ポケットモンスター Trans Monsters 作:イビルジョーカー
遅くなってすみませんm(_ _)m
Part5です。
ディセプティコン航空偵察兵『ワスピネーター』。
つい先程までスピアーだった存在は、有機的な要素を持つロボットへと変形を遂げ3人の前へ立ちはだかり、そう宣言する。
「喰らえブゥゥーーーーンッッ!!」
両腕のニードルから『毒針』の技を放つ。
真っ直ぐ3人めがけ降り注ぐ猛毒を秘めた針に対し、グリーンがすかさずフシギダネに指示を出す。
「フシギダネ、葉っぱカッター!!」
フシギダネの蕾から射出された無数の葉は、それ一個一個が鋭利な凶器その物。
そこに投擲というスピードが加われば強力な一撃が期待できる技だろう。だが今繰り出した目的はスピアー……ワスピネーター本人への攻撃ではなく、彼の放った毒針を打ち砕く事だ。
結果は上出来。葉の刃は見事に毒針を打ち砕き、しかもスピードを保ったままワスピネーターへと迫る。
「『ミサイル針』!!」
ワスピネーターが技名を叫ぶ。
今度は猛毒を秘めた針ではなく、爆発力を持った針を発射する技『ミサイル針』を繰り出す。針は性能通り爆破。
植物である葉は無残に炭となり、更に宙を舞うミクロの塵と化した。
「ブブッ、残念ブゥゥン?」
羽音を織り交ぜたような声で嘲笑を漏らすワスピネーター。
「これで仕留めようとは思ってない。本番はここからだ」
対し、グリーンは不敵に笑う。
自分よりも遥かに劣り、戦闘もポケモンという生物の力を借りなければならない下等生物。そんな存在に生意気な態度を取られてスルーできるほど、ワスピネーターは寛容とは無縁だ。
「いい気になりやがって、後悔しろブン!!
」
「!! フシギダネ、『丸くなる』だ!」
続けてミサイル針を発射するワスピネーター。
しかし今度の物は緑色の光を纏わせていた為、何かあると踏んだグリーンはフシギダネに防御力をアップさせる『丸くなる』を使用させる
。
そして、ミサイル針がフシギダネに当たったことでグリーンの予想は的中した。
威力が上がっている。
まず一目見て感じたのがそれだった。
「ブゥゥン……いいことを教えてやる。俺ちゃんの針には色々な効果があるんだよ。ここまではOKブーン? 今のは爆破力を増加させる、謂わば『火薬』に近い発光物質が含まれた針なんだよ」
ワスピネーターの針は、ただの針ではなく、彼の体内によって生成される特殊なもの。
体内にある針の製造器官で生み出され、更に様々な物質・エネルギーを保管する内臓部品の保管物資を織り交ぜる事で多種多様という効果の針を作り出せる。
例えば、上記の発光針のように。
例えば、レーダーやセンサーには映らない程の性能を誇るステルス針。
例えば、敵の全てを残す事なく燃やし尽くす高温燃焼針。
例えば、あらゆる金属生命体の生体金属を錆へと変質させてしまうコズミックルストと言う病原菌が付与された錆針。
他にも色々あり、どれもが厄介さを秘めているのだ。
「チッ、それで威力を強めたって事か」
「ダ、ダネフ……」
舌打ちしつつ、グリーンはフシギダネへと視線を向ける。
フシギダネの受けたダメージは瀕死のギリギリ…それより数歩前といった感じだが、これ以上のダメージは瀕死状態に陥る『戦闘不能』に繋がりかねない。
「ブルー、イエロー! フシギダネを回復させる。それまで頼んだ!」
「「うん!/はい!」」
フシギダネを下がらせ、ブルーとイエローに後を任せるグリーンは背中のバッグから傷薬を取り出してフシギダネの治療と体力回復にかかる。
「なんだ? あの種生物の次はお前らか?
まぁ、何であれ……ぶっ刺しブゥゥンッ!!
