ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第145話

戦場の一角にてガープが海賊達を蹴散らし始めた頃、戦場の中央では

白ひげがサカズキを一蹴してエースの元に歩を進めていた

 

だが、そんな白ひげが不意に足を止める

 

海軍本部元帥のセンゴクが白ひげの前に姿を現したのだ

 

「ニューゲート、しばらくは私に付き合ってもらうぞ」

「ほう?俺を倒すとは言わねぇのか?センゴク」

「私は分を弁えているつもりだ。お前が相手では前座が精々だろう」

 

そう言いながらセンゴクは帽子を取って戦闘態勢に入る

 

そんなセンゴクの姿を見て白ひげはニヤリと笑う

 

「肩慣らしぐらいはさせろよ?」

「期待に応えられるかはわからんな」

 

センゴクはそう言うと能力を使って大仏へとその身を変える

 

巨大な大仏の姿になったセンゴクは掌底を白ひげに放つ

 

白ひげは片手でセンゴクの一撃を受け止める

 

大きな体格差がありながら微動だにせずに…

 

「随分と鈍っているようだな、センゴク!」

「お前やガープと一緒にするな!私には元帥としての仕事があったんだ!」

 

センゴクは白ひげの言葉に応えながら幾度も掌底を放っていく

 

だが、白ひげはそんな掌底の嵐を片手で無造作に打ち払う

 

センゴクは戦いのリズムを変える為に、能力を使ってビームを白ひげに放つ

 

白ひげはそれすらも簡単に打ち払った

 

「グララララ!流石にさっきの小僧よりはマシだな!センゴク!」

「海軍の三大将を小僧呼ばわりする海賊は今やお前ぐらいだろうな、ニューゲート!」

 

白ひげは笑いながら一歩前に進む

 

それを見たセンゴクは攻撃の密度を高めるが、白ひげの歩みを止める事は出来ない

 

そして、間合いに入った白ひげは左拳に震動を纏わせて振るう

 

センゴクは白ひげの拳を受け止めるべく両手に武装色を纏わせて防御する

 

直後、目を疑う様な光景が現出する

 

巨人族並みの体格となっていたセンゴクが白ひげの一撃で吹き飛ばされたのだ

 

「ぐっ!」

 

センゴクは受け身を取って直ぐに立ち上がる

 

白ひげはゆっくりと歩いて来る

 

その様子を見るセンゴクの顔を汗が流れ落ちる

 

「そう長くは持たんな…」

 

センゴクは呟く様に言葉を溢すのだった

 

 

 

 

どれほど時間が経っただろうか?

 

中央の戦場では既にボロボロのセンゴクと無傷の白ひげの姿がある

 

時折、センゴクを助けようと海兵達が白ひげに仕掛けるのだが、

白ひげはただ無造作に打ち払うだけで海兵達を退けていく

 

最早大仏への変身も解けて満身創痍のセンゴクだが、彼は震える膝を

抑え込む様にして立ち上がる

 

その時、不意にセンゴクの後方で大きな歓声が沸き上がる

 

歓声につられる様にしてセンゴクは振り向く

 

そこには海楼石の手錠が外れたエースの姿があった

 

「突破されたか…」

 

そう呟きながらセンゴクはエースの近くにいる麦わら帽子の男を見る

 

「ルーキーだと思っていたが、流石はガープの孫と言った所か…あいつに似て

 無茶ばかりするようだな」

 

そう言いながらセンゴクはため息を吐く

 

「グララララ!」

 

白ひげはエースを助けたのが自分の息子達ではなく、駆け出しの

ルーキーであった事が愉快で笑った

 

エースとルフィが共闘して戦場を脱け出そうとしている

 

白ひげ一味の者達はインペルダウンの囚人達と協力して2人をサポートしていく

 

センゴクと白ひげには、その光景がまるで新しい時代が始まるかの様に見えていた

 

「やれやれ、私も老いたというわけか…」

 

センゴクの呟きはエースとルフィを中心とした喧騒に飲み込まれて消えていく

 

「だが、私にも1つの時代を生き抜いた意地がある」

 

そう言うとセンゴクは、ずれていた眼鏡をかけ直す

 

「最後までカッコつけさせてもらうとしようか」

 

センゴクは最後の力を振り絞って大仏へと変身する

 

そして海で生きてきた男の1人として、世界最強の男に挑むのだった




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