もし革命軍にMAがいたら(仮題)   作:偽ハシュマル

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 夜中何気なくランキングを見てびっくりしました。
 この適当思いつき小説がランキングにのっているだと!?

 しかも評価とお気に入りがとんでもないことに…これ夢じゃありませんよね(困惑)


悪魔と堕天使(前編)

 マッキーがアグニカなりきりセットを手に入れてバエったり、ヴィダール仮面がガリガリ君に戻ってアグニカヲタ討伐宣言をしたり、マッキーがロリ嫁にうで刺されたり、ミカニキに生物としての格の違いをみせつけられたりいろいろあったが、ついにアリアンロッド戦の勃発だ。人を殺す覚悟はこの体が勝手に終えている

 

 さーて状況は見てのとおり悪い。単純な戦力差は二倍以上、向上心と情熱だけは溢れた若手将校を中核とする革命軍は鉄華団と一部のパイロットを除き錬度すら劣り、おまけにダインスレイヴのダメ押しに逆主人公補正とまで来たものだ。画面で見ているときはひどい戦力差だなと思っているくらいだたが、実際に対峙するとなると洒落にならないものがある。

 

 だがあくまでも《悪い》だ、勝機はまだ十分に残っている。アリアンロッドの連中はギャラルホルン内では錬度の高い組織ではあるが一騎当千のエースパイロットは少ない。

 こちらは単騎にてMA撃破という神業をやってのけたガンダムバルバトスとほぼほぼ同格の阿頼耶識マッキーwithバエル、そこにMAである俺がいるのだ。それに対抗できるのはキマリス・ヴィダールを駆るガエリオだけであろう。それに次ぐパイロットであるジュリエッタでも、補正を駆使しまくっても出来て足止めが精々だ。簡単にまとめるならばキマリスヴィダール≒レクス≒バエル≧MA>人外の壁>ジュリエッタだ。

 しかしながらエースの数がこちらのほうが多いとは言えそれだけでは地力の差を覆すことは出来ない。普通ならばだ。

 

 『マクギリス、聞こえるか?』

 

 「グザファンか。そちらの戦況も芳しくはないようだな。」

 

 『ああ、何しろ数が多すぎる、潰しても潰しても次から次へと沸いてくる。』

 

 本来イナゴの群れのように押しつぶすのが得意なのは俺のようなMAの得意分野のはずだがあいにくMAは俺一人しかいない。

 なのでまともにやってダメならば、正々堂々と戦う必要はない。ラスタル・エリオンとて革命軍に紛れ込ませた自分の手駒に、敢えて自軍に向けてダインスレイヴを発射させることで、自分達がダインスレイヴによる一斉攻撃で敵を殲滅する大義名分を得ていたが、今回は俺のようなMAがいるのでそれすら気にすることなく使うことが出来るだろう。世の中勝てば良かろうなのだ。もっともそれは俺がMAと認識されていればだが。普通は人と協力して行動するMAなんて想像できない筈だ。いまだ俺たちにダインスレイヴが放たれていないということはジャンク品をくみ上げて作られた張子の虎と思われているのかもしれない。

 まぁなんにせよ潜り込ませた兵がいるのはたぶん原作どおりだろう。そしてこの兵はたぶんダインスレイヴを持っている。もちろんこのことはマクギリスも承知済みだ。承知した上で放っておいている。正直革命軍は寄り合い所帯だ、潜り込んだ兵をいちいち探すなんてしていたら魔女裁判になりかねない。なので俺たちがとる行動は…

 

 「あのグレイズ様子がおかしいぞ…」

 

 「待て!!あいつ何をやっている!?」

 

 さて考えている間にラスタルのマッチポンプが発動したぞ。名義上革命軍が放ったダインスレイヴはアリアンロッドに小さな被害をもたらす。無論これも想定内だ。というか俺もマクギリスもこの瞬間を待っていたのだ。

 

 「あのグレイズに続いてこちらもダインスレイヴを放て。」

 

 「了解」

 

 革命軍の一部の部隊がファリド家所有のハーフビーク級から出てくる。こいつらはマクギリスが直接選んだ部隊で内密に用意したダインスレイヴを装備させている。これは俺とマクギリスの相談の結果だ。相手が無理やりこちらにダインスレイヴを使わせようというのならばその状況を利用させてもらう。

さておかわりの味はいかがかね?