」
選手交代したとて、ワスピネーターの態度は全くもって変わらず。
その嘲笑気味の顔には、相手をいかにして刺して命を奪い取るかと言う狂気が沸々と滲み出ている。
「ヒトカゲ、火の粉!!」
「ゼニガメ、水鉄砲です!!」
流水の直線と粉のように小さい火の玉の数々。
それらはポケモンであるゼニガメとヒトカゲの技だが、ただ技を放ったわけではない。
ヒトカゲとゼニガメには、イエローとブルーが試験の始まる前に攻撃力を上げる『パワーパウダー』という道具を予め使用しており、これにより両者の攻撃は通常より高めの威力を有している。
試験前や試験中での道具使用は禁止ではない為、事前に準備していた
ものだ。
「ぐぶぅぅッッ!! ……チィッ、少しはやるようだな」
火と水の同時攻撃を食らいつつも、倒れる事なく態勢を維持して見せるワスピネーター。
その姿から大したダメージは与えていないと言う事実が粘り気を帯び
、まるでブルーとイエローに絡み付くように伝播する。
とても嫌な感覚だ。
しかしこれは認めなければいけない。
トレーナーであれば、相手の力量を測る事も必要なことだからだ。
「さて、そろそろ…ん? この反応は……」
ふとワスピネーターのセンサーがある反応を捉え、それが自分と同じ存在であるトランスフォーマーだと分かった途端、その顔を忌々しいとばかりに歪ませる。
「(チッ、よりによってオートボットかよ。
しゃーね。ここは一旦引いとくか)」
自分はあくまでも戦いに来たのではなく、偵察のついでに狩りをしに来ただけだ。
弱いながらも中々に歯応えがありそうなポケモントレーナーと言う獲物。
まだまだ子供に過ぎないが、それでも遊戯的な狩りの対象として見れば文句はなかった。
しかし、オートボットに関しては違う。
オートボットは自身の命をかけて戦うに相応しい因縁の宿敵。遊戯的な狩猟対象と見て軽んじてはならない戦士だ。
故にワスピネーターは撤退を選んだ。
相応しい時と戦場にて、そのスパークをかけて生か死かを決する闘争を演じるその日まで……。
「ブゥゥン! ここは一旦、退くべし〜〜!!」
先程の狂気と殺意を孕んだ声とは到底思えない間の抜けた声と共に、スピアーの姿へ戻るワスピネーターは、翅を羽ばたかせるとその場から一気に離脱。
そのまま飛び去る形で消えていった。
「い、行ったのですか?」
「らしいな。理由は分からんが」
脅威が消えた事への安堵からふとそんな言葉を零すブルーにグリーンが、回復したフシギダネと共に歩み寄り、彼女の疑問に答える。
「ねぇ、本当にアレ、スピアーだったのかな?」
「……いや、違う。断言してもいい。アレは……スピアーの姿を模倣したロボットだ」
「確かに。でもロボットだとしたら、一体誰が作ったものなんでしょうか? それに私を襲うなんて……」
アレは、間違いなくロボットというカテゴリーに当て嵌めるべき存在
だろう。
金属的ボディとメカニックなデザイン。
それらが断定していると言ってもいいのだが、ロボットと言うのには明確過ぎる自我的意思があり、変身する前は本物のスピアーと思い勘違いしてしまった程に生物感を彷彿とさせる有機的要素があったのも事実。
普通のロボットなら……そんなものは絶対にない筈だ。
「バンブルビー、トランスフォーム!!」
謎と疑念が沸き起こる空気に一差し入れるが如く。
一つの声と共に一匹のピカチュウが出て来たかと思えば、目の前でロボットへと変わり果ててしまった。
先程のスピアーと同じ事象、存在。
それを瞬時に反射的に認識した3人は構えを取り、パートナーたるポケモン達もいつでも攻撃出来るように態勢を取る。
「ちょ、ちょっと待って!! 僕は君達の味方だよ!」
「みんな、やめろ! こいつは良い奴なんだよ
!!」
しかし、ピカチュウだった者……バンブルビーは腕を前に両手を左右に振り、敵意はないと慌てて叫ぶ。
更にバンブルビーの後方からレッドが現れ、3人に危険はないと説得して来た。
「レッド! これはどう言う事なんだ? アイツと知り合いなのか?」
「知り合いも何も、俺が最初に選んだポケモンなんだよ」
グリーンの問いに何も曲げず、嘘もつかずに即答するレッドの言葉。
正直な所、はっきり言ってしまえば『答えになっていない』ものだったが。
「……OK。じっくりゆっくり話を聞こう。色々と聞きたいこともあるし、お互いに情報共有だ」
思わずレッドに物申したくなるグリーンだが、そんなことをしでかしては埒が明かない。
故に一旦怒気を鎮め、冷静さを取り戻した上で情報を交換し合い現状の確認を取ると言う意見を出した。
レッドは何ら反抗する事なくその提案に従い、イエローもブルーも同調。
最後にバンブルビーの承諾も得る形で決まり一同はオーキド博士が待っているであろうスタート地点を目指し、森を抜ける事となった。
ちなみに、リザードンはレッドたち+ポケモンたちと言う総出で運ぶ
形で回収したので問題ない。
ただ、研究所までそれなりに距離はあった為、結構大変だったが……
…。
感想待ってます!