ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です


第121話

「ワニ!」

 

レインベースからアルバーナに向かっていたクロコダイルだが

そこに待ったをかける者が現れた

 

「…麦わら、何故てめぇがここにいる?」

「ん?でけぇワニが牢屋を壊してくれたぞ」

 

クロコダイルを追ってきたのはルフィだった

 

そのルフィがクロコダイルの質問に答えるのだがルフィは目を逸らして

口笛を吹きながら棒読みで答えた

 

明らかに嘘である

 

だが、シラカワ・シュウに心を掻き乱されたクロコダイルは気付く事が出来ない

 

「ちっ…それで、何をしにきた麦わら?」

「お前をぶっ飛ばしにきた!」

 

指の骨を鳴らすルフィにクロコダイルは舌打ちを1つしてから対峙する

 

砂漠にて七武海と新人海賊(ルーキー)がアラバスタ王国の行く末を賭けて

戦いを始めたのだった

 

 

 

 

時は少し戻り、カジノの地下室ではニコ・ルビーが主となって話し合いがされていた

 

「それじゃ、交渉を始めましょうか。お兄さん方♪」

 

美女であるルビーがウインクをしながらそう言うがその場にいる

男達の中に反応する者はいなかった

 

ルビーは内心で舌打ちをしたい思いを抑える

 

胸なの?やっぱり男は女に胸を求めるの!?

 

そんな風に胸中で葛藤するルビーだが無事に牢を出れるかどうかという場面であるので

男達は真面目になっているだけである

 

姉妹は似るものなのか妹は天然の気があり姉はどこか抜けている残念美人である

 

「…それで、何を交渉するつもりだ?ニコ・ルビー」

 

ルビーの葛藤に気付かぬスモーカー大佐が話をきりだす

 

ルビーは胸中を悟られぬように一拍おいて気持ちを落ち着けてから言葉を返す

 

「そうね、私が手に持っているものが何かわかるでしょう?」

 

話し合いの主導権を取るべくルビーが鍵束をチャラッと音をさせてちらつかせる

 

「まどろっこしいのは性に合わねぇ。何が望みだ?」

「あら、早い男は嫌われるわよ?」

「美人なんだからそういうのは自重しろよ!」

 

スモーカーとルビーの会話に初心なライトがツッコミを入れる

 

そんなライトの反応にルビーは意味深な流し目を送る

 

すると、ライトはその目を避ける様にスモーカーの後ろに隠れだした

 

「ライト…てめぇは何がしたかったんだ?」

「…何も言わないでくれ、スモーカーさん」

 

男には人に言えぬ悲しみを背負っている事があるのだ

 

「そこの強面さんに習って単刀直入に言わせてもらうわ。私達姉妹を見逃して欲しいの」

「…《オハラの悪魔姉妹》を見逃せと?」

「その異名、好きじゃないわ」

 

異名を口にしたスモーカーをルビーは睨みつける

 

「お前、仲間を売るのかよ!」

「クロコダイルは仲間じゃないわ。上司ではあるけどお互いに利用しあうだけの関係よ」

 

ライトの言葉にルビーは両手をひろげながら首を横に振る

 

「ここから出ないとそこの麦わらさんを捕まえたりとかお仕事が出来ないでしょう?」

「…今回の一件が終わるまでは見逃す。だが、俺の部隊以外は関与出来ねぇぞ」

「それでいいわ。自然系能力者の貴方以外なら逃げきれる自信はあるもの」

 

ルビーの言葉にスモーカーは舌打ちをする

 

「さて、海兵さん達とは話がついたから今度は海賊さん達ね」

 

そう言ってルビーはルフィへと目を向ける

 

ルフィは腕を組みながら首を傾げてルビーの言葉を待つ

 

「麦わらさん、貴方達がクロコダイルに勝ったら私達姉妹を仲間に入れてくれないかしら?」

「いいぞ」

 

ルビーの言葉にルフィは間髪いれずに了承の言葉を口にする

 

「おい、ルフィ!」

「いいじゃねぇか、ゾロ。どうせ俺はワニをぶっ飛ばすんだし」

 

麦わら一味の中では比較的冷静なゾロがルフィに抗議の声を上げるがルフィは笑い飛ばした

 

「それで、お前は何が出来るんだ?」

「これでもそれなりの時間をグランドラインで生きてきたから航海術ぐらい持ってるわよ」

「じゃあお前はうちの航海士だな!」

 

ルビーの言葉にルフィはニッと笑って応える

 

「ルフィ、航海士はナミにするんじゃなかったのか?」

「う~ん…シュウ達は中々仲間になってくれねぇからなぁ…それにウソップが

 『早く航海士を仲間にしろー!』っていつも言ってるからちょうどいいだろ」

 

ここまで付け焼き刃の航海術で麦わら一味の航海を支えてきたウソップは間違いなく

麦わら一味で一番の貢献者だろう

 

だが、刻一刻と移り変わるグランドラインの気候に常に気を張り続けるウソップは

チョッパーが仲間になってからは毎日の様に胃薬を求めていたのだった

 

「それじゃよろしくな、ルビー!」

「あら、随分と気の早い船長さんね」

「ししし!俺はワニに勝つからな!」

 

海楼石製の鉄格子の隙間から手を伸ばしてルフィとルビーが握手を交わす

 

こうしてルフィとライト達はルビーの手引きで無事に牢を脱する

 

その後、各々の役割を話し合った後にアラバスタ王国を救う為に奔走するのだった




次の投稿は13:00の予定です

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