ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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本日2話目の投稿です


第79話

「へ~…海賊狩りのゾロは見た目と違って優しい人なんですね」

 

コビーが水を飲みながらそう言葉を口にする

 

あの後、ルフィとコビー、それとおにぎりを持っていった女の子と一緒に

酒場に行き食事をしている

 

その食事の最中に女の子や酒場の店主からゾロが磔になった経緯を聞いていたのだ

 

あのキノコ頭はこのシェルズタウンにある海軍支部基地司令のモーガン大佐の息子で

その立場を利用してやりたい放題していたようだ

 

そして、あのキノコ頭は躾のなっていない犬を連れて歩いていたところ

その犬が女の子に襲いかかろうとしていたのをゾロが斬って助けたそうだ

 

自分の犬を斬られたキノコ頭は怒って何か条件をつけてゾロを磔にした

 

女の子を助けてくれたゾロをシェルズタウンの住人は助けたいと思っているのだが

武功を立てて成り上がったモーガン大佐が権力と暴力でシェルズタウンを

支配している事もあり手出しが出来ない

 

こんなところが女の子や酒場の店主から聞いた大まかな事の経緯だ

 

「ししし、そうだろ?だから俺の仲間にするんだ!」

 

ルフィがモリモリと食事をしながら話す

 

女の子はデザートを食べて笑顔になっている

 

ちなみに食事代は私の奢りです

 

「よし!飯も食ったしそろそろ行くか!」

 

私が食後の紅茶を楽しんでいた時、ルフィが席を立つ

 

「どこに行くんですか、ルフィさん?」

 

コビーの疑問にルフィが笑顔で答える

 

「ゾロの所に行ってくる!」

 

ルフィの言葉にコビーが慌てる

 

海軍に喧嘩を売るのはと言っているがルフィは海賊だ

 

「シラカワ博士、いいんですか?」

 

私はティーカップを置いてからルフィに話しかける

 

「ルフィ、手助けは必要ですか?」

「ししし!いらねぇ!」

 

そう言ってルフィは酒場を出ていった

 

「本当にいいんですかシラカワ博士!ルフィさん、いっちゃいましたよ!?」

 

私は紅茶を一口飲んでからコビーの言葉に答える

 

「コビー、貴方は勘違いしているようですが私はルフィの仲間ではありませんよ」

「ですが…」

 

私はまた一口紅茶を飲んでから話し出す

 

「ルフィ自身が決めた事です。それに、ここで潰されるようならこの先、ルフィが海賊王に

 なるという夢を果たすことも出来ないでしょう…今回の一件はルフィを試す試金石として

 ちょうどいいと思います。コビー、貴方がルフィの友ならば邪魔をせずに見届けなさい」

 

私の言葉を聞いたコビーはグッと拳を握り締める

 

そして、一息で水を飲み干してから酒場を駆け出していった

 

「思いだけではこの広い海の荒波に飲み込まれてしまいます」

 

これからルフィが海賊として生きていくのなら賞金稼ぎだけでなく

海軍や同業の海賊とも戦う機会はいくらでもあるでしょう

 

その時に必要なのは思いや夢、野望ではありません…生き残る為の力です

 

私はライトと手合わせをした時にした話を思い出す

 

海軍支部ではその階級が持つ権力は本部に比べて2つ下の階級に相当するらしい

 

そして、強さに関してもおよそ同じぐらいとの事だ

 

もっとも、これはあくまで目安なので実際にそうとは限らない

 

戦闘以外で功績をたてて出世した海兵もいるからだ

 

「ルフィ…貴方にこの海を生き残るだけの力があるのか…

 海賊王に至る器があるのか…楽しみですね」

 

私は紅茶を飲み干し席を立つ

 

そして、酒場の店主に支払いを済ませて海軍基地内の広場に向かうのだった

 

 

 

 

海軍支部基地内の広場に到着すると既に戦いは始まっていたようで

ゾロが両手と口にそれぞれ刀を持った態勢で海兵達の剣を受けていた場面だった

 

「…二刀流はわかりますが刀を口に銜えるとは…呆れるような咬合力ですね」

 

