ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿1話目です


第57話

シャボンディ諸島に戻った私とレイ養祖父さんは貰った情報を元に

さっそく賞金首を狙うことにした

 

レイ祖父さんが選んだ賞金首はおよそ2000万ベリーから3000万ベリーの賞金首だ

 

レイ養祖父さん曰く、グランドラインにデビューしたてのルーキーは情報に乏しい為

多少は情報が揃っている相手の方が良いとの事だ

 

そして、ブンタ御祖父さんから貰った剣を用いていざ実戦

 

結果としては私の勝ちです

 

傷一つ負うことなく勝てたので完勝と言っていいでしょう

 

ですが、賞金首を討ち取った証拠を海軍本部に提出して賞金を受け取った際に

私はその時の剣の感触を思い出して吐いてしまった…

 

 

 

 

「見つけたぞシュウ!勝負…って、どうした?」

 

胃が空になっても吐いている私を見つけたライト少年が勝負を挑んできたが

正直なところそれどころじゃない状態だ

 

「ライトか…シュウは今、新兵病になっとる所じゃ」

「ガープ中将、なんだそれ?」

「初めての実戦を経験した多くの者がなる心の病じゃな」

 

人を斬った際の感触がずっと手に残っている

 

それが今も治まらぬ吐き気となって私を蝕んでいるのだ

 

「じゃあ、シュウの奴は…」

「あぁ、賞金首を討ち取った証拠を持ってきおったわい」

 

ライト少年が驚いた表情で私を見てくる

 

「シュウ、少し休んでいけ。医務室には儂が連絡しておくからのぅ」

「…いえ、レイ養祖父さんが待っているので帰ります。心遣い感謝します、ガープさん」

 

そういって私は立ち上がる

 

これ以上海の魚達に撒き餌をするわけにもいきませんからね…

 

「お見苦しい所をお見せしました。では、失礼します」

 

そして、ワームホールを開き私はシャボンディ諸島に転移した

 

 

 

 

「は?なんだあれ!?ワープか?チートじゃねぇか!」

 

さっきまで海に撒き餌をしていたシュウの奴が、あいつの手から出た

黒い何かに入ったらその姿が消えていた

 

「詳細はわからんが、あれがシュウの能力なんじゃろうな」

 

事も無げにガープが話すが、少しは驚けよ!

 

「待てよ、ということは…あの時の手合わせはどんだけ手加減してたんだよ!?」

「能力も覇気も使っとらんかったからな。文字通り手を抜かれとったわい」

 

ガープの言葉に愕然とする

 

…くっそ―――!

 

「チートになんて負けねぇぞ!ちくしょ―――!」

「ライト…お前は時折、よくわからん言葉を使うのぉ」

 

ガープが呆れるように俺に言う

 

「そうだ、ガープ…中将、今回はシルバーズ・レイリーが来てなかったけど…」

「レイリーは引退したとはいえ、手配書はそのままじゃからな…サカズキを始めとして

 色々とうるさいのも多いんじゃよ」

 

「じゃあ、なんで前はシュウの奴と一緒に来たんだ?」

「センゴク辺りにやり込められたりしないか心配したんじゃろうな」

 

そう言ったガープは大笑いしている

 

冥王も丸くなったとかなんとか面白がってやがる

 

「なぁ、ガープ中将。シュウとレイリーってどういう関係なんだ?」

「それを知ってどうするんじゃ、ライト」

 

どうするってわけじゃねぇんだが…

 

「…漁師の息子が針にかけた魚をバラしたまま終われねぇだろう?」

「ぶわっはっはっは!」

「笑うな!悪いかよ!」

 

くそっ!センゴク元帥とガープ中将はこうして時折、俺をからかうように笑いやがる

 

「ライト、すまんすまん。そう拗ねるでないわ」

「拗ねてねぇよ!悪いと思うなら教えやがれ!」

 

背中をバシバシ叩くな!痛いんだよ!

 

「そうじゃのう…2人の関係を話すなら、シュウの母親の

 アカリの事を話さないといけないのぉ」

 

その後、アカリという人物の事をガープ中将から聞いた

 

ワノ国で《神童》と呼ばれたり、海兵を止めてロジャー海賊団に入ったり

果てにはシャンクスと恋人になって一味を旗揚げしたりと…

 

お前は一体どこのオリ主だとツッコミをいれたくなるような人物だ

 

「…シュウの奴が転生者だと思ったが、母親の方だろこれ…」

「ライト、時折ブツブツと一人言をいう癖は直したほうがいいぞい」

 

ほっとけ、ジジイ

 

「とりあえず、レイリーがシュウの奴に肩入れする理由はわかったぜ」

「そうか」

「だが、なんであんなになってまで頑張るんだ?」

 

吐くほどキツイなら少しぐらい休んだっていいだろうに

 

「シュウは故郷を海賊に襲われたんじゃ」

「…は?」

「その報復の為に、シュウは覚悟を決めて動いとる」

 

いやいや、ちょっと待てよ

 

「そこまでわかっていて、なんで海軍は動かねぇんだよ?」

「本部とは管轄が違うからのぉ…動くに動けんのじゃ」

 

なんだよそれ…

 

「ガープ中将ならなんとか出来るんじゃねぇのか?」

「派閥問題もあるからそう簡単に動けんわい…センゴクにも止められとるからのぉ」

 

「でもよぉ…」

「それに、シュウは儂等が動くのを望んでおらんのじゃ」

「シュウが?」

 

どういうことだ?

 

「自身の手で報復を…それがシュウの望みじゃ」

「へぇ…すかしてるくせに、いい根性してるじゃねぇか!」

 

見た目と違って気合いが入ってるじゃねぇか!

 

「ライト…生半可な覚悟ではシュウに勝てんぞ」

「はっ、上等だぜ!」

 

俺は左の掌に右拳を叩きつける

 

「俺が本気を出して釣れなかった魚はいねぇんだ!きっちり踏み台にしてやんよ!」

「ぶわっはっはっは!その意気じゃライト!」

 

故郷の親父が腰を抜かす程のサクセスストーリー…見せてやんよ!

 

「よし!それじゃ、早速特訓といこうかのぉ」

「…いや、今日はもう訓練もしたし、明日からでも…」

「ぶわっはっはっは!」

 

俺はガープ中将に首根っこを掴まれて引き摺られていく

 

「離せジジイ!」

「ついでに礼儀も叩き込んでやるわい!」

 

その後、演習場に連れていかれた俺は、ガープ中将に文字通りに

ぶっ倒れるまでしごかれた

 

…いつか、絶対にぶん殴ってやる!

 

「まだ大丈夫そうじゃのう。もう1セット追加じゃ」

「ふざけんな―――!」




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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