個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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 仮面ライダージオウのカブト編見てスランプ脱出しました。
カブトファンへのサービスがヤバかったので『笹食ってる場合じゃねぇ!』と執筆速度が一時的にクロックアップしました。
我ながらチョロいなぁ……と思う。

と言うわけで劇場版編始まります(唐突)



劇場版 令和ライダージェネレーション
第55話 人工島 Ready Go


「はぁ……!はぁ……!」

 

 

走る。走る。走る……。

足を無理矢理動かし背後から迫り来る脅威から追いつかれまいと前へと進む。裏路地へ回り込み、この場から、奴の視界から逃れる事だけを第一に走る。

 

 

「アイツは……!アイツは……!」

 

 

化け物だ。

そう心の中で自身に言い聞かせ、とにかく逃げ延びようとする。そうしなければ、助けてくれると少しでも希望を抱いてしまうからだ。あの、暴力……いや暴虐の化身はそんな慈悲など持ち合わせていない。

 

アレは罪を犯した者の前に現れる。敵にとっての死神の役割を果たすヒーローとは名ばかりの存在だ。

 

とにかく、ヤツを撒くためにもここから早く逃げださなければ

 

 

 

「 見 つ け た 」

 

 

 

 その声が耳に届いた瞬間。……いや、届く直前に自分の足は前へ出されていた。

それは紛れも無い恐怖。一歩一歩、近づいて来るのを感じる。

 

 

なんなんだ、アイツは。

ヒーローなのに、なんで、なんで、なんで、なn

 

 

 

「うるせぇな。黙ってろ」

 

 

 

 脚が鋭利なモノにより貫かれる。服の上からジワリと熱を感じ、直後激しい痛みにより悶え、腹の底から呻き声が上がる。

 

 

「黙ってろって言ったろ」

 

 

 直後、顔面に衝撃が伝わる。コンクリの壁に頭を叩きつけられたと理解するには多少時間が掛かった。辛うじて意識が向こう側へ行く事は無かった……いや、向こう側へ行く事を許さなかったが正しいだろう。

奴は自分の首を掴み殴り、蹴り、地面に叩きつける等で無理矢理、俺を目醒めさせた。

 

 

「さて、……つくづく思うが、(ヴィラン)ってのは馬鹿なのか?悪い事すりゃ捕まるってのに………」

 

 

胸倉を掴まれた状態で自分の首に冷たいモノを感じた。手刀を己の首に当てた目の前の赤は悍ましい口を開く。

 

 

「安心しろよ。最近の医療技術ってのは偉大でな。後遺症は残らずに済むってよ」

 

 

 そう呟くと、少しずつ首に刃が食い込んで行くのを感じる。赤い液体が溢れて肉が裂けていく……。恐怖で頭が回らない。何も言えない。自身が震えながら死んでいくのを感じ、目の前の存在に逆らうと言う選択肢が無くなりかけた瞬間、何か布のようなモノが赤い奴の腕に巻き付いた。

 

 

「……()()()()()、アナタは……何度同じ事を繰り返せば気が済む」

 

「……あーあ、いつもの合理的思考ってヤツだろ。ハイハイ」

 

 

 そんな事を口にするとヤツは掴んでいた手の力を緩め、自分は重力に乗って地へ落とされた。あまりの恐怖でその場から逃げだそうと脚を動かした瞬間、ヤツの腕から刃が伸び自身の首元を掠る。

 

 

「……いいか?敵はな、圧倒的な個性()の味を覚えたら、決して忘れる事は無い。また同じ事を、圧倒的な蹂躙を心の奥底からまた欲してしまう。個性は呪いだ。麻薬と同じくな……」

 

「………」

 

「大事なのは痛みを覚えさせる事だ。今後、こんな事をしたら同じ目に遭う。だから、黙っておけ……ってな」

 

 

 赤い獣が腕から剣を伸ばす。それを振るえば首が容易に飛ぶであろう全身が凶器に包まれた存在から逃げなければ、いや、殺さなければならない。

 

殺らなければ殺られる。

 

そんな考えが自身の中で決定づけられた。

 

 

「それはアナタの考えでしょう……、アンタのやってる事はヒーローの枠を超えt「あ、ああああああああああああああああああああッッ!」ッ!」

 

 

隠しておいたナイフを赤の体に突き立て─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、正解だよ。分かってんじゃねぇか。サイドキックなんてやめちまえ。お前はお前のやり方で正しいヒーローを目指すんだな」

