(未完)異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!?   作:DENROK

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ルベド回 シズ回


第24話:超融合

 

 

 

 「インラン!!」

 

 「うがああああああ!!!!! もっと力を゛おおおおおおお!!!!」

 

 押し負ける。

 

 掴み合った腕同士が片方は鈍い音をもう片方はアクチュエーターが唸るような悲鳴を上げる。

 

 「インラン様!? 援護を!!」

 

 「いらん!! 邪魔だ!!」

 

 モモンガが飛び出そうとする守護者を殴る勢いで手を翳して止める。

 

 インランと対峙するカジュアルな服装に身を包んだ少女は冷徹な無表情で掴んだ手を押し込んでいく。

 

 砂漠の第八階層の大地にインランの足がめり込んだ。

 

 

 

 ぶわりとインランの纏う金色の光が一際濃くなり、瞬間的に押し勝つ。

 そのままマウントを取るように押し倒し、インランは少女を腕を掴み合ったまま押さえ込んだ。

 

 「ギルド長!!!」

 

 「おう!!」

 

 飛び込むようにしてモモンガが組み伏せられた少女の頭部に屈み込み、肌が一部欠けて中身の金属骨格が見えている部分に指を突っ込む。

 

 「取ったぞ!」

 

 モモンガがそう言った瞬間少女は事切れたように全身から力が抜けてグッタリと動かなくなった。

 モモンガの手には手の中にスッポリ収まるほど小さな平べったい物体が握られている。その端からカバーのないUSB端子のようなものが飛び出していた。

 

 

 

 立ち上がり、額の汗を拭いながらインランが口を開く。

 

 「ふぅ! 武装解除しておいて良かったわね。 ルベドが武装してたらこの階層を焦土にしても足りなかったかもしれないわ」

 

 「それじゃあこのチップをどうします?」

 

 「これは当分はチップ単体で使うわ。単純な演算装置としては運営が用意した世界級(ワールド)クラスで、当然文句なく最高性能のものだから、最強の無人機が作れるわよ」

 

 モモンガが手渡した平たいチップを受取ったインランがにししと笑いながら答える。

 

 その後、体を動かす脳に当たる部位を抜かれた少女型のアンドロイド、ナザリックにおいては「ルベド」と呼ばれたモノの体はハンガーに載せられた。

 演算装置、要するに脳が入っていない機械の体は決して動かない。

 

 

 

 「思ったんですけど、わざわざルベドの体を作り直さなくても、チップをリプログラムした後で、あの少女型のアンドロイドの体に戻して使えばいいんじゃないですか? あの体も世界級(ワールド)アイテムですよね?」

 

 「あの体は別のAIを載せて別途使うつもりなのよ」

 

 「ああ、なるほどー!」

 

 「ルベドの頭脳にはマクロスの中央演算装置になって貰おうかとおもってね。さすがに1200mクラスの巨体を動かすAIは超が100個くらいつく高コストだから、ルベドの世界級(ワールド)クラスの奴で流用できるならその分賢者の石の生産素材を他に回せるじゃない?」

 

 「結構考えてるんですね」

 

 「そりゃあ浪漫だからね」

 

 二マリとインランは笑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 インランの私室内、巨大な大型機械用のハンガーが並ぶ中、大きく天井が下がったエリアで、”CZ2128Δ”通称シズ・デルタはロボットアームに囲まれた中で直立し、わきわきと指を握ったり閉じたりする。

 

 「シズ? その体はどう?」

 

 「問題無い」

 

 外装は完全にシズの外見データを模しているが、中身は全く異なる。

 ワールドエネミー。ナザリックでの名をルベドと言う。そのルベドの体にシズ・デルタの脳にあたる演算装置を組み込むことで、事実上ワールドエネミーの体をシズが乗っ取った形だ。

 さらにルベドの外装データをシズのモノに上書きした形である。

 

 インランは”新生”シズ・デルタの正面のモニターが多数並ぶ場所に座り、画面に表示される情報に目を通していく。

 

 「データ量測定不能…… ヒューッ! さすがワールドエネミーね!」

 

 「凄い。とても凄い。表現出来ない」

 

 「うんうん喜んでいるみたいで良かったわ」

 

 無表情ながら自身の新たな体を褒めまくるシズにインランも笑顔で頷いた。

 そして後ろを振り返りながらさらに口を開く。

 

 「これでシズが名実共に戦闘メイドになったわけね」

 

 「うむ、シズなら絶対暴走しないでしょうし、これはナイス判断ですねー」

 

 シズをさらに後ろから眺めていたモモンガも頷いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「シズがレベル測定不能!? ふぇえええ!? 凄いっす!?」

