もし革命軍にMAがいたら(仮題)   作:偽ハシュマル

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 誰もが一度は考え付いたであろう展開…嘘ですこんな展開ではないはずです。本当はもっとこうMAは機械的なはずです。


未知との遭遇(笑)

 「やはり、純粋な力というものはいいものだな。」

  

 「?」

 

 「すまん、ただの一人言だ、気にしないでくれ。」

 

 なぜかこの上官はあのバルバトスとMAの戦いの後、悦に浸りっぱなしだった。正直、その様子を見ていると若干不安を感じる。とはいえ、この上官は普段は頭も切れるし、コロニー出身者である自分を差別することなく取り立ててくれた上、他の不遇なものたちにも希望を与えうる存在だ。きっと自分などでは及びもつかないことを考えておられるのだろう。

 

 「ああいった力こそが世界をあるべき形に戻してくれるのだ、そのためにも…っと、そういえば三日月・オーガスの容態はどうなっているのだ。まさか再起不能ということはあるまい。」

 

 「報告によりますと、あの戦いの後遺症のせいなのか下半身が麻痺をしているという話を聞きました。ただバルバトスと阿頼耶識でつながっている間だけはそれまでと変わりはなく動くことができるそうです。」

 

 「そうか、それは重畳。彼にはまだまだ働いてもらわねばならないからな。」

 

 准将はあのバルバトスのパイロットをいたく気に入っているらしい。自分からすれば何がいいのかよくわからないが、まぁあのアリアンロッドのガンダムと遭遇してからしばらく曇りがちだった准将がどことなく吹っ切れた感じになってくれているのにバルバトスとそのパイロットが関係しているのならばそれは感謝するべきことなのだろう。最もその戦いぶりは悪魔そのものとしか言いようのないものではあったが。

 とはいえ我々にはまだまだやらねばならないことがあるのだ。そのためにも准将が曇っておられては話しにならないし、バルバトス以下鉄華団の戦力もまだまだ必要であると考えるのならば今の状況はそう悪くはないのだろう。たとえそれが悪魔の力だったとしてもだ。

 

 「ただ、ガンダムバルバトスの方は損傷が激しくオーバーホールに今しばらくの時間を要するとのことです。」

 

 「それは残念なことだ。まぁ我々も準備にはまだ時間が少し必要だ、それまでに仕上がってくれていれば問題はない。」

 

 もっともその悪魔は現在は修理中だが。

 

 「今回の件の後処理はもう終わりそうだな石動。」

 

 「ええ、一時はどうなるかと思いましたが…これで我々も計画に専念できそうですね。」

 

 ようやく肩の荷が下りて今後のことを考えていこうかとしていたその矢先だった。突如少し先の岩が崩れ見覚えのある物体が現れた。その物体は間違えようのない忌々しいものだった。鳥のようなフォルム、ある種の美しさすら感じさせるそいつは先の戦いで多くの被害を出した悪夢の兵器MAそのものだった。

 

 「准将!」

 

 「MA!?もう一機いたというのか!?」

 

 不味い!これは非常に不味い!今の我々は丸腰だ。最もそうでなくてもアリアンロッドの艦隊は今回の件では肩身の狭い思いをしたのか早々に引き上げていったため残っているのは火星支部を除けば我々だけだ。おまけに頼りのバルバトスは修理中、とてもではないがここにある戦力では太刀打ちできない。

 

 「准将ここはお逃げください!せめてあなただけでも!」

 

 「しかしこの距離、どう考えても二人とも助からんぞ。」

 

 生身同然の人間などMAからすればごみ屑同然だ。准将の言うとおり二人とも助からないだろう。せめてMSさえあれば私が死ぬ気で時間を稼げるものを…今は時期が悪かった。我々ももうすぐ地球に戻るところだったのだ。そのため少しばかり浮かれていた。これはとんでもない失策だ。

 

 (これが我々の運命だというのか?糞!世界はどこまで我々を虐げれば気が済むのか!!)

