ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目になります


第109話

「う…ん…」

 

閉じられた瞼に朝陽が射し込んでくる

 

促される目覚めに寝返りを打つと抱き締めていた彼の腕の温もり感じて目を開ける

 

「おはようございます、ナミ」

 

シュウの言葉でぼんやりとした意識が目覚めていく

 

「おはよう、シュウ」

 

体を起こすと掛けられていたシーツが小さな音を立ててベッドに落ちる

 

朝の開眼一番に目にするのはシュウの身体

 

痩身ではあるけれど一部の隙もなく鍛え抜かれたその身体は匂い立つ程の色気を感じさせる

 

お互いに一糸も纏っておらずに寝ていたのは…まぁ、恋人だから

昨夜はそういう事をしていた訳で…

 

「そろそろ起きましょうか。ベルメールさん達が帰ってくる前に色々と

 後始末をしないといけませんからね」

「うん、わかったわ」

 

シュウと軽く触れ合うように口付けをしてから動きだす

 

シャワーを浴びたり等をしてベルメールさん達が帰ってくる前にギリギリ後始末を終えると

わたし達一家は揃って朝食を食べ始めたのだった

 

 

 

 

「ほう…遂にルフィも賞金首ですか」

 

朝食を終えて食後の一服をしながら新聞を読んでいると見知った顔が

新聞の一面を飾っていたのでつい口に出てしまった

 

私の言葉に反応したナミが私に体を預けるようにして後ろから

肩越しに新聞を覗き込んでくる

 

「あら、初手配から700万ベリーだなんて結構な額じゃない」

「昨日の嵐に乗じてローグタウンで一暴れしたことが原因らしいですね」

 

背中の幸せな感触を堪能しながらナミの言葉に応える

 

そんな私達を見てニヤニヤとしているノジコとベルメールさんは放置だ

 

「えっと…『道化のバギーの一味と共にローグタウンを騒がした《麦わらのルフィ》を

 指名手配する。ルーキーとしては異例の700万ベリーでの指名手配であるが、麦わらの

 ルフィはスモーカー大佐とライト少尉の追撃を振りきった事を懸念しての事である』」

 

ナミが読み上げた通りであるが新聞にはもう少し詳細が載っている

 

嵐は雷を伴う大きなものでその雷が海賊王の処刑台に落ちたのだが、その付近で

バギーの一味とルフィ達が争っていたらしい

 

雷が街中に落ちた事で嵐に乗じた強盗を警戒していた海兵達が処刑台のあった広場に

集合したのだがそこでルフィ達とバギーの一味は争いをやめて各々散っていったようだ

 

ルフィ達を追ったライトとたしぎ、そしてスモーカー大佐は一度ルフィ達を捕らえるものの

突然嵐による突風が吹いた事でルフィ達の拘束が外れて逃がしてしまったらしい

 

ルフィの天運の良さに目眩がしそうだ

 

そして、実際にルフィ達の捕縛にあたったスモーカー大佐を始めとした三人が

そんなルフィやゾロを警戒して指名手配に踏みきったというのが新聞に書かれている

 

ちなみにゾロは500万ベリーでの指名手配だ

 

「そういえばサンジくんとウソップは指名手配されていないわね?」

「2人はゾロと違い少し前までは一般人でしたからね。海軍にも情報が無いのでしょう」

「うん、納得したわ」

 

そう言ってナミは後ろから私を軽く抱き締めてくる

 

「ねぇ、シュウ。たしぎとライトは大丈夫かしら?」

「ククク、ルフィ達の心配はしないのですね、ナミ?」

「あいつらは海賊よ、何かあっても自業自得だわ」

 

ルフィ達を良い奴と知ってもナミの海賊嫌いは変わらないらしい

 

「それよりも、もう一度ローグタウンに行かない?」

「構いませんよ、ナミ」

「あら、また2人だけでデートだなんて妬けるわね」

 

ベルメールさんが茶化すようにして会話に割り込んでくる

 

「恋人なんだから別にいいでしょう?」

「あっはっはっは!ナミも言うようになったわね」

「そうね。少し前なら顔を真っ赤にしてたのに、これじゃ面白くないわ」

 

ナミの切り返しにベルメールさんとノジコは物足りないようだ

 

「いつまでもからかわれてばかりだと思わないでよね」

「そろそろ新しいネタを探さないとダメそうね、ノジコ」

「そうね、ベルメールさん」

 

悪びれる様子も見せないベルメールさん達にナミがジト目を向ける

 

「さて、私とナミはローグタウンに行きますがベルメールさん達も一緒に行きませんか?」

「あら、馬に蹴られるつもりはないのだけど?」

「ローグタウンに品揃え豊富な服屋があったので新しい服でもどうかと思いまして」

 

私とベルメールさんの会話にノジコが反応をみせる

 

「いいわね。一緒に行こうよ、ベルメールさん」

「私が今更着飾ってもねぇ…」

「綺麗なんだから勿体ないわ、ベルメールさん」

 

ノジコの誘いにベルメールさんは否定的だがナミがノジコに賛同する事で

ベルメールさんは戸惑いを見せる

 

ベルメールさんは今更と言うが家族としての贔屓目無しでベルメールさんは綺麗だと思う

 

それこそ20代後半と言っても疑問に思わない程に健康的で美人なのだ

 

「はぁ…はいはい、降参よ。一緒に行くわ」

 

ベルメールさんがため息を1つ吐いてから誘いを受けるとナミとノジコがハイタッチをした

 

「ノジコ、ベルメールさんにはどんな服がいいかしら?」

「大人の女を意識した物でいいんじゃない?」

「あんた達…私はいいから…」

 

「ダメよ、ベルメールさん」

「そうよ、そろそろベルメールさんもいい男を捕まえないと」

「あのね、私は男がいないんじゃなくて作らないのよ」

 

こんな感じで我が家の女性陣の会話は盛り上がっていく

 

そして、出掛ける準備を終えた私達は家族揃ってローグタウンに転移したのだった




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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