(未完)異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!?   作:DENROK

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ジジイインパクト


第17話:老いて尚盛ん

 

 

 

 

 

 

 「化粧や装飾品なんて、自分に自信がない奴が縋るものよ」

 

 どんな宝石をも凌駕する圧倒的な美貌を誇るインランが見下したような目でそう語る。

 

 「おい、お前の顔は作り物だろうが」

 

 「これはあたしの魂の形を表現したモノよ。一緒にしないで」

 

 わちゃわちゃとメイド達が激しく行き交う中で、インランとモモンガは気楽に談笑していた。

 

 ここはナザリックのとある一室。

 

 行き交うメイドに紛れて純白の6対12枚の天使の翼を持ち赤い長髪を背中に流して眼帯で両目を隠した美少女が入ってくる。サマエルはそのままインランに抱きつくと、臀部をぐりぐりと撫で回しながら喚きだす。

 

 「インラン様ー! 変なお爺さんが! 法国で暴れてますぅ!」

 

 「うるさいなら潰せば?」

 

 「そんなこと出来るわけないじゃないですか! 私は天使なんですよ!?」

 

 「んー、何でそのジジイは暴れてるわけ?」

 

 問いに対してサマエルは心底困ったという様子で捲し立てる。

 

 「インラン様とモモンガ様にお会いしたいそうですぅ! お爺さんの他にも現地の者としては身なりの良い者達が沢山取り巻きとして侍っていてぇ、なんでもバハルス帝国の使者らしいんですぅ。私は至高の御方々はお忙しいからと丁重にお断りしたのですが、ものっ凄くしつこくてぇ…… あまり手荒な真似も出来なくて困りましたぁ。私は天使ですからぁ!」

 

 「具体的にはどんな感じでそのジジイは暴れてるわけ?」

 

 「いえ、私の靴をぺろぺろ舐めだしてきましてぇ…… 思わず浄化してしまいそうになりましたぁ……」

 

 「えぇ……何ソレ…… 身分が偉い奴には変態しかいないのかしら……」

 

 エ・ランテルの豚を思い出してインランは顔をしかめる。

 

 「助けてくださいいい!! なんかこの話を聞いたデミちゃんが物騒なこと言い出してるんですよぉ!! お爺さんが殺されちゃいますぅ!!」

 

 サマエルはより強く縋り付き、インランの胸に顔を埋めてぐりぐりしだす。

 

 二人の美少女の話を聞いていたモモンガが会話に割り込んできた。

 

 「ふむ、では会ってやったらどうだ? 非常に心苦しいが、俺は忙しいからな。インランが行ってこい」

 

 「はぁ!? あたしを変態に差し出すつもりなの!?」

 

 「いいじゃないか、豚共にブヒブヒ言わせるのはお前の得意分野だろう?」

 

 皮肉タップリな言葉を送ると、モモンガはニヤリと笑った。最近サディズムに目覚めたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フールーダ・パラダインと言えば、この世界の魔法に携わる者で知らない者は居ないほど著名な存在である。

 

 人間でありながら禁呪で寿命を延ばし御年200歳を越える前人未踏の第6位階の魔法の使い手、この大陸でも数えるほどしかいない逸脱者と呼ばれる人間の限界を超えた能力を持つ存在。

 

 そんな存在を無下に扱うことも出来ず。この度この者が訪れた法国の神都では、その名に見合った慎重かつ丁寧な対応がなされていた。

 

 「神への謁見を求めるなど、なんたる不敬……!!」

 

 「許せん!! 逸脱者といえどもなんたる思い上がりか!!」

 

 だが、表面上は国賓待遇であるが、法国側の面々の腸は煮えくりかえっている。

 

 「天使様にも不快な思いをさせたらしいではないか!!」

 

 「跪くのは良いが、く、靴を舐め回すというのはどういうことなのだ!!」

 

 「羨ましい!! あ、違った!! 許せん!!」

 

 

 

 

 スレイン法国、神都。

 

 国賓をもてなすための施設の中に、力強い男の声の狂騒と、玉を転がすような少女の美声が響き渡る。

 

 「ひゃ!? ひゃはああああああ!!!」

 

 「キャアアアアアア!?!?!?!?」

 

