ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目になります


第106話

「くっ…もう一本だ!」

 

解放の宴が終わった翌日、二日酔いでダウンしたり新たな恋人達が誕生したりする

ココヤシ村で私とゾロは手合わせをしている

 

ゾロが三刀流で私に斬り掛かってくる

 

ゾロはミホークとの戦いで刀を二本失っていたので賞金稼ぎ時代の戦利品の中から

刀を二本貸している形だ

 

三本の刀を交差して斬り掛かってきたゾロに私は木剣を片手で持って受け止める

 

ギンッ!

 

ゾロの三本の刀が大きな音を立てるが私の木剣はビクともしない

 

「ぐっ!」

 

ミホークに斬られた傷が痛むのかゾロが顔を歪める

 

その瞬間を狙ってゾロの刀を横に弾き、怪我をしていない肩に木剣を打ち込む

 

「ガッ…!」

 

口に銜えている刀を噛み締めてゾロが痛みに耐える

 

だが、隙だらけになっている首に木剣を添えて決着だ

 

口に銜えた刀を噛み締めて耐えていたゾロが地面に膝をつく

 

「なんだ、負けっぱなしじゃねぇかクソマリモ」

「あぁ!?黙ってろクソマユゲ」

 

サンジは発破をかけたつもりなのかそう言うがケンカは買うとでも

言うようにゾロが噛みつく

 

「…バラティエでも見たけどとんでもねぇな」

「ししし!」

 

手合わせを見学していたウソップとルフィは慣れているのかゾロとサンジを放置だ

 

「あんた達、あの2人を放っといていいの?」

「いいよ、別に」

「いや、俺は止められねぇし」

 

ナミがルフィとウソップに確認しているがどうやらバラティエからココヤシ村までの

航海でゾロとサンジの睨み合いは当たり前の事になったようだ

 

パンッ!

 

私は柏手を1つ打って注目を集める

 

「貴方達、麦わら海賊団が旅立つ前に餞別として1つ知識を教えましょう」

 

勉強でもすると思ったのかルフィを始めとした麦わら一味は嫌そうな顔をしている

 

それを気にせずに私はコートの袖を捲って腕を出し、武装色の覇気を纏って黒化させる

 

「おぉ!なんだそれ?」

 

面白そうな気配を感じたのかルフィが食いついてくる

 

「これは《武装色の覇気》と呼ばれる技術です」

「「「「《武装色の覇気》?」」」」

 

麦わらの一味が異口同音に疑問の声をあげる

 

私は武装色覇気を始めとした三種の覇気の説明をしていく

 

「今すぐに物にするのは不可能でしょうが、グランドラインの奥に進んでいくのならば

 必ず必要になると言っても過言ではない技術です」

 

麦わらの一味の皆が腕を組んで真剣に話を聞いている

 

「本来なら誰かを師と仰ぎしっかりと修行するべきなのですが、貴方達は前に

 進んでいくつもりなのでしょう?」

「おう!」

 

私の言葉にルフィがハッキリと答える

 

「では、覇気というものがあるという事だけでも覚えておいてください」

 

ルフィ達が頷いたのを確認して今日の手合わせを終わりにする

 

その後はゾロとサンジがケンカをしたり、それをルフィが囃し立てたりして時間が過ぎ

麦わら海賊団がココヤシ村を出航する時がやってきたのだった

 

 

 

 

「海賊にしてはいい奴等だったわね」

 

ココヤシ村を離れて海を進んでいくゴーイングメリーを見ながらナミが話す

 

「えぇ、そうですね」

 

本当にルフィ達はいい奴等です

 

何かが少し違えば彼等の仲間になっていたかもと思います

 

だが、こうして此処にいることは私自身で選んだ事

 

胸を張って夢を追いかけていきましょう

 

「シュウ、これからどうするの?」

 

ナミの言葉に少し考えてから答える

 

「取りあえずは私が設計した船を作れる船大工を探してみましょうか」

「宛はあるの?」

「えぇ、賞金稼ぎ時代に訪れた事のあるウォーターセブンに行ってみようかと」

 

私の言葉を聞いたナミが腕を組んでくる

 

「当然、わたしも一緒よね?」

「えぇ、勿論です」

 

ゴーイングメリー号が水平線彼方に去ったのを見届けてナミと家に戻る

 

そして、私とナミは船大工を訪ねる明日に備えてゆっくりと休むのだった

 

 

 

 

翌日、ナミと共にウォーターセブンに転移した私は造船会社『ガレーラカンパニー』を訪ねた

 

「ンマー、いらっしゃい。俺はガレーラカンパニーの社長、アイスバーグだ」

 

眼鏡をかけた秘書に船の設計図の確認、及び見積りを頼んだ所、こうして社長である

アイスバーグの前に通された

 

「社長、その髭の剃り後はセクハラです」

「えぇ!?」

 

秘書の言葉にアイスバーグ氏が吃驚している

 

そんな2人のやり取りに俺の隣に座っているナミが苦笑いをする

 

「話を進めてもよろしいでしょうか?」

「ん?あぁ、すまない。続けてくれ」

 

アイスバーグ氏の言葉を受けて懐から取り出す振りをしてワームホールから

私が描いた船の設計図を2枚取り出す

 

「これは私が描いた船の設計図なのですが、グランドラインを航行する際にどちらの

 船が良いか船大工として判断、そして造船の際に如何程の値段となるのか見積りを

 出していただきたいのです」

「失礼」

 

そう言ってアイスバーグ氏は私が描いた船の設計図を手に取って見ていく

 

「ンマー、大したものだね」

 

アイスバーグ氏の声は軽く感じるが設計図を見る目は真剣なものだ

 

「一枚目はキャラベル型を基本としたものか…この電動機ってのがよくわからないが

 本職の船大工が描いたと言われても信じられる出来だな」

 

アイスバーグ氏の称賛が素直に嬉しい

 

「ンマー、この2枚目だけど…メインマストが無いこの型は珍しいな…」

 

アイスバーグ氏が食い入るように設計図を見ている

 

ちなみに2枚目の設計図はクルーザー型だ

 

「この電動機でスクリューとかいうのを回して進むのか?」

「えぇ」

「こいつでどれだけの速度が出るのか、船が進む際に何処にどれだけ負荷がかかるか

 他にも色々と確認しないと判断のしようが無い」

 

アイスバーグ氏が腕を組みながらそう言ってくる

 

「ンマー、という訳で悪いが電動機とかいう物の現物を含めてこの目で

 確認してみない事にはこの仕事を受ける訳にはいかないな」

 

そう言うアイスバーグ氏の言葉を受けて私はワームホールから電動機等を取り出す

 

「これが現物となります」

 

ワームホールから物を取り出した事でアイスバーグ氏と

秘書さんが目を見開いて驚いている

 

だが、次の瞬間には電動機等を見たアイスバーグ氏は新しいオモチャを与えられた

子供のような目になった

 

「10日、それで答えを出そう」

「わかりました」

 

私は手付けとして五千万ベリーをテーブルに置いて席を立つ

 

「カリファ、全員に集合をかけてくれ」

「社長、その言葉はセクハラです」

「なんで!?」

 

そんな漫才をする2人を放っておいて私とナミはガレーラカンパニーを後にする

 

そして、思ったより早く話が終わったのでそのままデートをする事にした私とナミは

ローグタウンに転移したのだった




次の投稿は13:00の予定です

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