ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日5話目の投稿です


第32話

やっとココヤシ村が見えてきた

 

シュウを探して8年…ようやく会うことができる

 

「やっとだな、ベックマン」

「あぁ…シャンクス、何かが近付いてくるぞ」

 

ココヤシ村の沖合いにまで船を進めた時、ココヤシ村の方から何かが近付いてきた

 

「あれは…魚人か?」

 

人型の何かが泳いできている…一見したところタコのようにも見えるが…

 

「にゅ~、お前ら、海賊か?」

「あぁ、そうだ」

 

船長として魚人と会話をする

 

「そうか、俺は魚人海賊団・アーロン一味のハチって言うんだ」

「俺は赤髪海賊団のシャンクスだ」

 

魚人海賊団?グランドラインで聞いたことのある名だが…何故ここに?

 

「それでな、あそこのココヤシ村は俺達アーロン一味の縄張りだから

 近付かないでほしいんだ」

「そうか…人を探しに来たんだが」

「人探し?」

「あぁ、シュウという少年だ」

 

ハチが8本の腕を器用に絡ませながら考えはじめた

 

「にゅ~、もしかして、紫の髪の奴か?」

「知ってるのか?」

「子供なのに凄く頭がよくて、アーロンさんとも対等に話をしていたから覚えてるんだ」

 

一介の海賊相手に臆せずに会話をする子供か…さすがアカリと俺の息子だな

 

「にゅ~…でも、ごめんよ…その子供、7日前にアーロンさんが海に捨てちゃったんだ」

「捨てた!?」

 

息子が…シュウが海に捨てられた?

 

「ハチと言ったな、その子供はどの辺りに捨てられたかわかるか?」

「にゅ~、向こうの方角だけど…アーロンさんが思いっきり投げたから

 どこまで飛んだかわからない」

「そうか…」

 

ベックマンが俺と代わり、ハチと話をしているが耳に入ってこない

 

「それに、アーロンさんがその子供のお腹を銃で撃っていたから、なるべく早く

 人間の船に拾ってもらわなきゃ助からないと思うよ」

 

シュウを撃った…?…アーロン!!

 

「そうか、助かったぜハチ、ありがとよ」

「にゅ~、礼なんていいよ、でも、最近海軍支部の連中の船がよく来るから

 あんた達も早く離れたほうがいいよ」

 

そう言って、ハチはココヤシ村に戻っていった

 

俺は船上で歯を噛み締め怒りに耐えている

 

「落ちつけ、シャンクス」

「…落ちついている」

「なら、覇王色の覇気を抑えろ、見習いが気絶している」

 

見渡すと、一味の旗揚げ当時の者以外は気絶していた

 

「すまない…」

「いいさ、落ち着いてきたら答えを出せ」

 

…ベックマン?

 

「どういうことだ?」

「簡単なことだろう、引き続きシュウを探すのか、あの魚人達にケジメをつけるかだ」

 

後者はわかるが…

 

「シュウを探す?」

「あぁ、ハチはシュウが殺されたとは一言も言っていない」

「だが、海に捨てられたんだぞ?」

 

ベックマンが煙草に火を付け、間をおいてから話し出した

 

「グランドラインの海なら子供のシュウでは無理だろうが…ここは東の海だ」

 

ベックマンの言葉に拳に力が入る

 

「じゃあ!」

「可能性は0じゃない」

 

俺は船上を見渡す、そして、一味の頭として決断する

 

「一度グランドラインに戻る、そして、一稼ぎして休んだらシャボンディ諸島に行くぞ」

「《冥王》か?」

「あぁ、あの人ならもう今回のことを知っていても不思議じゃない。頼ることにする」

 

ベックマンが紫煙を吐き出し、俺に問いかけてくる

 

「いいのか?」

「あぁ、2、3発殴られるのも覚悟の上さ。息子に会えるのならどうってことない」

「そうか…」

 

俺は改めて皆に指示を出す

 

「よし!グランドラインに帰るぞ!」

「あいよ、船長」

 

船は進み出す

 

俺はココヤシ村を一瞥した後に、船内に入っていった

 

 

 

 

誰かが泣いている…あれは、ナミ?

 

なんで泣いているんだ?

 

ベルメールさんにノジコ、ゲンさんまで泣いている

 

なんで泣いているんだ?…誰が泣かせた?

 

酷く耳障りな笑い声が聞こえる

 

―――シャハハハハ!―――

 

笑い声の主を見ると怒りが沸いてくる

 

俺の意識は怒りと共に目覚めていった

 

 

 

 

「アーロン!!」

 

その声と共に起き上がる

 

だが、回りを見渡すとまったく見覚えの無い場所だった

 

「…ここは?」

 

目線を落とすと、ベッドが目に入る

 

「助かったのでしょうか?」

 

俺が独り言を呟いていると、誰かがノックも無しにドアを開けて部屋に入って来た

 

「お~、目が覚めたようじゃな、坊主!」

「貴方は?」

「儂か?儂はモンキー・D・ガープ!海軍本部の中将じゃ!」

 

寝起きだからなのか、ガープと名乗った老人の大声で頭がクラクラする

 

「おぉ、すまんな。坊主が病み上がりなのを忘れとったわ」

 

思い出した…確か、この老人があの鮫を殴り飛ばしたんだ

 

「いえ、助けていただきありがとうございました」

「なに、海兵として当然のことをしたまでじゃ!…ところで、坊主の名は…」

 

ガープ中将の話の途中で、なにやら蝸牛のような生物が口で『ぷるぷる』言い出した

 

「おっと、ちょっと席を外すぞ」

「えぇ、お構い無く」

 

何やら蝸牛に繋がっているマイク?受話器?のような物を持ってガープ中将が

蝸牛と話している…物凄くシュールな光景だ

 

どうやら話が終わったようだ

 

「すまんが客人を迎えに行ってくる。横になってゆっくりしとってくれ

 それと、そこの瓶は飲み水じゃからな、自由に飲んでいいぞ」

「お気遣い、ありがとうございます」

 

俺が頭を下げると、ガープ中将は部屋を出ていった

 

…とりあえず、水を貰うか。喉がカラカラだ

 

俺は水を飲んだ後、ベッドに横になる

 

まだ疲れが残っていたのか、すぐに眠ってしまった…

 

 

 

 

儂が海軍本部の入り口に来ると、死屍累々と言える状況になっていた

 

眼鏡をかけた懐かしい顔がこちらに向かって歩いてきている

 

儂は声を張り上げた

 

「レイリー!覇王色の覇気を抑えんか!若いのが皆、気絶しておるわ!」

「ガープ、若い連中の鍛え方が足りないのではないかな?」

 

レイリーは悪びれもせずに返答をしてくる…相変わらずじゃのう

 

「まずは礼を言わせてもらおう、連絡をしてくれて助かったぞ、ガープ」

「礼を言うのはまだ早いわい。坊主はさっき起きたばかりで

 まだ身元の確認をできておらんからな」

「そうか…」

 

レイリーが安堵の息を吐いている…坊主が目を覚ましたとわかったからじゃろうな

 

「今頃はもう一寝入りしておるじゃろう…起きるまで儂のところで茶でも飲んで

 ゆっくりとしておけばいい」

「あぁ、世話になる」

「気にせんでいいわい、戦争を起こされるよりはマシじゃからな」

 

儂はレイリーと連れたって本部の建物の中へ入っていく

 

回りを一瞥するが、若い連中がまだ気絶しとる

 

…後で鍛えなおさんといかんな

 

儂は気絶をしていない者に後始末を任せ、レイリーを部屋に案内した




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