(未完)異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!?   作:DENROK

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KENZENフィルターを通すために僕は両手を縛ってこの話を書き上げました




本編
第1話:それはまるでネタの無い寿司のような話


 

 

 重厚な石造りの建築物が多数建ち並ぶ場所で、巨大な石の塔の間を縫うように多数の人影が行き来する。石畳の街道はガリガリと音を立てて踏みしめられ、行き交う人々が話す声が騒がしい。多数の石の塔が突き刺す空は薄暗くどこまでも曇天が広がっているが、地上は喧騒に溢れており明るい雰囲気で満たされていた。

 人間種専用の街であるこの場所には、現在大量のプレイヤー達が詰め寄せている。今日はユグドラシルのサービス終了日であるから、普段はフィールドに散らばるプレイヤー達が街に集まり、お祭り騒ぎを起こしているのだ。

 

 街の商店街にも人が集まっている。

 

「さぁさぁ、なんと神器級(ゴッズ)アイテムがたった1億金貨だよ!」

 

「こっちは1000金貨だ!」

 

 どうせ明日には消えて無くなるデータであるから、神器級(ゴッズ)アイテムなどのレアリティの高いアイテムが普段ではありえない価格で売りに出されていた。もう使う機会はないのだから買う側にとっても売る側にとってもお遊びに過ぎない。いや、これはゲームなのだが。

 

 

 

「ちょっと、あんたの装備売りなさいよ」

 

 売り手に横から声をかけてくる者がいる。その声は玉を転がしたように綺麗な少女のものだ。

 

「おぉ?ってお前はインランじゃねーか!?生きてたのか!?」

 

「ゲゲー!?垢バンされてないだと!?運営はバカなのか!?」

 

 売り手達は声をかけてきた者を見るや、オーバーリアクション気味に驚く。

 

「あははは!あたしが垢バンなんてお間抜けな目にあうわけがないでしょ!」

 

 声をかけた者である少女は手の甲を口に当てて高飛車に笑った。その少女は前をほとんど開いたパーカーを1枚着ているだけの姿で、それ以外には下着を含め何も身につけていないようにしか見えない。艶のある長い黒髪は黄色い蝶々型の大きなリボンでツインテールに纏められており頭から両サイドに垂れ下がっている。容姿はアジア系で全体的に異常に整っており、ユグドラシルで販売されるどんな素体よりも造形に拘りが感じられた。

 

「あー、でなんだっけ俺の装備が欲しいのか?」

 

「そうよ、確かあんたのギルド『ファウンダー』持ってたでしょ?それをあたしに頂戴」

 

「ファッ!?なぜそれを!?」

 

 売り手の男の肩がビクッと跳ね上がる。

 

「おほほほ!インラン様の情報網を舐めないことね。うちのギルド長は魔法職だからソレを最後のプレゼントに贈りたいのよ。まぁタダでくれとは言わないわ。あたし謹製の設定資料集と交換でどうよ」

 

 裸パーカーの痴女が胸元に手を突っ込む。引き抜かれた手には薄い冊子が掴まれていた。

 

「お前のってあの呪いのアイテムか!?」

 

「のろ!?」

 

 痴女が驚いたように固まる。

 

「だってソレってあの呪いのアイテムだろ?見た者が運営から垢バンを喰らったっていう・・・・・・」

 

「・・・・・・垢バンじゃなくて警告ですー。それにコレはもう修正してあるから警告も飛んでこないわよ」

 

 ヒラヒラと痴女が冊子を振る。

 

「でー、『インランの設定資料集』欲しくないかしら?これはあたし以外には複製不可にしてあるから、結構レアよ?あたしの来歴、アウラちゃんとの甘い生活。メイドとの逢瀬など、インランとNPC達の生活も赤裸々に漫画で掲載されてるわ。元は18禁漫画だけど、今は15禁くらいの内容に修正したから、サービス終了までしっぽり愉しめるわよ?」

 

「ぬぅ・・・・・・それはリアル側の端末にデータを抜けないのか?」

 

 男は顎に手を当てて唸った。

 

「やってみたらー?あたしは制作者だから勿論抜けるけど。あんたに出来るかは分からないわね。んーでも『ファウンダー』くれるなら、あたしの端末から元データを直接送ってもいいわよ?あたし最近寝不足で疲れてるから、18禁の初版の方のデータをうっかり送っちゃうかもしれないわねー」

