ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です


第126話

時は少し戻り、たしぎとミス・ダブルフィンガーが戦いを始めた頃、アルバーナ王宮内で

ナミとボン・クレーの戦いも始まっていた

 

「ハッ!」

「アン!」

 

「フッ!」

「ドゥ!」

 

「セイッ!」

「オラァ!」

 

「真面目にやりなさいよ!」

「ジョ―――ダンじゃ!な―――いわよぉ―――う!」

 

ナミがまるで踊るように蹴りを放ってくるボン・クレーに一言文句を言うのだが、

当のボン・クレーはこれでも至極真面目に戦っているのである

 

「あちしの『オカマ拳法』を舐めるんじゃ、な―――いわよぉ―――う!」

 

そう言いながらボン・クレーは飛び蹴りを繰り出す

 

「くぅ!」

 

ボン・クレーの飛び蹴りを、ナミは武装色を纏わせたライフルで受けるが、

その飛び蹴りの威力は防御の上からナミの身体を飛ばす威力を持っていた

 

「あらぁ?もっと飛ぶと思ったのに、あんた意外と重いのねぇ~い」

「うっさい!ぶっ飛ばすわよ!」

 

頬に片手をあてながら言うボン・クレーの言葉に、ナミが噛みつく

 

「もぉ――う、そんな簡単に怒ってるようじゃ、恋人なんて出来ないわよぉ―――う!」

「あら、恋人ならいるわよ。自慢の恋人がね♪」

 

ナミの言葉にボン・クレーが目を見開く

 

「あっ、それは、おめでとうございます」

「えっ?えっと、ありがとうございます?」

 

戦いを止めてお互いに頭を下げる、そんな奇妙な光景が出来ていた

 

「なぁ―――んで、敵のあんたと和んでるのよぉ―――う!」

「あんたのせいでしょうが―――!」

 

ナミとボン・クレーの戦いを見守っているビビとコブラ国王は苦笑いをするしかない

 

「もう、調子が狂うわね!」

 

そう言いながらもナミはライフルを振るう

 

ボン・クレーはナミのライフルを蹴りで受け止める

 

その後は真面目に攻防が続くがお互いに決定打に欠ける

 

「埒が開かないわねぇ―い。それじゃ、こんなのはどぅ――う?」

 

そう言ってボン・クレーが右手で自身の顔に触れると、ルフィに変身した

 

「んがっはっはっ!どぅ――う?麦ちゃんよぉ――う?これでも、あんたは攻撃…っ!」

 

ナミはボン・クレーの言葉を遮るようにライフルで殴り飛ばした

 

「なぁ―にすんのよぉ――う!あんた、麦ちゃんと友達でしょ――う!?」

 

そんなボン・クレーの言葉にナミはライフルを肩に担いで答える

 

「わたし、海賊嫌いだから」

 

ハッキリと答えるナミにボン・クレーは、ルフィの顔のまま口を大きく開けて驚く

 

「そういうわけだから、遠慮はしないわよ!」

 

そこからナミの猛攻が始まる

 

先程までと違うのは、ルフィの体格になったボン・クレーは動きに精細を欠いている事だ

 

互角だった戦いの流れがナミへと傾く

 

何度も強かにライフルで打ち据えられてから、ボン・クレーが漸く元の姿に戻る

 

だが、その時にはボン・クレーはボロボロになっていたのだった

 

「ハァ、ハァ、やるじゃな――い!」

「あんたが自滅しただけでしょ?」

「んがっはっはっ!それもそうねぇ――い!」

 

そう言ってボン・クレーはその場でクルクルと踊るように回りだす

 

ナミが追撃しようとライフルを振るうと、ボン・クレーは回転を活かして後ろ蹴りを放つ

 

「くぅ!」

 

ライフルで受けたので直撃は避けられたが、後ろ蹴りの威力で飛ばされてしまい、

ボン・クレーと距離が出来てしまった

 

「悪いけど、奥の手を使わせてもらうわよぉ――う!」

 

そう言ってボン・クレーは、背中に身に付けていた白鳥を模した何かを足につけた

 

「さぁ!準備完了よぉ―う!」

「どこまでふざけるつもりなのよ!」

 

足に白鳥を模した何かを足につけたオカマ、というシュールな光景にナミがツッコミを入れる

 

「ジョ―――ダンじゃ、なぁ―――いわよぉ――う!」

 

ボン・クレーがその言葉と共にナミに向かって踏み込んでくる

 

ナミは迎撃しようとライフルを構えるが…

 

「白鳥!」

 

蹴りの態勢に入ったボン・クレーの姿にゾクリと悪寒を感じて、即座に横に身を投げ出す

 

「アラベスク!」

 

ボッ!

