ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です


第52話

ワノ国から転移でシャボンディ諸島に戻った私とレイ養祖父さんは

シャッキーさんの店でお茶を飲むことにした

 

「ただいま、シャッキーさん」

「おかえり、シラカワちゃん、レイさん」

「あぁ、ただいまシャッキー。私とシュウにお茶を頼むよ」

 

いつものカウンター席に座った私達はお茶を待ちながら

今後の予定を話し始めた

 

「それで、今後の修行予定はどうするのでしょうか?」

「そうだね、シュウには賞金稼ぎとして実戦を経験していって貰いたい」

 

賞金稼ぎ?

 

「海賊と戦っていくということでしょうか?」

「その通りだよ」

 

これから実戦で…命のやり取りをしていくことに不安を覚える

 

「シュウ、君はブンタ殿の剣の圧力を超えることが出来た。自信を持ちなさい」

 

そのことについては成長の実感があるのだが…実戦は未経験なのだ

 

「始めの内は私が戦う相手を見繕うから安心しなさい。もっとも、楽に

 勝てる相手を選んだりはしないから油断はしないように」

 

私はレイ養祖父さんの言葉に頷いた

 

「それじゃあ、お茶を飲んだら海軍本部に向かおうか」

「ガープさんに海賊の情報を貰うつもりですか?」

「流石だね、シュウ。その通りだ」

 

レイ養祖父さんが機嫌良さそうに笑う

 

その後、お茶を飲みながらレイ養祖父さんとチェスをした

 

結果は…辛うじて引き分けだった

 

いつかは勝ってやると心を燃やした

 

 

 

 

一服を終えた私とレイ養祖父さんは準備を整え小舟で海軍本部を目指した

 

海軍本部は私が能力を得てから訪れた事が無いので転移出来ないのだ

 

道中の船の進路は私がとっていく事になった

 

航海術等、これまで学んだ海で生きる術を試す為だ

 

初めての事だったので四苦八苦しながらの旅路となったが

レイ養祖父さんは微笑ましそうに私を見ていた

 

途中でサメや小型の海王類が船を襲ってきたのだがレイ養祖父さんの提案で

私が戦う事になった

 

ブンタ御祖父さんから貰った剣を抜き、私は迎え撃った

 

波に揺れる小舟の上だったがシオリ御祖母さんの修行の成果なのか

足元に不安を覚えずにしっかりと剣を振るう事ができた

 

刃筋が通り、振るわれた剣は肉を斬る感触を手に伝えてくる

 

その感触に驚くも振りきった剣はサメを倒すことに成功した

 

小型の海王類は武装色を剣に纏わせて振ってみたのだが

サメの時のような感触を感じなかった事で空振りしたかと思ってしまった

 

だが、目にしたのは首と胴体が別れた海王類の姿だった

 

今までは身体能力の強化にしか武装色の覇気を使ってこなかったので

この結果には目を見張ることになった

 

レイ養祖父さんはそんな私を見て愉快そうに笑っていた

 

そんな色々な経験を積むことができた船旅も終わりを告げ

私とレイ養祖父さんは海軍本部に到着したのだった

 

 

 

 

「お疲れさま、シュウ」

「いえ、時間がかかってしまい申し訳ありませんでした」

「初めての航海でグランドラインを無事に渡る事が出来たんだ、上出来だよ」

 

そう言ってレイ養祖父さんが私の頭を撫でてくる

 

「さて、先触れも無しに来てしまったからね。海兵にガープを

 呼んでもらうとしようか」

 

レイ養祖父さんは近くを歩いていた海軍の制服を着た男に声をかける

 

「あ、なんだジイさん。何か用か?」

「すまないがガープを呼んでくれないか」

 

声をかけた男は私よりも若く見え、少年と言っていい男だった

 

「あ、なんで俺がジジイを呼ばなきゃなんねぇんだよ!」

 

レイ養祖父さんが困ったように息を吐く

 

「申し訳ありません。ガープさんにシュウが来たと伝えて欲しいのですが…」

「モブは黙ってろ!」

 

片眉を釣り上げ、私を睨みながら少年は叫ぶ

 

「お前らのようなモブがオリ主である…」

 

ゴンッ!

 

少年の言葉は頭に振り下ろされた拳骨で遮られた

 

「…いってぇ―――!!!」

「バカ者が、少しは礼儀を弁えんか!」

 

少年の頭を殴りつけたガープさんが少年を叱る

 

「すまんな、レイリー」

「構わんさ、ガープ」

 

少年は見事な金髪の頭を押さえその赤い瞳に涙を浮かべている

 

「なにすんだ、くそジジ…」

 

少年の言葉はまたも途中で遮られた

 

「本当にすまんな、2人共。後で礼儀を叩き込んでおくわい」

 

少年はよほど痛かったのか頭を押さえながら地面を転がり回っている

 

「それじゃあ儂の部屋に行くか。ライト!お前は演習場を走っておれ!」

「ふざけんな!なんでオリ主の俺が!」

 

ガープさんが拳骨を握りライトと呼ばれた少年に見せる

 

「くっそ―――!」

 

少年は叫びながら走っていった

 

「待たせたの」

「ガープ、あの少年は何だ?」

「儂が休暇で東の海に行った時に、ライトが東の海で海賊の真似事をしておったんじゃが

 彼奴は航海術も持たずに海に出て迷子になっとった…そこを拾ったんじゃ」

 

ライト少年が走って行った方向を見ながらガープさんが呆れるように話す

 

「さて、それじゃ行くぞ。儂に話しがあってきたんじゃろ?」

 

ガープさんに促されついていく

 

モブにオリ主ですか…

 

どこかで聞いた覚えがあります

 

そうすると虚憶に関係しているのでしょうか?

 

確信はありませんが、おそらく彼は…

 

私はガープさんの部屋に向かう中で、ライト少年の事を考察していった




次の投稿は15:00の予定です

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