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―翌朝―
(亜美の言う通り友達つくらなきゃなぁ……)
集団を好むこの年頃の女子にとって、どこの集団にも所属していない今の状態はかなり危機だ。
そう思った真希は早く教室に行き、教室に来た人に話しかけようと計画していた。
(えっと、まずは笑顔でおはようってあいさつして…)
「って、さすがに早く来すぎたかなぁ」
まだ、どの教室にも人がいる様子はない。
真希は教室に入ると自分の机に向かった。
「あれ?なんだろう、これ…誰かの忘れ物かな?」
真希の机の上には見覚えのない色あせた1冊の小さなノートが置いてあった。
おもむろにそのノートを手に取ると、表紙をしげしげと見つめた。
「ん?何か書いてある?」
色あせた表紙には、薄くなっているが確かに何か書かれているようだ。
「夢…日記?」
『夢日記』そのノートのタイトル部分にはそう書かれていた。
「あ、あと、これは…?え?」
ノートの下の方に小さく名前のようなものが書かれている。
『真麗』
確かにそこには『真麗』と書かれているのだった。
「どういうこと?真麗って私の妄想の中の名前じゃない…もしかして本当に真麗って人がいるのかな?」
ガラリと、教室のドアが開き真希は無意識にノートを机の中に隠した。
(あいさつ!!)
「おっ、おはようっ!」
「あぁ、おはよう」
少し驚いた様子であいさつは返ってきた。
「なんだ、亜美か……」
勇気を振りしぼってあいさつをしたもののその相手は亜美とは……つくづく運がない。
「なんだとは失礼だな。それにしても真希、随分早いね。今日なんかあったっけ?」
「ううん、そういう訳じゃないけど。亜美こそ早いね」
「私は今日から朝練だもん」
亜美は中学の時から女子バスケットボール部に所属している。
「ふーん、頑張ってー」
「他人事みたいに言ってるけど、真希だって朝練あるんじゃないの?」
「うちは来週からだもん。」
真希も中学の時と同じ吹奏楽部に入ったのだった。部活動の本登録は昨日だったが、もちろん部活でもまだ友達などいる訳もない。どう話しかけたらいいのかわからずにモタモタとしている間にも、あっという間に女子達の輪は成立していく。女子ばかりの吹奏楽部でこのまま独りはかなり辛い。
「そう、じゃあ行ってくるね」
「頑張れー」
その後、他の生徒にも声をかけようと頑張ってみた真希だったが、既に振りしぼる勇気すらなく、かろうじてあいさつをしても声が小さすぎて気付かれないのか、関わることを避けられているのか、計画は見事に失敗に終わったのだった。
お読みくださりありがとうございます。
3話も近いうちに投稿する予定なので楽しみにいて頂ければ幸いです。