「いてて！もっと優しく治療してくれよ！」
軍医に治療を受けているライトが文句を言っている
そして、治療が終わったライトは、海軍と白ひげ一味の戦争をなんとか生き抜いた事に
安堵のため息を吐いた
「なんとか生き抜いたけど…まだ終わりじゃねぇんだよなぁ」
そう言いながらライトは黒ひげと戦うシュウの姿を目で追っていく
「サカズキ大将が白ひげに一撃でやられたと思ったら、ガープ中将と白ひげが決闘をして…、
もう完全に俺の知らない頂上決戦になってるな」
そこまで言うとライトはまたため息を１つ吐いた
「そして最後には黒ひげが白ひげの能力を奪いにきたと思ったら、それをシュウが
止めに来るし…もしかしてシュウの奴、こうなる事をわかってたのか？」
そう言いつつライトは首を傾げるが、考えても答えが出ずに頭を掻いた
「考えてもわかんねぇや、後でシュウに答えを聞こう」
ライトは奮闘するシュウへと目を向ける
「だから勝てよな、シュウ」
◆
「ゼハハハハ！やるじゃねぇか、シラカワ！」
シュウの攻撃により身体から血を流す黒ひげが、武装色の覇気で傷口を締めながら笑う
対するシュウもその身体に何度も黒ひげの攻撃を受けてダメージを負っている
だが、両者共に戦意に衰えは無い
「俺様の計画を見抜いてここまで追い込んだテメェには、拍手をしてやりてぇぜ！」
「貴方の称賛などいりませんよ」
「ゼハハハハ！つれねぇ事を言うじゃねぇか！」
笑いを収めた黒ひげが不敵な笑みを見せる
「だがな、シラカワよぉ…テメェは１つ勘違いをしているぜぇ？」
「ほう？何を勘違いしているのですか？」
黒ひげは笑いながら右手を上に上げた
「俺とテメェの戦いは決闘じゃねぇって事だ！」
黒ひげが上に上げた右手をグッと握る
すると、戦場に銃声が響き渡った
銃声により戦場は静寂に包まれる
睨み合う黒ひげとシュウに動きは無い
だが、やがて不敵に笑っていた黒ひげの表情が歪み始める
そして…
「うっ…がぁぁぁぁあああああ！」
黒ひげは血が流れる腹を抑えて痛みにより転げ回り始めたのだった
「決闘では無い？そんな事は知っていますよ、黒ひげ」
シュウの言葉が静かな戦場に響いていく
「なので、こうして横槍が入る事は想定していました…もっとも、貴方が存外に
しぶとかったので思ったよりも時間が掛かってしまいましたがね」
転げ回っていた黒ひげが身体を起こしながらシュウを見据える
「何をしやがった、シラカワ！」
「先程から何度も貴方に見せていたではないですか」
そう言ってシュウはワームホールを開いた
「一言で言えば、私に向けられた銃弾を貴方に向けて転移させたのですよ」
シュウの言葉に黒ひげは舌打ちをする
「そういえば、随分と見物人が多いですね」
そう言いながらシュウは目を周囲へと向ける
「戦いの見物人には銃を空中へと放って囃し立てる者がいたりするのですが…」
そう言うとシュウは黒ひげに不敵な笑みを向ける
「その銃弾が『たまたまワームホールで貴方とその一味に向けて転移される』事も
あるでしょうね」
シュウの言葉に黒ひげが目を見開く
「テメェ…シラカワァ！」
「先に他者を介入させたのは貴方ですよ、黒ひげ」
シュウが剣を持たぬ左手を振るう
すると、２人の戦いを見守っていた者達の頭上に数多のワームホールが出現した
それを見た多くの者達が歓声を上げる
皆、決闘を汚す無粋な黒ひげとその一味に怒りを抱いていたからだ
「さて、貴方達はどれほどの銃弾に耐えられるのか…楽しみですね」
「シラカワァ！」
黒ひげの怒声を遮る様に銃声が１つ、戦場に響き渡る
それを皮切りに、数えきれぬ程の銃声が続いていく
黒ひげとその一味の者達の身体は銃弾の雨を浴びていく
そして銃弾の雨が止むと、そこには力無く倒れる黒ひげとその一味の姿があるのだった
ス〇ロボ的に言えば合体攻撃によるワームスマッシャーといった所でしょうか？
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