 

 「エリオン公!革命軍が再度ダインスレイヴを使用!!」

 

 「何、確かか!?(確か潜り込ませたダインスレイヴは一つだったはず!?)こちらも反撃準備、ダインスレイヴ隊を急がせろ!」

 

 「了解!」

 

 「フ、アリアンロッドの連中は姦計によりこちらがダインスレイヴを放ったことにするだろう。ならばこちらも打つ。一発でも打ったことにされればもう関係ないだろう。ラスタル・エリオン自らの策を利用される気分はどうだ?」

 

 アリアンロッド、革命軍両者の間でダインスレイブが飛ぶ、それは双方に少なくない被害をもたらしたのだが、戦況はいまだ地力で勝るアリアンロッドが優勢だ。だがマクギリスはその状態でも冷静さを保ったままだった。

 

 「さすがに数の差は大きいな。だが、数だけでは計れない力というものもある。さぁグザファン、こちらは契約を果たしたぞ。次はお前の番だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダインスレイヴの脅威にさらされるのは革命軍だけではない、最前線の鉄華団も同様だ。

 

 「名瀬の兄貴をやったやつか!?全員衝撃に備えろ!!」

 

 「流星隊散開しろ!」

 

 「いや待て、シノ下手に動くな。というかグザファンの近くに寄れ」

 

 「あぁ!?何でだ!!あれはやばすぎるぜオルガ、早くばらけねぇと!」

 

 オルガの言葉に対しシノはこの状況では至極まっとうなことを言う。確かに普通ならばそうするだろう。だが、下手にここを離れられたら後々困るのだ。

 

 『まぁ見ておけ。』

 

「何か狙いがあるんだな。いいだろうお前に任せる。全員聞いたか?オルガの言葉通りグザファンに近づけ!」

 

 『感謝する昭宏。』

 

 「昭宏とオルガがそういうなら…聞いたかオメェら全員まとまれ!」

 

 昭宏ナイス進言!鉄血のMSは遠距離攻撃に対する意識が極端に低い。これもナノラミネートアーマーの弊害だろう。だがそれは敵も同じだ。見せてやろうダインスレイヴの欠点を…

 

 「任せたぞグザファン。シノお前はいったん船に戻れ、フラウロスにあれを取り付ける。」

 

 「ああ、俺のスーパーギャラクシーキャノンだな、了解!」

 

 フラウロスもこちらに近づいてきた。そしてやはりやってきたかダインスレイヴ隊、MAの目を持ってすればよーく見えるよ。当たり前だがマクギリスが準備したものより数が多いな。だが、元の数より増えたわけではない、そして今やつらの狙いは目下の恐怖である革命軍サイドのダインスレイヴ隊だ。むしろ原作よりもこちらを狙ってきている数は少ないとすらいえる。

 

 『数はそれなりにいるな…だが被害を減らすことは出来るはずだ。オルガ聞こえているな、俺の砲撃と共に敵の旗艦に向かう。』

 

 「ああ、予定通りな!」

 

 俺はMAの鳥で言うならば嘴にあたる部分を開き、この世界ではほぼ絶滅した兵器を開帳する。そう、鉄血視聴者ならば誰もが知るあのハシュマルと同じビーム兵器だ。その力が再び日の目を見ることとなり莫大なエネルギーの塊がダインスレイヴ隊を突如として襲う。それと同時にイサリビとホタルビは作戦(原作)通りに敵旗艦へと向かう。前もって計画していたおかげで動きはスムーズだ。

 

 「ダインスレイヴ隊十一番機!遠方からの砲撃によりダインスレイヴ損傷!」

 

 「こ、これは…ビーム兵器だと!?被害は!?」 

 

 「機体は無事ですがダインスレイヴの損傷は無視できません、再使用には時間がかかるかと」

 

 遠距離攻撃に慣れておらずしかもこちらの攻撃は何よりも早い。おまけにダインスレイヴ隊はその特性上前方に障害物がないことを前提として放たれることが多い。逆にこちら側鉄華団サイドは最前線で戦ってきているため前方には敵しかいない。その敵も自軍のダインスレイヴによる巻き添えを恐れて全員退避している。つまり遮るものが何もない。

 だがこれで終わりではない。

 

 「十番機、五番機、八番機も続いて負傷!!被害増大!」

 

