(未完)異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!?   作:DENROK

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 メカ回 天使回

 15,11,18
 序文を加筆修正、残りも順次修正予定。


第16話:さようならエ・ランテル こんにちわエ・ランテル

 星々の天蓋に包まれ、彗星の様に光の尾を引きながら奇怪な鳥が草原を飛ぶ。全き姿を晒す月が放つ静謐な光は怪鳥の翼を照らし出し、その機械の姿を暴き立てていた。

 彼女は新しい体を掌握していた。危なげなく風を掴み音を置き去りにして一路目的地へと空を駆ける。そして、彼我の距離は既に有ってないようなものであった。

 すぐに報告すべき上司に連絡を入れる。彼女の機械染みた平坦な声音のそれに対して、返ってくるのは精気に溢れた活き活きとした響きのそれ。

「まもなく接敵する」

『了解了解、適当にぶっ放して良いわよ』

「了解。適当にぶっ放す」 

 既に目的の城砦の威容が光学的にも捉えられる距離まで近づいていた。聳え立つ壁が見えた瞬間にはその体は変形を始めている。相対速度から計算すれば、タイミングをコンマ一秒間違えれば通り過ぎてしまう。

「エンゲージ」

 それは一瞬だった。瞬きの速さでそれは形を変える。巨大な鳥の様な風を掴む扁平な姿は幻のように失せ、巨大な腕と脚が現れた。その脚を前方に向けると凄まじい風を巻き起こし、見えない壁に爪先を押しつけて踏ん張る様にして速度を殺しきり中空で静止する用に漂う。

「な、なんだあれは!? ゴーレムか!?」

 壁の上に居た衛士が突如風のように現れたゴーレムの異形に気圧された。耳を劈く様な異音を轟かせ続けているのも異様だが、月と地上の篝火に照らし出され浮かぶ輪郭は見たことも想像もしたこともないナニカ。それは見ようによっては、鷲や鷹の様な頭部を擡げた怪鳥にも見えるし、人を歪めた異形にも見えた。それは胴体から明らかに関節構造がある人の腕を模したと思われる腕を一対生やし、腕の先にある掌の五指を用いて丸太の様に巨大な円柱型の物体を握り締めている。同じく胴体から生えた膝が逆に曲がった脚の先から地面に向けて火を纏った風を放ち続けていた。その風量と熱量は尋常ではなく、宙を漂うそのゴーレムの真下で犇めいていたアンデッド達が直撃を受けて細切れになり、燃え上がりながら強風に吹き散らされる落ち葉の様に蹴散らされる。

 その人を歪めたような異形のゴーレムの、頭部に相当する部分は鋭く尖り前方に擡げられおり、上面が透明な素材で出来ていて内部が透けて見えた。衛士は月明かりを受けてその中に浮かび上がった物を見て絶句する。夜警の仕事もこなす衛士は夜目もそれなりに利く、だから見間違いではない、確かに目と目があった。

「おい嘘だろ、中に人が居るぞ!?」

「耳を塞いで」

「何!?」

 ゴーレムから響いて来た抑揚のない女性の声に思わず声を上げるが、衛士はそれ以上言葉を発せない。唐突に目の前で生まれた稲光のような閃光と雷鳴のような轟音に体を叩きのめされたからである。

 暫く後、気絶から回復した彼が見た景色に彼がよく知るエ・ランテルの姿はなかった。

 

 壁の上の通路に居たために丁度目線があった人間に警告を行った後、彼女は間髪入れずに機体の手に握られている筒状のバルカン砲を、真下の地面に夥しいほど蠢くアンデッド達に向けて掃射し、地形を掘削する勢いの機関砲弾の雨を降り注がせる。秒間数十発の連射速度によってあっという間に弾倉が空になるが、弾が切れるころには周辺のアンデッドは全て消し飛んで地形を含めて跡形も残っていなかった。

ニードアモ(弾切れ)

『はぁ!? もう弾がないの!?』

 甲高い声を無線越しに浴びせられ、彼女の無意識と直結した機体制御が煽りを受けて、半人半鳥の様な機体が空中で僅かに身じろぐ。

「ゴメンなさい」

『はぁぁぁぁぁ…… 想像以上に運用が難しいかもしれないわね』

 失望する声が無線越しに届き、彼女の人工の心が軋み悲鳴をあげる。

「……ゴメンなさい」

『うっ、いいわよ。コレも貴重なデータだからね。次からは追加の弾薬を目一杯積んでおくわ』

 CZ2128Δ、通称シズ・デルタは可変戦闘機VF-0を中間形態である戦闘機から手足が生えた様な姿のガウォーク形態のままで、地上に降ろして屈むように姿勢を下げさせるとキャノピーを開き、数m下の地面に飛び降りた。

