ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第120話

私は投げ渡された鍵束を握り締めながらクロコダイルが去っていった

ドアを見て頭を悩ませ続けていた

 

クロコダイルが4年の時間を費やした計画を変更する?

 

原因は?

 

やはり《シュウ・シラカワ》のせい?

 

反乱軍による混乱無しにクロコダイルの計画は成功するの?

 

私は考えを巡らせていく

 

私はクロコダイルの計画が成功する確率が高いのならばそれに乗っかるのも

悪くないと思って彼の計画を手伝ってきた

 

妹のロビンと共に世界政府に世界の敵として認定された事で追われ続けた日々

 

その日々に一時的に安寧をもたらしたのが七武海のクロコダイル

 

お互いに利用する関係だったとはいえその事に感謝はしているわ

 

でも、そろそろ潮時のようね

 

《シュウ・シラカワ》という《ラスボス》に目をつけられるなんて冗談じゃないわ

 

クロコダイルとはそれなりに長い付き合いだけどあんなにアッサリと

やり込められたのは初めて見たわ

 

例え原作知識があったとしても…私はあんなふうにクロコダイルを

アッサリとやり込める事は出来ないわ

 

それに、あのどこか思わせ振りな言い方は私の知る《シュウ・シラカワ》に似ている…

 

私と同じ転生者かどうかはともかく本人と思って行動した方がいいわね

 

さて、ここでルフィ達を助けて恩を売るとして…問題は転生者と思わしきライトって奴ね

 

彼がルフィ達の仲間だったら話は早かったんだけど…海軍なんだから面倒よねぇ…

 

安定した収入でも求めたのかしら?

 

そう言えば《シュウ・シラカワ》と一緒にいた女性って…ナミよね?

 

なんでナミが《ラスボス》と一緒にいるの?

 

というかルフィ達は航海士無しでここまで来たの?

 

私は頭が痛くなりそうだった

 

でも、航海士がいないならその立場で仲間に入る事は出来そうね

 

私とロビンはグランドラインを渡れる航海術を持っているから

大きなアピールポイントになるわ

 

残る問題は…なんかライトとルフィが仲良さそうに見えるのよねぇ…

 

クロコダイルの言うようにもう手を組んでいるのかしら?

 

確認する必要があるわね…

 

万が一クロコダイルの計画が成功した時の保険も残さないといけないわ

 

はぁ…《シュウ・シラカワ》が来てから本当に滅茶苦茶よ…

 

私は考えを巡らせていく

 

私達姉妹が生き残る為に必要な行動を

 

 

 

 

流石シュウだぜ!

 

アッサリとビビを人質から救いだしやがった!

 

それに、すかしたクロコダイルの奴があんな表情をするなんてな

 

ざまぁみろだぜ!

 

でもよ、反乱軍が動く前にオフィサー・エージェントが動くって…

 

これ、この先どうなるんだ?

 

まぁ、シュウの奴が関わるんならなんとかするんだろうな

 

そうなると俺達はここを脱出して取り合えずオフィサー・エージェントを

ぶっとばすって事でいいのか?

 

でも、反乱軍も抑えないといけねぇよな?

 

数の多い反乱軍を抑えるとなるとこっちも数を揃えた方がいいな

 

う~ん…たしぎに部下を率いさせて任せるか?

 

でもたしぎはちょっと抜けてるから心配だしなぁ…

 

俺がアレコレと考えているとルビーって女の声が聞こえてきた

 

「ロビン、貴女はオフィサー・エージェントの所に向かってちょうだい」

「姉さんはどうするの?」

 

「そろそろ潮時だと思ってね…だからそこのお兄さん達と『お話し』をしていくわ」

「そう…気を付けてね、姉さん」

「お互い様にね、ロビン」

 

2人がそんな会話をしていたが話が終わったのかロビンが地下室から出ていった

 

「聞いていたんでしょう?それじゃ、ちょっと話に付き合ってくれるかしら?」

 

そう言ってニコ・ルビーがニコッと笑う

 

俺は原作にいなかった奴であるニコ・ルビーの行動に警戒するのだった

 

 

 

 

「おぉ!シラカワ博士か!久し振りだな」

「えぇ、コブラ国王も御壮健の様で」

「ハッハッハッ!国民の事を思えば臥せっている暇など無いからな!」

 

ビビの案内でアルバーナ宮殿にて無事にコブラ国王と会うことが出来た

 

「お父様!」

「ビビ!無事だったか!」

 

再会を果たした親子が抱き合っている

 

「お父様、お話しがあります」

「…反乱軍の事か?」

「それもありますが…」

 

コブラ国王はビビの言葉を遮るように頭を撫でる

 

「もし国民が私が王で在ることを望まないのならば私はそれを受け入れるのも

 悪くないと思っている」

「お父様!」

「だが、そうではないのだろう?シラカワ博士?」

 

コブラ国王が強い意思を宿した瞳を私に向けてくる

 

「ご存知だったのですか?」

「私も国政を担う王の端くれだ。今のアラバスタ王国の情勢でシラカワ博士が

 ビビと共に私の所に来たことに何かがあると考えるのは当然だよ」

 

コブラ国王の言葉を受けてビビが事情を説明していく

 

「なるほど…それで、シラカワ博士は今後はどう推移していくと思うかね?」

「クロコダイルは強行策に出るのではないかと…」

「つまり、反乱軍が動く前に私の暗殺を狙うと?」

「暗殺とは限りませんが御身を狙う事は間違い無いでしょう」

 

コブラ国王は目を瞑るとため息を1つ吐く

 

「アルバーナが荒れる事を考えれば王たる私が逃げるわけにはいかんだろう」

「ですがお父様!」

「ビビ…民が混乱した時、誰がそれを鎮めるのだ?」

 

自らが狙われているというのにそれでも民を思うのですか…変わりませんね、コブラ国王

 

「では、アルバーナ宮殿でコブラ国王を護衛する事にしましょうか」

「シラカワ博士?」

「大丈夫ですよ、ビビ。ルフィはどうかわかりませんがライトならばクロコダイルとも

 渡り合えると私は思っていますから…遊撃は彼等に任せましょう」

 

私の言葉にビビが心配そうな表情を浮かべる

 

「シュウ、本当にライトは大丈夫なの?」

「彼は私の好敵手を公言していますからね。それぐらいはやってみせてもらいましょう」

 

私とナミの会話を聞いたコブラ国王が笑い声を上げビビはため息を吐く

 

私はクロコダイルの計画を読む為に考えを巡らせる

 

単純にコブラ国王の身を狙うだけとは思えない…

 

ならば…?

 

私はこのアルバーナでクロコダイルが起こすだろう出来事を考え続けるのだった




次の投稿は11:00の予定です

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