ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


第144話

海軍本部を舞台として白ひげ一味と海軍の戦争が行われている

 

その戦場の一角にて、新人海賊であるルフィを中心とした勢力がエースを

助け出そうと奮闘していた

 

「ゴムゴムのぉ―――ジェットガトリング!」

 

ギア2

 

幾度もの冒険の果てに身に付けたルフィの奥の手の1つである

 

これまでの冒険で出会った強者達にも劣らない海兵達の囲みを突破する為に、

ルフィは持ちうる限りの力を使って戦い続けていた

 

だが、そんなルフィの元に最悪の相手が現れる

 

「ぶわっはっはっは!」

 

ルフィの祖父にして海軍の英雄であるモンキー・D・ガープが現れたのだ

 

「げっ!じいちゃん!?」

 

英雄の登場に苦戦をしていた海兵達の士気が上がる

 

「どいてくれ、じいちゃん!俺はエースを助けるんだ!」

 

ルフィの言葉にガープは《剃》を使って近付くと右手に拳骨を作る

 

「この、バカ孫が!」

 

そう言いながらガープはルフィの頭に拳骨を落とす

 

周囲の者達が思わず首を竦めてしまう程の音が響き渡った

 

「いってぇ―――!!」

 

ルフィはあまりの痛さに両手で頭を抱える

 

「ルフィ!後ろの連中は何じゃ!?」

 

ガープの言葉にルフィはガープの目を見て答える

 

「インペルダウンで会った奴等だ!」

「そやつらは略奪主義の悪党共じゃぞ!何を考えとるんじゃ!?」

「エースを助けるのに手伝ってもらってるんだ!」

 

ルフィの答えにガープはまた拳骨を落とす

 

「いってぇ―――!!」

「バカ者が!助けるなとは言わん!じゃが、もう少しやり方を考えんか!!」

 

これまで命懸けの戦いが続いていた戦場に突如出来た祖父と孫のやり取りに、

周囲の者達は戦いを止めてしまう

 

「本当にエースを助けたいならシュウを見習えい!」

「ん?シュウがなんかしたのか、じいちゃん?」

 

思わず口走ってしまった事を誤魔化そうと、ガープは口笛を吹きながら目を逸らす

 

「まぁ、それはそれとしてじゃ」

「「「誤魔化した―――!!」」」

 

周囲の者達の総ツッコミを受けながらガープはポケットから何かを取り出す

 

「なんだそれ?」

「エースの海楼石製の手錠の鍵じゃ」

 

ガープの言葉にルフィが目を見開く

 

「じいちゃん!それくれ!」

「構わんぞい」

 

そう言うとガープはニヤリと笑う

 

「ただし、条件が2つある」

 

ルフィはガープの言葉に頷いて続きを促す

 

「1つはルフィがこの戦争を何があっても生き残る事じゃ」

 

ルフィはガープの言葉に頷いて了承する

 

「そして、もう1つの条件じゃが…」

 

ガープが少し溜めを作ると、どこからかゴクリと唾を飲み込む音が聞こえる

 

「この戦争が終わって落ち着いたら、儂と飯を食うことじゃ」

 

ガープが言った条件に周囲の者達は転けそうになる

 

「なんだ、そんな事か」

「そんな事とはなんじゃい!じいちゃんと飯を食うんじゃから、もっと嬉しそうにせんか!」

 

そう言いながらガープはまたルフィの頭に拳骨を落とす

 

ただし、今度の拳骨は軽いものだ

 

「ししし、いいぞ!じいちゃん!」

 

そう言うルフィの笑顔にガープは笑みを浮かべる

 

そして、ガープは手錠の鍵をルフィに投げ渡した

 

「儂は忙しいから、これ以上は助けられんぞ」

「ししし!大丈夫さ!」

 

ガープはルフィの頭に優しく手を置く

 

「ルフィ、生き残るんじゃぞ」

「おう!」

 

ルフィはそう答えてエースの元に走っていった

 

「さてと…」

 

ルフィの背を見送ったガープがインペルダウンの元囚人達に振り向く

 

「ルフィは身内じゃから見逃したが、お前達は話が別じゃ」

 

そう言いながらガープは手の骨を鳴らす

 

「お前達は儂が直々にインペルダウンの牢に叩き返してやるわい!」

 

ガープの言葉にインペルダウンの元囚人達の顔が青ざめる

 

海兵達は巻き込まれない様にそっとその場を離れていく

 

「ぶわっはっはっは!」

「「「ぎゃ―――!!!」」」

 

白ひげ一味と海軍の戦争が行われている一角では、たった1人の海兵に

海賊達が次々と殴り倒されていくのだった




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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