 

ゼロ(VF-0)は弾切れだわ」

「これだから機械は……」

「メカの良さが分からないとか、これだからファンタジー勢は……」

 モモンガとインランはエ・ランテルの第二の壁の内側、街や商店街がある地区にいた。

「なんだアレは!? アレが君たちのゴーレムなのか!?」

 共同墓地がある方向の壁の巨大な扉が内側から開かれると、すぐ傍に人を歪めた様な奇怪な形をした全高は十メートルに迫りそうな大型のゴーレムが佇んでいた。その真下には迷彩柄のメイド服を着てピンクの長髪を背中に流し、あどけない顔に眼帯をした美しい少女も居る。

 扉の外にはアンデッドの大群がひしめき合っていたはずだが、周辺を見渡しても影も形もない。あるのは粉砕され飛び散った残滓だけである。

 

「任務完了」

「そう、よくやったわねシズ」

 とてとてと歩いてきたシズの頭を、インランは優しく撫でる。

「だが、まだアンデッドが残っているな。ここからでは壁と建物のせいで見えないが、違う方向の扉に集まっているようだ」

 モモンガは壁越しに遠くを指さす。

 

 「君は死霊術士だったな。そんなことが分かるのか」

 

 「ええ、そうですね。アインザック組合長」

 

 「ふふ、君達はあの”神”なのだろう? そんなに畏まらなくてもいいんだぞ」

 

 茶化すようにケツアゴアフロが笑う。だがその笑みはぎこちないものだった。

 

 「いえいえ、我々は神と呼ばれて困惑するばかりですよ。そんなに高尚な存在ではありません」

 

 ニヤリとモモンガも笑い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 数時間前。

 

 エ・ランテル冒険者組合。

 

 「はぁ!? 君たちが法国が宣言した降臨した神々なのか!?」

 

 「ええ、はい。我々はそんな奇抜な肩書きを貰って困惑しているのですが。法国ではそのように呼ばれています」

 

 ケツアゴアフロことエ・ランテル冒険者組合組合長のプルトン・アインザックが驚愕する。それとは対照的に漆黒のアカデミックガウンを羽織った黒髪黒目に利発そうな顔立ちをした青年であるモモンガは落ち着いた声音で対応した。

 

 「ぶひー。それを証明することは出来るのかね? 我々も立場があるからね。ぶひー。ただ言われたことをはいそうですかと信じるわけにもいかないのだよ。ぶひー。特に神などと言われてすぐに信じることが出来ないのは君たちにも分かるだろう?」

 

 鼻づまりが激しい豚が明らかに見下した目でモモンガと、隣に居るインランを舐め回すように眺めながら喋る。

 

 特にインランは、靴も履いていない完全な全裸の上にたった1枚の裾の短いパーカーを纏っているだけのあられもない格好なため向けられる視線は奇異なモノに向けられるものだ。艶のある癖のない黒髪を耳の上で左右に結った頭部は、余りにも美しすぎて逆に異様さを感じるほどの美貌を持つ年端もいかないあどけない少女のモノなことも原因であろう。人間ではありえないほどのその美貌は神らしいといえば確かに”らしい”が。

 

 「証明ですか」

 

 「なんかもうめんどくさいからやっぱり街を滅ぼしちゃいましょうよ」

 

 「へいへいインラン。何を言っちゃってるのかな? ああ、今のは神ジョークですよ。我々は街を救いに来たのですから」

 

 「ちょ!? 待ってよ! ちんこはやめて!」

 

 インランの股間に徐に手を伸ばすモモンガと狼狽えるインランに、この場にいるエ・ランテルでも有数の権力を持つ者達はざわめきだす。

 

 一瞬インランの裾が捲れ上がり履いてないことが分かってしまう。そこに手を伸ばす青年。どこからどう見ても変態と変態だった。なお、インランのチンコは元は陰核なので、通常時は生えていない。可変フタナリなのだ。

 

 「……済まないが我々は忙しいのだ。出ていってくれないだろうか」

 

 「ぶひー。少しは期待していたのだがね」

 