その態勢のままゾロは何かをルフィと話している

 

ルフィが満面の笑みになっているのを見るとどうやらゾロを仲間に出来たようだ

 

そして、ゾロが受け止めていた海兵達の剣を力任せに跳ね返した事で戦いは再開される

 

ルフィが能力を活かして海兵を薙ぎ倒していけばゾロも三刀を使い海兵を斬っていく

 

もっとも、殺さぬように加減はしているようだ

 

そうして戦っている内にモーガン大佐が広場に出てきた

 

モーガン大佐は自分の息子のキノコ頭を殴り飛ばし、部下達に自決しろと言った

 

手を出そうかと思ったがルフィがモーガン大佐に仕掛けていった事で

海兵達の自決は止まった

 

ルフィとモーガン大佐の戦いが始まったがルフィが優勢に戦いを進めている

 

モーガン大佐は武功を立てて成り上がったと聞きましたが…本当でしょうか?

 

右手代わりの斧を躊躇なくルフィに振っているが、正直な所それだけにしか見えない

 

そうこうしている内に、ゾロが殺さぬように加減してモーガン大佐を斬り倒して決着

 

シェルズタウンを暴力で支配していたモーガン大佐が倒れた事で広場は大歓声に包まれた

 

 

 

 

「プハー!食った食った!生き返ったぜ!」

 

モーガン大佐を捕縛した後の事後処理等を海兵達に任せてルフィとゾロは

酒場に飯を食いにやってきた

 

というかルフィ…貴方は先程食べたばかりじゃないのですか?

 

まぁルフィがゾロを仲間に加えた事のお祝いとして私が飯を奢ろうかと思ったのだが

酒場の店主の計らいで2人はタダ飯を楽しんだ

 

「ロロノア・ゾロでしたね?1つ質問をしてもいいでしょうか?」

「あ?お前は誰だ?」

「私はシラカワ・シュウです」

 

私が名乗るとゾロは目を見開いた

 

「《魔人》がなんでこんな所にいるんだ?グランドラインで賞金稼ぎをしている筈だろう?」

「やるべき事があるのでこうして東の海に来たのですよ」

 

私は一息入れてから話を続ける

 

「それで、質問をしてもいいでしょうか?」

「…あぁ、俺に答えられる事だったらな」

 

「シェルズタウンに程近い次の場所はオレンジの町ですが、そこまでの道程を

 貴方に任せても大丈夫でしょうか?」

 

ゾロは異名がつく程に賞金稼ぎとして活動をしていた事を考えれば

航海術は問題ないと思うが一応確認しておく

 

「あ?…まぁ、なんとかなんだろ」

 

ふむ、少し怪しい感じもしますが言質はとれました

 

「それではルフィ、私はこれで失礼しますよ」

「えぇ~、仲間になれよシュウ」

 

また口を突きだしながらルフィがブーブー言ってくる

 

「…ルフィ、ハッキリと言っておきますが…私は誰の下にもつく気はありませんよ

 なのでこれでお別れです」

 

私はこの世界に転生する前に感じた渇望を思い出す…自由への渇望を…

 

「この広い海でも、縁があればまた会うこともあるでしょう…

 その時は再会を祝して一杯やりましょう」

「俺は酒よりも肉の方がいいな」

 

モリモリと食事を続けているルフィの尽きぬ食い気に笑いが溢れる

 

「ククク…わかりました。その時は肉を御馳走しますよ」

 

そこまで話した私は酒場を出る為に立ち上がる

 

「コビーも海軍将校になる夢…頑張ってください」

「はい!シラカワ博士もお元気で」

 

酒場の外に出る為に歩き出すと後ろからルフィに声をかけられた

 

「シュウ!今までありがとな!それと!お前を仲間にするのを諦めてないからな!」

 

私はルフィの言葉に笑みを返し酒場を出る

 

酒場を出た俺は目を閉じて一息つく

 

脳裏に浮かぶのはあの時の光景

 

『シャ―ハハハ!』

 

色褪せぬ怒りを胸に、私はココヤシ村に向かって飛び立った




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