ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿6話目です


第72話

「10年…よく頑張ったね、シュウ。後は事を成すだけだ」

 

ミホークとの手合わせの後、私を送り出す宴となった

 

ちなみにミホークは宴に参加せずに酒樽だけを持ってすぐに出航した

 

なんでも近々海軍の七武海定期招集があるらしく、それに参加するのが面倒なので

適当に海をフラフラするつもりらしい

 

そのついでに暇潰しで適当に海賊を狩るとの事だ

 

そうすれば七武海として活動しているので海軍も文句を言ってこないようだ

 

暇潰しでミホークに狩られる海賊は運がないですね

 

そして宴を終えた翌日、今はレイ養祖父さんから激励を受けている

 

「はい」

「手加減していたとはいえ、シュウは鷹の目との手合わせで引き分ける事が出来た…

 自信を持ちなさい」

 

私はレイ養祖父さんの言葉に頷く

 

これまでは自信を持てと言われても頷く事が出来なかった

 

だが、昨日のミホークとの手合わせで得た経験が私に確かな自信を持たせてくれている

 

「シュウは既に壁に到達している。後は自信を持ち、多くの経験を積んでいけば

 その先に至る事も出来るだろう」

 

正直なところ壁にまで至った実感は無い

 

だが、この10年の出来事は確実に私の血肉となっている

 

「私からは以上だ。それと、いつでも遊びにくるといい…」

 

優しく微笑むレイ養祖父さんの表情に少し鼻の奥がツンとする

 

「俺からはこれだ、シュウ」

 

父さんが一振りの剣を差し出す

 

「その剣は?」

「これは、アカリが俺の船を降りる時に置いていった剣だ」

「アカリママの剣…」

 

「無銘だがロジャー船長の世界一周の冒険にも耐え抜いた逸品だ。持っていけ」

「よろしいのですか?アカリママとの思い出の品の筈ですが」

 

父さんがニッと笑って私の頭をクシャクシャと撫でる

 

「息子の船出を祝うのにこれ以上の物はないからな」

「…ありがとうございます、父さん」

 

私の頭から手を離した父さんは今度は私の肩に手を置く

 

「初めて会った時は俺の腹ぐらいまでしかなかったが…大きくなったな…」

 

この10年で私は180を超える長身になった

 

そんな私を父さんが感慨深そうに見てくる

 

「…行ってこい、シュウ!」

「はい、いってきます父さん」

 

父さんから剣を受け取りワームホールを開く

 

そして、父さんとレイ養祖父さんと拳を合わせた私はこの10年で

世話になった人達に挨拶をしていく為にワノ国に転移をした

 

 

 

 

「はいシュウちゃん、これを受け取って」

 

ワノ国ではブンタお祖父さんとシオリお祖母さんに挨拶をした

 

そして、シオリお祖母さんから今では私のトレードマークとも言える白衣に似た

白いコートを贈ってもらった

 

私の為に誂えられたコートは丈がピッタリで身を引き締めてくれる

 

「遠慮せずにいつでも遊びにきてね、シュウちゃん」

「シュウ、成せば成るのだ」

 

挨拶を終えた私は祖父母と軽く抱擁してからワームホールを開く

 

次の行き先は命の恩人であるガープさんの所だ

 

 

 

 

「シュウを海で助けてからもう10年か、早いものじゃのう」

「その節はお世話になりました」

「海兵として当然の事をしただけじゃ。気にせんでいいわい」

 

海軍本部に転移した私はガープさんの部屋で旅立ちの前の挨拶をしている

 

ガープさんの部屋にくる前にクザンさんとセンゴク元帥とも軽く挨拶をした

 

「シュウ、センゴクに確認をとってもらったがココヤシ村は今もまだ

 アーロンに支配されとるらしい」

 

私はガープさんの言葉に頷く

 

「10年経っても開放出来んかった支部の事なんて気にせんでいい…

 思いっきりアーロンをぶっ飛ばしてくるんじゃ!」

「はい!」

 

その通りです、これまでの10年はその為に積み上げて来たのですから…

 

私は決意を新たにし拳を握り締める

 

「そうじゃ、東の海に行くついでに使いを頼んでもいいかのう?」

「使いですか?」

「あぁ、手紙を二枚届けて欲しいんじゃ」

 

そう言ったガープさんは制服の胸ポケットから手紙を取り出す

 

「1つはローグタウンにおるライト宛じゃ」

 

そう言って差し出された手紙を受け取る

 

「もう1つは儂の孫宛じゃ」

「お孫さんですか?」

「あぁ、モンキー・D・ルフィという…これを孫が海に出る前に届けて欲しい」

 

私はルフィというガープさんの孫宛の手紙も受け取る

 

「構いませんが…お孫さんがいる場所と期日はいつまででしょうか?」

「ルフィはフーシャ村におる。期日は…明後日の朝までじゃな」

 

ガープさんの言葉に私は頭を抱える

 

「海軍の船でも無理な行程をさらっとさせようとしないでください」

「ぶわっはっはっは!じゃが、シュウの能力なら間に合うじゃろ?」

 

この後ローグタウンに転移をしてライトに手紙を渡した後に一眠りをし

翌日に1日飛び続ければ十分に間に合うでしょう

 

だが、そうするとココヤシ村に向かうのが遅れることになる…

 

…ガープさんは命の恩人です

 

恩返しと考えれば受けるべきですが…

 

私は考える

 

ガープさんの孫よりナミ達の方が大事なのは当たり前だ

 

だが、これを断って胸を張ることができるか?

 

私は1つため息を吐く

 

…急がば回れですか

 

「わかりました。手紙をお預かりします」

「助かるわい。頼んだぞ、シュウ」

 

その後、ガープさんに挨拶を終えた私はローグタウンに転移しライトに手紙を渡す

 

そして一眠りをした私はフーシャ村を目指して飛び立った

 

 

 

 

「お―、今日は絶好の船出日和だな!」

 

17歳になった俺は海賊王になるために、シャンクスとの約束を果たすために海に出る

 

今日はその船出の日だ

 

「それじゃ、行ってくる!」

 

俺を見送りに来てくれたフーシャ村の皆が応援してくれるんだけど

村長だけは『海賊に…』とか文句を言ってる

 

そんな村長の隣にはマキノがいる

 

マキノには一杯飯を食わせてもらったからな

 

冒険して宝を見つけたらちゃんと宝払いするからな!

 

俺はシャンクスから預かった麦わら帽子を片手で抑えて船に跳び乗ろうとする

 

でも、なんか空が気になったから跳ぶのを止めた

 

空を見てみると何かがフーシャ村に飛んできてた

 

「なんだあれ?鳥か?」

 

よく見てみるとその飛んできていた何かは人間だった

 

「すっげぇ―――!どうやって飛んでるんだ?あれか!不思議人間か?!」

 

船出前からすげぇのが見れてワクワクが止まらねぇ!

 

その飛んできていた奴はどんどんフーシャ村に近づいてきて、そして俺の近くに降りてきた

 

「船出の邪魔をして申し訳ありません」

「いいよ別に、それよりお前すげぇな!どうやって飛んできたんだ!」

「ククク、秘密です」

 

予感がする…こいつはすげぇ奴だ!

 

そして空を飛べる面白い奴だ!

 

…決めた!

 

俺はこいつを仲間にする!

 

「俺はモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ!」

 

俺の名乗りに飛んできた男は目を大きくして驚いている

 

ししし、ワクワクが止まらねぇ!

 

ここから俺の大冒険が始まるんだ!




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう^^

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