 

「・・・・・・いいだろう。ここで待っていてくれ、持ってくる」

 

 男はその場から転移して消え去る。

 

「な、なぁ俺のギルドの世界級(ワールド)欲しくないか?いやぁ実はうちのギルド二十を保有しててさぁ」

 

 別の男が痴女に話しかけてきた。

 

「へぇ、興味あるわね、せっかくだし全身世界級(ワールド)で固めて、うちのギルド長を驚かせようかしら」

 

 裸パーカーという痴女にしか見えない格好をした美少女型プレイヤー、チャオ=インラン(超淫乱)ことインランは、胸元に手を突っ込んで新たな冊子を何冊も取り出した。

 

 なお、インランのリアルの職業は、それなりに名の売れたエロ漫画家である。

 

 

 

 

 

 

 ギルド、アインズ・ウール・ゴウンのギルド拠点であるナザリック地下大墳墓。その中の最下層にある円卓の間には円上の机を囲むように全部で41個の椅子が均等に配置されていた。現在その椅子の一つが埋まっている。

 

「ギルド長ー。カワイイガールフレンドのインランちゃんが帰ってきましたよー」

 

 円卓の間の扉が開く音と共に良く通る少女の声が響く。円卓に座りテーブルの上で組んだ腕に尖ったAGOを乗せていたローブを纏った骸骨が、扉の方に目を向けると、裸パーカーに黒髪ツインテールの美少女が片手を振りながら笑顔のエモーションを連発していた。

 

「すみません、ちょっとログアウトして吐いてきていいですか?今のインランさんの発言で気分が猛烈に悪くなったので」

 

 ローブを纏った骸骨ことモモンガが、口元に手を当てて震える。ゲッソリした顔のエモーションがふよふよとモモンガの背後に漂っている。

 

「はぁ!?こんなにカワイイ友達がいて何が不満なの!?」

 

 ツインテールを広げて肩を怒らせた美少女がバシバシと円卓を叩く。

 

「いや、勘弁して下さいよ、俺、オフ会でインランさんに会ってるんですから・・・・・・それでカワイイガールフレンドとか言われると思わず舌を噛み切りそうになります」

 

「うぐぅっ・・・・・・あんた言ってはならないことを言ったわね」

 

 モモンガの目の前で、連発された泣き顔のエモーションが花びらのように広がった。あるいはクジャクの羽か。モモンガはクジャクを知らないが。

 

「いいのよ、あたしはユグドラシルでは超美少女のインランなのだから!」

 

「メンタル半端なく強いですよねインランさんって。ペロロンさんとかオフ会に出た後、ショックで暫くインしなかったじゃないですか」

 

「幻想をリアルに持ち込むからダメなのよ。だから童貞なのよ」

 

 ツインテールの美少女はなんでもないことのように言い切った。

 

「童貞は関係ないだろー!?」

 

 骸骨の骨で円卓を叩き、モモンガは勢いよく立ち上がる。

 

「ぷー!童貞乙!」

 

「あんただって童貞だろうが!」

 

「あたしはダイブ型のエロゲーで童貞捨ててるわよ!失礼ね!」

 

 美少女が円卓を叩きながら怒り顔のエモーションを行う。

 

「ファッ!?何言ってんのあんた!?」

 

「アウラのデータを抜いてあるから、既にあたしはアウラとラブラブエッチを体感済みよ!!あははははははは!!!!」

 

 おほほほ!美少女は手の甲を口に当て高らかに笑う。

 

 

 

「茶釜さんが来てなくてよかったですね。来てたらちんこもぎもぎされてましたよ」

 

「あら、結局来なかったんだ。まぁログイン履歴で分かるけどねー」

 

 ツインテールの美少女はモモンガに用意された席の隣に座る。モモンガもインランの横のギルド長の席に座った。まぁ別に指定席とかないのだが、なんとなく決まっている感じである。

 

「結局、来たのは数人ですね。円卓の間で()を待ってたけど、これならインランさんと人間の街にくり出した方が良かったかもしれませんね」

 

「まぁオンゲーの最後なんてこんなもんじゃないの?いいじゃない、あたしがいるんだから」

 

 ぽんぽんと美少女が骸骨のローブで覆われた肩を叩く。

 

「・・・・・・っおげえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」

 

 突然椅子から床に崩れ落ちて、そのまま床の上を転げ回る骸骨。

 