 「糞!回避だ、回避!!」

 

 「無理です!敵の攻撃は早く狙いは正確、ですがこちらは…」

 

 「何てことだ、武器が仇となるとは!?」

 

 鉄血MAのビームはそれなりの照射時間があり一度の砲撃で何機かの敵を焼くことが出来る。おまけに向こうは武装のせいで機動性は最低、対するこちらの照準はバルバトスルプスがリミッター外してようやく避けていたほど。外すことなどあり得ない。味方のうち何機かが盾になりビーム兵器を防げば何とかなるだろうがその場合、目の前に味方がいるのですぐには砲弾を打てない。なんならその重たそうなダインスレイヴ捨てたらどうよ?まぁそうしてくれたら俺的には仕事が捗るんだけどね。

 

 『オルガこのまま前進を続ける。』

 

 「…当たり前だ!これが最後だ、野郎共気合入れるぞ!」

 

 「「はい!」」

 

 ここが正念場だ。いくら俺が抑えているとはいえ被害がないというわけではない何発かは命中している。だが原作よりもイサリビもホタルビも被害は少ない筈だ。このまま押し切れば旗艦まではあと少しだ。

 

 「まさかビーム兵器まで修理しているとは…少しは驚かされたが所詮は袋の鼠が増えただけだ。ダインスレイヴ隊全機そのまま続けろ。そしてこのまま近づくようなら通常戦力で押しつぶせ!」

 

 「これ以上はやらせません、ラスタル様のために!!全機、あのMAらしいものを止めるぞ!」

 

 「了解」

 

 おお、忠誠心が厚い連中だ、俺を止めようってか?味方に打たれるかもしれないのに?だがこちらは極論を言えばダインスレイヴが完全に壊れる必要はない、ただ一時的にでも使用不能になってくれればいいのだ。敵を殺すことだけが戦いではないのだよ。それにそう簡単に俺らを止められると思うなよ!

 

 『全員、頼む。』

 

 「任せておけ!全機、敵のMSを少しでいいから足止めしてくれ!」

 

 「オルガの頼みなら遂行するまでだ。」

 

 だが敵のMSの数が多い。ちっ!俺が出てきたせいで増えたか。だが通常戦闘に切り替えたということはもう圏内の筈だ、あるいはジュリエッタたちを巻き添えにしないためか?まぁたしかに今の俺たちにとってはこっちのほうが厄介だが。仕方がない俺も通常戦闘に切り替えるか。

 

 『シノ、フラウロスのスーパーギャラクシーキャノンの準備は?』

 

 「ばっちりだ。いつでもやれるぜ。」

 

 『ならば早めに頼む、敵の数が増えてきた。これ以上は作戦に支障をきたす。』

 

 そのやり取りの後フラウロスは俺の近くに現れる。後は俺たちの仕事はこいつを絶対に護衛することだ。そのために俺は奮戦する。ある敵のMSを尻尾で突き刺し、ある敵は切り刻み、さらには足のクローで掴み握りつぶす。敵の数さえ考えなければ問題はない。

 

 「邪魔を!?」

 

 「うざいな…そっちこそ早く消えろよ。オルガの命令が果たせないじゃないか。」

 

 フルシティも戦っているし、ジュリエッタ達は三日月の相手で精一杯だ。

幸いにしてフラウロスは損傷していない、今のシノならば余計な横槍が入らなければ十分に当てられるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「馬鹿な、あの動き、本物のMAだとでもいうのか!?」

 

 報告では確かにあのMAもどきにこちらの軍がいくらかやられたという報告を受けていたが、せいぜい先のMA戦のジャンク品を再利用した特殊武装ぐらいにしか思っていなかった。だが、今ラスタルの目の前で動いている《ソレ》はどう見てもMAそのものにしか思えなかった。そのくらい目の前の《ソレ》は暴力的だった。その力により自軍のMSは瞬く間に数を減らしていく。

 

 (MAが人と連携して行動しているだと、そんな技術はあるはずが…)

 

 とっくの昔に失われたはずの技術であるMAを調教することなど無理というのは全軍共通の認識だ。たった今までは、だが…

 そしてその考えに費やした時間は敵に大きなチャンスを与えることになる。

 

 「させるか!」

 