 

「大河さん……」

 

「現場じゃヒーローネームで呼べよイレイザー……じゃ、後のこと頼んだわ」

 

 

目が霞む。全身が痛む。

ただ、分かるのは目の前に居る異形の赤。

 

 

 

アレに畏怖を覚えたと言う事だけ───

 

 

 

「身体が赤くて助かった……血の色誤魔化せる」

 

 

アレは自分の頭からその存在が刻まれ消える事は未来永劫無いと言う事だ。

 

 

 部屋の隅で震え、ソレが表舞台から消えた事に安堵してしばらく経った頃の事だ。()()()()から連絡が入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在、彼はファーストクラスプライベート用旅客機で寛いでいた。

ワイ○ァイが飛び、スマホの使用、充電可能と言う現代っ子にとっては夢のようなジェットである。

 

 そんな彼のスマホにはピロンとクラスメイト達が空港での集合写真かデカデカと写っており、これから楽しみにしている表情が印象に残る。フカフカのチェアに身を任せ目を瞑るとポツリと呟く。

 

 

 

「………どうしてこうなったんだっけ?」

 

 

 

 

事が起こるのは数日前に遡る。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「遂に……ッ!遂に……ッ!原付免許を取ったァーーーー!」

 

 

 彼の名は天倉孫治郎。言うまでもなくこの物語の主人公。

クソ雑魚メンタル兼即オチ血反吐2コマが特徴の普通の高校生である(普通とはうごごご)。

 

そんな彼だが密かに漫画(同人サークル)アシスタントのアルバイトを行い金を貯め、免許を取得したのである。

 

 

「ハーーーーッ、この時まで勉強しておいて良かったァ……」

 

 

天倉は免許を取得した達成感と安心感に浸りながら帰路に着く。

その時である(唐突)!

 

 

キキーーッ!(車のブレーキ音)

 

ガラッ!(ドアが開く音)

 

ガガガッ!(ハイエースに押し込めらる音)

 

「ヤベーぞレイプだ!」(現場を目撃した人の叫び)

 

 

 

第三者の目からはどう見ても誘拐の現場だが、そこに通りかかった謎の人物510の手により何も無かった事にされた(賄賂ですね分かります)

 

 

「……あ、あのー」

 

「着きました。降りてください」

 

「あっ、はい」

 

 

 女性を先頭に黒服に囲まれ、ビルへ入る天倉。ちなみに内心、彼は物凄くビビっていた。社会の裏側に足を突っ込んでいると言うか、どう見てもこれからヤバイ感じの実験されるモルモットの如く、又は死刑を宣告された囚人の如く、頭の血が一気に失せるのを感じる。

 

 エレベーターに乗り込み、現世での生活を走馬灯のように思い耽りながら生にしがみつく事を諦めた菩薩のような顔をした彼だったが、エレベーターの扉が開いた瞬間、驚愕を露わにした。

 

 

 

「ハッピィバァースデェイッッ!」

 

 

「………あの、誕生日はもう数日前に過ぎたんですが……」

 

「そうか、それは済まなかったね!これはお詫びの品だ、受け取りたまえッ!」

 

「どうぞ、少し遅れましたが誕生日用のケーキとなります」

 

「あ、これはどうも……」

 

「まぁ、そんなかしこまらなくても良いさ、先に座りたまえ」

 

 

 目の前にいる人物、鴻上光生はそう促し、天倉をフカフカの最高級であろうソファに座らせる。黒服に囲まれ極度の緊張状態だった彼にとってとても有り難い提案だったのか二つ返事で了承した。

 

 

「えっと……初めまして?じゃなくてお久しぶりで良いんですよね鴻上さん」

 

「そうだね、こうして正面で話すのは初めてだがね」

 

「そ、そうですね……」

 

「さぁ、ケーキを切り分けてあげようじゃないか」

 

「ありがとうございます」

 

 

 大きめに切り分けられたケーキに目を奪われながらも天倉は鴻上に疑問を投げかける。それは何故、自分が此処に連れて来られたのかと言う事である。

天倉孫治郎は自他共に認める"色々とヤベーやつ"だか、そんなに目をつけられるような事はした覚えがないと断言……できると良いなぁ。

 

とりあえず天倉自身、何か問題を起こした覚えは無いと会長に向かって呟く。するとケーキを小皿に盛りながら会長は胡散臭い笑みを浮かべ口を開く。

 

 

