ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿5話目です


第138話

黒ひげとの戦いが終わった後、シュウは自分の手で傷の治療をした

 

そして、シュウの能力でわたしとシュウはシャボンディ諸島に転移をしたのだけど、

そこでシュウは気絶をしてしまったの

 

「ナミくん、良く来たね…と 、言いたい所だが今は急いだ方が良さそうだ」

 

わたしがシュウに肩を貸す形で、気絶しているシュウを船から下ろそうとしていると、

レイリーさんがわたし達の所にやってきた

 

「私がシュウを運ぼう。事情はシャッキーの店についたら聞かせてもらうとしようか」

 

そう言ってレイリーさんはシュウを軽々と抱き上げて歩いていく

 

わたしはレイリーさんの後をついていくのだけど、その道中は無力感で一杯だった

 

 

 

 

「シュウ!?レイリーさん!シュウに何があった!?」

 

ナミとレイリーがシャッキーの店に辿り着くと、そこにはシュウの

父親であるシャンクスがいた

 

「落ち着け、シャンクス」

 

ボロボロになっているシュウを見て慌てるシャンクスをベックマンが止める

 

「まずはシュウを休ませる。その後にナミくんから事情を聞こう」

 

そう言ってレイリーは店の奥に向かった

 

シュウを寝かせて戻ってきたレイリーが席につくと、それに習いナミも席につく

 

だが、ナミは事情を話さずに俯いたままだ

 

そんなナミに、シャッキーがそっと水を差し出す

 

「ナミちゃん、落ち着いたら話してね」

 

そう言って離れたシャッキーを見てナミは水を飲む

 

そして、ナミは1つ大きく息を吐いてから話し始めた

 

「シュウは《黒ひげ》と戦ったの」

 

 

 

 

グランドラインのとある海域を進む船の中

 

そこでは身体中に包帯を巻いた黒ひげがひたすら食事を続けていた

 

「《痛みの概念》か…こいつは盲点だったぜ」

 

骨付き肉から肉を食いちぎりながら黒ひげが言葉を溢す

 

「最後はダメージ以上の痛みで身体が動かなくなっちまった。

 次は気をつけねぇとな、ゼハハハハ!」

 

黒ひげは笑いながらエールを胃に流し込んでいく

 

「プハァー!まぁ、能力を使って初めての実戦なら上出来よ…

 本番は白ひげだからな!ゼハハハハ!」

 

黒ひげは食らいつくした骨を放り投げ、新たな骨付き肉を手に取る

 

「シラカワ、次はぶっ殺してやるぜ…おっと、ぶっ殺しちまったら

 手土産にならねぇや、ゼハハハハ!」

 

黒ひげは笑いながら骨付き肉にかぶり付く

 

その後も黒ひげは底知れぬ食欲で食らい、上機嫌に笑い続けるのだった

 

 

 

 

ナミから事情を聞いた一同は沈黙をしている

 

だが、シャンクスが不意に立ち上がった

 

「ベックマン、黒ひげのアジトを調べろ」

「あいよ」

 

シャンクスの指示を受けたベックマンが酒場を後にする

 

「シャンクス、どうするつもりかな?」

「俺が落とし前をつけるにしろ、シュウが奴を倒すにしろ、奴の事を知っておく必要がある」

 

シャンクスの言葉にレイリーが笑みを見せる

 

「自分が始末する…と、言い出さないだけ成長したと言えるな」

「レイリーさん、これでも《四皇》になってそれなりに経つんだ。少しは

 配慮出来る様になったさ」

 

レイリーの言葉にシャンクスはおどける様に肩を竦める

 

「ごめんなさい…」

 

ナミの声にシャンクスとレイリーが顔を向ける

 

「わたしがシュウの足を引っ張ったから…」

 

ナミは拳を握り、悔しさのあまりに涙を流す

 

「それは違うわよ、ナミちゃん」

 

シャッキーが温かいスープをナミの前に差し出しながらそう言う

 

「黒ひげの事は噂程度だけど、私も知っているわ」

 

シャッキーの言葉を聞きながらもナミは涙を流し続ける

 

「私が知る限りだと、今のシラカワちゃんでは黒ひげの相手は荷が重いわ…

 でも、シラカワちゃんは戦えた…何でだと思う?」

 

ナミは首を横に振ってシャッキーに答える

 

シャッキーはそんなナミに柔らかな笑みを向けながら言葉を続けた

 

「好きな人が見ていたから、シラカワちゃんは意地を張れたの」

 

ナミはシャッキーの言葉に顔を上げる

 

「だから、ナミちゃんはシラカワちゃんの足を引っ張っていないわ」

「でも…」

 

シャッキーはナミの頭を優しく撫でる

 

「いい女はね、男を頑張らせる事が出来るの。そして、男の為に頑張る事も出来るわ」

 

シャッキーはそう言いながらハンカチでナミの涙を拭う

 

「だから、シラカワちゃんの為にいい女になりたいのなら、後悔して泣くんじゃなくて、

 反省をして次の為に頑張りなさい」

「…はいっ!」

 

シャッキーの言葉により、ナミの目に力が戻った

 

「それじゃ冷めない内にスープを飲んじゃいなさい。シラカワちゃんが起きた時に

やつれた顔を見せたりなんかしたら、いい女失格よ♪」

 

そう言いながらシャッキーは茶目っ気タップリにウインクをする

 

そんなシャッキーにナミは笑顔を返してスープを飲み始めた

 

ナミが元気を取り戻した様子を見た男達は、女には敵わないとばかりにため息を吐くのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう

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