 そんな中、本能的にラスタルの窮地を理解したジュリエッタが、レギンレイズ・ジュリアの武装であるジュリアンソードをフラウロスの砲門目掛けて投げつけようとする。本来の実力差ならば止められたはずの三日月であったが敵の数が多く一瞬の隙を生む。だが、それを阻むものがいた。

 

 『おっと危ない。だから必中スキルを戦闘前に無駄に使うなというのだ。』

 

 バルバトスと同質の尻尾がジュリアのコクピットを貫く。もともと彼我の実力差的に三日月が攻撃を取りこぼしたのは偶然だったのだが、ここではすでにMAの存在により天秤は大きく崩れ去っている。

 

 『残念だが貴様がいざというときに邪魔するのは知っていた。見くびられては困る』

 

 そんな特徴的なMS見間違うわけないだろ。おまけにバルバトスの相手で手一杯なそちらに俺の攻撃が避けられる余裕もなかろう。

 さてここまで賭けの確立を上げにあげてきた。こちらのダインスレイヴによる敵の戦力の消耗、マクギリスと革命軍を囮にしキマリス・ヴィダールと敵ダインスレイヴの分散、敵砲撃に対抗しフラウロスと鉄華団をなるべく無傷で送り届けもした。全員ここまではうまくやってくれた。さぁ、お膳立ては済んだ、スパロボ確立で言うなら95%、後はすべてをお前に託そうノルバ・シノ!

 

 「スーパーギャラクシーキャノン発射ぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 ノルバ・シノとフラウロスの魂を込めた一撃が流星となる。本来の歴史通りであればジュリエッタの決死の攻撃により、フラウロスの照準がギリギリ外れて作戦は失敗するはずだったが、ここではそんな道はたどっていない。

 

 「想定外……いや、これもやつらを侮ったツケか。願わくばあの悪魔と堕天使を…」

 

 自分のいるブリッジ目掛けて飛んでくるダインスレイヴを目にしたラスタルは、最後につぶやく。きらめく流星が彼やイオク・クジャンごとスキップジャック級のブリッジを破壊したのはその直ぐ後のことだった。

 

「……よっ、しゃぁぁぁぁぁああああああああああ!」

 

 砲撃を成功したシノは高らかに雄叫びをあげる。

 

 「やったぜ!はは…ついにやった!!」

 

 「ごめんグザファン、最後に世話になっちゃって」

 

 『気にするな三日月、君が敵軍を抑えてくれたから成功につながった。だから問題はない。』

 

 ラスタル・エリオンの旗艦、スキップジャック級のブリッジは完全に崩壊した。アレならば確実にブリッジにいた人間は助からない。ついに俺はやったのだ、これでこの先世界は混乱に混乱を重ねるだろう。そのことに対する俺の感想はものすごい充実感だけだった。人が死んだのに、かなりの数が死んだのにだ。MSを潰したときも相当な快感だったがこれはそれ以上だ。もう俺は絶対に人間ではないな、そして今度死ねば俺は地獄に行くだろう。ならば好きに生き、好きなように死のうではないか。

 

 『おっと余韻に浸っている場合ではない、私にはまだやることがある。オルガ、君たちは先に離脱しろ全速力でだ。』

 

 「君たちはだと?お前はどうする」

 

 『私はしばらくここに残る、そうすれば時間も稼げるはずだしな。』

 

 「本気かお前!?さすがにヤバイだろ!!」

 

 『無論危なくなる前には離れる。早く行け、敵が体勢を立て直す前に。』

 

 「わかった…死ぬなよ。」

 

 『無茶はしないさ、ではまた後の祝杯で。』

 

 そう、これで終わりではない。ラスタルが死んでも敵がいなくなったわけではない。スキップジャック級はその巨大さからブリッジがつぶれてもいきなりは壊れたりはしない。だが被害は甚大だ、トップが死んだことと旗艦がやられたことに対する精神的ダメージはでかいはずだ。

 

 「おのれ黒塗りの化け物め!」

 

 「エリオン公の敵を!」

 

 それでもラスタルを慕っていたであろう者たちの中には、バルバトスや俺相手に捨て身の猛攻を仕掛けるものもいた。

 

 「邪魔だよ、消えろ。」

 

 『同感だ。』

 

 精兵揃いのアリアンロッドに所属しているだけあって彼等も弱くはなのだろう、だが相手が悪い。

 阿頼耶識の施術を三度も受けた常識外れがリミッター外した化け物とそれと戦ったMAの同型。つまるところ戦いにすらならない。悪魔とMAの魔手は数機のMSを瞬殺する。

 

