ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第140話

シュウとナミは、エースが黒ひげに捕らえられたという情報を聞いて

白ひげ一味のアジトにやって来ていた

 

「博士か、よく来たな…と、言いてぇ所だが今はちっと立て込んでいてな」

 

白ひげの言葉通りに、白ひげ一味の者達は殺気立っている

 

「エースの事は耳にしました」

「そうか…」

 

白ひげはシュウの言葉にただ一言返すだけだった

 

シュウ達の間が重い空気に包まれた時、マルコがやって来た

 

「親父」

「マルコ、どうだった?」

「エースはインペルダウンに居るようだよい」

 

マルコの言葉に白ひげの眉間に皺が寄る

 

「それと…まだ表沙汰にはなってないけど、エースの処刑の準備が進んでいるらしいよい」

 

白ひげのコメカミに青筋が浮かび上がる

 

「マルコ、戦争の準備だ」

「此処にくる前に言ってあるよい」

 

マルコはそう答えるとシュウへと顔を向ける

 

「博士、何か策は…?」

 

マルコの言葉にシュウは顎に手を当てて考え始める

 

「…無いわけではありません」

「教えてくれ、博士」

 

白ひげは食いつくようにシュウの言葉に反応する

 

「その前に1つ確認があります」

「なんだ?」

「目的はエースの救出で間違いありませんね?」

 

シュウの言葉に白ひげが頷く

 

「そうなると、海軍にエースの素性を表沙汰にされる訳にはいきません」

「シュウ、どういう事?」

「海軍がエースの素性を明らかにする…これは世界政府が公式に認めた事になります」

 

ナミの疑問の声にシュウが答えていく

 

「もしそうなってしまった場合、仮にエースを助け出したとしても戦いは終わらないでしょう」

「あぁ、海軍か俺達のどちらかが全滅するまで戦う事になるだろうな」

 

エースとその父親であるロジャーの事を知る白ひげがそう断言する

 

「だがな、俺達は家族の為なら命を張るぜ、博士」

「ではその言葉を信じて、1つ策を進言します」

 

シュウが策の概要を話していく

 

すると…

 

「グララララ!」

 

白ひげの笑い声が響き渡った

 

「親父!笑い事じゃねぇよい!」

 

白ひげは片手を上げてマルコの言葉を制する

 

「息子達の説得は俺がやる。博士は他を頼むぜ」

「では時間が無いのでこれで失礼します」

 

そう言ってシュウはナミと共に白ひげのアジトを去っていった

 

「親父!」

「マルコ、息子達を集めろ」

 

マルコは拳を握り、歯噛みをしながらも白ひげの前から去っていく

 

「グララララ!悪くねぇ!」

 

白ひげは面白いとばかりに笑う

 

「齢70を超えての大舞台だ…悪くねぇぜ、グララララ!」

 

白ひげは一味の者達が集まるまで上機嫌に笑い続けるのだった

 

 

 

 

白ひげのアジトを去ったシュウとナミは海軍本部を訪れていた

 

「シラカワ君、君の提案を受ける訳にはいかない」

「センゴク、ケチケチするんじゃないわい!」

「お前は黙っとれ、ガープ!」

 

シュウは白ひげに提案した策をセンゴク元帥に話していた

 

そして、その話しを聞いたセンゴク元帥が拒否をした所である

 

「シラカワ君、エースは既にインペルダウンに収監している。そして、エースを

 処刑する事まで話が進んでいるのだ」

「ですが、エースの処刑理由の公表まではしていないですよね?」

 

シュウの言葉にセンゴク元帥は言葉を続けられない

 

「ならば、エースの処刑理由の変更は可能な筈ですが?」

「センゴク、どちらにしろニューゲートとの戦争は避けられんのじゃ、なら終わり方が

 ハッキリしとるシュウの提案の方がマシじゃろうが」

 

シュウを擁護するガープ中将にセンゴク元帥はため息を吐く

 

「それに親の罪を問うのが理由では、海賊から海兵へと転身した者達の間に

 不安が生じる事に繋がるかと思いますよ」

「そうじゃそうじゃ!」

 

シュウの言葉に相槌を打つガープ中将の姿にセンゴク元帥は頭を抱える

 

「…わかった。シラカワ君の提案を受けよう」

 

センゴク元帥が受け入れた事でガープ中将が笑う

 

「ただし!事の最中のエースの身の安全の保障は出来ない」

「えぇ、わかっています」

 

そう言ってシュウは、センゴク元帥に頭を1つ下げてからナミと共に海軍本部を去っていった

 

「…ガープよ、勝てるのか?」

「ぶわっはっはっは!心配とは丸くなったのう!」

「茶化すな、馬鹿者が」

 

咎めるセンゴク元帥の姿にガープ中将は笑いながら茶を啜る

 

「まぁ、何とかなるじゃろ」

「まったく…お前は若い時から変わらんな」

 

「センゴクは随分と固くなったがのぉ」

「私には元帥としての責任があるのだ!」

 

そう言ってため息を1つ吐いてからセンゴク元帥も茶を啜る

 

「勝てよ、ガープ」

「おう!」




次の投稿は11:00の予定です

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