「ちょ!?えっ!?」

 

 男の悲鳴と、骨が擦れるカチャカチャという音が円卓の間に木霊した。

 

 

 

「勘弁して下さいよ、なんか旧世紀ではネカマを隠していたことで、死傷事件にまで発展したことがあったそうですよ」

 

 モモンガは椅子に座り直して円卓の間に突っ伏している。

 

「あたしはネカマじゃないもん!ゲームの中では超カワイイ女の子だもん!」

 

 握りこんだ両手の拳を上下に振るってインランが喚く。

 

「済みません本当に気分が悪くなってきたのでログアウトしていいですか?」

 

 骨の手を口に当ててぷるぷるとモモンガが震える。カチャカチャと骨が擦れる音が鳴っている。

 

「なんでなのよ!いいじゃないゲームの中で理想の美少女になりきったってさー!!」

 

 インランは美少女アバターで円卓に突っ伏した。

 

 

 

「はぁ、まぁいいわ。そろそろ頃合いだし玉座の間に行きましょ」

 

「・・・・・・そうですね」

 

「まぁ、そう落ち込まなくてもいいじゃない。あたし達はこのあと別のゲームで遊びましょ」

 

「俺はユグドラシルがなくなったら何しようかな・・・・・・」

 

「エロゲーしようぜ!!」

 

 グッと親指を立てて、目も覚めるような美少女が快活に叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 ナザリック地下大墳墓、玉座の間。

 

「・・・・・・やっぱりインランさんのエンブレムはちんこにしか見えませんね」

 

 玉座の間の壁面に掛けられた巨大なエンブレムのひとつをモモンガが指さす。

 

「あれはユムシよ。ちんこじゃないわ。運営にもソレで通してるんだから」

 

 現在の玉座の間にはセバスや戦闘メイドなどのNPCに、玉座の間が定位置のNPCであるアルベドが控えている。モモンガは玉座の間に座り、インランはその傍に立つ。

 

「ところで、敬愛なるギルド長にプレゼントよ」

 

 綺麗な指輪を嫋やかな少女の指で摘まみ上げて、インランは玉座に腰掛けるモモンガの目の前まで近づいてきた。

 

「え?この指輪はなんですか?」

 

 シンプルながらも格式と調和を感じさせる美しい装飾の指輪をモモンガはインランから受け取って、骨の指で摘まみ上げている。

 

「結婚指輪」

 

「いらん」

 

 ぽいっ。

 

 指輪が乱暴に玉座の間の入り口の方に投げ捨てられた。

 

「『ファウンダー』がぁあああああ!!!!」

 

 インランは必死さが滲む声で玉座の間を逆走した。

 

 

 

「えー、ギルド長の大変失礼な行為によって、この指輪はあたしが付けることになりました」

 

 視界の中を占める大量の怒り顔のエモーションを見ながらモモンガはちょっと申し訳ない気持ちなっていた。

 

「いやいや、済みませんでした。まさか『ファウンダー』だったとは」

 

 今、インランの少女の可憐な指全てに嵌められた10点の指輪の内の1点は、先ほどモモンガが投げ捨てた指輪である。

 

「まぁいいわ、どうせもう使うことはないのだし、誰が装備しても同じよね」

 

 今のインランの指には指輪が嵌まっているのが“見えて”いた。通常のインランは外装統一によって裸パーカー1枚を羽織った外見であり、当然指輪も非表示になっている。要するに、今のインランは外装統一を解除し、装備スロットに装備しているものがそのまま全て外見に表示されている状態である。

 

「しかし、もの凄いゴテゴテしてますね。それが全身世界級(ワールド)ですか」

 

「多くのプレイヤーの夢見た装備がコレだと地味にショックね」

 

 インランの美少女の外見を着飾る装備は、上着や下着、各部位に装備された鎧に至るまで外観に全く統一感を感じられないものだった。鎧も部位ごとに色や造形の雰囲気がまるで異なり、モザイク画を想起させるようなチグハグな見た目になっている。

 

 しかし、見た目はともかく、今のインランの装備スロットに入れられた装備はほぼ全て世界級(ワールド)である。見た目はともかくもの凄い性能を秘めた装備を全身に纏っているので、見た目はともかく恐らく今のインランはユグドラシルでも五指に入るほど強いだろう。見た目はともかく。

 