 「ああーん? なんかコイツら偉そうじゃないの。処す? 処す? とりあえずそこのケツアゴのホモみたいな奴は肛門菊の花になるまでビリーの調教決定ね」

 

 「はぁ…… はぁぁぁぁぁ……」

 

 重い重いため息をモモンガは吐き出す。そして低い声で言葉を紡ぎ出した。

 

 「インラン、ナザリックが威を示せ」

 

 「ん? いいの?」

 

 「ああ、許可する。全力全開でいいぞ」

 

 「んー、じゃあ上空で待機してるシズを呼び出しましょう、あとは雪風と連携させて──」

 

 「アリーヤは出さないのか?」

 

 「ゴミアンデッドにアリーヤとか意味ないでしょ。コイツらにはアリーヤもゼロも雪風も皆同じに見えるわよ。あとはデータ取りに丁度良いと思ってね」

 

 「それもそうか──というわけで、我々の力をお見せしましょう。ここの壁の外のアンデッドは全て駆逐してご覧に入れます。それと」

 

 ぶわりと、モモンガは黒いオーラを全身から噴き出す。

 

 「中々舐めてくれるじゃないですか。少々派手にやるので多少は街が壊れますが、良いですよね?」

 

 「あ、ああ……」

 

 魔王の様な圧倒的上位者の気配を撒き散らすモモンガに、アインザックは体の震えを必死に押さえながら、なんとか返事を返した。豚は絶望のオーラを浴びて一瞬で泡を吹いて失神している。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、現在。

 

 エ・ランテルには激しい爆音が轟いていた。

 

 街のどこからでも上空まで吹き上がる爆炎と飛び散る瓦礫が見える。聳え立つ壁も派手に粉砕されていた。

 

 ケツアゴのアインザックはインランに縋り付くようにして叫ぶが、触るなと言わんばかりにインランの軽いデコピンで吹き飛ばされゴロゴロと転がる。

 

 「ちょっと待てぇええええ!!! 壁が!!! 壁がああああ!!! あべし!!!」

 

 「あっははははははは!!! もっとやっちゃいなさい!!! 燃料気化爆弾はまだ積んでるわよ!!!」

 

 地上スレスレを飛ぶクリップドデルタ型の前方に張り出した形状の前進翼を持ち機首に”雪風”と漢字で書かれた戦闘機が街とすれ違い様に爆弾を投下する。

 

 街を区画ごと呑み込む爆炎が上がり、範囲内の街並がアンデッドごと悉く灰燼と化していく。その中には分厚く高いエ・ランテルを城砦都市たらしめている石造りの壁も含まれていた。

 

 アンデッドは疎らに散っているため、数体から十体程度のアンデッドを退治するために街の区画が一つ消滅する勢いである。

 

 「補給完了。出る」

 

 シズも人型ロボットのコクピットに乗り込む。

 

 ロボットは脚部バーニアを吹かして浮かび上がると変形して戦闘機から手と足が生えたような形になる。滑るように空中を飛ぶと、射角内に捉えたアンデッド達に向かって翼に付いているミサイルと手に持っている筒型のバルカン砲を叩き込む。

 

 地形が変わるほどの火力が一瞬で叩き込まれ、周辺の建築物とそのオマケ(・・・)としてアンデッドが粉砕された。

 

 『弾の無駄……』

 

 『いいのよ! 撃って撃って撃ちまくりなさい! これも良いデータになるわ! ヒャッハァアアアア!! たーのしー!!!』

 

 「うんうん。上々の戦果だな」

 

 更地と化していく街並を眺めながら、モモンガとインランは笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「ああ…… ああ……!」

 

 「ぶひ……! いひ……」

 

 アンデッドが根絶されたエ・ランテルの姿を見て、アインザックと豚が涙を流して感動していた。

 

 「いやー良いことすると気分が良いわね」

 

 「うむ、これも人助けだな」

 

 朝日に照らされたエ・ランテル外周区画は廃墟と化していた。

 

 最も外側の壁は半分近くが失われ、第二の壁も同じく半分ほどが失われている。第二の壁の中にあった街並には吹き飛んだ壁の巨大な瓦礫が舐めるように転がり奔ったために、瓦礫に轢かれた(・・・・)居住区や商業区画にも甚大な被害が出ていた。

 

 最も外周部の壁と第二の壁の間にある軍事関連の施設が建ち並んだ外周区画は、最早その面影を想像できないほど破壊しつくされ、更地になっていた。

 