 

 運命を呪いながらも訪れるであろうそのときを待つ。プルーマも集まってきた。これはいよいよどうしようもないと最期を悟るが、目の前のMAは一向に攻撃してくる気配はない。それどころか目の前のMAは信じられないような行動を取り出した。

 

 「じ、准将やつはいったい何を!?」

 

 「わ、わからん、こんなことをするMAやプルーマは歴史上には存在しなかったはず…何かの戦術か?」

 

 隣の准将もまるで何が起きたかわからないといった風だった。厄災戦にやたら詳しい准将でこれなのだから私ではどうあがいても見当もつかない

 

 (何なのだこれは!どうすればいいのだ!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今の自分の状況を説明するのにはどうしたら良いだろうか。と、俺は考えた。というよりなぜ自分の状況を折れが把握できていないという事態が起きているのだろうか。思い出せる最後の記憶は昨日の夜、布団に入ったことだ。布団に入ると理解不能な不思議空間に送られるとかマジで意味が分からん。

 前後左右上下どこを見渡しても真っ暗である。どうも目隠しをされているようだ。ついでに体が動かない。拘束されているっぽい。どういうこっちゃ。とりあえず体を動かそうそうしよう。俺は変態では無いのでそういう趣味は無い、断じてМでは無いぞ俺は。

 などといろんなことを考えてると突如明かりが見える。ただしそこは自室ではなくどこかの地中のようだった。

…おかしいな俺は地震にでも巻き込まれて地中に埋もれてしまったのか?だとしたら大変だ。

いやまて、なぜ地中にいるのにこんなにもはっきりと視界があるのだろうか。それにこの機械的な視界、例えるならば某州知事似のアンドロイドや某サイバーパンクな世界の少佐がよく目にしているような光景。

…おかしいな俺こんな高度なVR持っているはずないのだが…サンタさんからの遅すぎるクリスマスプレゼントなのかな、なーんて考える俺は相当な能天気野朗なのだろうか。だがそんな能天気野朗の目を一気に覚ます単語が俺の意識に流れ込んできた。

 

 〔エイハブリアクター問題無し、稼動可〕

 

 〔プルーマとのデータリンク問題無し、同調および起動に移行〕

 

 『ん!?』

 

 エイハブリアクターやプルーマ。意味が分からない人には何のことだかさっぱりだろうが、俺には分かる。いや悲しいかな分かってしまった。

ガンダムシリーズにはモビルアーマー(MA)という兵器がある。モビルスーツ(MS)と双璧をなす機動兵器だが、こちらは人型のものは少なく、大抵は主人公陣営と敵対しており、良くも悪くもやられ役が多いジャンルである。鉄血世界におけるMAというのは、かつて『厄祭戦』と呼ばれる戦いを引き起こした張本人であり、当時の人口の四分の一を奪った悪名高き兵器だ。

 

 さてこのMAハシュマルもそんなお約束にもれず主人公たちと敵対することになり、超硬ワイヤーブレード、腕部クロー及び運動エネルギー弾発射装置を自在に駆使し、並のMSを軽く凌駕する格闘能力、おまけにナノラミネートアーマーによる高い防弾能力を併せ持った強敵として苦戦をしいらせ、最後は主人公の身体機能の一部を犠牲にやっとの思いで破壊される末路をたどる。

 ここまでならばほかのシリーズにいてもさほど不思議ではない設定ではあるが鉄血世界MA最大の特徴はパイロットを必要としない無人兵器であるということ。しかもお粗末なAIではなく完全に自立したAIで制御され、外部からの操作を必要とせず、自ら状況を判断して行動し、補給もこなし、良心の呵責や葛藤に悩まされることなく、人類を殲滅する為の行動をとることが可能となっている実に効率的…じゃなくエレガントさの欠片も無い兵器なのだ。

 そう、これが指し示すことは俺、鉄血のオルフェンズの世界にいるんじゃね? んでなんか俺MAなんじゃね?…やばい今の俺ガチ悪役じゃん。いやそうと決まったわけではない。ついさっき寝るまで人間だった俺がMAなどとそのようなことがあろうはずが無い!

 見よ、このすらりと伸びきり鳥のように美しい手足を!見よこの禍々しくも雄雄しい尻尾をまるで最初から自分の体に生えていたみたいに自由に動かせるのだぞ!