「なぁに、特にこれと言って大した要件では無いよ。ただ、お祝いをする。ケーキを共に食べる。それを私は望んだだけなのだよ!」

 

「……そ、そうですか?……あ、いただきます」

 

 

若干、怪しみながらもケーキを口の中に入れる天倉。

口内で広がる甘味の素晴らしさにウットリしていると「ははは」と笑いながら目の前の男性はどこから取り出したのか、新たなケーキをテーブルの上にドンと置く。

 

 

「君は…、欲望をどう捉えるかな?」

 

「むぐむぐm……欲望ですか?」

 

「その通り、人間必ずしも持つモノ。君はそれを聞いて最初にどう思った?」

 

「どうって……別に、あって良かったなってくらいですかね?欲望って言い換えれば『夢』とか『情熱』とかそーゆーモンですから」

 

「ほう……、では君はヒーローになるとして……何を求めるかな?」

 

「え、何ですか藪から棒に……。そりゃ、『力』じゃないですかね。オールマイトみたいな皆を守れる『力』」

 

 

 そう答えると鴻上光生は「ほう」と嬉しそうに呟く。その様子を見て天倉はますます怪しく思えて来る。何かを企んで……と言うか絶対に何か企んでいると勘付いたのか、この場を切り抜けようと天倉は「それじゃそろそろ家に……」とその場を立とうとする。

 

 

「里中君ッ!」

 

 

 瞬間、会長の声が響き別のソファでケーキを淡々と口にしていた女性がスーツケースから何かを取り出し天倉の側へ歩み寄ってくる。

 

 

「えっ、何?何しt「動かないでください」えっ、だから何をしtッッ痛ッたァァァァッ!?」

 

 

バチンと天倉の腕から無理矢理、レジスターが取り外される。

するとスーツケースから取り出した"何か"を痛みで悶える天倉の二の腕にグルリと回し、取り付けた。

 

 

「それは、ドクターァマキィ!からのプレゼントだよ!【ネオレジスター】!使いこなしたまえッッ!」

 

「〜〜〜〜ッ!ネ、ネオレジスター?確かに色々と違いますね」

 

 

 涙目になりながらも腕に新たに取り付けられたレジスターは、前のモノとは違い鳥の横顔を模しており内側に針が飛び出る仕組みになっていない事に天倉は安堵の表情を浮かべる。

 

 

「ところで、君にとっても有難い提案があるんだが……」

 

「え?」

 

 

 ニヤリと口端を吊り上げる男の姿を見て、ハッと気付く。先程、口にしたケーキや腕に新たに取り付けられた装置。そしてこれから出されるであろう提案。

 

 

(賄賂だこれーーーーーッッ!?)

 

 

 胡散臭さの原因がコレである。どう見てもこの流れはプレゼントと言う名の一方通行の道。

 

 

「クソッ!退路を断たれたッッ!おのれ会長めぇ……!これを見越して……!それが人間のやる事かァ!」

 

「ハハハハハッッ!ハッピィバァスデェイッッ!!!」

 

(あー、うるさ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……ッッ!こー言うんなら断っておけば良かったァァーー!」

 

 

 天倉はプライベートジェット内のチェアに何度も顔面を打ち付ける。衝撃が吸収され全く痛くは無いが、精神的には物凄く痛かった。

 

 夏休み中、轟や上鳴、緑谷達と遊ぶ約束をキャンセルした挙句「そうだよな……忙しいもんな」と轟の悲痛な声が耳に入った時は全身の穴と言う穴から凡ゆる液体がブチまかれる寸前にまで致命的なダメージが叩き出される結果となった。

加えて追撃のクラス内のL○NEアプリにて自分以外のクラスメイト達が楽しそうに会話しているのを見て心へのダメージが加速する。

 

 

「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ」

 

 

 そして仕組みは謎だが天倉はこの悔しさと切なさと心強さを何処に向ければ良いか分からず宙に浮いた状態で身体が大車輪の如く回転し湧き上がる負の感情を紛らわす事となった。

 

 

 

『私は求めるモノ……それはこの世を動かす程の強い欲望ッ!君は仮面ライダーとして、更なる力を手に入れる必要があるッッ!【I・アイランド】!そこで君は専用サポートマシンに強化されたコスチュームを調整するが良いだろう、安心してくれたまえ。旅費、免許の更新についてはコチラで全額負担しようじゃないかッッ!』

 

『専用の……サポートマシン……(ゴクリ』

 

 

 

