ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です


第131話

「ふん!」

 

クロコダイルに仕掛けていったルフィが殴り飛ばされる

 

そして、クロコダイルがルフィに追撃しようとするのをライトが止める

 

ブンッ!

 

クロコダイルは状況を瞬時に判断してライトごとルフィを仕止めようと砂の刃を飛ばす

 

目を見開いたライトは慌てて《剃》を使って高速移動をする

 

そして、砂の刃の射線上にいたルフィを蹴り飛ばした

 

「このっ!」

 

ライトに蹴り飛ばされたルフィが、受身を考えずにオーバーヘッドキックに近い形で

足を伸ばしてクロコダイルに蹴りを放つ

 

だが、クロコダイルは横に一歩動く最小限の動きで回避した

 

「おい、麦わら。クロコダイルの奴、動きが良くなってないか?」

「ん?そうか?」

 

ライトの疑問は的中していた

 

皮肉にも、ライトとルフィの共闘がクロコダイルの心に火をつけたのだ

 

その火がクロコダイルの心に少しずつ自信を取り戻させていっている

 

「喋っている暇はねぇぞ…小僧共!」

 

クロコダイルは砂の刃を放つと、身体を砂に変えてその場から姿を消す

 

砂の刃がライトとルフィを分散させると、クロコダイルはルフィの横に姿を現す

 

「麦わら!」

 

ライトがルフィを援護しようとするが、クロコダイルはルフィの身体を

盾にするように動く事でライトの行動を制限していく

 

ルフィがクロコダイルに応戦するが、クロコダイルは隙をみてルフィの背中の樽を破壊した

 

これで覇気を使えないルフィの攻撃は気にする事はないと、クロコダイルはライトに専念する

 

そんなクロコダイルにルフィは諦めずに仕掛けるが、クロコダイルの義手によって

血を流すダメージを負ってしまった

 

「下がってろ、麦わら!」

「イヤだ!」

 

ライトが流血したルフィを心配するが、ルフィは臆する事なくクロコダイルに挑む

 

クロコダイルは、ルフィを気にする事で動きが鈍ったライトを追い込んでいく

 

そして、遂に右手でライトを掴む事に成功した

 

「くそっ!」

 

ライトが覇気を込めて電気をクロコダイルに流す

 

それによりライトはクロコダイルの右手から逃れる事が出来た

 

だが、一瞬であれどライトは身体の水分をクロコダイルに奪われてしまった

 

その為、僅かだが脱水症状が起こってライトの動きが鈍る

 

「形勢逆転だな、小僧共」

 

ライトの電気によるダメージが残る身体でクロコダイルが立ち上がる

 

「この程度のダメージなど…とうの昔に経験済みだ」

 

クロコダイルの言葉が続いている中でもルフィは攻撃を続けていく

 

だが、その全てがクロコダイルにダメージを与えない

 

クロコダイルはルフィを無視してライトに仕掛けていく

 

脱水症状により頭痛が起きているライトは、動きに精細を欠き少しずつ追い詰められていく

 

そして、クロコダイルがライトを右手で捕らえようとしたその時

 

ルフィの拳がクロコダイルの顔を殴り飛ばしたのだった

 

ライトは目の前の状況に一瞬我を忘れて呆然としてしまう

 

だが、2発、3発とルフィの攻撃がクロコダイルに当たるのを見て

我を取り戻すと、ライトも反撃に移るのだった

 

 

 

 

「やれやれ、ルフィも随分と無理をしますね」

 

ライト達の戦いを見守っていたシュウがため息混じりにそう言う

 

「シュウ、なんでルフィの攻撃がクロコダイルに当たるようになったの?」

 

シュウにお姫様抱っこをされたまま戦いを見守っていたナミがシュウに聞く

 

「ルフィの手の色を見ればその答えがわかりますよ」

「手の色?」

 

シュウの言葉にナミだけでなく、コブラ国王とビビも目を向ける

 

「赤い…」

 

ビビが呟くように言葉を溢す

 

「シラカワ博士、あの青年は…まさか血を使っているのかね?」

「えぇ、そのまさかですよ、コブラ国王」

 

シュウを除く一同が驚きの表情を浮かべる

 

「血を使う事に気付く機転の良さも見事ですが、それを躊躇しないあの胆力も凄いものです」

 

シュウの称賛の言葉に一同が頷く

 

ビビがシュウに目を向けると、彼に抱かれているナミと目が合う

 

目が合ったナミはシュウの胸に頭を預けると、勝ち誇った表情をビビに向ける

 

それを見たビビは表情を剥れさせてしまう

 

そんな2人のやり取りに気付いたコブラ国王は苦笑いをするしかない

 

シュウが苦笑いをするコブラ国王に目を向けるが、女性2人は何事も無かったように

ライト達の戦いへと目を向けている

 

強かな女性達である

 

ルフィの覚悟が、クロコダイルへと傾いた戦いの流れを押し戻していく

 

勢いを取り戻したライトとルフィにクロコダイルは追い詰められていく

 

彼等の戦いに決着の時が近付いていた




次の投稿は13:00の予定です

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