ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第105話

アーロンパークの打ち壊しを終えたので今度は飲めや歌えやの宴に突入した

 

村の人達はアーロンパークを派手に壊した私の事を話のネタにしたり

男顔負けの一撃を見せたナミの事を話したりしている

 

海賊に対して良くない感情を持っていた人達もルフィの裏表の無い人柄に心を開き

麦わら海賊団の者達を受け入れて宴を楽しんでいる

 

そして、宴に飛び入りで参加したルフィ達も各々宴を楽しんでいるようだ

 

ルフィは宴に用意された料理を全種類制覇する勢いで色んな所に

顔を出して食事を楽しんでいる

 

ゾロは村の男衆と酒の飲み比べをしているようだ

 

ウソップはシロップ村やバラティエでの出来事を色々と脚色して自身の

英雄譚として子供達に話した事でキャプテン・ウソップと呼ばれている

 

そして、麦わら海賊団の新顔であるサンジはというと…

 

「へぇ、こいつがビーフシチューか」

 

バラティエでナミが言った一言を覚えていて自身が知らない料理である

ビーフシチューを試食しに私の所に来たのだった

 

「えぇ、幼少時に母親に教えていただいたものです」

「そうか…まぁ、何はともあれ食ってみるか」

 

匙を手に取ったサンジはビーフシチューを口に運ぶ

 

その瞬間、匙を口に銜えたままサンジの動きが止まった

 

「…うめぇ」

 

コックであるサンジの称賛の一言が素直に嬉しい

 

サンジは添えてあったパンをビーフシチューにつけてから食べる

 

「パンとの相性もいい…」

 

ワインを一口飲むとサンジは味を確かめる様に目を閉じる

 

ワインの余韻を楽しんだサンジは一心不乱にビーフシチューを味わい続ける

 

皿に残ったビーフシチューをパンで拭い取るようにして完食すると

サンジは1つ大きな息を吐いた

 

「シラカワ、こいつのレシピを教えてくれ」

 

椅子に座ったままではあるがサンジが私に頭を下げてくる

 

「こいつを味わいながらもずっと考え続けてた…だけど、こいつの要だと思うスープの

 レシピがどうしてもわからねぇ…」

 

コンソメスープに独力で辿り着けというのも厳しいでしょう…

 

それに、コックとしての誇りよりも向上心を優先させたサンジに好感が持てます

 

「貴方が言った要となるもの…コンソメスープのレシピは教えましょう」

「…コンソメスープ?」

 

私はサンジの呟きに頷いてから話を続ける

 

「そのスープは色々と応用が効くものですので工夫をしてみてください。

 それが貴方のコックとしての腕前を成長させる糧になる筈です」

 

私の言葉にサンジが不敵に笑う

 

「上等だ!」

 

席を立ち上がったサンジが手を差し出してくるので握手を交わす

 

「さて、話がついた所でビーフシチューのお代わりをくれ」

「ククク、構いませんが他の料理を口にしないでよろしいのですか?」

「ルフィにこいつがバレたら鍋そのものを独占されそうだからな」

 

その様子がありありと想像出来た私はワームホールに閉まっておいた鍋から

ビーフシチューのお代わりをサンジに差し出しながら笑ってしまう

 

食事の合間にレシピを教えつつ、スープの談義でサンジと盛り上がるのだった

 

 

 

 

お代わりを堪能したサンジが他の料理や女性を求めて動き出した頃

男衆と飲み比べをしていたゾロが私の所にやってきたのだった

 

「シラカワ、ちょっといいか?」

「えぇ、構いませんよ」

 

私の近くに座ったゾロが手にしていたジョッキを煽ってから口を開く

 

「明日にでも俺と手合わせをしてくれ」

 

ゾロの言葉に私はワインを一口飲んでから答える

 

「ミホークさんとの戦いの傷が癒えてないと思いますが」

「これぐらいなんともねぇ」

 

綺麗に斬られていたから傷の回復は早いだろうがそれでもまだ完治には至らない筈だ

 

「常に万全の状態で戦いに挑める訳でもなし」

「わかりました。それほどの覚悟なら手合わせをしましょう」

「恩に着る」

 

そう言って頭を下げたゾロが去って行く

 

残された私はため息を1つ吐いてからワインを飲み干す

 

そして、席を立って宴の場所から離れて行ったのだった

 

 

 

 

「もう、主役が宴からいなくなったらダメじゃない」

 

シュウが何処かに行くのが見えたからついて来たのだけど、シュウが向かった場所は

シュウの産みの親であるアカリさんのお墓だった

 

「それで、アカリさんに何を話していたの?」

「色々ですよ」

「色々?」

「えぇ…色々です」

 

そう言ってシュウは優しい瞳をアカリさんのお墓に向ける

 

「父さんの事、レイ養祖父の事、ブンタお祖父さんやシオリお祖母さんの事…」

 

1つ1つ思い出すようにシュウが語っていく

 

「そして…ナミの事ですね」

「わたしの事?」

「えぇ、素敵な恋人が出来たと報告していました」

 

シュウの言葉に顔が熱くなる

 

恋人としてシュウと過ごして来たけど、こうして改めて言われると照れてしまう

 

それ以上に嬉しいけどね

 

「さて、それでは戻りましょうか」

 

そう言って立ち上がったシュウと一緒に宴の会場に戻って行く

 

だけどその途中でわたしはシュウのコートの裾をそっと掴んだ

 

それに気づいたシュウは立ち止まってわたしの方を見ながら首を傾げている

 

「さっきはああ言ったけど…少しぐらいなら宴の席を外してもいいんじゃない?」

 

せっかくこうして2人きりになれたのだからもう少しくらい一緒にいてもいいわよね?

 

「…そうですね。そうしましょうか」

 

わたしはそう言ったシュウにゆっくりと抱きつく

 

そして、しばらくシュウと見つめ合っていたわたしはそっと目を閉じたのだった




ボムボムの実が欲しいと思うようになった今日この頃です

奴にオリ主を憑依させて文字通りにリア充を爆発させる
なんて短編を妄想しましたw(書くとは言っていない)

次の投稿は11:00の予定です

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