 半無人戦闘機のFFR-41MR通称”雪風”とシズが繰るVF-0通称”ゼロ”が何度も補給を繰り返して、執拗な空爆を繰り返した結果である。後半は完全に稼働データの取得に移行したため、生き残っているアンデッドを節約(・・)するように、纏めて退治しないで孤立した状況を狙いながら空爆を行っていた。

 

 「それに良いデータが取れたわ」

 

 「うむうむ、ついでにアンデッドを退治したことで俺達の名声も上がるだろうな」

 

 神々は満足げに頷き合う。

 

 「どどどどど、どうしてくれるんだ!?」

 

 「なんだコレは……たまげたなぁ……」

 

 アインザックがモモンガ達に詰め寄り、豚はぶひぶひ言わずに遠い目でブツブツと何かを呟いている。

 

 「多少の被害は出ると言いましたし、それに関してあなた方には了承して頂けましたよね?」

 

 「これはもう多少ではないだろう!? アンデッドでもここまで被害は出ないぞ!? 事実上エ・ランテルは壊滅してしまった!!」

 

 「これは酷い……」

 

 「ふむ、では修繕は我々が行いましょう。勿論費用は其方に負担して頂くことになりますので、後で請求させて頂きますね」

 

 「ふざけているのか!? 瓦礫に潰されて多数の死者も出ているんだぞ!?」

 

 「ではそちらもコチラの魔法で蘇生しましょう。勿論費用は後で王国の方に請求します。ああ、低位の蘇生魔法では灰になってしまうような弱い個体でも大丈夫ですよ。《完全蘇生(トゥルーリザレクション)》を使いますから」

 

 「あああああああああもおおおおおおお!!!!!!」

 

 アインザックは頭を掻き毟り叫ぶしかなかった。此度の出来事はもうアインザックの頭で処理できるキャパシティを超えているのだ。

 

 そんなアインザックを無視するように、淡々とモモンガは話を進めて行動を初めてしまう。

 

 本来なら市長である豚ことパナソレイがモモンガと話し合うべきなのが、パナソレイは今は完全に茫然自失の状態であり話が出来る状態ではなかった。多少は肝も据わり此度のアンデッド騒ぎでは最悪の場合は死さえ覚悟していたのだが、それでもこの状況は想定の範囲外だった。想定外の事態に人間は弱いものである。

 

 アインザックは元オリハルコン級冒険者としてパナソレイよりも死地の極限状態を豊富に経験していることが明暗を分けたのかもしれない。

 

 「石造りの壁と建物ならストーンゴーレムでいいわよね」

 

 「ああ、蘇生はサマエルを呼べばいいだろう。《完全蘇生(トゥルーリザレクション)》との親和性も高く、人間ウケも良いからな」

 

 モモンガとインランだけがこの場で平然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「紡ぎしは抱擁、荘厳なる大地に齎されん光の奇跡に、いま名を与うる!! 《集団化(マスターゲッティング)完全蘇生(トゥルーリザレクション)》!!!」

 

 地面に並ぶ原型を留めていない夥しい数の遺体達に、6対12枚の純白の天使の翼を持ち赤い長髪を背中に流して両目を眼帯で隠した美少女であるサマエルの掲げた手から極光が溢れて降り注ぐ。

 

 光を浴びた全ての遺体は自ら光を放ちだし、次の瞬間には五体満足で生気に満ちた体の人々が地面に横たわっていた。

 

 清廉な雰囲気で口元に微笑を浮かべてサマエルは満足そうに横たわる人々を眺める。

 

 「安心して下さい。この場の全ての者は生命の息吹を此処に取り戻しました。まもなく目覚めるでしょう」

 

 サマエルはまさに天使のような母性と慈しみに満ちた笑顔で後ろに佇む面々に振り返ると言葉をかけた。

 

 「「「「「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?」」」」」

 

 エ・ランテル中に響き渡る合唱がその場に木霊する。

 

 この場で一部始終を見ていた市長や組合長などの上役。それに冒険者や生き残った市民達は、目の前で起こったまさに”奇跡”を前にして開いた口が塞がらない。

 

 特に魔法に詳しい魔術師組合の者達や、魔法詠唱者、それに冒険者達の驚きようは筆舌に尽くしがたいものがあった。

 

 ショックで腰が抜けている者や、痙攣したり失神する者、号泣し叫び回る者など反応は様々で、どれも激甚な反応としてその場に広がっていく。

 