「はぁ、せっかくの世界級(ワールド)装備も、使う機会がないと虚しいだけね」

 

 モザイクな外見のインランが手を腰に当てて嘆息した。

 

「強欲と無欲はずっと装備してたんですか?」

 

 インランの美少女アバターの両手に装備された、片方は純白で片方は漆黒の見た目の籠手を指さして、モモンガが喋る。

 

「そうよ、これがないとアプデでビルド組み直す度にレベル上げしなきゃいけないもの。普段から使って経験値を貯めておいた方がいいわ」

 

「そのアイテムの正しい使い方ですね」

 

「まぁ、何年も着け続けてるから、もう十分どころか超過剰な量の経験値が貯まってるんだけどね。《星に願いを(ウィッシュ・アポン・スター)》で使ってみる?」

 

「何を願うんですか?」

 

「任せるわ」

 

「んー、皆が戻ってくるようにとか?」

 

「重すぎでしょ、どれだけ未練あるのよ・・・・・・まぁそんな選択肢があったら選んであげるわね」

 

 その場で超位魔法を発動させたインランの周りに球状の魔方陣が展開された。

 

「んー、沢山選択肢が出てきたけど、さすがにギルド長の願いは見あたらないわねー」

 

 浮かんできた選択肢を指でフリックしながらインランが喋る。

 

「じゃあ他に何か面白そうなのはありましたか?」

 

「・・・・・・彼女が出来る」

 

「なん・・・・・・だと・・・・・・」

 

「この選択肢を選ぶとインランという超カワイイ彼女が出来ます」

 

「チェンジで」

 

 

 

「えーっと、この“世界中のプレイヤーにメッセージ”とか面白いんじゃないの?」

 

「ああ、それいいですね」

 

 

『アウラのおっぱい、いいおっぱい』

 

 サービス終了に備えていた世界中のプレイヤーの目の前に突如現れたその怪文章は、困惑をもって迎えられた。

 

「ちょっと何送ってるんですか!?びっくりしましたよ!」

 

 その怪文章はプレイヤーであるモモンガの目の前にも出現している。

 

「これ楽しいじゃないもっとやりましょう」

 

 5レベルドレインという地味に重い経験値消費を強欲と無欲で補いながら、インランは超位魔法を再び発動させた。

 

 

 

「ん?“運営にお願い”があるわね」

 

「あー200の選択肢じゃ足りない場合に使う奴ですねきっと」

 

「超カワイイ美少女や美女達とエロいこと一杯したい。よし」

 

 インランは願いを表示されたフォームに書くと送信した。

 

「よしじゃないですよね。運営がソレ見たら警告じゃないですか?インランさん警告が溜まってるからそろそろ垢バンですよね?」

 

「いいのよ、どうせもうすぐ終わるんだし。はぁーコレ終わったらアウラとエロゲーの中で肉体言語を使ってコミュニケーション取りましょ。ムラムラしてきたわ」

 

「・・・・・・アルベドのデータは抜けますか?」

 

「ふひひ、スケベねー。大丈夫よナザリックのNPCどころかサキュバスのデータとかも抜いてあるから。後でギルド長の端末にデータ送るわね」

 

 たった2人のギルメンだが、わいわい騒ぎながら時間を過ごしていった。

 

 

 

 サービス終了まで残り時間も数分になる。

 

「ふぅ、これでユグドラシルも終わりなのか」

 

「12年は長かったわねー」

 

 しみじみと語るインランは裸パーカーの見た目に外装統一して戻っている。

 

「皆でナザリックを作っていた日々からそんなに時間が経っている実感がないですね」

 

「ダイブ型のエロゲーはもうこの10年でほぼ別物なくらい進化してるわよ?物理的な彼女なんていらないんだわ」

 

「あの、エロネタをぶっ込むのやめてもらえませんか?最後だししんみりと終わりましょうよ」

 

 玉座の間でギルド武器を握りしめたモモンガが脇に控えるインランに語りかけた。

 

「最後っていっても、あたし達には明日があるのよ。きっとそっちのほうが大事だわ」

 

「結構ドライですよねインランさんって」

 

「違うわ、夢を諦めていないのよ。アウラ達とエロいことをするという夢をね・・・・・・。ユグドラシルが消えても、未来のエロゲーがきっとこの夢を叶えてくれるわ」

 

