ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

96 / 162
本日投稿5話目です


第93話

「う~ん…なんだったかしらねぇ~…」

 

翌日、ゲンさんの所で夜通し飲んでいたベルメールさん達が家に帰って来た

 

そして、朝飯を食べて食後の一服をしていた時、急にベルメールさんが

何かを思い出そうとしているのだ

 

「どうしたのですか?ベルメールさん」

「昔、アカリに言われた言葉が思い出せなくてねぇ…」

「アカリママのですか?」

 

腕を組みながら思い出そうとするベルメールさんの言葉に私は首を傾げる

 

そんなベルメールさんの言葉に興味を持ったのかナミとノジコもベルメールさんを見ていた

 

「う~ん…あっ!思い出したわ!」

 

ポンッと判子を押すように手を叩いたベルメールさんに皆の注目が集まる

 

「シュウ、ナミ?」

 

私とナミは紅茶を口にしながら目でベルメールさんに続きを促す

 

「昨夜はお楽しみだったわね♪」

「っ!?ケホッ!…ケホッ!」

 

紅茶を飲んでいたナミが咽ている

 

「あっはっはっは!」

「ぷっ!その反応だと昨日はうまくいったみたいね、ナミ?」

 

大笑いするベルメールさんとノジコの言葉にナミが顔を真っ赤にして俯く

 

そんなナミの反応も可愛いと思うのは惚気なのだろうか?

 

しかし…なんて事を言っているのですかアカリママ…

 

「それで、私はいつ孫の顔を見る事ができるのかしらね?」

「も、もう!ベルメールさん!」

 

ニヤリと悪い顔をしながらベルメールさんがナミをからかう

 

「あっはっはっは!それで、シュウはその事をどう考えてるの?」

「…しばらくは2人の時間を楽しみたいと思っています」

 

私の言葉にベルメールさんとノジコがニヤニヤとした笑みを浮かべる

 

「これは今日もゲンさんの所でお世話になろうかしらね?ノジコ」

「そうね、その方が良さそうだわベルメールさん」

 

ベルメールさんとノジコの言葉にナミが2人に頬を赤くしながらもジト目を向ける

 

「さて、私とノジコはシャワーを浴びたら一眠りするから2人は畑をお願いね」

 

そう言ってベルメールさんとノジコが席を立つ

 

残された私とナミは顔を見合わせるとため息を吐くのだった

 

 

 

 

「もう、いつも2人でわたしをからかってくるんだから…」

 

ナミが畑仕事をしながら愚痴を溢している

 

軍手をして畑仕事をするその姿を懐かしいと感じながら私はナミと並んで作業をしていく

 

「ククク、まぁいいではないですか」

「良くないわよ、もう」

「おかげで今夜も二人きりになれるのですから」

 

私の言葉でナミが顔を赤くする

 

「…エッチ」

 

ナミは顔を赤くしながらもジト目で私を睨んでくる

 

「ククク、否定はしません。それにナミと2人になれるのは嬉しいですからね」

「そ、それはわたしも嬉しいけど…」

 

まぁ明日の朝にはまたベルメールさんとノジコにからかわれるのは

目に見えているからなぁ…

 

「はぁ…ここ数日で色々な事が起こり過ぎて疲れたわ」

「ご苦労様です、ナミ」

「もう、シュウだってその色々を起こした1人なんだからね」

 

ナミが頬を膨れさせながらそう言ってくるがそんなナミも可愛いものだ

 

「…ねぇ、シュウ」

「何ですか?」

「ネズミ大佐の件が終わったらシュウはどうするの?」

 

ふむ?

 

「わたしは世界中の海図を描きたいっていう夢があるけど…」

「一緒に行きますよ、ナミ」

 

私の返事にナミは花開いたような笑顔になる

 

「私の夢は世界をこの目で見る事ですからね。その夢はナミの夢と一緒に成せますから」

「うん、ありがとうシュウ」

 

ナミがそう言ってくるがありがとうと言いたいのは私の方だ

 

「ねぇシュウ、わたし達の船はどうする?」

 

ナミの言葉に私は顎に手を当てて考える

 

「とりあえず一億ベリーはあるけれどそれで足りるかしら?」

「そうですね…グランドラインを巡れる船を建造するには少々足りないでしょうね」

「ふ~ん…じゃあもう少し稼がなきゃダメね」

 

ナミが残念そうにため息を吐く

 

「大丈夫ですよ、ナミ。私が賞金稼ぎとして得たお金で船を造れますから」

「でも、それじゃあ…」

「そのぐらいの甲斐性はあるつもりですが、私とナミの船を造るのならば

 ナミにもいくらかお金を出していただいた方が良さそうですね」

 

私の言葉にナミは笑顔になり腕を絡めてくる

 

「シュウ、どんな船にする?」

「船の設計図は頭の中にありますが、それを形にするには少々実験が必要ですね」

 

ナミが可愛らしく首を傾げて私を見てくる

 

「実験?」

「えぇ、風を帆に受けずとも自走可能な船にするつもりですから」

「へぇ~、面白そう!」

 

その船が完成したらこの世界の技術に変革を起こす可能性がある

 

だが、私とナミの夢を成すために自重するつもりはない

 

ふと、ナミと目が合う

 

至極自然に2人の距離が近付いていく

 

私達はミカンの香りに包まれながら軽く触れ合うように唇を重ねた

 

 

 

 

時は過ぎ、ココヤシ村の沖合いに海軍の船が姿を見せる

 

海軍の船は錨を下ろしその場に留まるようだ

 

その船からチチチと厭らしい笑い声が響く

 

ココヤシ村を中心としてアーロンの支配から始まった一連の出来事に

終わりの時が近付いてきたのだった




これで本日の投稿は終わりです

書いている時はそうでもないのですが、書き終わって
添削をする時にコーヒーが欠かせなくなってきた今日この頃ですw

また来週お会いしましょう^^

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。