ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


第154話

「あ~…、この宴でこの前の戦争の事を水に流してね。乾杯」

「「「乾杯!」」」

 

海軍と白ひげ一味、そして宴に参加した平和主義の海賊が共に盃を上に掲げる

 

現在、海軍本部では白ひげの引退と、平和主義の海賊の海軍協力を祝って宴が催されていた

 

その宴の音頭を、次期元帥候補となったクザン大将がとったのだった

 

「グララララ!テメェら!酒を一滴も残すなよ!」

「「「おう!」」」

 

白ひげの言葉に、宴に参加した海賊達が笑いながら応える

 

現在、白ひげは海賊を引退して海軍本部の相談役の地位についている

 

白ひげの役目は元海賊の経験を活かして、平和主義の海賊との橋渡しが主である

 

橋渡しが主ではあるのだが、それは名目上の話であり、実質的には海軍と海賊の協力態勢の

象徴的な存在として海軍本部の相談役に席をおいているだけである

 

その為、昼間から酒を飲んだり、ガープと共に海兵を鍛えたりして悠々自適に

余生を過ごしているのが現状である

 

「親父、この酒も美味いよい」

 

決闘の傷も癒えて豪快に樽のまま酒を飲んでいる白ひげの元に、マルコがやってきた

 

「おう、マルコ。縄張りの方はどうだ?」

「ビッグ・マムがちょっかいを出して来たけど、赤髪が協力してくれたから

 直ぐに片付いたよい」

 

白ひげの引退に伴い、白ひげ一味の船長はマルコに代替わりをしていた

 

そして、四皇の一角であるビッグ・マムが、白ひげ一味の代替わりの混乱を狙い、

白ひげ一味の縄張りを掠め取りに来たのだった

 

だが、ビッグ・マムの狙いは失敗に終わる

 

ビッグ・マムと同じ四皇のシャンクスが白ひげ一味に協力をしたのだ

 

まぁ、シャンクスが協力した理由は、下手に混乱が起これば息子の結婚式に

参加出来ないといった個人的理由が大半をしめていたのだが…

 

その為、シャンクスは大人気なく全力でビッグ・マムを潰しにいったのだった

 

その結果、ビッグ・マムは四皇としては最低の戦力にまで落ち込んでしまった

 

海賊としては異質な政治力のおかげで、四皇の地位は守る事が出来たが、ビッグ・マムが

胸に秘める野望は遥か彼方に遠退いてしまったのだった

 

「そうか、赤髪には良く礼を言っておけ」

「わかってるよい、親父」

 

そう言ってマルコは白ひげと笑顔で酒を酌み交わすのだった

 

 

 

 

宴が催されている一角、そこではガープとルフィ、そしてエースが一緒に宴を楽しんでいた

 

「ルフィ、肉ばかりじゃなくて野菜も食わんか!」

「じいちゃん、肉じゃなくちゃ力が出ねぇよ」

 

先に行われた戦争…現状では《頂上決闘》と呼ばれている戦いの最中に約束した通りに、

ルフィはガープと一緒に食事をしていたのだった

 

「それで、お前はどうするのか決めたのか、エース?」

「んが?」

 

口一杯に飯を頬張っていたエースがガープの言葉に顔を上げた

 

「あぁ、俺はルフィと一緒に行くことにしたぜ、ジジイ」

「そうか…」

 

「親父は引退しちまったからな。それに、あんな無茶ばかりする

 養弟を放っておけないだろ?」

「その通りじゃのう」

 

そう言ってエースとガープは笑った

 

「そう言えば、ルフィ?お前はシュウに頼んで新聞に載っておったが、何をしとったんじゃ?」

「あぁ、仲間にメッセージを送ったんだ」

 

「メッセージ?」

「俺達は弱い…それが今回の事でハッキリわかった」

 

ルフィはその明るい性格からは想像しにくい、至極真面目な表情をしていた

 

「エースを助けに来る前も、俺は仲間を守れなかった…。だから、2年間

 修行する事にしたんだ」

 

ガープはルフィの言葉に納得した様に頷く

 

「ルフィ、師匠の宛はあるのか?」

「ハンコックに鍛えてもらう」

 

ルフィはガープの疑問にそう答えた

 

ボア・ハンコック

 

彼女は七武海の1人である

 

ルフィは冒険の中で彼女と出会い、エースを助けに行くために色々と協力をしてもらったのだ

 

そして、彼女は覇気使いであるので、2年間彼女に修行をつけてもらう事にしたのだ

 

もっともルフィは最初、シャボンディ諸島で出会ったレイリーに修行をつけて

もらうつもりだったのだが、当のレイリーに断られたのだ

 

その為、ルフィはレイリーではなく、ハンコックに修行をつけてもらうのだ

 

ちなみに、レイリーがルフィを弟子にする事を断ったのは、養孫を優先した為である

 

結婚式が行われれば、養孫夫婦の間に子供が産まれるかもしれない

 

その為、父親であるシャンクスを差し置いて名付けをしようとしているので、

いつでも動ける様にルフィの弟子入りを断ったのである

 

弟子入りを断られたルフィにとっては不幸かもしれないが、ハンコックにとっては

幸福な時間を送れるありがたい事であった

 

「そうか、しっかりと修行せい」

「おう!」

 

その後、ガープは孫達との一時をゆっくりと楽しむのだった




本日は4話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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