 

空気を貫くような音と共に放たれた蹴りは、ナミの背後にあった壁に穴をあけていた

 

「なっ!?」

 

壁の穴を見てナミが驚く

 

「どぅ――う?蹴りの力を、この白鳥で一点に集中出来るのよぉ――う!」

 

ボン・クレーの言葉にナミは背中に冷や汗をかく

 

「ちなみに、右がオスで左がメスよぉ―う」

「どうでもいいわよ!そんな情報!」

 

思わずツッコミを入れてしまったナミだが、あの白鳥を模した何かによって、ボン・クレーの

攻撃の間合いも変わってしまった事をやっかいに感じている

 

「それじゃ、行くわよぉ――う!」

 

ボン・クレーがダメージを感じさせない力強さで踏み込んでくる

 

「アン!」

 

ボン・クレーが繰り出す蹴りをナミがライフルで弾く

 

「ドゥ!」

 

ナミは次に壁に穴を開けたあの蹴りが来ると身構える

 

だが…

 

身構えるナミを見て、ボン・クレーがニヤリと笑った

 

「オラァ!」

 

ドガッ!

 

ボン・クレーは蹴りを出さず、裏拳でナミの脇腹を強かに殴り飛ばしたのだった

 

「くぅ…つっ!」

 

床に投げ出されるように倒れたナミは、脇腹を抑えて痛みをこらえる

 

「『オカマ拳法』だって言ったでしょぉ――う?拳法なんだから、

 蹴りだけじゃなぁ――いわよぉ――う!」

 

床に倒れているナミにボン・クレーは追撃をしていくが、ナミは床を転がって避けていく

 

「んがっはっはっ!形勢逆転ってところねぇ――い!」

 

ボン・クレーの攻撃の合間になんとか起き上がったナミだが、その額には脂汗が浮いている

 

「勝った気になるのは、早いんじゃないかしら?」

「そうねぇい、油断せずに行かせてもらうわよぉ――う!」

 

ボン・クレーの攻撃をライフルで弾く度に、ナミは歯を食い縛って脇腹の痛みに耐える

 

「白鳥!アラベスク!」

 

ボン・クレーが放つ必殺の一撃を、ナミは身を捩って避ける

 

だが、身体がひきつるようにして脇腹の痛みで動きが止まってしまうと、ボン・クレーに

顔を殴り飛ばされてしまった

 

「そろそろ降参したらどぅ――う?」

「…シュウに任されたのよ?諦めるわけないじゃない!」

 

ボン・クレーに殴り飛ばされた事で、ナミは口を切って血を流していた

 

その血を手で拭いながら、ナミが立ち上がる

 

「んがっはっはっ!いい根性してるじゃな――い!」

 

ナミが手にしていたライフルの安全装置を動かす

 

「わたしも、奥の手を使わせてもらうわ」

 

ナミの言葉にボン・クレーは両手を拡げておどける仕草をする

 

「接近戦でライフルを撃つつもり?あちしの蹴りの方が早いわよぉ――う」

「そう?なら、試してみようかしら!」

 

その言葉と共にナミから仕掛けていく

 

アルバーナ王宮の一角で行われているナミとボン・クレーの戦いは、少しずつ

終幕へと近づくのだった




次の投稿は13:00の予定です

この2人の戦いは2話分…贔屓だってハッキリわかんだね!

だって、作者が好きなんだもん。仕方ないね

一応言っておくが、ナミが好きなんであって、ボンちゃんの方じゃないからな!

…じゃないからな!

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