ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第130話

「俺がクロコダイルをぶっ飛ばす!下がってろ、麦わら!」

「イヤだ!俺がワニをぶっ飛ばすんだ、ビリビリ!」

「ビリビリ言うな!」

 

シュウが地下に到着して、クロコダイルの打倒をライト達に任せたのだが、

2人はどちらが戦うかで揉めていた

 

「俺が最初に戦ったんだぞ!ビリビリ!」

「お前、負けたじゃねぇか!」

「次は勝つから大丈夫だ!」

 

どうやら、どちらも譲るつもりはないようだ

 

そうこうしている内に、シュウに殴られたクロコダイルがゆっくりと立ち上がる

 

「シラカワ…何故てめぇがここにいる?」

「爆弾の処理を終えたからですよ、クロコダイル」

 

クロコダイルはシュウの返答に歯噛みをする

 

「シラカワ博士、爆弾はどうしたのかね?」

「アラバスタの砂漠のど真ん中に埋めてきました。日光浴を楽しんでいる現地の生物には

 傍迷惑な騒音になるでしょうがね」

 

シュウの言葉にコブラ国王は苦笑いする

 

「そうか…事が終わったら相応に礼をさせてもらいたい」

 

コブラ国王の言葉にシュウは素直に頷く

 

断れば王家の面子を潰すことになりかねないからだ

 

「…随分と気が早いな、コブラ国王」

 

怒気を表した表情でクロコダイルが言う

 

「まだ、俺の計画は終わってねぇ!」

 

まるで自身に言い聞かせるようなクロコダイルの姿に、コブラ国王は憐れみの目を向ける

 

「…なんだその目は?」

「アラバスタの英雄よ、もう戻れぬのか?」

 

クロコダイルはコブラ国王の言葉を笑う

 

「はっ!どこまでも甘ちゃんだな」

 

クロコダイルの返答にコブラ国王は首を横に振る

 

クロコダイルがコブラ国王に向かって動こうとしたその時、その動きを止めるかのような

一際大きな声が地下に響き渡る

 

「上等だ!じゃあどっちが先にクロコダイルをぶっ飛ばせるか勝負だ、麦わら!」

「望むところだ、ビリビリ!」

 

どのような経緯でそんな話になったのかはわからないが、ライトとルフィは共闘…

いや、競争をする事になったようだ

 

「小僧共が…舐めるな!」

 

クロコダイルが右手を縦に振ると、砂の刃がライト達に飛ぶ

 

砂の刃を左右に別れて避けたライトとルフィがそれぞれ動きだす

 

「剃!」

「ゴムゴムのぉ―――!」

 

ライトが《剃》による高速移動でクロコダイルに近付き、ルフィはゴムの腕を伸ばす

 

「ピストル!」

 

ルフィの拳がクロコダイルに向かって勢いよく伸びていく

 

だが…

 

「くらえ!クロコダ…ぶへっ!?」

 

ルフィの拳は、クロコダイルを殴ろうと接近したライトの顔面を殴ってしまったのだった

 

「てめぇ、なにしやがんだ麦わらぁ!」

「ビリビリが勝手に俺の技の前に出てきたんじゃねぇか!」

 

戦いの最中だがライトとルフィは言い争いをしてしまう

 

追い詰められているクロコダイルはそれに付き合わずにライトに右手を伸ばす

 

「あっぶね!」

 

ライトは転がるようにしてクロコダイルの右手を避ける

 

「このっ!」

 

ルフィが腕を伸ばしてクロコダイルを殴る

 

だが、クロコダイルの身体は砂となり、ルフィの攻撃のダメージを受けない

 

「なにやってんだ、麦わら!覇気を使えねぇならどいてろ!」

「イヤだ!」

 

ライトにそう返事をしたルフィは何かを思い出したように手をポンッと叩く

 

「ししし!」

 

ルフィは背負っていた樽の中の水で手を濡らす

 

「これでどうだ、ワニ!」

 

水で濡れたルフィの拳がクロコダイルに伸びていく

 

すると、ルフィの拳が確かにクロコダイルの身体を捉えた

 

「よしっ!」

 

ルフィは拳の手応えを感じる

 

だが、伸ばしたルフィの拳は戻る前にクロコダイルの右手に捕まってしまった

 

ルフィの手から急激に水分が失われていく

 

「ふんっ!」

 

ライトが殴りかかると、クロコダイルはルフィの手を離してライトの攻撃を回避する

 

ルフィは失った水分を補給するべく樽の水を飲む

 

すると、ミイラの様に渇いていた手が元に戻った

 

水分を補給したルフィは戦いに復帰する

 

だが、その動きはライトと妙な形で噛み合ってしまい、お互いの邪魔になってしまう

 

「何回俺を攻撃すんだよ、麦わら!」

「お前が何回も俺の技の前に出てくるんじゃねぇか、ビリビリ!」

 

双方共に戦いを続けながらも言い争いをしていく

 

その様子にクロコダイルは苛立ちを隠せない

 

「小僧共…!」

 

相変わらずルフィの攻撃は時折ライトに当たってしまうが、少しずつ2人の動きは

いい意味で噛み合っていく

 

ライトの能力がクロコダイルの動きを一瞬止めれば、そこをルフィが捉える

 

ルフィの攻撃をクロコダイルが右手で捕らえようと動けば、ライトが牽制する

 

競争をしていた筈の2人の動きは、少しずつ共闘へと変わり

クロコダイルを追い込んでいくのだった




次の投稿は11:00の予定です

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