 …うんやめようやっぱり今の俺ハシュマルと同タイプのMAだったわ。ええい考えていても仕方が無い、今が原作で言うとこのどの時期なのかを知るのが先じゃ。不覚にも体を動かしていたらいつの間にか地上に出てきてしまったしな!行け、プルーマ!忌まわしき実体験とともに!ただし人は絶対に襲うなよと念を押す。襲ってしまったら最後ギャラルホルンの物量に押しつぶされての死あるのみだ。

 

 『頼む、何とか修正がまだ効く時期であってくれ…』

 

 本来の鉄血世界では、ハシュマルは偶然採掘され放置されていたところを日曜日のたわけことイオク・クジャンの無知と不注意で目覚めてしまい、破壊の限りを尽くした末、三日月・オーガスが操るガンダムバルバトスルプスによって破壊されたはずだが、まさか俺自身が三日月と戦ったハシュマルじゃないよな…本編だと他にMAは出てこなかったし。なんてことを考えていたら早速第一村人発見!黒髪ロングの男と金髪のイケ面のコンビ着ている服は俺の記憶が正しければギャラルホルンの物だ。あれこいつらってもしかしなくても…

 

 「准将!」

 

 「MA!?もう一機いたというのか!?」

 

 やはりか!不味い!これは非常に不味い!石動君が生きて火星にいるということは自分の記憶が正しくかつこの世界が原作通りの軌跡を歩んできたと仮定したらまだこのときのマクギリスはギャラルホルンにおいても結構な地位についているので対応を一歩間違えば俺の立場は地に落ちるどころか地下に埋もれるレベルにまでなってしまう。マッキーのもう一機という言葉通りなら今の段階ではバエルも起動されておらずバルバトスも修理中であろうため、一対一で俺を倒しうる存在はガリガ…ヴィダールくらいなものではあるがことはそう単純ではない。ぶっちゃけ実もふたもない言い方をすれば最終回でやったようにダインスレイブを大気圏外からしこたま打たれればいくらこのハシュマルボディでも一たまりもないのだ。

 まったくあきれるほど有効な戦術もあるものだ…ロボットアニメの最終回でやっていい戦術では絶対にないがな!

 おっと話がそれた、今はあの二人の誤解を解くのが先だ。見よこれが俺の最終奥義だ!プルーマ君たちもほら戻ってきて挨拶挨拶。ぷるぷる、僕悪いMAじゃないよ。

 

 「じ、准将やつはいったい何を!?」

 

 「わ、わからん、こんなことをするMAやプルーマは歴史上には存在しなかったはず…何かの戦術か?」

 

おお、マッキーも石動君も唖然とした表情をしながら目を丸くしている、これは大成功だろう。少なくともこちらに対する敵意はかなり薄らいだはずだ。そうこれこそが俺の最終奥義服従の仰向けポーズだ。仰向けにねっころがりながら足をピンと伸ばし腹を見せる、無論プルーマたちも同様のポーズだ。人類史最悪の兵器としてのプライドはどうしたって?休暇とって歳星でバカンスしてるよ。

 

 「「『…』」」

 

 三者の間に微妙な空気が流れる。嘘だろこの服従のポーズは俺の最終奥義だったんだぞ!?何がいけなかった何が…っは、そういえばMAもプルーマも武装は本体に引っ付いているから武装解除ができないんだった。ついつい体がなじみすぎていて武器を手に持つという感覚が失われていた、失策!!やはりここは声に出して相互理解を深める必要があるな。ELSも言葉が話せなかったばかりに地球人との不幸な争いを誘発してしまったのだ、言葉さえ通じれば割と後は何とかなる。問題はこのMAに人間ほど、いやハロぐらいでいいからしゃべる機能があるかどうかだが、物は試し、やってみるまでだ。

 

 『私危険じゃナイ、敵じゃないヨ。トモダチになりたいだけだヨ』

 

 これも神様がくれた特典のようなものだろうか、最初から備わっていた機能なのか俺には判断できないがとにかくありがたやありがたや。しかし今度はマッキーも石動君も頭を抱え始めた。俺もこれからの対応で頭を抱えそうだった。

 




 
 ごめんなさい、鉄血世界のMAのイメージを汚してしまって…何でもしますから許してください(土下座)
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