 華奢な顎に可憐な少女の指を当てて、インランの美少女アバターがうんうんと頷く。

 

「格好いい感じに言ってもそれって単なるスケベ心じゃないですか」

 

「あたしは性を司る神霊の1柱よ。当然でしょ。妥協したらそれはもうあたしじゃないわ」

 

「エロ神めぇ・・・・・・」

 

「死を司る神と、性を司る神って良いコンビじゃないかしら」

 

 お互いのアバターに記載されたフレーバーテキストの内容をインランが語る。

 

「ふふっ、そこだけ聞くとそうかもしれませんね」

 

 肩の力を抜いてモモンガは笑った。

 

 

 

 サービス終了まで残り1分。2人残ったギルメン達は雑談を続けている。

 

「終わりよければ全て良し・・・・・・」

 

「そーいうこと。まぁナザリックも最後まで維持できたし、ギルメンにも顔向けできるわね」

 

「・・・・・・ギルメンが抜けてから、インランさんメチャクチャしてるじゃないですか、多分顔向けできない人達が結構いますよ」

 

「ふふんっ、彼らは抜けるときにあたしに言ったわ、ナザリックに残していくものは好きにしていいと!!つまりあたしがカワイイアウラやエロメイド達を捏ねくり回しても何の問題もないってことなのよ!!」

 

 胸を反らしてわははは!とインランは快哉を上げた。

 

「言ってましたけど実際にここまでやらかすとは多分想定してなかったと想いますよ。茶釜さんとか号泣ものじゃないんですか」

 

「うぐっ、も、もう時間もないのだし準備しましょ!」

 

 ピシャリとインランが言い放つ。時間がないのは事実なので、モモンガも小言を言うのをやめると玉座に深く腰掛けなおしてギルド武器の杖をしっかりと骨の手で握りしめる。インランは玉座のすぐ横でいつでもポーズを構えられるように待機。

 

 残り数秒。モモンガは杖を高々と突き出し。インランはカワイイポースを決めると目の前にピースの形にした指を横から持ってきて、さらに課金エモーションでウィンクを行った。

 

「アインズ・ウール・ゴウンに栄光「アウラのおっぱい揉みたい!!」あれ?」

 

 

 

 インランの裏切りにより、2人の声はハモらなかった。事前に交わされた盟約は果たされなかったのだ。お下劣な発言によりモモンガの最後の叫びは汚され悲しみと怒りにより死の支配者が目覚める。玉座から濃厚な絶望のオーラが吹き上がった。

 

「・・・・・・インランさん。決めてたじゃないですか、最後は一緒に叫ぼうって」

 

「てへぺろ♪」

 

 課金エモーションであるウィンクと舌ペロを()()()に駆使しながら自らの頭をコツンと可愛く叩くインラン。

 

「いやー、最後はもっと凄い言葉を叫ぼうと思ってたのだけど、直後にログアウトするギルド長の気持ちを考えてマイルドな言葉にしたのよ。最後の言葉がソレだとショックだろうし」

 

「十分ショックでしたよ!最後なんですから綺麗に締めて終わりでいいじゃないですか!?」

 

「あたしアウラのおっぱい揉みたかったんだもん!」

 

 意味不明なことを言い始める裸パーカーのツインテール黒髪美少女。

 

「揉めばいいじゃないですか!!」

 

「揉みたいわよぉぉお!!アウラのとか!!そこのやたら美人なアルベドのとかさぁあああ!!胸触ると感触を楽しむ間もなく警告と同時に感覚遮断されるのよぉぉ!!意味ないわよぉ!!」

 

 べしべしと床を裸足で叩いて地団駄を踏む音が玉座の間に響く。

 

「私のもので良ければ喜んで!!くふー!!」

 

「「えっ」」

 

 2人が聞いたこともないような、綺麗な女性の声がした方に目を向けると、金色の目をギラギラと輝かせてハァハァとピンク色の呼気を吐き出しながら、パタパタと腰の黒い羽を動かすNPCであるアルベドの姿があった。

 

 

 

 




 慈しみに溢れた御手で、性を司る神は私の魂に触れられ、優しい指使いで試練を与えられた。未熟な私は試練に耐えられず悲鳴を上げたが、神は優しい声音で仰られた「解き放ちなさい。私は全てを見ています」私はその言葉に感動を覚えながら魂を解き放った。

 的な聖典の一節のような話が今後続きます。
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