 「これは我が神の深い慈悲が齎した奇跡です。我が神を信仰するのであれば今後もあなた達には慈悲が与えられるでしょう」

 

 キラキラと背負った翼から金色の光を放ちながら、サマエルは微笑みと共に蕩々と語っていった。

 

 「神……」

 

 「神さま……」

 

 「神よ……!」

 

 天使のもたらした奇跡と言葉を受けて、人々は神という言葉を口にしていく。次第に声が重なり熱狂と共に人々は叫びだす。

 

 「「「「神!! 神!! 神!!」」」」

 

 「うへぁ……」

 

 「誰がここまでやれと言った……」

 

 それをモモンガとインランは遠巻きに眺めていた。やがてあの叫びの中心に自分達が居ることになるのだと考えると、なんとも言えない気分になる。

 

 

 

 

 

 此度のアンデッド事件での一部を除くほぼ全ての死傷者の蘇生が終わった頃。

 

 エ・ランテルの修復も滞りなく進んでいた。むしろ修復が進み瓦礫が取り除かれたことで、瓦礫に潰された遺体達を回収して蘇生が出来たともいえる。

 

 神という事で大手を振って戦力を大量に派遣できるため、夥しい数のストーンゴーレムがエ・ランテルに召喚されていた。

 

 建築用途のストーンゴーレムは戦闘用と異なり現在のナザリックの基準に照らし合わせるとコストが非常に安いので、新たに大量に生み出して作業に従事させていた。サイズも大きい者から小さいものまで用途に合わせて多数のものが用意されている。

 

 既に瓦礫は完全に取り除かれ、壁は瓦礫の撤去作業中も数十単位のゴーレム達が並行作業で修復していくので、死傷者の蘇生が終わる頃には既に壁は完全に修復され、建築技術の差によって以前よりも強固な壁が聳え立っていた。

 

 残りは細々とした建物を建て直し修復するだけである。

 

 そうして多少落ち着きを取り戻したエ・ランテルの冒険者組合でインランが美人受付嬢を口説いていると、入り口から肥満体の男が入ってくるなりインランの姿を認めて叫ぶ。

 

 「神よ! こちらにいらしたのですか!」

 

 「う、うん……何かしら?」

 

 恭しく頭を下げたパナソレイはもうぶひぶひ言うこともなく真剣な声音で話を続けながら、蝋で閉じられた手紙を差し出してくる。

 

 「王より神へと書状が届いております。王都リ・エスティーゼにて、王との謁見を求める旨の内容です。グリフォンを使った速達ですぞ」

 

 「う、うん? あんたがわざわざ持ってくるの?」

 

 「それは…… 神の美しいお姿をこの目で直接見たかったからです!」

 

 「ひぃ!?」

 

 ギラッギラと光る瞳を見開いたパナソレイはもの凄い目力でインランの肢体を舐め回すように眺めた。

 

 思わずインランは自身の体を抱くように腕を回す。

 

 「あぁ! 美しい! まさに神の美貌!」

 

 「イヤァ! キモイ!」

 

 結局ぶひぶひ良いながらパナソレイが前屈みでインランへにじり寄ってくる。もはや変質者である。

 

 見られるのはインランは大好きだが、豚から醸し出される怖気は途轍もないものがあった。見た目相応の少女の様な悲鳴を上げてこの場から逃げ出す。

 

 「ハルシア! 後でデートよ! 10発くらいヤらせてね!!」

 

 それでも口説いていた美人受付嬢に一言添えるのは忘れなかった。それに対して受付嬢は手を振り返して答えるのを見届けると、インランはその場から完全に姿を消した。

 

 

 




 怪獣特撮映画ばりに激しく吹き飛ぶ街並。

 そして天使による人心掌握。完璧なマッチポンプにデミウルゴスもニッコリ。



 メイヴ雪風とVF-0が気になる人は、「戦闘妖精雪風」と「マクロスゼロ」のアニメを見よう。

 雪風のアニメ版は原作とは大分赴きが異なるけど映像娯楽作品としての完成度は非常に高いぞ! 一話作るのに半年かかる超クオリティのCGは必見。話数を重ねるごとにCGが格段に綺麗になっていくのを見るのもいいね!

 マクロスゼロは登場人物が一部マクロスフロンティアにも絡んでくるし、やはり映像娯楽作品として面白いからオススメ!
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