ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


第119話

「あ、あの…シラカワ博士?」

 

オアシスにあるカジノからビビを連れ出すとビビが疑問の声を上げた

 

「なんですか、ビビ?」

「ルフィさんやライトくん達を助けなくてもいいんですか?」

「ライト達はともかく、ルフィ達は自業自得でしょ?」

 

ビビの言葉にナミが答えるとビビは納得がいかないのか渋い表情をした

 

「ナミの言葉通りですが彼等を助けるだけの時間的猶予はあるのですか?」

「それは…」

「優しいのは結構ですが目的を忘れてはいけませんよ」

 

ビビは「目的…」と呟くと強く頷いた

 

「ではビビが納得した所で行動を開始しましょうか」

「シュウ、どうするの?」

「先ずは知っている事を教えていただけますか、ビビ?」

 

私の言葉を受けてビビがクロコダイルの計画を話していく

 

要約すると反乱軍を扇動しているようだ

 

「なので反乱軍を止めたいのですが…どうでしょうか、シラカワ博士?」

「…それだけでは弱いですね」

「弱い…ですか?」

 

私の返答にナミとビビが顔を見合わせて首を傾げている

 

「でも、反乱軍のリーダーは私の知り合いで…」

「ビビ、クロコダイルはバロックワークスを率いているのをお忘れですか?」

 

私の言葉にビビが目を見開く

 

「私がクロコダイルの立場なら反乱軍を表に立たせて自分達は裏でコブラ国王を暗殺します」

「で、でもお父様が死んだら誰が国を…」

「ビビ、貴方を傀儡にする、もしくは貴方を妻とするなど方法は色々ありますよ」

 

私の言葉にビビが唇を噛む

 

「反乱軍を表に立たせてコブラ国王を暗殺、そして自らの手で反乱軍を鎮圧すれば

 アラバスタ王国民には救国の英雄として迎えられるでしょうね」

 

「そうなってしまえば貴方が何と訴えてクロコダイルを否定しようともアラバスタ王国民は

 貴方の言葉を聞き入れないでしょう」

 

ビビが手から血を滴らせる程に強く握り絞めている

 

「クロコダイルの計画の全容はわかりませんがコブラ国王の安全を確保するのが最優先です」

「でも、それでは反乱軍と正規軍の戦いを止める事が…」

 

ビビは反乱軍の者達もアラバスタ王国民として考え救おうとしているようだ

 

ビビのこの優しさは平時においては間違いなく美徳でしょう

 

ですが、今の状況においては少し行動の枷になってしまいますね

 

「ビビ、貴方の目的は何ですか?」

「…クロコダイルからアラバスタ王国を守る事です」

「ならば、優先するべき事がわかるはずです」

「ねぇ、シュウ?反乱軍の方は何とか出来ないの?」

 

ビビの葛藤を見兼ねたのかナミが私にそう聞いてくる

 

「それをするにも先ずはコブラ国王の身柄をこちらで確保しなければなりません」

「どういうこと?」

「コブラ国王の身をクロコダイル側に確保されると影武者を用意される可能性があります」

 

私の言葉にナミとビビが顔を見合わせる

 

「バロックワークスにどのような人材がいるのかは存じませんが、今回の乗っ取りの為に

 クロコダイルが周到に準備をしてきたのなら変装が得意な者、もしくはコブラ国王に

 容姿が似ている者の1人くらい用意していてもおかしくはないですからね」

 

私の言葉を聞いてビビが口を開いて驚く

 

「ミスター・2…」

「ビビ?」

「《マネマネの実》を食べた能力者で右手で顔を触れた相手に変身出来る能力者です…」

 

それはまた随分と今回のアラバスタ王国乗っ取りに有用な能力者ですね

 

「では、ますますコブラ国王の身をこちらで確保する必要がありますね」

 

私の言葉にビビが強く頷く

 

「では案内をお願いしますよ、ビビ」

 

先導をするビビに私とナミはついていく

 

そしてコブラ国王のいるアルバーナ宮殿に辿り着くと

私は8年振りにコブラ国王と再会するのだった

 

 

 

 

一方、シュウ達が去った地下室ではクロコダイルが目に見える程の怒気を発していた

 

「…計画の変更だ。オフィサー・エージェントに直ぐに繋ぎを取れ」

 

クロコダイルの言葉を受けてニコ・ルビーとロビンの姉妹は顔を見合わせる

 

「ボス、まだ反乱軍が動いていませんが?」

「ビビ王女がシラカワ・シュウをコブラ国王の所に案内するまで何も話さないと思うか?」

 

ルビーの疑問に答えるクロコダイルの言葉にニコ姉妹は首を横に振る

 

「もしくは既に話していてそこの牢の連中と組んでいた可能性もある」

「では、何故ビビ王女を?」

「…ここは場所が悪い。俺の能力を十全に発揮できないからだ」

 

クロコダイルはロビンの言葉にやや目を逸らすようにして答える

 

「ともかく計画の変更だ。直ぐに動け」

「わかりました。それと、彼等はどうしますか?」

 

ルビーの言葉を受けてクロコダイルは牢を一瞥するが鼻を1つ鳴らしてから

地下室のドアへ向かって歩き出した

 

「バナナワニの餌にでもしておけ」

 

そう言ってクロコダイルは鍵束をルビーに投げ渡して足早に去っていく

 

クロコダイルの姿を見送ると原作と違う展開になったと

ライトとルビーは頭を悩ませるのだった




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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