ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です


第92話

「あら、2人揃って朝帰りだなんて…何をしていたのかしらね?」

 

私とナミは転移をしてココヤシ村に帰って来たのだが、家に戻って開口一番

ベルメールさんがからかうような言葉を口にした

 

「も、もう、ベルメールさん!」

「あっはっはっは!ほら、早く家に入りなさい」

 

ナミがベルメールさんの言葉に顔を真っ赤にするがその様子を見た

ベルメールさんは満足そうだ

 

「おう、戻ったかシュウ」

「…誰?」

 

ガープさんを見てナミが疑問の声をあげる

 

「初めましてじゃなお嬢ちゃん、儂はモンキー・D・ガープ!海軍本部の中将じゃ!」

「モンキー・D?ルフィの関係者かしら?」

 

ナミの言葉に今度はガープさんが疑問の表情を浮かべる

 

「お嬢ちゃん、ルフィを知っとるのか?」

「少しの間だけど一緒に行動したわ」

「そうか、孫が迷惑をかけたのう」

 

ナミがルフィと行動した時の事を思い出したのかため息を吐いている

 

それを見たガープさんは申し訳なさそうに頭を掻いていた

 

「わたしはナミ、よろしくねガープ中将」

「おう、よろしくのうナミ」

 

ルフィの事でわかりあえたのか2人が握手をした

 

「ところで、なんでガープ中将が家にいるのかしら?」

「ナミ、アーロンは倒しましたがまだ終わってないのですよ」

 

私がガープさんの代わりに答えるとナミがこちらを見てくる

 

「その事を話すと少し長くなるのでお茶でも淹れましょうか」

 

お茶を淹れている間に畑仕事を終えて家に戻ってきたノジコも交えて話を始める

 

ネズミ大佐の事を一通り話すとナミが頭を抱えた

 

「はぁ…結局、お金を集めてもココヤシ村を解放できなかったのね…」

「ネズミ大佐を殴り飛ばしてお金をアーロンに渡せば解放されたかもしれませんが

 腹いせにネズミ大佐はナミを指名手配していたでしょうね」

 

私の言葉にベルメールさんとノジコが頷く

 

ガープさんは顔を歪めてご立腹のようだ

 

「ネズミめ…仲間を売ったあげく守るべき人々にまで手を出そうとは

 海軍軍人の風上にもおけん奴じゃわい!」

 

ガープさんは不機嫌そうにお茶請けとして出した煎餅をかじる

 

バリボリと咀嚼してお茶で流し込み一息入れてからガープさんが話し出した

 

「シュウ、ネズミめの件じゃが…粗方根回しが終わったとセンゴクから連絡があったわい」

「そうですか」

 

私の返事に1つ頷いてガープさんは話を続ける

 

「それと、ネズミの件とは別にシュウに頼まれとったお嬢ちゃんの件なのじゃが

 センゴクと相談してそこのお嬢ちゃんは儂等の協力者としてアーロン一味に

 潜入してもらっていたとする事にしたわい」

「ありがとうございます」

 

私が頭を下げるとナミも慌てて頭を下げた

 

実は海軍本部に交渉に行ったときにガープさんにこの事を頼んでいたのだ

 

私はナミが指名手配されなければいいとお願いしていたのだが、故郷の為に体を張って

頑張るナミの行動を粋に感じたガープさんが張り切ってセンゴク元帥と話し合いをしたのだ

 

「それと…シュウが捕らえたタコの魚人を司法取引で解放する事になったわい」

「…そうですか」

「そのタコの魚人はアーロンがまだタコの魚人が小さい頃に引き取っていたらしくてな

 アーロンとその仲間の2人が情報を話す条件としてその魚人の解放を願ったんじゃよ」

 

どのような事情があれど支配された当人達にしてみれば面白いものではない

 

「それと、ネズミめがココヤシ村に来るときは魚人の誰かが必ず沖合いにまで

 迎えに行っていたそうでの…奴を捕らえるのに一役買ってもらう事にしたのじゃ」

 

…なるほど、理解はした

 

だが…

 

「そのタコの魚人が今回の一件を終えて海賊に戻るようなら…」

「その時は遠慮することないわい」

 

私はガープさんの言葉に頷く

 

そして、一通り話を終えた私達はベルメールさんの提案で家族が揃った事を祝って

陽が昇っている内から飲む事になった

 

 

 

 

「いやー!やっぱビールは何杯飲んでも旨いわね!」

 

ベルメールさんとノジコが何度目かわからない乾杯を交わす

 

私がワームホールから取り出した大樽は3個目が空になろうとしている

 

昼前から飲み始めて夜になっているのだがまだ飲み続けている…

 

…我が家の女性達は皆ウワバミのようだ

 

「ゲンさんとガープ中将にもお裾分けしないとね♪ノジコ、行くわよ!」

「は~い♪」

 

ガープ中将はゲンさんの所で寝泊まりをしている

 

そして、今回の祝いは家族水入らずで楽しめと席を外しているのだ

 

立ち上がったベルメールさんは何かをナミに耳打ちしている

 

耳打ちされたナミは顔が真っ赤になっていた

 

「それじゃ、しゅっこ~う♪」

「お~♪」

 

あれ程飲んでいるのに酔っているように見えない2人だが妙に機嫌が良い…

 

そんなベルメールさんとノジコは2人でゲンさんの家に向かった

 

ちなみにベルメールさんが武装色で身体強化してビールの樽を担いでいった

 

「…大丈夫でしょうか?」

「う、うん…大丈夫、だと思うわ」

 

ナミの言葉の歯切れが悪い

 

それにまだ顔を真っ赤にしている

 

…酔っぱらったのか?

 

「…シュウ?」

「はい、何ですかナミ?」

 

ナミが私の隣に座りながら話しかけてくる

 

私が返事をするとナミが1つ深呼吸をしてから話始めた

 

「わたし、シュウが好き!」

 

不意打ちのように放たれたナミの言葉に私の思考は止まってしまう

 

「10年前、シュウがアーロンに投げ捨てられる前にわたしを好きって言ってくれた時

 わたしは自分の気持ちに気がついたの…」

 

胸が痛いと感じるほどに胸が高鳴っている

 

「わたしの気持ちはあの時から…あの時以上にわたしはシュウが好き!」

 

ナミの告白で顔が熱くなる

 

「だからね、シュウ…わたしの…!」

 

私はナミの言葉を遮るように指をナミの唇に当てる

 

「そこから先は私から言わせていただきます」

 

頬を赤く染めたナミが頷くのを見てナミの唇から指を離す

 

「ナミ、好きです…私の恋人になってくれますか?」

「…うん!」

 

了承の返事と共にナミが抱きついてくる

 

少しの間見つめあった私達はその後、自然に唇を重ねていたのだった




…誰だ!私のブラックコーヒーをM〇Xコーヒーとすり替えたのは!?

次の投稿は15:00の予定です

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