「タイムマシンーーーッ!時空を超える力さえあればあの時の俺を殴ってでも止めていたのにーーーーーッ!」

 

 

 数日前のターニングポイント(あの時)。戻る事のない過去に縋る少年の姿は哀れ。旅客機の中で孤独な(自動操縦なので操縦士は居ない)彼の言葉は誰に届く事は無かった。

 

ちなみに両親は後日、コッソリと息子の様子を見に行くと言うのは言うまでも無いだろう。

 

 

すると彼の視界の端にチラリと目的地である人工島【(アイ)・アイランド】

 

 

 

 

 

 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

 

 

 

 

『天倉孫治郎様。誘導に従ってください』

 

「分かりました。なので、その物騒な鉄の塊を下ろしてください」

 

 

 空港にて、俺は謎の集団に遭遇し四方八方から銃口を向けられていた。何を言っているが分からねーと思うが(ry

 

え?何、どう言う事?俺、本格的に厄を払ってきた方が良いの?

と言うか何なの?この連続して不運が続くのって。俺この後、死ぬの?

 

そう心の中でボヤいていると「フッフッフゥーーッ↑」と謎の汚い高音らしき声が空港内に響く。

今度は何だろうか。と思っていると隣で銃を構えていた謎の人物が爆発四散して………ん?爆発四散!?

 

すると、空港内に現れたのはバイクに跨りコチラに向けて銃?らしきものを構えた男だった。引き金を引くたびに謎の集団は1人2人と爆発四散。

しばらくして空港内がネジや焦げた鉄の残骸だらけになる頃には男はバイクから降りコチラに手を差し伸ばして来る。

 

 

「ヒーローの登場。ショーは如何だったかな?」

 

「───」

 

「なんだ?これくらいでビビるなって、……こっちにしばらく滞在するんだろ?さっさと乗りなよ」

 

 

拝啓。日本に居るお父さん、お母さん。

もしかしたら俺は近いうちに死ぬかもしれません。なので、どうか、どうか………この後どう言葉を繋げれば良いのだろうか。

 

遺書をどう書けば良いか考えているうちに目的の場所らしき所に到着する。会長が言うには、この施設で俺はサポートマシンの取り扱い、運転の実技と筆記を並行しておかない超短期コースで免許を取得するらしい。

 

 

「会長さんから聞いてるよ。アンタのその"異能"……いや"個性"か。それに見合った装備の調整をちゃんとしてやるさ」

 

「……はい、ありがとうございます」

 

 

 ただ、まぁ。会長は"I・アイランド"にいる天才科学者の元で免許の取得をするのが条件になると言うのだ。この人は俺の装備の調整とか言っていたけど、勝手に自爆装置とか取り付けたりしないよな……?

 

 そんな一抹の不安を拭えない俺と科学者の男性は施設のエレベーターへ乗り込み19階に位置する研究室へ辿り着く。そこは……なんと言えば良いのだろうか?

 

まるで、"ぼくがかんがえたひみつのじっけんしつ"のような部屋だった。

所々には家電製品らしき物体が点在し謎の煙を発してるフラスコや、回転式の穿孔機、etc、etc……。

 

不覚にも心にキュンと来るモノばかりだ。……触りたい。

そんな俺の考えを見抜いたのか、男性は自慢気な表情を向けながら口を開く。

 

 

「ようこそ、てぇんさぁい物理学者【葛城巧】の秘密ラボへ!」

 

「うわ……」

 

「初対面の人に向かってうわってなんだよ」

 

 

 思わず声が出てしまった事に俺は咄嗟に口を手で押さえる。いや、まぁ失礼なのは承知だけど……いきなり目の前で謎のショー(過激)を見せられた人が天才を自称している。

俺の知識(アニメ、漫画限定)からは真の天才に嫉妬して名前を騙り人を実験体として扱うヤブ医者のイメージが……。

 

 

「だぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

 

 そう思っている矢先、奥から誰かの声が響いて来ると同時に何か結晶のようなモノが辺り一面にばら撒かれる。

 

まさか本当に実験体が!?

