Infinite Stratos Other Wings   作:槇島 包呉

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Swich on!

いざ方針は決まったもののまだISの使用許可が出ていない為解散した日の放課後、織斑くん達と達と別れた後で格納庫へと私は向かった。

「準備はいいか?」

更衣室を出た私にそう尋ねたのは馴染みつつある黒いIS学園の制服ではなく、映画などで見るような戦闘機用の耐圧スーツを多少スマートにしたデザインの専用スーツを着た畝霧くんだった。

「うん。」

「こっちの飛行許可はとってある。搭乗者の申請した時は航空管制の女教官にものすごい目つきで睨まれたがな。」

「あー・・・・・・ありがとうね。」

冗談のつもりなのかそんな事を言う畝霧くんにお礼を言う。

「いや、言い出したのはこちらだ。それにデータ取りも兼ねているんだ遠慮はいらない。」

照れ隠しなのかそんな風に言う姿に新鮮さを覚える。

そこへ背後から不機嫌そうにも聞き取れる声で初めて見る人物が語りかけてくる。

「早く始めないのか?組み合わせは6号機がラファール、7号機が打鉄に似せてある。好きな方に乗ってくれ。」

「えっと、この人は・・・・・・?」

どう見ても同年代には見えない作業着姿のその男性の事を尋ねると畝霧くんがEAFの開発主任であることを教えてくれた。

「伊振大兎だ。好きなように呼んでいい。」

手短にそう告げた男性は手に持っていた端末に6号機と書かれた資料を表示させる。

「機体の操作設定やインターフェースはある程度にはISに合わせてある。そっちのほうがいいんだろう?微細な分は今日中にフッティングを終わらせるつもりだからな。」

矢継ぎ早にそう言ってくる伊振さんの言葉に頷く。

「よろしくおねがいします。」

この時に私にはここまで来て引き返すという考えは浮かばなかったのだ。

 

(息苦しく感じるな・・・・・・)

顔がむき出しのISと違い目まで覆うような大型のヘッドパーツを採用しているEAFを装着しての最初の感想がそれであった。

まだモニターも起動中なので外界が見えるということはなく、顔を覆っている物の感触と薄暗い中に表示されるセットアップ画面が余計にその息苦しさを加速させている気がする。

『聞こえるか?』

「うん。」

自分の五感が広がるようなISのハイパーセンサー類とは違い、自身がそういった物をまとっているとしっかり理解させる硬い感覚のあるヘルメットの中で耳元のスピーカーから畝霧くんの低めな声が聴こえる。

そうしてその声に続くようにモニターが起動して実際に先程まで自分の目で見ていた景色とあまり変わらないクリアな映像が表示された。

『聞こえていたら右手を軽く上げてくれ。』

その言葉に従って右腕を上げてみるとISと同じように腕を取り巻くように固定されていた7号機の腕パーツが肩から繋がるアームによって重さを感じさせずに持ち上がる。

「・・・・・・不思議な感覚だね。」

『今回用意したのは4号機用の直接操作対応型を流用したものらしいからな。グリップ操作のISと全く同じ型はちょっと間に合わなかったんだそうだ。』

ドーム状のコントローラーの上に手を置いて細かく配分されたキーをバイザーのアイガードに表示された仮想キーボードと感覚だけで操作していく。

『そのまま手首を縦になるように回せばキーボードのボタン操作がロックされてトレース操作に切り替えもできる。システム操作をできなくなるが直感的に腕のみを操作したいときはそれで対応できる筈だ。』

指示される言葉に合わせて手首を縦になるようにすると音もなくドーム状のコントローラーも共に回転する。

そのまま拳を握りしめるように動かすと先ほどまではパソコンのキーボードなどと同じクリック的な感覚だったボタンがレバー操作のように奥までスライドするようになり、更に元の配置へ戻ろうとする力によって抵抗を返してくる。

数度拳を握ったり開かせたりする間に疑問が浮かび上がってきたのでインカムに尋ねる。

「手をおもいっきり開きたいときは?」

『少し待ってくれ・・・・・・一度手の甲で上のパネルにタッチして指の上にあるボタンをスライドさせればいいらしい。そこで手の甲をもう一度パネルに当てると指が開いたところでがロックされるそうだ。ただ単に開くだけなら手の甲の操作なしでそのまま指だけ動かすといい。』

「拳を握って固定も手の甲で同じ感覚?」

その通りだ、という畝霧くんの返事を待たずして試してみればその通りカメラを通して見える機械の手が拳を握りしめる。

「だんだん楽しくなってきたよ。」

『それは何よりだ。』

こうして誰にも言うことの出来ない秘密の特訓が始まったのだった。

 

 

 

Ex.SCENARIO

 

その夜、清香が訓練を終えた後のEAF格納庫で通信する声がある。

「・・・・・・そういうわけで、7号機のデータ取りも開始することにした。上にもそう伝えてもらえるか?」

その一人は先程までここにいて訓練に付き合っていた人物である畝霧蔵人であった。

「面倒事押し付けるのやめろよな。」

通信の相手は同年代ほどの若い男性であるがその声は既存のEAFパイロットのものではない。

「これでも感謝してる。」

「ま、そっちの学園に行ってない分は外で動いてやるよ。」

蔵人の例の言葉に若い男の声が軽く返事をする。

「それで7号機の・・・・・・相川清香だっけ?どうなの。」

「筋は悪くない。むしろ才能はあるだろう。」

素直に褒める蔵人の言葉に相手が意外そうな声で尋ね返す。

「そうなのか?」

「初日にして結構自在に動かしてた。あれはセンスも無ければそんな結果になるような代物ではないだろう?」

「そうだな。俺達(EAFパイロット)が一番知っている事だ。」

「そういえばそっちの9号機の方はどうなんだ?」

蔵人のその問いかけに待ってましたと言わんばかりの調子で相手は語る。

「もうそろそろ調整が終わって飛行可能になりそうだ。データはもう完成してるから今度そっちに送るように手配しておく。プロフェッサー達にもよろしくな。」

「了解した。」

 

 

 

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