ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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本日投稿1話目です


第35話

ガープさんの船でシャボンディ諸島に送ってもらったのだが

その道中はとても楽しいものだった

 

1つはベルメールさんに聞いていた特殊な構造の船で海域を気にせずに航行できる為

熟練の航海士でも難儀するグランドラインの天候に左右されずに

順調に船が進んでいったこと

 

もう1つが、《凪の帯(カームベルト)》と呼ばれる海域を航行していた時の事だ

 

運悪く(?)船が《海王類》と呼ばれる巨大な海洋生物に発見されてしまったのだが

その海王類をガープさんが拳の一撃で倒してしまったのだ

 

強くなりたいと思っていた俺は興奮しながらガープさんを称賛したのだが

かつての好敵手として対抗心が沸いたのか、レイリーさんも海王類を

倒し始めてしまったのだ

 

そして、唐突に始まった2人による狩りの競争は凄いものだった

 

《月歩》を使い縦横無尽に空を駆ける2人のその姿は前世で憧れた

アニメや漫画の世界その物の光景だったのだ

 

その光景に、恥ずかしながら肉体年齢相応にはしゃいでしまった

 

今思い出しても赤面ものである

 

そんな楽しかった航海も終わり、俺達はシャボンディ諸島に到着したのだった

 

 

 

 

「世話になったな、ガープ」

「お世話になりました、ガープさん」

「なに、気にせんでいいわい」

 

シャボンディ諸島に降り立った俺とレイリーさんはガープさんに挨拶をしている

 

「少しぐらいゆっくりとしていったらどうだ?」

「そうもいかん、早く帰って若いのを鍛えなおさんとな」

 

どうもガープさんは、レイリーさんが海軍本部に来たときの海兵の対応に御立腹のようだ

 

「そう言うわけでな、これで失礼するわい」

「そうか、今度はゆっくりとできる時に来い。一杯奢るぞ」

 

そして、2人は軽く拳を合わせて離れた

 

その様子が海に生きる男の姿なのかと格好良く思った

 

そして、ガープさんの船がシャボンディ諸島を出航していった

 

俺は精一杯の感謝を込めて手を振り見送った

 

そんな俺を微笑ましそうに見ていたレイリーさんが話し掛けてきた

 

「慣れていない船旅は疲れただろう?まずは落ち着ける場所で休憩しようか」

「…はい」

「どうやら気掛かりな事があるようだね、話してみなさい」

 

船旅中もそうだったが、ちょっとした仕草や表情から色々と察する事ができる

レイリーさんの洞察力がとんでもないと思う

 

これが《冥王》と呼ばれるこの人の力の一端なのかもしれない

 

「…私は、私自身の力で報復を望みました」

「そうだね」

「ですが、ココヤシ村のみんなの事を考えると、それでいいのかと思いまして…」

「…なるほど」

 

俺はアーロンが言った『税を納めれば命は保証する』という言葉を信じた

 

殺されかけた相手を信じるのもどうかと思うが、それを前提として

俺自身の力で報復をすると決めたのだ

 

だが、それは力をつけるまでの間、家族やココヤシ村のみんながアーロンの支配下に

置かれ続けるという負担を強いることでもある

 

もちろん、俺が力をつける間に誰かがココヤシ村を解放する可能性もあるが

それは俺の努力や力が及ばなかっただけの事なので仕方ない

 

むしろ、家族やココヤシ村のみんなが解放されるので喜ばしいことだろう

 

俺はこういった考えをレイリーさんに話した

 

「ふむ、なるほど、よく考えているね、シュウ」

 

そう言ってレイリーさんは俺の頭を撫でてくる

 

船旅の間にレイリーさんとはアカリママの話で随分と仲が良くなったのだ

 

「私の考えだが、シュウが自身の手で報復をと思うのは間違いではないと思う」

「ですが、ココヤシ村のみんなの事を考えると…」

「優しいね、シュウ。だけど、まずは聞きなさい」

 

レイリーさんが優しくも強い眼で俺を見てくる

 

「世の中には、自らの手で成し遂げなければ先に進めなくなる…といったことがある

 これが、今回のシュウに降りかかった出来事なのかもしれないね」

 

レイリーさんの理知的な眼が、深い知性を宿し俺の目を見ている

 

「だから私は、シュウの思いが間違いだとは思わない」

 

レイリーさんがまた頭を撫でてくる

 

「故に、シュウが強くなるための手伝いをしよう。私の力が及ぶ範囲でね」

 

涙が出てくる

 

自分勝手な思いが認められたのが嬉しく、非力なのが悔しい

 

「故郷の家族を信じなさい。これまで一緒に暮らしてきた、自慢の家族なのだろう?」

「はい…」

 

俺は改めて誓う

 

俺は俺自身の手で報復をする事を、ココヤシ村のみんなを救う事を

 

家族の為に…何よりも、俺自身の為に…

 

 

 

 

少しばかり説教臭いことを話してしまったな…私も年をとったということだろう

 

シュウは年相応に感情的なところもあれば、そうでないところもある

 

アカリもそうだった…親子なのだと感じる

 

私はシュウの父親であるシャンクスの事を考える

 

今頃は、ココヤシ村の事を、シュウの事を知っただろう

 

さて、シャンクスならばどう動く?

 

…おそらくは、私の所に来るだろう

 

もっとも、感情的になり、アーロンにケジメをつけている可能性もあるが…

 

一味を率いる頭として成長している事を期待しよう

 

シャンクスが顔を出したのならば、一発殴るとしようか

 

8年も掛けてシュウを探し出せなかった上に、こうも泣かせたのだから…

 

鈍っていた身体も丁度良く解れている

 

シュウがガープを称賛する光景に妬いたのは大人気なかったがな…

 

私はシュウを見る

 

まだ涙を流しているが、シュウの才を考察してみる

 

鮫との死闘の際に、おそらくは見聞色の覇気を使っていたようだ

 

武装色の覇気を無意識で纏っていることから、その才もあるだろう

 

そして、アーロンの話の際に、怒りの感情と共に僅かながら覇王色の覇気も感じた

 

つまり、シュウは覇気の才能を3種類所持していることになる

 

シュウの両親であるアカリやシャンクスと同じくだ

 

…どうやら、これから予想以上に楽しい時間を過ごせそうだ

 

私は涙を流し続けるシュウの手を引き、行きつけのバーに向かった




今回は7話投稿させていただきます

次の投稿は9:00を予定です







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