 顔面を涎と涙に塗れさせたしわくちゃのジジイが狂気を顔に貼り付けてバタバタと突進してくるのだ。インランでも怖い。

 

 「ひゃは! ひゃは! ひゃはははははは!! あひゃあああああ!!」

 

 「ヤダアアアアア!! どっか行ってよおおおおお!!」

 

 腰が抜けて床にへたり込んだインランの足を取って、ジジイはグリグリと顔を擦りつけてくる。怖い。

 

 ステータス的に余裕で消し炭に出来るはずなのだが、恐怖で力が入らないインランはジリジリと床を這いずって逃げる。

 

 「神ぃいいい!! 神! 神ぃいいいひひひひひひいいいいい!!!!」

 

 床にへたり込んだ宝石よりも眩く輝く美しい少女の足に纏わり付くジジイという光景は誰がどう見ても事案だった。

 

 少女の裸体の上にたった1枚だけ羽織ったパーカーが捲れ上がり恥部や色々なトコロが露わになっていることも犯罪臭を劇的に高めている。

 

 「か、神よ!! 貴様ぁああああ!!」

 

 「なんたる無礼な!!!!!」

 

 この場に居合わせた神官達はそれはもうもの凄い形相で怒り狂い。ジジイに飛びかかって蹴りを食らわせる。だが恐ろしく頑丈なジジイはそれを無視してひたすらインランの足を舐め回しまくる。

 

 「ギィイイィイヤアアアアア!!!! 助けてええええ!!! ひぃいいいいい!!」

 

 マジ泣きしたインランが鼻水と涙で顔をグショグショにしながら石で出来た床に指を突き刺してずりずりと這いずって逃げようとするが、足にしがみついたジジイは全く離れない。恐怖で足が全く動かないので腕力だけでひたすら這いずる。

 

 主の危機に光学迷彩を解除したパワードスーツも余りにも想定外の事態にAIが困惑しているのか動きを停止している。

 

 逸脱者の耐久力は遥かに格下のステータスの後衛職の神官達に肉弾戦で太刀打ちできるものではなく、レベル差がありすぎて魔法もほとんど意味をなさないので、暫くこの狂乱は続いた。

 

 

 

 

 

 時間が経過し、ジジイインパクトは沈静化する。

 

 「ひっく! ぐずっ! うえええええん!! うわああああああん!!!!」

 

 床に広がる聖水の上にアヒル座りでへたり込みながら、インランは号泣していた。

 

 レベル100の本気の泣き声はもはやひとつの兵器のようなモノで、石造りの建物全体がビリビリと震える。

 

 インランは足どころか全身を舐め回され涎塗れである。パーカーもほとんど脱げてしまっており、隠すべき場所がほとんど曝け出されてしまっている。結って左右に垂らしていた黒髪も留めていた大きな2つのリボンが外れ、綺麗なストレートヘアーの長髪になっていた。その姿は完全に強姦被害を受けた少女である。

 

 「申し訳ありませんぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

 「殺す!! 貴様達は殺す!! 帝国は絶対に滅ぼしてやる!!! 覚悟しておれ!!!」

 

 インランの絶叫で震える建物の中では、帝国からやってきた使者の面々が法国の上級神官達に囲まれ、ボコボコにされていた。

 

 怒り狂った神官達が徒手空拳で囲んで袋だたきにしたのである。殺す気で暴力を振るわれた使者達の中には既に虫の息の者もいる始末だ。神官達には格闘術を身につけているものも多かったため、その暴力の苛烈さは凄まじかった。抑えきれない怒りで手元が狂っていなければ普通に急所を突かれて使者達は全員息の根を止められていたかもしれない。

 

 使者の代表である帝国の上級秘書官は殴られて膨れあがった顔を床に擦りつけ神官達に土下座を行っている。

 

 

 

 「うわあああああああん!!!!」

 

 「か、神よ……大丈夫ですか……?」

 

 床に広がる聖水の上に臆することなく跪いた第一席次が、おずおずと泣き喚くインランに声をかける。あまりの声量に近づいただけで体が震えて押し戻されそうになる。まだ女性経験が少ないので、インランの曝け出された美しい少女の肢体を見て息を呑んでいたが、職務を思い出して努めて平静を装っていた。

 

