ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

110 / 162
本日投稿4話目です


第107話

「ブリリアントでございます!」

 

ローグタウンに転移した私とナミはデートとして今は服屋に来ている

 

そこでナミが服屋の全ての服を着こなしていきファッションショーのようなものを

しているのだが、ナミが着替える度に服屋の店員が称賛しているのである

 

「シュウ、なんか一言ぐらい言ってくれてもいいんじゃない?」

「どれも良く似合っていますよ、ナミ」

 

私の言葉にやや不満気な顔をしているナミだがそれ以外に言い様が無いのだ

 

「似合っているのですが、グランドラインでは1日の間に四季が移り変わる事も

 あるのでそれらの服は適さないですね」

 

私の言葉にナミがハッとしたような顔をする

 

「ですが、普段使いの物として買うのならば構わないと思いますよ」

「う~ん…やめとくわ。船を造るんだし無駄遣いはダメよね」

 

散々試着して買い上げの雰囲気を見せておきながら何も買わずに服屋を去った事で

店員に涙を流しながら見送られる事になった

 

…今度、機会があったら家族で見に来る事にしよう

 

服屋を後にして食事でもしようかとナミと腕を組んで歩いていたら

久しぶりにライトと出会った

 

「よう、シュウ!」

 

聞き覚えのある声に振り向くとライトと眼鏡をかけたショートカットの女性がいた

 

「…誰?」

「彼はライト。賞金稼ぎをしていた時に知り合った友人ですよ」

「おう!そして、シュウのライバルだ!」

 

へ~と関心するナミにライトが得意気に話す

 

「で、そこの姉ちゃんはシュウのコレか?」

 

そう言ってライトは小指を立てる

 

私が頷いて肯定するとライトはその場で地団駄を踏み始めた

 

「くっそぉ!リア充爆発しろ!」

「シュウ、リア充って何?」

「…彼は時折よくわからない言葉を使うのです」

 

私が苦笑いしながらナミに答えるとナミは不思議なモノを見るようにライトを見た

 

「…まぁ、いいか。俺はライトだ。よろしくな姉ちゃん」

「わたしはナミよ。よろしくね、ライト」

 

ナミが自己紹介をするとライトは目を見開いた

 

「…シュウ、お前の故郷って何処だ?」

「ココヤシ村ですが…それがどうかしましたか?」

 

ライトの疑問に答えるとライトは口元を抑えてブツブツと呟き始めた

 

「ナミがシュウの恋人?…これ、この先どうなるんだ?」

 

ライトは呟きを止めると私の方を見てきた

 

「なぁ、シュウ…お前、まだ賞金稼ぎだよな?」

「えぇ、辞めた覚えはありませんね」

 

二度ライトの疑問に答えるとライトが頭を抱えてブツブツと呟き始めた

 

「彼、大丈夫かしら?」

「いつもの事なので大丈夫でしょう」

 

そのままナミと共にライトを眺めていると眼鏡の女性がライトを止め始めた

 

「ライトくん、こんな場所でダメですよ!」

「航海士無しでルフィ達はグランドラインを渡って…え?何だ、たしぎ?」

「ご友人を待たせたら失礼って言っているんです!」

 

ハッとした顔をしたライトが俺達の方を向く

 

「悪いな、シュウ」

「構いませんよ、ライト」

「そうだ!一緒に昼飯食わないか?俺、少尉に昇進したから奢ってやるぜ!」

 

ライトの誘いを受けた私とナミはオープンカフェの様な場所に向かった

 

「よっしゃ!それじゃ好きな物を注文してくれ!」

「ライトくん、あまり無駄遣いしたらダメですよ?」

 

「たしぎ、お前だって休日は刀屋に入り浸っているじゃねぇか」

「私はライトくんと違って散財せずに刀を見てるだけです!」

 

「よけい性質が悪いじゃねぇか!スモーカーさんに刀屋から苦情を言われる前に

 連れ戻せって言われてたしぎと休みを同じにされてるんだぞ!」

「いいじゃないですか、休日をどう過ごそうと!刀の波紋を見ていると癒されるんです!」

 

「どう見ても危ない奴だろうが!今日だって二時間もたしぎの刀鑑賞に付き合わされた

 俺の身になりやがれ!おかげで釣りが出来なかったじゃねぇか!」

「ライトくんだって最初は興味深そうに見てたじゃないですか!」

 

眼前で繰り広げられるこの夫婦漫才にどう反応すればいいんだろうか?

 

「ねぇ、2人は恋人なの?」

 

ナミの言葉に反応した2人は顔を見合わせた後、揃って手を横にブンブンと振って否定した

 

「い、いやいや!ねぇよ!こんな刀剣マニアと!」

「そ、そうですよ!こんな釣りバカとこ…恋人だなんて…!」

 

そう言う2人だがその顔は双方とも赤く染まっている

 

初々しい反応を見せる2人に私とナミは暖かい目を向ける

 

「め、飯だ!飯を食おうぜ!ほら、たしぎ!お前も選べよ!」

「そ、そうですね!早く食べましょう!」

 

そう言って隣に座っている2人は1つのメニューを2人で見ていく

 

「やっぱり力をつけるには肉と魚だろ!」

「野菜も食べなきゃダメですよ、ライトくん」

 

「野菜じゃ力が出ねぇよ」

「好き嫌いしていたら大きくなれませんよ?」

「うっせぇ!俺の成長期はこれからだ!」

 

そんなやり取りをするいいコンビの2人を微笑ましげに見ながら私とナミも食事を選んでいく

 

豪快に食べて口周りを汚すライトを自然に世話をするたしぎの姿に何故恋人じゃないのか

私とナミは不思議に思いながらも食事を楽しんでいくのだった




次の投稿は15:00の予定です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。