ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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第42話

目を覚ますと、始めに目に入ったのは満天の星空ではなく、木目の天井だった

 

「どうやら、無人島の拠点ではないようですね…」

 

少し寝惚けたような感覚の中で思考を巡らせていく

 

すると、少し慌てたような足音と共にドアがノックされて

レイ養祖父さんが部屋に入ってきた

 

「…目が覚めたようだね、シュウ…よかった」

 

心底安堵したようにレイ養祖父さんは息を吐く

 

「かなり心配をかけたようですね、申し訳ありません」

「いや、私がシュウの疲労具合を読みきれなかったのが悪いんだ…すまなかった」

 

そう言ってレイ養祖父さんが頭を下げてくる

 

太極で7年過ごしたのならば、この世界では7日経っているということだ

レイ養祖父さんには相当に心配をかけたのだろう

 

私は少し思案する

 

太極で多くの知識を学んだことを話すかどうかだ

 

…リスクはありますが、ある程度話した方が今後動きやすくなるでしょう

 

「なにか考えているようだが、どうかしたのかな、シュウ?」

 

だいぶ慌てていたというのに、この察しの良さは流石といったところだろう

 

「そうですね、寝ている間に不思議な体験をしました」

「ほう、どんな体験かな?」

 

「夢の中でもう1人の私に能力について教えて貰ったのですよ」

 

私の言葉にレイ養祖父さんが興味深そうに見てくる

 

「それで、シュウの能力は何なのかな?」

「私の能力は重力を操るものですね」

 

レイ養祖父さんは髭をしごくようにして思案していく

 

「能力者の中にはふとしたきっかけで能力への理解を深め次なる《ステージ》に

 進む者がいるという話を聞いたことがあるね」

「次なる《ステージ》ですか?」

 

非常に興味深いワードをレイ養祖父さんが溢した

 

「もしかしたらだが、シュウは疲労の極限状態で能力を使ったことで

 そこに至ったのかもしれない…というのが私の見解だ」

「なるほど…面白いものですね、悪魔の実という物も」

 

機会があれば研究してみるのも悪くあるませんが、今はやるべきことがあります

 

「それで、重力を操ると言ったが、どういったことが出来るのかな?」

「あくまで理論的なことを学んだだけなので実践できるとは限らないのですが…」

 

そして、私は能力で出来ることを話していく

 

「私が知る能力には、自重を操作したり、シキのように物を浮かすことが出来たりと

 いったものがあるが…ワームホールというものは聞いたことがないね」

 

レイ養祖父さんは眉を寄せ手を組んで考えている

 

「私が気を失う前に使おうとしたのがワームホールになりますね」

「あれか…興味深いが、病み上がりのシュウに使わせるわけにはいかないな」

 

私としては寝過ぎてフワフワとした感覚があるぐらいなので問題ないのですが

これ以上レイ養祖父さんを心配させるのは得策ではないでしょう

 

「それで、私の修行はどうなるのでしょうか?」

「3日程はゆっくりしなさい。それが過ぎるぐらいには

 待ち人も来るだろうから丁度いいだろう」

 

3日か…でも

 

「待ち人ですか?」

「あぁ、私の予想が正しければ君の父親であるシャンクスが訪ねてくるだろう」

 

父さんが…

 

「レイ養祖父さん、少し剣呑な雰囲気を感じますが、父さんをどうするのですか?」

「おや、察しがよくなったねシュウ、見聞色の練度が上がったかな?」

 

茶化すように話してくるが私は目を反らさずに見続ける

 

「やれやれ、降参だ。私はシャンクスを一発殴るつもりだよ」

「何故でしょうか?」

「一言で言えば…養祖父としてのケジメだね」

 

私も父さんに思うところがないわけでもないですが…

 

「レイ養祖父さん、私は3日は大人しくしていなければいけないのですよね?」

「そうだね、でもチェスをするぐらいならば構わないよ」

 

ふむ、なら少し父さんに助け船を出しましょうか

 

「賭けをしませんか、レイ養祖父さん」

「賭け?何を賭けるんだい、シュウ」

「3日間のチェスの勝負で勝ち越した方が父さんを殴るというのはいかがでしょう」

 

私の提案にレイ養祖父さんが笑いだす

 

「ふふふ、いいね。だが、賭けならば容赦はしないよ、シュウ」

「えぇ、望むところです」

 

こうして私は、目を覚ましたその日からレイ養祖父さんと

賭けチェスをすることになった

 

 

 

 

シュウが気を失ってから7日、ようやく目を覚ましたことに私は深く安堵した

 

しかし、目を覚ましたシュウが告げたことに私は驚くことになった

 

なんと寝ている間に能力のことを学んだというのだ

 

正直なところ聞いたことがないものだが、嘘を言っているようには見えない

 

それに、シュウの目は7日前に比べて深い知性を宿しているように見える

 

もし、シュウが学んだというのが本当ならば他にも何かを学んでいるだろう

 

やれやれ、アカリに似て常識外れなところがある子だな

 

こうも楽しませてくれるとは…師として冥利に尽きるというものだ

 

さて、チェスの勝負を申し込まれたが…どうしたものか

 

シュウにシャンクスを殴らせるのも一興だが…

 

ベットを上げてシュウが他に何を学んだのか聞くのも悪くないか

 

この時の私は知るよしもなかった

 

この後、シュウとのチェスで彼の驚異的な成長を知ることになることを…




今回は7話投稿します

次は9:00に投稿予定です







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