ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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本日投稿4話目です


第127話

アルバーナ王宮の一角にてナミとボン・クレーの激闘は続いていた

 

「セイッ!」

「ンガッ!」

 

先に奥の手を切ったボン・クレーが戦いの流れを掴んだのだが、ナミも奥の手をちらつかせる

事で戦いは互角の状態に戻っていた

 

「オラァ!」

 

ボン・クレーが蹴りを放つ

 

ナミはその蹴りを弾き、その反動でライフルを手の中で回転させる

 

すると、銃身を掴んで振るっていた状態から、銃口を相手に向けた状態へと変化した

 

だが、ボン・クレーはそれに直ぐ反応する

 

引き金を引かせまいと、足だけでなく手技も交えて連撃を繰り出す

 

ナミは器用にボン・クレーの連撃を捌きながら持ち手を反転させて応戦する

 

このやり取りが10分程続いていた

 

双方共に息が上がっているが、引く様子を見せない

 

ここで引けば流れを失うという、戦っている当人にしかわからない確信があるからだ

 

そんな攻防の中で、先に動いたのはナミだった

 

これまで丁寧にボン・クレーの攻撃を弾いていたが、徐々に避ける動きを見せていく

 

だが、ボン・クレーも歯を食い縛り連撃の速度を上げて、ナミの動きを抑え込む

 

この状況、苦しいのはボン・クレーの方だ

 

連撃を止めればライフルを撃たれる

 

その事がわかっているので、無駄撃ちさせようと幾度も誘いとして隙を作ったりするのだが、

まるでそれをわかっているようにナミは誘いに乗らない

 

確実にライフルを当てる為、接射しようと虎視眈々と機会を待っているのだ

 

ボン・クレーはこれ以上は息が続かないと一か八かの賭けに出る

 

「白鳥!」

 

手技のフェイントを入れてリズムを変えてから必殺の一撃に移る

 

「アラベスク!」

 

白鳥を模した武器がそのしなりを利用して、ボン・クレーの蹴りを加速させる

 

だが、ナミは手技のフェイントには引っ掛からずに、身体を回転させながら前に踏み込む

 

白鳥を模した武器が、ナミの脇腹を掠めるようにして服を削り取る

 

ナミは千載一遇の機会を掴み、ボン・クレーの腹に銃口を押し当てる事に成功した

 

ボン・クレーは来る痛みに耐えるべく歯を食い縛る

 

だが、訪れた痛みはボン・クレーが想像したものとは違っていたのだった

 

「《衝撃弾》(インパクト・ブレット)!」

 

ドンッ!

 

文字通りに腹の奥に響き渡る衝撃が、ボン・クレーを襲う

 

その衝撃に、強制的に肺の中の空気を押し出され、呼吸が出来なくなる

 

くの字に折れ曲がったボン・クレーの身体は、ズンッと音を立てて床に倒れた

 

「ガッ!…アガッ!」

 

空気を求めるように、ボン・クレーは口を開く

 

そのボン・クレーの様子を見て、ナミは床に膝をついた

 

ナミも限界ギリギリだったからだ

 

「…どう?《衝撃弾》の威力は?」

 

ナミはまるでイタズラが成功した子供の様な笑顔を見せる

 

「わたしのライフルはお養母さんから受け継いだものだけど、恋人に

 少し改造してもらってあるの」

 

息を整えながらもナミの説明は続く

 

「ライフルで殴った衝撃を吸収、蓄積して、さっきみたいに放出する事が出来るのよ」

 

コヒュッと音をさせて空気を吸い込んだボン・クレーが咳き込む

 

「もちろん、普通にライフルとして銃弾を撃つ事も出来るわ…便利でしょ?」

 

ナミがウインクをしながらそう言うと、呼吸が落ち着いたボン・クレーが身体を起こす

 

「…やるじゃな―――い」

 

先程の衝撃で腹に力が入らないボン・クレーだが、ニヤリと笑って見せる

 

「でもね、あちしもオカマの端くれ。まだ、負けたわけじゃな――いわよ――う!」

 

そう言って、フラフラと立ち上がったボン・クレーが構えを取る

 

「かかって来いや」

 

そんなボン・クレーを見て、ナミも立ち上がる

 

双方共に満身創痍…体力の限界も近い

 

「あんたとは友達になれたかもね」

「あ――ら、奇遇ねぇい、あちしもそう思ってた所よぉ――う」

 

ニッと2人が笑う

 

そして、申し合わせた様に2人が同時に踏み込む

 

繰り広げられる攻防にキレは無いが、双方の気迫が場に満ちていく

 

ボン・クレーがナミの顔を殴れば、ナミもライフルで殴り返す

 

ナミがライフルで腹を殴れば、ボン・クレーも意地で殴り返す

 

泥臭い殴り合いにどこか美しさを感じさせる戦いだが、それも終わりを迎える事になる

 

何度目かわからない殴り返しに、ナミがよろけたのだ

 

「白鳥!」

 

これが最後と、ボン・クレーが必殺の一撃の態勢に移る

 

「アラベ…ンガッ!」

 

だが、衝撃弾を受けたダメージが、この土壇場でボン・クレーの動きを阻んだ

 

その隙に、ナミが銃口をボン・クレーの腹に押し当てる

 

それを見たボン・クレーは、敗北を認める様に笑ったのだった

 

「衝撃弾(インパクト・ブレット)!」

 

ナミが引き金を引くと、ドンッ!という音と共にボン・クレーの身体がくの字に折れ曲がる

 

その一撃で意識を失ったボン・クレーは、ゆっくりと倒れていくのだった




次の投稿は15:00の予定です







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