ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿5話目になります


第113話

父さんに報告をした翌日、私はナミと共に白ひげのアジトに転移した

 

「お~、いらっしゃい博士。良く来てくれたよい」

 

白ひげのアジトに転移するとマルコが迎えに出てきた

 

「さっそく親父の所に案内するからついてきてくれよい」

 

マルコの先導に私とナミはついていく

 

「…何やら穏やかな雰囲気じゃない方々がいますね」

 

マルコの先導についていく途中、少々殺気立つ者達がいた

 

「…ちょっと揉め事があったんだよい。気になるなら親父から聞いてくれよい」

 

私に返事をする時のマルコは無表情だった

 

その後、マルコの先導で白ひげの所に辿り着くと驚きの光景を目にする

 

白ひげの身体に痛々しく包帯が巻かれていたのだ

 

「おう!よく来たな博士!見苦しい姿で悪いが歓迎するぜ!」

 

怪我など無いとでも言うように白ひげは快活な声を上げる

 

「何があったのでしょうか?」

「なに、ちょっと息子の反抗期があっただけさ」

 

白ひげがニッと笑いながら言ってくるが白ひげに怪我を負わせるとはただ事では無い

 

「…詳しく伺っても?」

「まぁそう焦るな博士。まずは一杯やってくれ」

 

そう言って白ひげはドンッとジョッキを私の前に置く

 

「それに、そっちの嬢ちゃんの事も紹介して貰わねぇとな、グララララ!」

 

白ひげがナミの前にもジョッキを置くとナミが一息に飲み干した

 

「わたしはナミ!シュウの恋人よ!」

「そうか、俺はエドワード・ニューゲートだ!白ひげの方が

 通りがいいだろうな、グララララ!」

 

どうやら白ひげはナミの飲みっぷりが気に入ったようだ

 

「どうやら事は成せたようだな、博士」

 

白ひげが大樽で酒を煽りながら私にそう言ってくる

 

「えぇ、おかげさまで」

「纏う雰囲気が違ったからな、一目でわかったぜ、グララララ!」

 

白ひげ程の男になるとそういった事から読み取れるようになるのか…

 

「それで、何があったのでしょうか?」

「…息子の1人が仲間を殺して悪魔の実を奪って逃げたのさ」

 

白ひげはジョッキを煽りながら言うが表情は消えている

 

「博士、1つ頼みがあるんだよい」

「マルコ、黙ってろ」

「親父、エースの事を頼むなら博士が一番だよい」

 

マルコが珍しく白ひげとの会話に口を挟んできたが聞き捨てならない言葉があった

 

「マルコ、エースがどうかしたのですか?」

 

私の言葉にマルコは白ひげに伺いをたてる様に目を向けるが白ひげは目を瞑るだけだ

 

「さっき親父が言った逃げた男っていうのがエースの部隊の奴なんだよい」

 

マルコの言葉に私は大体の事情を察する

 

「つまり、エースは落とし前をつける為に件の男を追っていったと?」

「察しが良くて助かるよい」

 

エースらしいと言えばらしい行動だ

 

「それで、頼みというのはエースの手伝いをすればいいのですか?」

「違うよい。エースを連れ戻して欲しいんだよい」

 

連れ戻す?

 

「どういうことでしょうか?」

「エースが追った男は20年以上親父の息子としてグランドラインで生き抜いて来たんだよい

 今のエースが相手にするのは荷が重いんだよい」

 

なるほど

 

「それに、落とし前をつけるのに博士に手伝って貰ったら俺達の立場が無いよい」

「それは失礼しました」

「いいよい。気にしないでくれよい」

 

そう言ってマルコが私に笑顔を見せる

 

「マルコ、エースが追った男の事を聞いてもいいでしょうか?」

「…マーシャル・D・ティーチって言うよい」

 

私はマルコが口にした男の名に驚く

 

「博士、知ってるのかよい?」

「先日、父さんから聞きました」

「なるほど、赤髪とは因縁があるから博士が知っていても不思議じゃないよい」

 

どうやら白ひげ一味は父さんとティーチの因縁を知っているようだ

 

「マルコ、エースはどこにいるのか情報はありますか?」

「アラバスタ王国付近で見たって報告が来ているよい」

 

大所帯の白ひげ海賊団の情報網はグランドライン全域に及び、その情報の早さは

海軍をも上回るというのを以前レイ養祖父さんに聞いた事がある

 

「砂漠を探し回る事を考えると少し準備が必要ですね」

「博士、エースを連れ戻す事を引き受けてくれるのかよい?」

「えぇ、友が危険かもしれないと聞いたのならば断れませんよ」

 

さて、砂漠を探し回る事を考えるとナミはココヤシ村に帰した方がいいな

 

「ナミ…」

「シュウ、わたしも行くわよ」

 

ナミが私の言葉を遮るように言い切る

 

「ですが…」

「わたしとシュウはこれから世界を巡るんでしょう?こういった事はこれから日常茶飯事に

 なるんだから今の内に慣れておいた方がいいんじゃない?」

 

私はナミの言葉に降参の意を込めて両手を上げる

 

すると、それを見た白ひげとマルコが笑い出す

 

「グララララ!度胸があるいい女じゃねぇか!大事にしてやれよ、博士!」

 

マルコとの会話の間、黙して表情を消していた白ひげが笑顔を見せる

 

そして、不意打ちの様に白ひげが私に頭を下げてきた

 

「博士、息子を…エースを頼む」

 

私は白ひげの言葉に頷く

 

「わかりました。それと、連れ戻すのに少々手荒くなると思いますが、構いませんか?」

「グララララ!一言も言わずに飛び出したバカ息子に灸を据えるのに丁度いいぜ!」

 

こうして私はティーチを追って白ひげ一味を飛び出していったエースを連れ戻す依頼を受けた

 

その後、白ひげの計らいで必要な物資を補給した後、ナミと共に

アラバスタ王国へと向かったのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう^^

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