 

多少の恐怖を覚えながらも奥の方から身体中に宝石のような綺麗なモノを鬱陶しそうに払う男性が現れたのだ。

 

 

「っ痛ェな!なんだよコレ!キラキラしたもんがゴロゴロと出てきやがったぞ!……あ?誰だお前」

 

「彼の名前は天倉孫治郎。お前の後輩と同時に被験者第2号さ」

 

「やっぱり実験体⁉︎」

 

「いいや違う、君達は俺こと、てぇんッ!さぁいッ!物理学者である葛城巧の世紀の発明品を扱うに相応しいと選び抜かれたのだッ!」

 

「要は実験体だろ」

 

「何も変わって無いじゃないですかやだー」

 

「ハイハイ、静粛に。第2号君こと天倉君には俺の世紀のだぁい!はつ!めい!を見せてあげよう!……ついでにそこの筋肉にも見せてやるよ」

 

「ついでって、なんだよ」

 

 

 良い歳して口喧嘩をしている光景に少し呆れていると、床が開き奥底から赤のカラーリングのバイクが姿を現したのだ。

 

 

「バイク……ですよね?」

 

「んだ、このデザイン」

 

「その名も『ジャングレイダー』!搭乗者の細胞を読み取る事によってバイクの搭乗経験がない人でもイメージ通りに走行させることが可能なシステムを基本に外装は形状記憶合金の"BT鋼"を使用。さらにコンソールユニットに内蔵された生体コンピューター"ブレインボックス"により特殊な脳波を受け無人走行ができる以外にも後部ブースターのダッシュブーストユニットで爆発的な加速を得る事が出来るのだっ!」

 

「…あ?な、なんだよ…その『じゃんなんとか』とか『ぶれんなんとか』って…!」

 

「……馬鹿には分からないか」

 

「誰が馬鹿だ!せめて筋肉付けろよ!つーかこんなの分かる奴なんて「すっごーい!」いたーーッ!?」

 

「凄ッ!何これッ!え?乗れるの!?マジで!!こんな特殊なカウル見た事無い!しかも、この翼の造形をしたブースター!なんて素晴らしいデザインなんだッ!……全体のカラーリングを除いて」

 

 

 色が何か癪に触るが、それ以外のギミックが搭載されたこの機体には浪漫とありったけ夢が詰め込められているのが分かる。変形!人型形態への変形機構は備わっているのか!?

 

 

「最高ッでしょ?天才ッでしょ?やっぱ分かる奴には分かっちゃうかなぁーーー!……あれれ〜?こんな所に仲間外れが居るぞ?」

 

「うっせぇ!」

 

 

 筋肉の人(仮名称)は不貞腐れたようにその場で腕立て伏せを始めた。

なんで筋トレをするんだろうか……、とりあえず慰めるように俺がその場でスクワットを始めると何か通じたのかプロテインを貰った。

 

 

「なんだよ、結構俺達似たような所あんじゃねぇか。……あー!こんな所に仲間外れが居るぞ〜〜〜⁉︎」

 

「大声で一々叫ぶんじゃないよこの筋肉馬鹿!」

 

「誰が馬鹿だこのナルシスト!」

 

 

 犬猿の仲なんだなぁと察した俺はとりあえず2人を落ち着かせると葛城さんに連れられる。バイクに乗らなくて良いのだろうか?と疑問に思っていると、奥にあるカプセルのような装置に案内される。

 

 

「それじゃ、入ってくれ」

 

「いきなり人体実験⁉︎」

 

「失敬な、未来の為に研究の協力してもらうだけだ。そんなに怖がらなくて良いさ」

 

「えー、あー……それなら……」

 

 

 俺は流されるように装置の中へ入ると、そのままガラス製の蓋が閉じられる。ちょっと不安だが葛城さんに言われたとおり、あくまで研究に協力するだけだから………あれ?それ要は人体実験と変わってなくない?

 

 

「すみません、やっぱりここから出しt「それじゃ、実験開始!」えっ?いや、ちょっと怖いんd「結構、キツイけど頑張れよ」えっ?」

 

 

「あの、ちょっと⁉︎やっぱりやめてもらっても……あ、蓋が開かない⁉︎待って⁉︎なんかガスみたいなのが出てきたんですけど⁉︎ちょっと待って!やめて!助けて⁉︎いやだァッ!!出してくれぇぇ!出してぇぇぇぇええええええ!!

 

 

 

 




やめて!ガス実験でハザードレベルを上げたらただでさえ吐血しやすい天倉の身体が消滅しちゃう!
お願い、死なないで天倉!アンタが今ここで死んだら物語の主役は誰が務めるの?精神的にはまだ余裕があるからここを耐えればハザードレベルを上昇させて新たな強化形態フラグを立てられるんだから!

次回「天倉死す」。デュエルスタンバイ!

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