ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿5話目です


第128

ドサッ!

 

ボン・クレーが床に倒れるとナミは大きく息を吐く

 

「はぁ~…何とか勝てたわね…」

 

ペタンと自分も床に座り込みながらナミが呟く

 

「ナミさん!」

 

戦いを見届けたビビがナミに走り寄る

 

「ビビ、勝ったわよ」

「ありがとうございます、ナミさん。でも、ボロボロですね…早く治療しないと」

 

そう言ってビビが身に付けていたポーチをゴソゴソと漁る

 

「これぐらい大丈夫よ」

「でも、痕が残っちゃうかもしれないですよ?」

「その時は、シュウに責任を取ってもらうから♪」

 

ニッコリと笑いながらナミが言いきる

 

彼女はただでは転ばない強かな女性なのだ

 

「…ダメです!博士が軟膏とかを置いていってくれたので治療しますよ!」

 

ビビの言葉に少し間があったことにナミは気付く

 

ナミはそれを問い質そうとするが、そこにコブラ国王が割り込む

 

「よくやってくれた、ナミ殿」

「あ、はい、ありがとうございます」

 

タイミングを見計らったような言葉掛けに、ナミの勢いが止まる

 

「私がそこの男…いや、オカマか?とにかく、そこの者を拘束しておくので、ナミ殿は

 ビビの治療を受けておきなさい」

 

コブラ国王の言葉を受け入れて、ナミは大人しくビビの治療を受ける

 

そして、ナミの治療と、ボン・クレーの拘束と応急処置を終えた一同は、

拘束したボン・クレーを引き摺りながら地下へと向かうのだった

 

 

 

 

ナミ、たしぎの戦いは終わったが、ライトとクロコダイルの戦いはまだ続いていた

 

「オラッ!」

「フンッ!」

 

ライトの拳をクロコダイルが左の義手で弾くが、拳に纏っていた電気がクロコダイルに

少なくないダメージを与える

 

電気により硬直したクロコダイルにライトが追撃しようとするが、それより早く

クロコダイルが身体を砂化してその場を離れる

 

「だぁ――!またか!めんどくせぇ!」

 

ライトは攻撃に武装色の覇気を纏わせる事で、クロコダイルに攻撃を何度も当ててきたが、

クロコダイルもグランドラインを生き抜いてきた猛者である

 

そう簡単に戦いの流れをライトに渡さない

 

「ちっ!てめぇのような若僧が武装色を使えるとはな…」

「おうよ!おめぇがいくら砂になろうとも、俺の拳をお見舞いしてやるぜ!」

 

クロコダイルの言葉に、ライトは拳を前に突き出して答える

 

「ふんっ!てめぇの様に粋がる若僧の相手は腐る程してきた…」

 

そう言ってクロコダイルは右手で床に触れると砂へと変える

 

「おっと!」

 

ライトが砂に変わった床に足を取られないように飛び退くと、クロコダイルはその身体を

砂に変えてライトの背後に回り込む

 

そして、クロコダイルは右手をライトに伸ばすが、ライトはその右手を下から殴り上げる

 

「ちっ!」

「あっぶね!」

 

舌打ちをして離れるクロコダイルを見て、ライトは冷や汗を流す

 

クロコダイルの右手に捕まれば、ライトは渇いてしまい敗北するからだ

 

それは、双方共にわかっている事である

 

クロコダイルには必殺の一手がある

 

だが、ライトには無い

 

いや、クロコダイルには相性が悪くて必殺となりにくいというのが正しいだろう

 

ライトはクロコダイルの胸や顔に直接拳を叩き込めれば勝ちとなるが、クロコダイルは

ライトの身体のどこかを右手で掴めば勝ちなのである

 

その為、ライトは思いきった攻勢に出ることが出来ずに戦いが長引いているのだ

 

だが、ライトに焦りは無い

 

こうして足止めさえすれば、あの優秀な友人が爆弾を何とかしてくれると信じているからだ

 

ならば、自分はクロコダイルをコブラ国王達の所へ向かわせなければいい

 

ついでに、自分がクロコダイルをぶっ飛ばせば文句無しの結果だ

 

ライトはそう思いきっているのである

 

逆にクロコダイルの方には、僅かにだが焦りがある

 

ボン・クレーをコブラ国王の元へ向かわせはしたものの、コブラ国王の身柄を

手元に確保して、計画を確実なものにしたいのだ

 

その為、クロコダイルは目の前の男との戦いが、硬直状態に近い現状を好ましく思っていない

 

なので、クロコダイルはライトを無視してコブラ国王達を追おうかと考えた事もある

 

だが…

 

「剃!」

 

ライトが高速でクロコダイルとの間合いを詰める

 

「ちっ!」

 

クロコダイルは舌打ちをしながらもライトの動きに対応する

 

「おい、なんか気が散ってるんじゃないか?」

「…ガキが!」

 

ライトの《剃》による高速移動が、クロコダイルの離脱を許さない

 

下手に砂化をしようとすれば、あっという間に間合いを詰められて、電気の拳をくらうだろう

 

その為、クロコダイルはこの存外に手強いライトとの戦いを続けるしかないのだ

 

だが、その戦いに転機が訪れる

 

「ワニ!」

 

なんと、一度倒れた筈のルフィがこの場に現れたのだった

 

「麦わら!?」

 

ルフィが現れた事で、ライトの気が逸れる

 

経験豊富なクロコダイルは直ぐに動き出す

 

身体を砂化してその場を離れ始めたのだ

 

「おい、麦わら!今は俺が戦ってるんだ!邪魔すんじゃねぇ!」

「イヤだ!ワニは俺がぶっ飛ばすんだ!」

 

ライトとルフィが言い合っている間にも、クロコダイルは動き続ける

 

そして、クロコダイルが離脱した事に気づいたライトとルフィは、慌てて後を追うのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう^^

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