ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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本日6話目の投稿です


第33話

ふと目が覚めたので、体を起こし伸びを1つ

 

うん、寝る前に感じていた怠さは殆どない。かなりスッキリした

 

「おはよう、どうやら目が覚めたようだね」

 

優しげな声色がした方へ顔を向けると、眼鏡をかけ理知的な目をした老人がいた

 

「おはようございます」

「うん、礼儀もしっかりしているね。初めまして、私はシルバーズ・レイリーだ」

 

この人が《冥王》シルバーズ・レイリー…

 

アカリママに何度も聞かされた伝説の海賊の1人…

 

俺が驚いていると、またノックも無しにガープ中将が部屋に入って来た

 

「おぉ、目が覚めたか坊主」

 

手には何やら煎餅のようなものを抱えている

 

「腹が減っておるじゃろう?今連絡して何か持ってこさせるわい」

「ありがとうございます」

 

そして、ガープ中将がまた蝸牛と話し出す…やっぱりシュールな光景だ

 

「あれは《電伝虫》という特殊な生物でね、番となる電伝虫と通話できるんだ」

 

レイリーさんがあの生物(なまもの)の解説をしてくれる

 

電伝虫って…ダジャレか?

 

…まぁ、そういう生物だと納得しておこう

 

「待たせたのう、しばらくしたら飯を持ってくるからのう…

 それで、坊主の事を教えてもらえるかのう」

 

俺はレイリーさんを見る

 

海軍本部の中将と《冥王》が一緒にいるんだが…いいのか?

 

「私はガープに呼ばれてここにいるからね、気にしないでもいい」

「そうですか…では、私はシラカワ・シュウです」

 

俺が自己紹介をすると、ガープ中将とレイリーさんが目を合わせて頷いていた

 

「やはり、アカリの子じゃったか」

「知っていたのですか?」

「儂が坊主を助けた時、坊主の傷がアカリの能力で治ったのじゃよ」

 

アカリママの能力?

 

「そして、アカリと同じ髪だからと、ガープが私に一報をくれたんだ」

「そうですか」

「傷は治ったが、7日も目を覚まさなかったからのう、さすがに焦ったわい」

 

…そんなに寝ていたのか

 

「ご迷惑をおかけしました」

「迷惑などと思っとらん、だが心配はしたのう、ぶわっはっはっは!」

 

ガープ中将が豪快に笑う

 

なんとも気持ちのいい御仁だ

 

「それで、シュウがどうしてここにいるのか…聞かせてもらっても構わないかな?」

「…わかりました」

 

レイリーさんの言葉に、俺はココヤシ村で起こった事を話した

 

「なるほどのぅ…アーロンが…」

「知っているのですか?ガープ中将」

「坊主、お主は海兵じゃない、ガープで構わんわい」

「では、ガープさんと」

 

ガープさんは頷き、お茶を一口飲んでから話し出した

 

「アーロンは先月、海軍大将のボルサリーノが捕らえたんじゃがな

 アーロンの元仲間である《海侠》のジンベエが《七武海》に入るのを条件に釈放したんじゃ」

「その後にココヤシ村に…ですか」

「なぜ東の海のココヤシ村に向かったのかはわからんがの」

 

アーロンは人間を下等な種族と呼び、支配をしてきた

 

その行動の理由を知るには、魚人がどういった存在なのか知らないとならないだろうな

 

「シャボンディ諸島では、魚人を始めとして奴隷が多くいる。そして、魚人は

 長い間そういった待遇で虐げられてきた種族だね」

 

レイリーさんの説明に少し合点がいった

 

「なるほど、おそらく劣等感や復讐心で人の支配へと動き、海軍本部の大将に敗れたことで

 その影響の少ないであろう東の海にやってきた…そして、ココヤシ村が襲われたのは

 運が悪かったといったところでしょうか」

 

俺の考察に、ガープさんは目を見開き、レイリーさんは興味深そうに見てくる

 

俺はガープさんの反応が少し懐かしく、思わず笑いが溢れてしまう

 

「ククク…失礼しました。ガープさんの反応が懐かしくて、つい…」

「つまり、以前からこういったことをしていたんだね、シュウ」

「えぇ、アカリママの教育の賜物です」

 

そして、レイリーさんと目を見合わせると、どちらともなく笑いだす

 

ガープさんが呆れるようにため息を吐くと、ドアをノックする音が聞こえた

 

「ガープ中将!お食事をお持ちしました!」

「おぉ、ご苦労!話の続きは飯を食ってからでいいじゃろう」

 

そして、俺の前にスープと白パンが置かれた

 

7日も食べていないので消化にいいスープに、柔らかい白パンというのがとても助かる

 

この世界では日持ちする黒パンが主流だからな

 

心遣いがとても嬉しい

 

ぐぅ~

 

スープの匂いを嗅いだら腹が鳴った

 

早く栄養を寄こせの大合唱だ

 

「いただきます」

 

俺は手を組んで祈り、食事を始める

 

暖かいスープが喉を通り、胃へと落ちていく

 

スープのおかげで体の芯から温まっていく

 

死にかけたからだろうか…こんなことで生きていると感じられる

 

深く息を吐いたら、不覚にも涙が流れてきた

 

そんな俺を、老人2人は暖かい目で見守っていた




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