 『さて、鉄華団は無事に脱出できそうだな、後は後の戦いのための掃除だ。』

 

 俺はそう呟き壊れかけのスキップジャック級…ではなくダインスレイヴ隊に突っ込む。幸いにしてスラスターの推進剤は温存しておいたおかげでまだまだもつ。一気に距離をつめた俺はもろもろの事情で態勢を整え切れていない部隊に襲い掛かる。

 

 「隊長!!あの化け物が戻ってきます!!」

 

 「何だと!!迎撃しろ!」

 

 目的を達した敵は逃げるものとばかり思っていたのか反応が若干遅れ、そのまま混戦に入ったためむやみにダインスレイヴを打つことも出来なくなった部隊はそのまま護衛のグレイズともども喰い散らかされた。

 

 『仕上げだ』

 

 スキップジャック級の乗組員は戦闘員、整備員、そのどれもが非常事態でもパニックを起こすことなく対応できる精鋭揃いだった。すぐにでもこの船から脱出しようとした彼らは、実にすばやく非常用ランチに乗り込み近くの船に向かう。だがそれはこの場に限っては悪手だった。ランチが出た先に彼らを待ち受けていたのは味方の船ではなく目を焼くような光だった。

 

 『いいタイミングだったな。』

 

 あの船の人員の錬度が高くて助かった。おかげで時間をかけることなく目的のひとつを達したのだから。今やったことは実に単純だ、ビームを四方八方に照射し、敵の目をくらませると同時にその斜線上にスキップジャック級の脱出員を混ぜるだけ。これで精兵の数は少しは減っただろう。それに擬似阿頼耶識のメンテ要因もいたはずだ。

 

 『おっと阿頼耶識といえば肝心なやつが残っていた。』

 

 ふと大事なことを思い出した俺は特徴的なMSというかジュリアを探す。すぐに見つかった、少しはなれたところにあったのか俺の脱出ルートとかぶっている。運がいいな俺。

 さて普通ならば中の人は死んでいるだろう。だがこの世界は普通ではない念には念を押さないと取り返しのつかないことになるのだ。

 そのまま俺はジュリアのコクピット目掛けてビームを放つ。無論MSを壊すためではない、俺が壊したいのは中にある脳組織だ。ビーム兵器ではMSは簡単には壊れないがそれでもコクピットに穴が空いた状態なら中の温度をタンパク質が変質するくらいには上げられるはずだ。

 

 『これで終わりだ。』

 

 その後俺は最後のダメ押しとしてジュリアを尻尾でアリアンロッド本体とは反対の方向に投げ飛ばす。これで簡単には回収できないだろう。そうこうしているうちにボロボロとなったホタルビの時限装置が作動する。これ以上はここに居られない。俺は脱出することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『予想よりもうまくいって助かった。』

 

 正直ここまでうまくいくとは思っていなかったがよく考えれば元の世界でも最後のジュリアの攻撃があたらなければうまくいっていたはずなのだ。そこに外的要因で天秤を崩せばこうなるのかと自分を納得させた。

 …今思えばここで自分の運を疑うべきだった。運を使ったものに待ち受けるもの、それは大抵不運だ。

 

 『ん?センサーに反応、この反応は…キマリスだと!?』

 

 どういうことだ!?キマリスヴィダールがここに戻ってくるのはもう少しかかるはずだが?まさかマクギリスはやられたのか!?たぶん手の怪我はそのままだろうし、というか石動は仕事しなかったのか!?

 

 「お前がマクギリスの言っていた眷属か…」

 

 ちょっと待て眷族って、それはどういうことだ?マッキーのやつ俺のことを何て言ったんだというかしゃべったのか!?

 そのまま両者の間に重い沈黙が訪れる。だが、不幸とは立て続けに起こるものだ。沈黙のままにらみ合っていた二人の近くにあるものが通る。

 

 それはさっき俺が投げ捨てたジュリアだった…




 自分で書いてて前半はもとより後半は正直ご都合主義が過ぎるのではと…
もしかしたら書き直すかもしれません。
 そしてMA君がとんだサイコヤローに…最初はもう少しマシにしようかと思ったのですが気づいたらこんなことに…

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