は投げ飛ばす。

投げ飛ばした方向には浮かせていたステージの瓦礫、破片がある。

 

 

「うっぷ・・・・・・・・・天倉くんの個性の機動力じゃあまず通用しないと思った。

だけど、足場のない空中じゃあ避けれないよね!!」

 

 

天倉は徐々に上へ上へと上がっていく。

そして、その先には瓦礫、破片が空中で待機している。

 

 

「しまっ・・・⁉︎」

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!

かああああああああああああああああああああああああつっ!!!!!!!!!」

 

 

 

【個性 無重力《ゼログラビティ》】 解除

 

 

空中に滞在していた瓦礫、破片が重力に沿って下へと落ちていく。

そして浮かんでいた天倉も下へと落ちていく。

 

天倉の目の前には瓦礫、破片の雨が迫って来る。

 

天倉の脳裏には今まで頑張ってきた記憶。頼られてきた記憶。そして約束した記憶が巡っている。

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ・・・・クソ・・・負けちゃダメなのに・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガン!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前にはコンクリート製の瓦礫の山が積もっていた。

天倉の姿は見えない。おそらく瓦礫の山に埋もれているのだろう。

 

そして、瓦礫の山の前に大きく疲労をしている麗日の姿がある。おそらく許容値限界《キャパシティオーバー》によるものだろう。

 

 

 

「ハァーッ・・・ハァーッ・・・・ハァーッ・・・・・・もしかして・・・・・本当に・・・・・私・・・・・・勝った・・・・・・?」

 

 

 

麗日の疑問に答える者はいなかった。いや、答えられる者は直ぐに現れなかったのだ。

 

 

 

『・・・・・・・・ハッ!!??・・・・・・や、やりやがったーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!??マジで⁉︎本当に・・・・・?マジか⁉︎う、麗日お茶子まさかの逆転勝利いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!???』

 

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

先程まで静まっていた会場が一気に騒がしくなる。そしてまた一段とヒートアップし、再び会場は熱気に包まれる。

 

 

「麗日さんが勝った!!しかもあんな方法で⁉︎確かに、天倉くんの個性はスタミナが長くは続かないけど、そもそも天倉くんの個性を使った戦い方は相手の死角からのヒットアンドアウェイによる戦法。正面からの堂々とした攻撃はやや単調になってしまう。対して麗日さんの個性なら触れただけでも・・・・・」ブツブツブツブツブツブツ

 

「もはやお約束だな⁉︎だが、麗日くんがあんな手を使って来るなんて!天倉くんには悪いが、麗日くんが勝てて本当に良かった。」

 

 

A組の皆も麗日の勝利を喜ぶ者がいればそして天倉の敗北に残念に思う者もいる。

 

「(・・・・クソッ!!あの野郎負けやがって・・・・あの丸顔女、麗日つったか?アイツ全然弱くねぇ・・・。)」

 

爆豪は密かに天倉の敗北に対して無意識に残念な気持ちになっていた。

 

 

「しかし、凄かったな最後のアレ。」

 

「あぁ、触れたものを浮かせる個性。ありゃ中々使えるな。」

 

「最後まで粘ったのも凄かったな。」

 

「作戦を組んだのも良かったしな。あの子是非スカウトしたいよ。」

 

「ガッツもあるし、救助活動とかで活躍しそうだな。」

 

「あぁ。しかも女子だし事務所内の雰囲気も良くなるな。」

 

「あっちの方はお前どう思う?」

 

「強いと思うが、ありゃダメだな。周りの被害を気にせず戦っていたからな。」

 

「強いと思ったんだが、勝ってくれないのか?」

 

「個性使っていた時の姿もありゃ受けないな。」

 

「強かったのに、負けやがって。もうちょい粘ってくれても良かったんじゃねぇのって思うよ。」

 

 

先程までの試合を見届けたプロヒーロー達も早速スカウトについての会話が始まりだした。

中には天倉にもう少し頑張って欲しかったという声もチラホラ聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前ら。何か勘違いしていると思うがまだ天倉が負けた訳じゃねぇからな。』

 

 

『『『!!!』』』

 

 

相澤の一言によって会場内が静まり返る。

しばらくすると色々なところで騒つき始める。

 

 

『あくまで天倉は瓦礫の山に埋もれているだけだ。まだミッドナイトは判定をしていない。』

 

 

審判であるミッドナイトが前に出ると声を張り上げ判断を下す。

 

「これから30秒以内に天倉くんが瓦礫から脱出しなければその時点で麗日さんの勝ちとします!!脱出した場合、そのまま試合続行となります!!!」

 

 

会場内はさらに騒つく。

まだやるのか?これ以上彼女は戦えるのか?という声が上がる。

 

が、当の本人は深呼吸をし、いつでも再開していいように準備をしている。

 

 

「では、カウントダウンを━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

 

 

 

 

 

 

「「「「!!!」」」」

 

 

ミッドナイトがカウントダウンを始めようとした時、瓦礫の山が僅かに動いた。

 

天倉はまだ動けるのだ。

 

そして、麗日は瓦礫の山に向かって走り出す。

 

 

「(次こそ絶対に!瓦礫の山から出てきた時に浮かせて場外に投げる!!!これで決める!!)」

 

 

麗日は瓦礫の山に接近する。およそ距離は50メートル麗日は手を伸ばし天倉に触れようと近づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━━━━━え?」

 

 

 

瞬間、瓦礫の山は"無数の棘"によって破壊される。その棘は麗日の頰を掠める。麗日はあまりの出来事に尻餅をついてしまう。

 

「━━━な、何・・・・コレ。」

 

 

『な、何だぁーーーーーーーーーー!!??瓦礫の山がいきなり針の山になっちまったぞ!!??何だこれは!!??』

 

 

あまりの事態に観客達は戸惑う。

しかし、コレを、この光景を彼らは見たことがある。

 

「これって・・・・まさか⁉︎」

 

「あの時《敵連合》と同じ⁉︎」

 

 

そして教師側もいきなりのことに驚きを隠せない。

 

『・・・・・これは・・・・。』

 

「What⁉︎何だこれは⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━ 何 だ と 思 う ?

 

 

 

 

 

 

瓦礫が破壊され土煙が舞う。そして、その中心には彼が立っていた。

 

 

━━━勝ってくれないのか?

 

━━━粘って欲しかった?

 

━━━望みどおりにしてやる

 

 

 

その場には天倉 孫治郎がヤツが立っていた。

ヤツはギチギチと口を鳴らし、威嚇するように刃状のヒレを動かす。そして目の前にいる獲物《麗日 お茶子》に狙いを定める。

 

 

さぁ、第2ラウンド始めよう。

 

 

 

 

 

目覚めよ 内なる(狂気)

 

 




闇落ちor暴走ってなんか燃えるよね。

近々番外編も投稿してみようと思っているのですがその際に活動報告の方に他作品のキャラを募集しました。

是非皆様のアイデアをいただけるとありがたいです。


誤字報告をして下さった読者の皆様
誠にありがとうございます。こんな僕の小説を見て下さっている方もありがとうございます。

アドバイス、感想等があれば下さると助かります。
そして評価の方もよろしくお願いします。
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