ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿5話目です


第148話

海軍本部が海兵達の歓声と、海賊達の泣き声に包まれる

 

そんな中でガープは大の字に倒れる白ひげの横に腰を下ろした

 

「あぁ~、しんどかったわい」

 

ガープはそう言いながらため息を吐く

 

「うっ…」

「お?起きたかニューゲート」

 

先程まで死闘をしていた相手とは思えない程に、ガープは気安く白ひげに声を掛ける

 

「負けたか…」

「おう!儂の勝ちじゃ!」

 

白ひげの言葉にガープがニッと笑いながら応える

 

「ニューゲート、お前さんは数年前に死病を患ったらしいな?それで衰えた分だけ

 儂の方が上じゃったのう」

「バカ野郎。その程度で衰える程柔じゃねぇ」

 

ガープは白ひげの言葉に首を傾げる

 

そんなガープを白ひげが笑う

 

「グララララ!ガープ、俺から最後の一踏ん張りを奪ったお前の相棒に後で礼を言っておけ」

 

そう言われたガープはセンゴクの方に顔を向ける

 

そこには気を失っても不思議では無い程にボロボロのセンゴクが、ガープを

見守る姿をがあった

 

「そうじゃのう、後で礼を言っておくわい」

 

そう言うとガープと白ひげは目を合わせてから笑い合った

 

「さて、ニューゲート。決闘は儂の勝ちじゃ」

「あぁ、この首…好きにしろ」

 

そう言う白ひげにガープは悪戯をする子供の様な笑みを浮かべる

 

「センゴク!決闘は儂の勝ちじゃが、この後で海賊共を追う余裕はあるか!?」

 

ガープはこの場にいる全ての者に聞かせる様な大声でセンゴクに問い掛ける

 

「バカ者が!首を回して状況を見てみろ!」

 

ガープはセンゴクの言う通りに首を回して状況を確認する

 

ガープのその時の仕草は片手を額に当てて芝居染みていた

 

「皆既にボロボロだ!海賊達を追う余裕があるのはクザンとボルサリーノぐらいだろう!」

 

ガープはセンゴクの言葉に何度も首を縦に振って頷く

 

「だが!海軍本部に残されている最大戦力である2人がいない時に、もし四皇や

 革命軍が動いたらどうなる!?」

「大変な事になるのう!」

 

センゴクの言葉にガープがそう応えるのだが、どうにもわざとらしく見えてしまう

 

「そうだ!ニューゲートの首を手に入れた今、この場にいる海賊達を見逃しても

 海軍本部としては十分な功績として胸を張れる!ならば、ここで手仕舞いだ!」

「という事じゃ、ニューゲート」

 

そう言いながらガープは満面の笑みで白ひげに振り返る

 

すると、事態を理解した白ひげが大声で笑い出す

 

白ひげの笑いは徐々に周囲に伝わっていく

 

やがて海軍、海賊の分け隔てなく皆が笑い始めた

 

海軍と海賊

 

立場は違えど同じ海に生きる者として、男達はお互いを認めあったのだ

 

明日になれば、またお互いにしのぎを削り合う戦いが始まるだろう

 

でも、今この時は一緒に笑うのも悪くない

 

1つの時代を生き抜いた者達と、これから新たな時代を生きる者達は、2人の男が

魅せた決闘を通して爽やかに笑うのだった

 

だが、そんな状況に乱入する無粋な者がいた

 

「ゼハハハハ!」

 

今回の戦争の原因を作った男、マーシャル・D・ティーチの笑い声が響き渡ったのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう

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