 逸脱者のステータスを持つフールーダには並の神官では全く刃が立たないので、対抗策として任務で法国から離れていたこの少年が呼び戻されたのだ。ここにはいないが、宝物庫にいる番外席次にも最初に声がかかったが、全力で要請を拒否している。

 

 肝心のフールーダは第一席次が打ち込んだ拳で床に伸びていた。

 

 「あらあら! まぁ大変!」

 

 「天使様!!」

 

 すぐ傍に転移して現れた天使に第一席次とこの場にいる神官達が急いで跪くと頭を下げる。

 

 帝国の使者達も天使を見て驚きながら、痛む体をおして頭を下げた。

 

 「ああああ!! ザマ゛エ゛ル゛ゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

 サマエルを見るとインランはよちよちと這いずるようにして縋り付く。

 

 「あらぁ…… これは酷いですねぇ……」

 

 ニッコリと微笑みながら、サマエルは縋り付いてくるインランの頭を撫でた。

 

 「ごわがったよぉおおおおお!!!」

 

 「うふふふふ…… 後は私にお任せ下さい」

 

 ここぞとばかりにサマエルはインランの全身を味わうようにネットリと撫でまわしていく。だが、非常事態なので誰もそんなところは見てなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫く時間が経ち。

 

 ナザリック執務室。中央に置かれたソファーとテーブルに、この地の支配者二人の姿があった。

 

 「ジジイ怖い。もーやだ……」

 

 「お、おう。大変だったそうだな」

 

 ソファーに死んだようにグッタリと横になったインランが、虚ろな瞳でブツブツと呟く。

 

 「あたし穢されちゃった……穢されちゃったよぅ……」

 

 「ふむ、インラン封じとしてその爺さんは使えるかもしれんな……」

 

 モモンガのとんでもない発言を受けて、インランはガバリと起き上がる。

 

 「ちょっと! そこは可哀想にって優しく抱きしめるところでしょおおおおおお!?!?!?」

 

 「なんだお前、元気じゃないか」

 

 「元気なはずないでしょーが! ジジイにアソコもおっぱいもぺろぺろされたのよ!? 新世界の扉開いちゃうかと思ったわよ!!」

 

 「言葉で聞くともの凄いな…… しかし、その爺さんはバハルス帝国とかいう人間達の国の重鎮なのだろう。大丈夫なのかそんな変態がいて」

 

 モモンガはそんな変態が上層部にいる国を想像して顔を顰めた。

 

 「あたしもまさか衆人環視の中でレイプされるとは思ってなかったわよ…… 油断してたわ…… ジジイのレベルがこの世界では無駄に高いせいで誰も助けてくれなかったし……」

 

 「レベル40台だったか、この世界の人間のわりには頑張ってるじゃないか」

 

 「いきなり女の子をレイプする凄まじい変態だけどね。あんな変態を抱える国とか絶対マトモじゃないわ。滅ぼしましょう」

 

 「待て、お前がソレを言うのか」

 

 「え?」

 

 「えぇ……」

 

 困惑顔のモモンガと、キョトンとしているインランが見つめ合う。

 

 「おほんっ、ところで、あのクレマンティーヌとかいう元気な娘はどうしているのだ?」

 

 「エロ最悪にずっと閉じ込めてるわよ? 気丈に抵抗していて最高だわ」

 

 「うわぁ……」

 

 「あのジジイもエロ最悪に放り込めばいいんじゃないかしら? とりあえずムカつく奴らは全部放り込んじゃいましょうよ」

 

 「なんという極悪…… 俺がアレに放り込まれたなら素直に死を選ぶな」

 

 「ん? じゃあ今度からギルド長が変なこと言い出したらアレに放り込んであげましょうか?」

 

 「お前には血も涙もないのか、なんだかんだ10年も一緒に遊んだ仲じゃないか」

 

 顔を青くしてモモンガは震えた。

 

 「ふふふ、冗談よ。だってエロ最悪に放り込まずにあたしがもっと凄いことしてあげるからね!!」

 

 モモンガはさらに震えた。

 

 

 

 

 

 




 ジジイレイプの現行犯逮捕

 全身世界級(ワールド)装備で魔力関係ステータスにも超ブーストかかってるインランを直視してマトモでいられなかった
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