ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

158 / 162
本日投稿2話目です


第155話

「なぁ、シュウ。お前はどこまでわかってたんだ?」

 

海軍と海賊達の宴が催されている一角にて、ライト、たしぎ、シュウ、ナミが話をしていた

 

「いきなりですね、ライト」

「ずっと気になっていたからな」

 

ライトがシュウに聞いているのは頂上決闘における経緯だ

 

ライトは黒ひげの登場に合わせてやって来たシュウに、どこまで読んでいたのかを聞いたのだ

 

「ライトは黒ひげが白ひげの元を抜けた話は知っていますか?」

「確か一味の仲間を倒して悪魔の実を奪う、そして白ひげに傷を負わせて逃げたんだろ?」

 

ライトの返答にシュウが頷く

 

「黒ひげが悪魔の実を奪ったのはあの能力が目的だったのでしょう。では、一味の仲間や

 白ひげを傷つけた目的は何でしょうか?」

「う~ん…今までの経緯を考えると、エースか?」

 

「私はエースは目的ではなく、手段だと考えました」

「手段?」

「えぇ、黒ひげの目的を果たす為に必要な手段ですね」

 

シュウの言葉にライト、たしぎ、ナミが興味深そうに耳を傾ける

 

「アラバスタ王国の一件が終わった後、私とナミはグランドラインを巡っていました。

 そこで黒ひげに襲撃された時に、黒ひげは私を手土産にすると言っていました」

「襲撃されたって…大丈夫だったのか?」

「あの時、黒ひげはまだ自身の能力に不慣れでしたからね。何とか生き残れましたよ」

 

そう言って肩を竦めるシュウの姿に、ライトとたしぎはため息を吐く

 

「その時の黒ひげの言葉と、後にエースの身柄を海軍に差し出して七武海になった事から、

 黒ひげの目的は四皇以上の地位になる事だと推測しました」

「四皇以上の地位?」

「わかりやすく言えば、海賊王ですね」

 

黒ひげの目的を告げられた、たしぎとナミが驚く

 

ライトは首を傾げていた

 

「なんでそこで海賊王になるのが目的だと思ったんだ?」

「一番の要因は白ひげに傷を負わせて逃げた事ですね」

 

ライトが更に首を傾げる

 

「なぜ、傷を負わせただけで逃げたのでしょうか?」

「単純に白ひげに勝てなかっただけとか?」

「えぇ、おそらくはその通りでしょうね」

 

ライトは自分の予想が当たったのが嬉しくてニヤリと笑う

 

「ライト、もし仮に白ひげの首を取ったと噂が流れたら、その首を取った人物は

 どの様に評価されると思いますか?」

「海軍なら英雄扱いだろうな。海賊なら四皇かそれ以上の…あぁ、そう言う事か」

 

ライトは納得が言ったのかしきりに何度も頷く

 

「じゃあ、頂上決闘に黒ひげが襲撃してきたのは…」

「自身の力で成せないのならば、弱っている所を狙う…そういう事だと思いますよ」

 

「でもよ、他力本願っていうのはどうなんだ?」

「どの様な手段を用いたとしても、白ひげの首を取ったという事実があれば

 後はなんとでも出来ますよ」

 

シュウの言葉にライトは頷きながらも、気になっていた事を聞くことにした

 

「シュウ、黒ひげの能力ってなんだ?」

「黒ひげ自身はヤミヤミの実と言っていましたね。能力としては

 《引き寄せる》事に優れています」

 

「引き寄せる?」

「生物の他に、能力や痛みといった概念まで引き寄せる事が出来る能力ですね」

 

「シュウ、能力も引き寄せるって事は、能力者から能力を奪う事も出来たんじゃないか?」

「奪う事は可能だと思いますが、現実的ではないですね」

 

「何でだ?」

「ライト、海軍の座学等で聞いていませんか?能力者は1つ以上の

 能力を有する事は出来ないと」

 

ライトは首を傾げながらも頷く

 

「私もある文献で、犯罪者を対象にして複数以上の悪魔の実の力を与える実験をした、

 というものを見たことがあります。結果は例外なく死亡したそうですね」

「…そっか」

「えぇ、ですので、黒ひげが白ひげの能力を奪うとは考えませんでした」

 

ライトは「ふ~ん」と言いながら何かを考えている

 

「どうかしましたか、ライト?」

「いや、何でもねぇよ」

 

そう言うと、ライトは誤魔化す様に苦笑いする

 

そして、「流石にシュウもわかんねぇよな…」と聞こえないように呟いたのだった

 

「さて、そろそろ失礼します。センゴク元帥達に予定を聞く必要があるので」

「予定?何の予定だ?」

「私とナミの結婚式に出席出来るのかどうかですね」

 

シュウがそう言うと、ライトとたしぎは目を見開いて驚いた

 

「ナミ!おめでとうございます!」

「ふふ、ありがとう、たしぎ」

 

たしぎの言葉にナミは少し照れながらもお礼の言葉を返す

 

「はぁ!?結婚式!?」

「えぇ、結婚式ですよ。ライトとたしぎは出席していただけますよね?」

 

ライトは魚の様に口をパクパクさせて言葉を続ける事が出来ない

 

「もちろん出席します!ライトくんもそうですよね?」

「お、おう!」

 

たしぎの促しに漸くライトが再起動した

 

その後は結婚式を話題としてナミとたしぎはガールズトークをしていく

 

そして、シュウがセンゴク元帥達の元へと行ってしまった後のライトは、所在なさげに

宴の料理を摘まんでいくのだった




次の投稿は11:00の予定です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。