 

 「私強くなった」

 

 ルプスレギナが口に手を当てて仰天する。

 元々シズはプレアデス内でも低レベルだったのだが、それが逆転どころか全シモベでも最強の力を得たのだから、これは言葉に出来ないほどの驚きだろう。

 

 「御方々の役により立てるようになったというわけね。おめでとうシズ」

 

 「ありがとう」

 

 この場にはプレアデスはシズ、ルプスレギナ、ユリの3人しかいない、他の者は任務で出張っているのだ。

 

 今はナザリック内の部屋の一つを使ってテーブルの上に茶菓子を並べてささやかなお茶会である。

 

 「それで新しい体も食事は出来るの?」

 

 「問題ない、全て処理出来る」

 

 ユリの問いにシズは頷き、ジュルジュルとストローでお決まりの超高カロリージュースを飲む。

 シズの体であるルベドは鹵獲前のワールドエネミー時代の設定では、人間達の間に潜伏するアンドロイドなので、食事などの人間であることを偽装する機能も有していた。

 食べることは出来るがもうシズの新しい体に食事など不要である。ルベドのワールドエネミーの機械の体に搭載されたリアクターは燃料補給不要で半永久的に莫大なエネルギーを生み出し続ける。ガルガンチュアに搭載されている世界級(ワールド)アイテムである無限エネルギーのようなものを今のシズは有しているのだ。

 それでも食事を行うのは姉妹達との交流と、シズ自身のささやかな娯楽である。

 

 「ふぅ、私もルプーも戦闘力は御方々に比べれば本当に微々たるものだから、勿論そのように創造されたあり方に不満は一切ないわよ? お仕え出来るだけで身に余る光栄です。けれど、……正直シズが羨ましいわ」

 

 「私もメイドとして侍り、この体を楽しんで頂くくらいしか今は出来ることがないっす……」

 

 「適材適所」

 

 シズはバッサリと切り捨てた、そのように創造されたのだから不満に思うこと自体が不敬であり間違いなのだ。

 ただユリとルプスレギナはシズの”進化”を見て自身と比べてしまったのだ。

 シズの変身は種族の特徴を活かしたかなりアクロバットな方法なので、こればかりは羨ましがってどうにかなる問題ではない。

 自動人形(オートマトン)は体を組み替えることが出来る種族である。今回シズは一気に体を全て取り替えただけの話だ。尤もこんなことが出来る種族はかなり限られるが。

 シズは自身の創造主たる死獣天朱雀はこのことを見越して自身を自動人形(オートマトン)として創造したのだろうと確信し、己の創造主への畏敬と崇敬の念をますます強めていた。

 

 他の機械系種族の者の中にも機械系種族のワールドエネミーの体を”乗っ取った”者がいたかもしれない。

 そんな益体もないことを考えながら、シズは敬愛する姉妹を慰めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 インランの私室、ハンガーがある大型格納庫。

 インランはタブレット端末をぶら下げながら、正面の大型モニターを操作していく。

 モモンガはソレを呆れた顔で眺めていた。

 

 「マクロスを作ろう。 マクロス! マクロス! マクロスキャノン!」

 

 「100年後には出来てるといいですねー」

 

 ぼへーっとした感じでモモンガはやる気なさげに応じる。

 

 「ちょっと、もっとやる気出しなさいよ! 宇宙戦艦よ!? 宇宙へレッツゴーよ!?」

 

 「全長1200mの超巨大宇宙戦艦とか、素材を調達するだけで時間が年単位で飛びますよ」

 

 「いいじゃないの、ゆくゆくはマクロスで大陸全土を征服するんだから。当然最高の部材で組むわよ!!」

 

 「装甲はメガストラクチャー、動力部はメタトロンのアンチプロトンリアクターですか? 装甲材だけで一体どれだけ時間がかかるのか…… あの巨体を駆動させる動力炉も出力に見合う大型のモノになるでしょうし……」

 

 「いいのよ時間は、あたし達は寿命じゃ死ねないんだからどうせならそれぐらい大事業の方が良いわ!! あと中枢演算装置はルベドの演算装置で代用できるから、これだけでかなり建造時間が短縮してるわよ!! まぁ動力は最悪ガルガンチュアをバラして無限エネルギーを組み込めば解決するし!!」

 

 「マジか、本当に造るのか……」

 

 インランの熱気と目を見たモモンガが唸る。目がマジだった。

 

 「でもあたしも早く宇宙戦艦が欲しいから、取りあえずマクロスクォーターを安く造りましょう!!  設定的にはコッチの方がテクノロジーは進んでるけどね! まぁ安い部材でチョロっと組んじゃいましょう!」

