ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ
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第81話

「ナミ、シュウの事を知ってんのか?」

 

気がつけばわたしはルフィに大きな声でシュウの事を聞いていた

 

「シュウはわたしのこ…想い人よ」

 

10年前のあの時に自分の想いに気づいてからずっと変わらない…

違うわね、今はもっと強くなってるわ

 

「そ、それよりもシュウの事よ!どこにいるの!?」

「シュウならココヤシ村って所に飛んでいったぞ」

「どこから?どこからココヤシ村に向かったの!?」

「シェルズタウンからだ」

 

わたしはルフィから離れて顎に手を当てて考え始める

 

今、わたしの脳内にはこの5年で巡った東の海の海図が拡げられている

 

「飛んでいったと言う程に急いで向かったのなら途中で補給はしないかしら?」

 

シェルズタウンからココヤシ村に向かう際の航海日数を考える

 

シュウが1人なら乗っている船も相応に小さいはずだから…

 

「シュウは航海術を持っているだろうけど…東の海の海流とかは知らないはず…」

 

わたしは頭の中でシュウがココヤシ村に辿り着くまでの日数を計算していく

 

「ルフィ、シュウはいつココヤシ村に向かったの?」

「ん?昨日だな」

 

ルフィの言葉を受けてまた考える

 

「シュウはアーロンを倒すつもりだから無理な行程で航海はしないはずよね…」

 

そうだと仮定すれば今日中にバギーからお宝を奪って出航すれば

シロップ村で物資補給の余裕はとれる

 

…かなり強行になるけどシュウがココヤシ村に帰るまでに追い付けるはず!

 

よし!後はバギーのお宝で目標額まで到達すればシュウを

危険な目に会わせずにココヤシ村を解放することができるわ!

 

…そうと決まれば急がなくちゃ!

 

「ルフィ、早速だけど手を貸してもらうわよ」

「あぁ、いいぞ」

 

急ぐ必要があるからわたしはルフィを囮にする作戦を考えていく

 

「ルフィ!やっと見つけたぞ!」

 

わたしが作戦を考えていた時、ルフィの名を呼ぶ声がした

 

「あぁゾロか、遅かったな」

「遅かったなじゃねぇ!てめぇが鳥に連れて行かれたからこうなったんだろうが!」

 

どうやらこいつが海賊狩りのゾロみたいね

 

…仲間が来ちゃったからルフィを縛ってバギーに差し出して囮にするのは無理ね

 

なら、2人には正面から行って暴れてもらおうかしら

 

こうしてわたしはバギーからお宝を盗む作戦を考える

 

いつもよりも強引だけど時間がないから仕方ないわね…

 

シュウ…お願いだから無理はしないでね…

 

 

 

 

1日飛び続けてようやくココヤシ村が見えてきた

 

アーロンへの怒りとは別に懐かしさが込み上げてくる

 

ふと目に入るのは10年前には無かった建物

 

かつて素潜り漁をしていた入り江にある大きな建物だ

 

その建物にはギザギザの鼻が特徴的なマークが描かれている

 

…おそらくはココヤシ村や周辺の村から徴収した税で建てた物でしょう

 

逸る気持ちを抑えてココヤシ村の中へと飛んでいく

 

そして、見慣れた家の前に降り立つ

 

先程までの怒りは霧散して胸がドキドキする

 

私のワガママで10年も待たせました…

 

そんな私を皆は許してくれるでしょうか?

 

意を決して扉をノックする

 

「はいはい、今行くからちょっと待ってて」

 

聞き覚えのある声に体が震える

 

帰って来たという実感が全身を駆け巡る

 

ガチャ

 

扉が開かれ、刈り上げられた独特な髪型をした女性…ベルメールさんが出てきた

 

「お待た…せ…?」

 

ベルメールさんは私を見上げて目を見開いている

 

いつの間にか、私はベルメールさんよりも背が高くなっていたんですね…

 

「…シュウ?」

 

10年振りなのに私だと一目で理解してくれた事が嬉しくてたまらない

 

私は万感の想いを込めて言葉を出した

 

「ただいま、ベルメールさん」

 

ベルメールさんが私を抱き締めてくれる

 

10年前と変わらない暖かくて優しいその手で…

 

「…お帰り、シュウ」

 

ベルメールさんの言葉で顔が熱くなる

 

頬を何かが流れ落ちるのを感じる

 

私はそれをそのままにベルメールさんを抱き締め返すのだった

 

 

 

 

「改めてお帰り、シュウ」

 

ベルメールさんが私の前にお茶を置く

 

あの後、懐かしの我が家に入りベルメールさんがお茶を淹れてくれたのだ

 

「ありがとうございます。一息入れたらアーロンを倒してきます」

「慌てなくていいわよ。今、ノジコが畑仕事を終えてシャワーを浴びているから

 出てきたら少し話をしましょう」

 

畑仕事ですか…後でミカン畑を見に行ってみましょうか

 

「覗いてきてもいいわよ」

「…相変わらずで安心しました」

 

養娘がシャワーを浴びているのを覗けという母親はベルメールさんぐらいだろう

 

「ところでベルメールさん、ナミはどこですか?」

「その事も含めてノジコが出てきたら話すわよ。心配しなくても

 ナミは元気だから安心しなさい」

 

ベルメールさんの言葉に安堵のため息を吐く

 

落ちつくためにお茶を一口飲む

 

うん、たまには紅茶以外も悪くないですね

 

「ベルメールさんお待たせ~。あがったからシャワー…」

 

10年前とは声が、背丈や体つきが変わっているがラフな格好をした

青髪の女性は間違いなくノジコだ

 

「…シュウ?」

「ただいま、ノジコ」

 

首に架けていたタオルを放り出してノジコは私に抱きついてくる

 

「お帰り、シュウ!」

 

タンクトップから見える肩などには10年前にはなかったタトゥーが見える

 

「感動の対面が終わったらノジコも座りなさい。シュウにこの10年の事を話すから」

 

ノジコは私から離れ、涙を拭いながら席につく

 

懐かしい10年前の席位置だ

 

「それじゃ話すわね。質問したい事もあるでしょうけど、それは話が終わってからよ」

 

そしてベルメールさんが私がいなくなってからの事を話始めた

 

私がいなくなってしばらくは皆塞ぎこんでいたこと

 

そして、少し経ってから俺がいなくなる前に残した言葉で私が生きていると信じ始めた事

 

8年前の特効薬の一件で私が新聞に載り生きていると確認がとれて喜んだ事

 

私がアーロンと戦う事を嫌がり、ナミがアーロンからココヤシ村を買い戻すと決意した事

 

決意したナミをベルメールさんが鍛えた事

 

買い戻すお金を集めにココヤシ村の外に行くためにナミがアーロン一味に入った事

 

一味のマークを焼き印されたナミを見てノジコがタトゥーをした事等と話は続いた

 

「ナミは今、ココヤシ村を買い戻すお金を集める為にオレンジの町に向かったわ」

「なるほど、私と入れ替わりになってしまったようですね」

 

もしかするとナミはルフィ達と会っているかもしれないですね

 

「では、アーロン一味を倒してナミを迎えに行く事にしましょうか」

「シュウ、ちょっと待ちなさい。アーロンに関係する事でまだ話があるのよ」

 

私は頷きベルメールさんに続きを促す

 

「シュウ、海軍支部の一部がアーロンと手を組んでいるわ」




次の投稿は15:00の予定です





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