 

 「でたよ無駄遣い脳が……」

 

 モモンガは嘆息した。

 

 「アダマンタイトが腐るほどあるからソレで構造材・装甲全部を組んで張りぼてだけどマクロスクォーターの形にしちゃいましょう!! 動力だけはコジマジェネレーターをメインに少しメタトロンのアンチプロトンリアクターも使った複合型にして出力だけは一丁前にして、それで搭載機は新鋭機を搭載して──」

 

 ふんすふんすと鼻息荒くインランが捲し立て、モモンガはそれに不承不承頷くのだった。

 実際資源は今後無尽蔵に生まれ続けるのだ。あまり節約を考えることもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 と思っていた時が僕にもありました。どうもモモンガです。

 モモンガはそんなことを思ってしまった。

 

 「出来た! マクロスクォーター!! まぁガワだけで中身は結構違うけど!」

 

 第四階層内、超巨大格納庫の空間拡張魔法でほぼ無限の容積を持つ倉庫の一角に巨大戦艦が佇んでいた。

 

 4隻。

 

 「おいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!」

 

 「ん? 何? いやー400mの戦艦が4隻も並ぶと壮観ねー! わははは!」

 

 「お前ええええええ!!! 4隻ってお前えええええええ!!! 資材はどこから出したんだよおおおおおお!!!」

 

 「えー? 宝物殿に余ってたゴミ素材を全部使っただけよ? 動力とかバイタルパートだけは上等な部材を使ってるけどねー 宝物殿の行き場のないゴミに使い道が見つかって良かったじゃない。でもまだ残ってるのよねぇ」

 

 辟易したと言わんばかりに眉を歪めてインランが語る。

 だが、モモンガは追撃の言葉を投げかけた。

 

 「4隻も使って何する気だよ!? 無駄だろ!?」

 

 「いやいや、輸送機とか色々使い道があるでしょ。運送に革命が起きるわよ」

 

 「それならば宇宙戦艦である必要はないだろうが!! お前は宇宙に輸送するつもりなのか!?」

 

 「あー! 良いところに気がつくじゃない、丁度巨大な人工衛星をパーツ毎に分けてコイツで持って行って宇宙で組上げようとしてたのよ! 宇宙に転移出来るか分からないからねぇ。 でも、さすがに気づいちゃった? こっそり造ってたんだけど」

 

 「ファッ!? お前まだ何か造ってるの!?」

 

 目眩を感じたモモンガがたたらを踏む。

 

 「えへー! 宇宙要塞よ! いやー資源が足んなくてねー。取り合えず基本フレームだけは造ったんだけど主要な機関部が幾つも未完成だわ」

 

 「ま゜!!(心停止)」

 

 モモンガは転移後二回目となる奇声をあげた。

 

 

 

 

 




 インランの神気開放スキルは、各種判定をインランに有利にする効果があります。「拘束成功率」「鍔迫り合いで押し勝つ確率(腕力+確率)」などを対ルベドでは上げました。
 神気開放で開放する金色の粒子は生産量・貯蔵量に上限があり、粒子濃度でバフ効果も変化します。
 貯めてここぞという勝負時に一気に最大濃度で使うという運用を対ルベドでは行いました。最後に押し勝てたのは高濃度の神気によって「拘束成功率」「鍔迫り合い」などの各種判定に勝ったからです。
 インランもルベドもどちらも内部データ的には世界級キャラクター扱いなのでお互いに相殺しあって拘束が効きます。
 インランは本人達は気づいてないですが、新規に世界級職業クラスを取得しています。主に世界級装備の運用に長けたクラスです。まさに作品裏テーマである「虎の威を狩る狐」に見合った最強のネタクラス。

 ルベドはターミネーターシリーズの「サラコナークロニクルズ」のヒロインを務める少女型ターミネーターTOK715です。
 あんまり設定とか書いても読者は興味ないかな?と思ったので結構省略しました。

 あと、結構アッサリルベドを取り押さえてますが、正面から掴み合いとか腕力特化型のパワービルダーのプレイヤーにも無理です。まぁギャグ小説なのでここら辺を真面目にシリアスに考える必要はないですが。


 マクロスクォーターはガワだけの張りぼてです。装甲もペラペラです。一応動力系のバイタルパートだけは一級品なのでマクロスキャノンも撃てます。反応エンジンクラスターによって宇宙へも飛べます。
 一番凄いのは動力系の本来代えの効かない希少素材をバンバン生み出せる点なんですよね。この部分が一番コスト高いので。本当アイテムチートやで。
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